横浜線
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横浜線(よこはません)は、神奈川県横浜市神奈川区の東神奈川駅と東京都八王子市の八王子駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。
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[編集] 路線データ
[編集] 運行形態
基本的に、東神奈川駅~八王子駅間の運転である。この他に東神奈川駅~橋本駅間や東神奈川駅~町田駅間などに区間列車も存在する。早朝には小机駅から3本と中山駅から1本の下り始発列車もある。
東神奈川駅から京浜東北線を経て根岸線へ乗り入れる列車も設定されている。朝夕は一部の列車が根岸線磯子駅や大船駅と、日中は毎時6本(快速2本、各駅停車4本)が根岸線桜木町駅と直通運転している。土曜・休日には大船駅を越えて横須賀線逗子駅と直通する快速列車も1本ある。横浜線を名乗っているものの、横浜駅を通る列車は全体の3割程しかないため、横浜線沿線と横浜駅接続の各線との接続相性が悪い。
朝夕のラッシュ時には、相模線の列車が橋本駅~八王子駅間に乗り入れてくる。
全線が関東平野内にある路線ではあるが、海岸沿いの横浜市街から丘陵地帯を貫通して鶴見川の谷に分け入り、関東山地の端にある多摩丘陵を超えて相模原台地を抜け、八王子盆地に向けて登りつめる路線で、途中にはトンネルや10‰連続勾配もあり、山越え路線の様相を呈する部分もあるが、線形は比較的良い。
[編集] 快速列車
2006年3月18日現在、日中に約30分間隔で、根岸線桜木町駅まで直通運転される。土曜・休日は根岸線磯子駅と横須賀線逗子駅への直通が各1本ある。快速区間は東神奈川駅~相模原駅間。
東神奈川駅~八王子駅間の全線でみると、現在の快速は、普通列車とおよそ7~8分程度の差をつけている。横浜線の全20駅中のうち半数以上の13駅に停車し、通過するのは7駅。快速が連続して通過する駅は古淵駅~矢部駅間の3駅で、他はほぼ1駅おきに停車する。
- 停車駅
- 東神奈川駅 - 菊名駅 - 新横浜駅 - 鴨居駅 - 中山駅 - 長津田駅 - 町田駅 - 相模原駅 (- 以遠各駅)
[編集] 停車駅の変遷
計画時点では、東神奈川-中山-町田-橋本-相原-片倉-八王子の7駅であった。新横浜が除外されたが、それでは新幹線の乗客に利便性をもたらさないなど問題があるため見直した結果、新横浜と鴨居の2駅が追加され、1988年3月13日のダイヤ改正で快速が登場したときの停車駅は、下記の9駅となった。なお、東急線との連絡駅である菊名と長津田も通過駅であった。
- 当初の停車駅
- 東神奈川駅 - 新横浜駅 - 鴨居駅 - 中山駅 - 町田駅 - 橋本駅 - 相原駅 - 片倉駅 - 八王子駅
登場当初は日中に60分間隔で運転され、上下線とも中山駅と橋本駅で待避をするように設定された。中山駅では、待避する普通列車は上りホームの2番線に停車するが、下りの快速は跨線橋を隔てた1番線に停車するため、鴨居駅を快速の停車駅とすることで、普通から快速への乗り換えの便を図った。ただし1990年以降は、中山駅での下り快速待避は設定されなくなった。また、橋本駅の上りも同様に、快速から普通への乗り換えには跨線橋を渡る必要があったが、相模原駅に快速が停車するようになったことで解消された。
- 1990年代 - 下りの緩急接続が、町田駅の1ヶ所(一部は橋本駅での接続が存続して2ヶ所のまま)となった。
- 1994年12月3日 - 長津田駅が停車駅に追加された。
- 1997年4月1日 - 八王子みなみ野駅が開業し、快速停車駅に追加された。
- 1998年3月14日 - 相模原駅が停車駅に追加された。
- 1998年5月2日 - 土曜・休日に横須賀線逗子駅との直通運転(1往復)を開始。
- 1999年12月4日 - 運転間隔が約40分間隔から約30分間隔に変更され、上りの緩急接続も大半が町田駅で行われるようになった。
- 2006年3月18日 - 菊名駅が停車駅に追加された。また上りの緩急接続の大半が中山駅で行われるようになった。
[編集] 臨時列車
- 1996年4月27日より、土曜・休日に横浜と甲州・信州エリアを結ぶ臨時特急「はまかいじ」が運行されている。2003年以降は、京浜東北線横浜駅~篠ノ井線松本駅間の1往復となっている。
