オレンジカード
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オレンジカードとは、JR各社で利用できるプリペイドカード。オレカとも呼ばれる。国鉄時代の1985年(昭和60年)3月25日に関東圏の主要駅で販売が開始された。JR東日本ではピーク時の1991年度には327億円の売り上げがあったが、イオカードやSuicaの普及に伴い2005年度には17億円と急減している。
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[編集] 概要
オレンジカード対応の自動券売機で乗車券(切符)の購入に利用できる。また、オレンジカード対応の自動精算機・有人改札のカード処理機で乗り越し精算にも利用できる(※JR常磐線との共用駅である東京地下鉄千代田線の綾瀬駅・北千住駅の自動精算機ではイオカードは使えるがオレンジカードは使えない)。但し、JR西日本では一部の駅の窓口でも利用できる。ただし、イオカード(2006年2月10日まで)、Jスルーカード、ワイワイカードのように自動改札機を使って運賃を自動精算することはできない。
以下の点は、他の乗車カード類の場合も共通するが、オレンジカードで他のオレンジカードやイオカード(現在は発売していない)、Jスルーカード、ワイワイカード、Suica、ICOCA、TOICAなどのカードの購入やチャージ(入金)はできず、車内精算で使用することもできない。
また、各社から他のカードが積極的に導入されている地域、あるいはオレンジカードが使えない地域の人にとっては存在が薄れつつあり、存在すら知らない人もいる。このため、オレンジカード対応の券売機が取り替えられて無くなってしまったり、オレンジカードを発売していない駅も出てきている。しかしながら、現在もJR北海道、JR四国では定期的に新デザインのカードを発売しているほか、記念カードが各社から発売されており、鉄道ファンを中心に親しまれている。
余談だが、簿記上でオレンジカードは交通費にあたる。本来であればカードには消費税は含まれず、乗車券と引き換えた時点で消費税が発生するが、帳簿上は購入時点で乗車券を購入したものとして消費税込みとしてカード代を計上することができる。但し、他人に譲渡する目的(例えば、販促品として配布)で購入するのであれば、商品券等と同じ扱いであり非課税品として処理する。
新幹線のみが停車する長野新幹線の上田・安中榛名と東北新幹線の二戸・いわて沼宮内、上越新幹線のガーラ湯沢、東海道新幹線の新富士、在来線の無人駅およびみどりの窓口未設置駅ではオレンジカード対応の自動券売機が設置されていないため、オレンジカードを使用しての乗車券購入はできない。ただし、新幹線のみが停車する軽井沢駅や上毛高原駅、みどりの窓口未設置駅である鶴見線の各駅など、一部の駅ではオレンジカード対応の自動券売機が設置されているので、オレンジカードを使用して乗車券を購入できる。なお、JR西日本では、新幹線単独駅に設置されている一部の券売機を除いてオレンジカードが使用でき、在来線扱いのJR西日本博多南線博多南駅でも使用できる。みどりの窓口設置駅ながら、小諸駅(しなの鉄道管理駅)、佐久平駅、左沢駅では使用できない。
オレンジカードで購入した乗車券類は、みどりの窓口(上記の新幹線のみの駅など、オレンジカード対応の自動券売機が設置されていない駅のみどりの窓口も含むが、JRバス駅のみどりの窓口での取扱は不明)で乗車変更の取り扱いができる。
首都圏のSuica利用可能エリアでは、オレンジカードの存在が薄れてきているが、オリジナルデザインを販売している駅もある。成田駅で「成田山参拝記念」のカードを、成田空港駅および空港第2ビル駅で「鹿島スタジアム」のカードを、高崎支社管内で高崎支社オリジナルカードを、八王子支社甲府地区などで八王子支社オリジナルカードを発売している。
ところでJR北海道では2003年6月20日から、JR東日本では2005年頃から段階的にクレジットカードでのオレンジカード購入ができなくなった。これは金融業者が多重債務者にクレジットカードで買物をさせて安値で買い取るなどの犯罪的行為に寄与しないため取られた措置とされるが、十数種のオレンジカードをコンスタントに発売している地域でこれらを収集するためには、多額の現金を持ち歩かざるを得なくなった。
[編集] 額面