- 横浜国際総合競技場(現・日産スタジアム)や横浜アリーナでの大規模催事の際には、中山駅や小机駅を発着駅とする臨時列車が設定される場合がある。また、横浜国際総合競技場(現・日産スタジアム)での大規模催事の際には、快速が小机駅に臨時停車する場合がある。
- 横浜国際総合競技場にて2002 FIFAワールドカップの試合が行われた際には、当時の快速通過駅である菊名駅に、快速が臨時停車したこともあった。
[編集] 歴史
- 1908年9月23日 - 八王子や信州で生産されていた生糸を横浜へと運搬する日本のシルクロードといった目的で、横浜鉄道によって東神奈川駅~八王子駅間が開業。
- 1910年4月1日 - 鉄道院が借り上げ。
- 1917年5月~8月 - 原町田駅(現・町田駅)~橋本駅間で輸送力増強のための標準軌化試験を実施。
- 1917年10月1日 - 国有化され、横浜線となる。
- 1925年4月 - 東神奈川~原町田駅が電化
- これは東海道本線電化のための電化試験で、横浜線の旅客列車が電車化されたわけではない。
- 1932年10月1日 - 東神奈川駅~原町田駅間が電車化、桜木町駅まで直通運転を開始。原町田駅で運行系統を分断。
- 1941年4月5日 - 原町田駅~八王子駅間が電化、全線電化完了に伴い全線直通運転復活。相模原駅が開業。
- 1947年12月20日 - 大口駅が開業。
- 1957年10月1日 - 矢部駅が開業。
- 1957年12月28日 - 片倉駅が開業。
- 1962年12月25日 - 鴨居駅が開業。
- 1964年5月19日 - 桜木町駅~磯子駅間開業(横浜駅~磯子駅間が「根岸線」となる)に伴い、直通区間を磯子駅まで延長。
- 1964年10月1日 - 東海道新幹線開業、同時に新横浜駅が開業。
- 1967年10月22日 - 菊名駅~新横浜駅間が複線化、複線化開始。
- 1968年2月4日 - 新横浜駅~小机駅間が複線化。
- 1968年3月12日 - 大口駅~菊名駅間が複線化。
- 1968年3月19日 - 東神奈川駅~大口駅間が複線化。
- 1971年10月2日 - 103系投入開始。
- 1978年10月2日 - 小机駅~中山駅間が複線化。
- 1979年4月1日 - 中山駅~長津田駅間が複線化。十日市場駅、成瀬駅が開業。
- 1979年7月15日 - 長津田駅~原町田駅間が複線化。
- 1979年9月14日 - 淵野辺駅~相原駅間が複線化。
- 1979年9月30日 - 103系の投入完了に伴い、72系が引退。
- 1980年4月1日 - 原町田駅を町田駅と改称。
- 1980年9月27日 - 町田駅~淵野辺駅間が複線化。
- 1981年6月1日 - 車両の所属が蒲田電車区に集約され、東神奈川電車区の配置がなくなる。
- 1985年3月14日 - 根岸線への直通区間を大船駅まで延長。
- 1987年4月1日 - 国鉄の分割民営化により東日本旅客鉄道に承継。
- 1988年3月6日 - 相原駅~八王子駅間が複線化、全線の複線化完了。
- 1988年3月13日 - 古淵駅が開業。快速運転開始。
- 1988年9月22日 - 205系投入開始。
- 1989年2月26日 - 205系の投入完了に伴い、103系が引退。
- 1991年3月16日 - 相模線の全線電化により、横浜線への定期直通運転を開始。
- 1994年12月3日 - 2号車に6扉車の組み込み開始、順次全編成を8両編成化。
- 1994年12月3日 - 快速停車駅に長津田駅を追加。
- 1996年4月27日 - 臨時特急「はまかいじ」の運転を開始(当初は横浜駅~甲府駅間。後に上諏訪駅、松本駅まで延長)。
- 1996年10月1日 - 東日本旅客鉄道の横浜支社が発足し、東神奈川駅~橋本駅が横浜支社内となる。
- 1996年12月1日 - 支社発足に伴い、全車両が蒲田電車区から大船電車区に転属。
- 1997年4月1日 - 八王子みなみ野駅が開業。
- 1998年3月14日 - 快速停車駅に相模原駅を追加。
- 1998年5月2日 - 土曜・休日に、根岸線経由で横須賀線逗子駅への直通列車を設定(各駅停車1往復、快速列車1往復)。
- 2000年7月1日 - 大船電車区が大船工場と統合され、鎌倉総合車両所に組織変更。
- 2004年6月1日 - 鎌倉総合車両所が鎌倉総合車両センターに名称変更。
- 2006年3月18日 - 快速停車駅に菊名駅を追加。逗子直通列車のうち各駅停車を大船発着に変更(快速は存続)。
- 2006年4月1日 - 鎌倉総合車両センターが工場機能(旧・大船工場)の閉鎖に伴い、鎌倉車両センターに名称変更。
[編集] 駅名及び停車駅
駅間キロ | 累計キロ | 駅名 | 各駅停車 | 快速 | 相模線直通 | 接続路線/備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
京浜東北線経由根岸線直通運転(一部は横須賀線まで直通) | ||||||||
- | 0.0 | 東神奈川駅 | ● | ● | ∥ | 東日本旅客鉄道:京浜東北線 | 神奈川県 | 横浜市神奈川区 |
2.2 | 2.2 | 大口駅 | ● | | | ∥ | |||
2.6 | 4.8 | 菊名駅 | ● | ● | ∥ | 東京急行電鉄:東横線 | 横浜市港北区 | |
1.3 | 6.1 | 新横浜駅 | ● | ● | ∥ | 東海旅客鉄道:東海道新幹線 横浜市営地下鉄:ブルーライン(3号線)(25) |
||
1.7 | 7.8 | 小机駅 | ● | | | ∥ | 早朝に下り3本の始発列車がある | ||
3.1 | 10.9 | 鴨居駅 | ● | ● | ∥ | 横浜市緑区 | ||
2.6 | 13.5 | 中山駅 | ● | ● | ∥ | 横浜市営地下鉄:グリーンライン(4号線)(2008年3月末開業予定) 早朝に下り1本の始発列車がある |
||
2.4 | 15.9 | 十日市場駅 | ● | | | ∥ | |||
2.0 | 17.9 | 長津田駅 | ● | ● | ∥ | 東京急行電鉄:田園都市線 横浜高速鉄道:こどもの国線 |
||
2.3 | 20.2 | 成瀬駅 | ● | | | ∥ | 東京都 | 町田市 | |
2.7 | 22.9 | 町田駅 | ● | ● | ∥ | 小田急電鉄:小田原線 下り(及び一部の上り)の緩急接続駅 |
||
2.8 | 25.7 | 古淵駅 | ● | | | ∥ | 神奈川県 | 相模原市 | |
2.7 | 28.4 | 淵野辺駅 | ● | | | ∥ | |||
0.8 | 29.2 | 矢部駅 | ● | | | ∥ | |||
1.8 | 31.0 | 相模原駅 | ● | ● | ∥ | |||
2.8 | 33.8 | 橋本駅 | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道:相模線 京王電鉄:相模原線 朝夕ラッシュ時は相模線が茅ヶ崎駅より八王子駅まで乗り入れ |
||
1.9 | 35.7 | 相原駅 | ● | ● | ● | 東京都 | 町田市 | |
2.9 | 38.6 | 八王子みなみ野駅 | ● | ● | ● | 八王子市 | ||
1.4 | 40.0 | 片倉駅 | ● | ● | ● | 京王電鉄:高尾線(京王片倉駅:北西に約500m離れている) | ||
2.6 | 42.6 | 八王子駅 | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道:中央線(快速)・八高線 京王電鉄:京王線(京王八王子駅) |
- 凡例
-
●印 停車駅 快速停車駅は本文記事を参照、他は各駅に停車 |印 通過駅 ∥印 運転区間外 相模線直通は橋本-八王子間のみ運転
- 一部のブラウザで表示される色枠の横線は定期列車の始発もしくは終着のある駅を示す。
- 接続路線のカッコ内は接続路線の駅番号や補足など
[編集] 車両
[編集] 以前の車両
[編集] その他
[編集] 地理
[編集] 設置されている踏切・橋・トンネル、交差する河川など
- 東神奈川駅
- 大口駅
- 東海道貨物線(橋梁 - 神奈川県横浜市神奈川区)
- 学校前踏切(2番 - 神奈川県横浜市神奈川区)
- 橋梁区間(神奈川県横浜市神奈川区)
- 神奈川県道111号大田神奈川線
- 横浜市道鶴見駅三ツ沢線
- 寺尾トンネル (上り87m 下り73m - 神奈川県横浜市神奈川区)
- 神奈川県道2号東京丸子横浜線 (神奈川県横浜市神奈川区~神奈川県横浜市港北区)
- 法隆寺踏切(3番 - 神奈川県横浜市港北区)
- 綱島ガード (神奈川県横浜市港北区)
- (下豆戸ガード - 横浜市港北区)
- 菊名駅
- 表谷戸踏切(4番 - 神奈川県横浜市港北区)
- 表谷踏切(5番 - 神奈川県横浜市港北区)
- (溝野口跨線橋 - 神奈川県横浜市港北区)
- 新横浜駅
- 横浜市道環状2号 (新横浜陸橋 - 神奈川県横浜市港北区)
- 鳥山川橋梁 (神奈川県横浜市港北区)