現在は500円分(オリジナルオレンジカードのみ)、1,000円分、3,000円分の3種類のカードが発売されている。かつては、10,000円分(10,700円分)、5,000円分(5,300円分)の2種類、合計5種類のカードがあったが、この2種類については偽造カードが横行したため1996年度末(1997年3月)をもって廃止され、翌年1998年からは使用もできなくなっている。廃止された額面のカードは、一部の駅で1,000円、3,000円額面のカードに交換してもらえる。 また、以前は1000円分、3000円分のカードを50枚購入すると、1枚のオレンジカードが付くサービスが行われていたが、2003年11月をもって廃止されている。
[編集] オリジナルオレンジカード
絵柄がオリジナルのオレンジカードを作成できる。オリジナルオレンジカードには、以下の2種類がある。
- オーダーメイド:絵柄を完全に自由に決められる。
- レディーメイド:予めある絵柄のうち、好きなものを選択する。自由に写真、文字を入れることができる。文字は書体、大きさを指定できる。
なお、1997年に松本駅・秋田駅・東京駅(八重洲地下)などに、プリント倶楽部感覚でオレンジカードを作成できる機械「オレカメイト」が設置された(ジェイアール東日本メカトロニクスが開発)。当初は設置駅拡大も予定されていたが、1枚1,000円で500円分のオレンジカードと費用のかかることから殆ど広まらずに撤去された。
[編集] 収集対象
オレンジカード(オレカ)もテレホンカード(テレカ)と同じように収集アイテムとなっている。一時はオレカ収集ブームがあった。
特に国鉄時代のオレカでオーダーメイド(企業もの)のものは、現在でも原則としてプレミアムが付いている。 そのほか、広告入りオレカ、窓口販売(業務用ともいう)のオレカにもプレミアムの付いているものが多い。 JRになってからのオレカは、企業もの、アイドルもの、コミックものに収集対象となっているものがある。 特にJR東日本でイオカードがその役目をSuicaに譲ってからは、同社の記念プリペイドカードはすべてオレカに統一されたため、収集家にとってはより貴重な存在となった。
[編集] オレンジカード対応自動券売機設置駅
[編集] JR北海道
- 【江差線】七重浜・木古内・江差
- 【函館本線】函館・五稜郭・桔梗・七飯・大沼公園・森・八雲・長万部・倶知安・余市・小樽・南小樽・小樽築港・銭函・星置・手稲・稲積公園・発寒・発寒中央・琴似・札幌・苗穂・白石・厚別・森林公園・大麻・野幌・江別・幌向・岩見沢・美唄・砂川・滝川・深川・旭川
- 【室蘭本線】洞爺・伊達紋別・室蘭・東室蘭・鷲別・幌別・登別・白老・苫小牧・追分
- 【千歳線】平和・新札幌・上野幌・北広島・島松・恵み野・恵庭・千歳・南千歳・新千歳空港
- 【日高本線】静内
- 【札沼線】八軒・新川・新琴似・篠路・拓北・あいの里教育大・石狩当別
- 【石勝線】新夕張
- 【根室本線】富良野・新得・十勝清水・芽室・帯広・札内・幕別・池田・白糠・釧路・厚岸・根室
- 【釧網本線】標茶・摩周・知床斜里
- 【石北本線】網走・美幌・北見・留辺蘂・遠軽・上川
- 【留萌本線】留萌
- 【富良野線】美瑛・上富良野
- 【宗谷本線】永山・士別・名寄・美深・南稚内・稚内
[編集] JR東日本
- 【東北本線】
- (東京支社管内)全駅
- (大宮支社管内)浦和・さいたま新都心・大宮・土呂・東大宮・蓮田・白岡・新白岡・久喜・東鷲宮・栗橋・古河・野木・間々田・小山・小金井・自治医大・石橋・雀宮・宇都宮・岡本・宝積寺・氏家・片岡・矢板・野崎・西那須野・那須塩原・黒磯
- 【大湊線】下北・大湊
- 【八戸線】本八戸・陸奥湊・鮫・種市・久慈
- 【岩泉線】全駅使用不可
- 【山田線】宮古・陸中山田・大槌・釜石
- 【釜石線】遠野・小佐野
- 【大船渡線】気仙沼・陸前高田・盛
- 【花輪線】大更・鹿角花輪
- 【北上線】ほっとゆだ
- 【田沢湖線】雫石・田沢湖・角館
- 【奥羽本線】
- (仙台支社管内)米沢・高畠・赤湯・かみのやま温泉・山形・天童・さくらんぼ東根・村山・大石田・米沢・新庄
- (秋田支社管内)湯沢・十文字・横手・大曲・秋田・土崎・追分・八郎潟・東能代・二ツ井・鷹ノ巣・大館・弘前・川部・浪岡・津軽新城
- 【羽越本線】
- 【五能線】能代・岩館・深浦・鰺ヶ沢・五所川原・板柳
- 【津軽線】油川・蟹田
- 【男鹿線】男鹿
- 【陸羽東線】古川
- 【陸羽西線】全駅使用不可
- 【石巻線】前谷地・石巻
- 【気仙沼線】南気仙沼
- 【仙石線】あおば通・榴ヶ岡・宮城野原・陸前原ノ町・苦竹・小鶴新田・福田町・陸前高砂・中野栄・多賀城・下馬・西塩釜・本塩釜・東塩釜・松島海岸・高城町・野蒜・矢本・陸前赤井
- 【仙山線】東照宮・北仙台・北山・国見・陸前落合・愛子・山寺
- 【左沢線】寒河江
- 【米坂線】
- 【只見線】西若松・会津坂下
- 【磐越西線】磐梯熱海・猪苗代・会津若松・喜多方・津川・五泉
- 【磐越東線】三春・小野新町
- 【水郡線】上菅谷・常陸太田
- 【常磐線】
- (東京支社管内)全駅(綾瀬駅も含む)
- (水戸支社管内)藤代・佐貫・牛久・ひたち野うしく・荒川沖・土浦・神立・高浜・石岡・友部・水戸・勝田・日立・磯原・大津港・いわき・原ノ町・相馬
- (仙台支社管内)亘理
- 【水戸線】下館・笠間
- 【烏山線】
- 【日光線】鹿沼・日光
- 【両毛線】栃木・足利・桐生・伊勢崎・前橋
- 【高崎線】全駅
- 【上越線】高崎問屋町・井野・新前橋・群馬総社・八木原・渋川・沼田・後閑・水上・越後湯沢・石打・塩沢・六日町・五日町・浦佐・小出・越後川口・小千谷
- 【信越本線】
- 【吾妻線】
- 【川越線】日進・指扇・南古谷・川越
- 【八高線】高麗川・寄居
- 【鹿島線】潮来
- 【成田線】湖北・新木・布佐・木下・小林・安食・下総松崎・成田・空港第2ビル・成田空港・佐原
- 【東金線】東金
- 【外房線】本千葉・蘇我・鎌取・誉田・土気・大網・本納・新茂原・茂原・上総一ノ宮・大原・勝浦・安房鴨川
- 【内房線】浜野・八幡宿・五井・姉ケ崎・長浦・袖ケ浦・巖根・木更津・君津・大貫・佐貫町・上総湊・浜金谷・保田・安房勝山・岩井・富浦・館山・千倉
- 【久留里線】横田・久留里・上総亀山
- 【京葉線】全駅
- 【総武本線】
- (東京支社管内)全駅
- 【青梅線】西立川~青梅間の各駅・日向和田・石神前・軍畑・川井・奥多摩
- 【五日市線】全駅
- 【小海線】
- 【篠ノ井線】松本
- 【大糸線】穂高・信濃大町・白馬
- 【飯山線】飯山・戸狩野沢温泉・十日町
- 【弥彦線】弥彦・燕・燕三条・北三条
- 【越後線】みどりの窓口設置駅と越後赤塚・青山
- 【白新線】みどりの窓口設置駅
- 【東北新幹線】
- 【上越新幹線】本庄早稲田・上毛高原
- 【北陸新幹線】軽井沢
[編集] JR東海
- 【東海道新幹線】
- 【東海道本線】三島・沼津・富士・清水~静岡・磐田・浜松・豊橋・蒲郡・岡崎・安城・刈谷・大府・共和・熱田・金山・名古屋・尾張一宮・岐阜・西岐阜・穂積・大垣
- 【御殿場線】
- 【身延線】
- 【飯田線】伊那松島・伊那市
- 【中央本線】
- 【武豊線】
- 【高山本線】
- 【中央本線】
- 【太多線】
- 【関西本線】
- 【紀勢本線】
- 【名松線】
- 【参宮線】
[編集] JR西日本
- 【山陽新幹線】
- 【博多南線】
- 【東海道本線】
- 【湖西線】
- 【大阪環状線】(全駅使用可能)
- 【桜島線】(全駅使用可能)
- 【JR東西線】(全駅使用可能)
- 【福知山線】
- 【関西本線】
- 【草津線】
- 【奈良線】
- 【片町線】
- 【桜井線】
- 【和歌山線】
- 【阪和線】
- 【関西空港線】
- 【北陸本線】福井・金沢・高岡・富山
- 【小浜線】
- 【越美北線】
- 【七尾線】
- 【城端線】
- 【氷見線】
- 【大糸線】
- 【高山本線】
- 【紀勢本線】
- 【山陽本線】
- 【加古川線】
- 【播但線】
- 【姫新線】
- 【赤穂線】
- 【津山線】
- 【吉備線】
- 【本四備讃線】
- 【伯備線】備中高梁
- 【福塩線】
- 【芸備線】
- 【呉線】
- 【可部線】
- 【岩徳線】
- 【山口線】
- 【宇部線】
- 【小野田線】
- 【美祢線】
- 【山陰本線】
- 【舞鶴線】
- 【因美線】
- 【境線】
- 【木次線】
- 【三江線】
[編集] JR四国
- 【予讃線】高松・坂出・多度津・松山・宇和島
- 【内子線】内子
- 【予土線】なし
- 【高徳線】栗林・屋島・志度・讃岐津田・三本松・讃岐白鳥・引田・板野・勝瑞・佐古・徳島
- 【鳴門線】鳴門
- 【徳島線】蔵本・府中・石井・鴨島・阿波山川・穴吹
- 【牟岐線】二軒屋・南小松島・羽ノ浦・阿南・桑野・由岐
[編集] JR九州
- 【鹿児島本線】鹿児島中央・熊本・羽犬塚・鳥栖・博多・小倉・門司
- 【篠栗線】
- 【香椎線】
- 【三角線】
- 【肥薩線】
- 【指宿枕崎線】
- 【長崎本線】佐賀・肥前山口
- 【唐津線】
- 【筑肥線】
- 【佐世保線】
- 【大村線】
- 【久大本線】
- 【豊肥本線】
- 【日豊本線】宮崎・南宮崎
- 【日田彦山線】
- 【日南線】
- 【宮崎空港線】
- 【吉都線】
- 【筑豊本線】
- 【後藤寺線】