- 新羽踏切(6番 - 神奈川県横浜市港北区)
- 小机駅
- 小机踏切(7番 - 神奈川県横浜市港北区)
- 城山踏切(8番 - 神奈川県横浜市港北区)
- 国道466号(第三京浜) (橋梁 - 神奈川県横浜市港北区)
- 城山トンネル (80m - 神奈川県横浜市港北区) - 上り
- 新城山トンネル (75m - 神奈川県横浜市港北区) - 下り
- 水流踏切(9番 - 神奈川県横浜市港北区)
- 都筑踏切(10番 - 神奈川県横浜市港北区)
- 神奈川県道12号横浜上麻生線 (新川向橋 - 神奈川県横浜市港北区)
- 清水踏切(11番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 鴨居駅
- 都市計画道路鴨居上飯田線 (鴨池大橋 - 神奈川県横浜市緑区)
- 橋梁区間(神奈川県横浜市緑区)
- 鴨居川
- 志茂踏切(12番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 白山踏切(13番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 上山踏切(14番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 神奈川県道45号丸子中山茅ヶ崎線(中原街道)(橋梁 - 神奈川県横浜市緑区)
- 中山第一踏切(15番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 中山第二踏切(16番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 川和踏切(17番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 神奈川県道109号青砥上星川線
- 中山駅
- 三保踏切(18番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 橋梁区間(神奈川県横浜市緑区)
- 榎下踏切(19番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 宝袋寺踏切(20番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 十日市場駅
- 横浜市道環状4号 (橋梁 - 神奈川県横浜市緑区)
- 西田架道橋(神奈川県横浜市緑区)
- 北門踏切(21番 - 神奈川県横浜市緑区)
- 橋梁区間(神奈川県横浜市緑区)
- 橋梁区間(神奈川県横浜市緑区)
- 橋梁区間(神奈川県横浜市緑区)
- 神奈川県道139号真光寺長津田線 (長津田地下道 - 神奈川県横浜市緑区)
- 長津田駅
- 成瀬駅
- 成瀬踏切(23番 - 東京都町田市)
- 金森踏切(24番 - 東京都町田市)
- 東京都道56号目黒町町田線(町田街道) (南橋 - 東京都町田市)
- 東京都道51号町田厚木線(行幸道路) (原町田橋 - 東京都町田市)
- 町田駅
- 古淵駅
- 津久井踏切(26番 - 神奈川県相模原市)
- 中渕踏切(27番 - 神奈川県相模原市)
- 共和第一踏切(28番 - 神奈川県相模原市)
- 都市計画道路(相模原市道)嶽之内当麻線(共和嶽之内立体 - 神奈川県相模原市)
- 以前は、ここに共和第三踏切があり、JRの踏切のCMで放映されたこともある。
- 神奈川県道57号相模原大蔵町線 (溝街道ガード - 神奈川県相模原市)
- 淵野辺駅
- (矢渕陸橋 - 神奈川県相模原市)
- 矢部踏切(30番 - 神奈川県相模原市)
- 矢部駅
- 西門踏切(31番 - 神奈川県相模原市)
- 相模原踏切(32番 - 神奈川県相模原市)
- 相模原駅
- 小山踏切(33番 - 神奈川県相模原市)
- 向陽踏切(34番 - 神奈川県相模原市)
- 神奈川県道503号相模原立川線 (矢掛立体交差 - 神奈川県相模原市)
- 小原踏切(35番 - 神奈川県相模原市)
- 高砂踏切(36番 - 神奈川県相模原市)
- 京王相模原線(多摩境高架橋 - 神奈川県相模原市)
- 橋本駅
- 相原駅
- 八王子みなみ野駅
- みなみ野大橋 (東京都八王子市)
- 第2片倉高架橋 (東京都八王子市)
- 片倉駅
- 八王子駅
- 上記の他に大口駅付近で入江川、小机駅~中山駅間で鶴見川が近くにある(渡らない)。