北海道旅客鉄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
略称 | JR北海道、JR-H |
本社所在地 | 060-8644 北海道札幌市中央区北11条西15丁目1番1号 |
電話番号 | 011-700-5717 |
設立 | 1987年(昭和62年)4月1日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 旅客鉄道事業 他 |
代表者 | 代表取締役社長 小池明夫 |
資本金 | 90億円(2005年7月1日現在) |
売上高 | 892億円(2003年度・単独) |
従業員数 | 8,756人(2005年7月1日現在) |
主要株主 | 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 100% |
主要子会社 | ジェイ・アール北海道バス 他 |
外部リンク | www.jrhokkaido.co.jp/ |
北海道旅客鉄道株式会社(ほっかいどうりょかくてつどう、英称 Hokkaido Railway Company)は、1987年4月1日に日本国有鉄道から鉄道事業を引き継いだ旅客鉄道会社の一つ。北海道全域と青森県のごく一部をエリアとする。略称はJR北海道(ジェイアールほっかいどう)。英語略称はJR Hokkaido。コーポレートカラーは萌黄(もえぎ)色。代表取締役会長は坂本眞一、代表取締役社長は小池明夫。社歌はダークダックスの「北の大地」。
ロゴなどでは「北海道旅客鉃道」と、「鉄」の字は“金を失う”と言う意味を避けるため、ロゴ文字では「金矢」(金偏に弓矢の矢、鉃)という字を採用しているが、正式商号は「鉄」である(四国旅客鉄道以外のJR他社も同様)。
目次 |
[編集] 概況
国鉄分割民営化時に、鉄道21路線3,176.6km、航路113.0km及びバス事業を承継した。JR四国、JR九州と同様、経営基盤が弱いことから、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部(発足当初は日本国有鉄道清算事業団)が株式を100%保有する特殊会社となっており、現在までのところ株式上場の目途は立っていない(ただ、一度2002年頃を目途に株式上場することが計画されたことがある)。また、経営支援策として経営安定基金が造成されており、さらに固定資産税減免を受けている。
その後、鉄道路線は特定地方交通線等の整理により8路線764.0kmを廃止、2路線90.4kmを開業、線路付け替え等により3.2km減となっており、2006年4月1日現在、鉄道14路線2,499.8kmを保有する。うち幹線系線区が5路線1,327.9km、地方交通線が9路線1,171.9kmである。
航路は津軽海峡線の開業により1988年に廃止、バス事業は2000年4月1日に子会社のジェイ・アール北海道バスに譲渡された。
2004年12月に、北海道新幹線の建設が決定し、収益の増加が期待されている。また、近年はデュアル・モード・ビークル(DMV)の開発など積極的な経営改善への取り組みも見られる。
事業は、境界を接するJR東日本と提携することが多く、経営上の重要なパートナーとなっている。北海道新幹線は東北新幹線と相互直通運転を行う予定で、現在世界有数のドル箱航空路線である東京~札幌便との競争力強化が期待される。
2006年4月、JR東日本等が採用している非接触型ICカード(名称未定)を、2009年から札幌圏で導入する方針を発表した。同時期に導入予定の札幌市交通局との相互利用が検討される他、JR東日本の「Suica」との相互利用も検討されている。
また、駅のホーム内にある駅名標もJR東日本のものに似ている(駅名と両隣の駅名との間のライン色であるコーポレートカラーが、東日本は“緑”に対し北海道は“萌黄色”という同系色彩という点もある。ただ東日本の駅名標は吊下げ式で横長タイプのほぼ同形で統一されているが、北海道の場合は旧国鉄時代からのホーム設置型方式がかなり多い)。最近は札幌圏を中心にJR北海道様式の新しい駅名標への交換が進んでいる。
2006年3月、ハイブリッド車体傾斜システムを発表。これは、鉄道総合技術研究所、川崎重工業と共同で開発した、従来の制御付き自然振り子(曲線ガイド)式と、空気バネ圧制御式の車体傾斜システムを組み合わせた世界初の技術で、従来の振り子式を上回る8度の傾斜度を実現させながら、重心の移動を抑える事で乗り心地の向上も図られている。実用化されれば曲線を含む全線での時速140キロ運転が可能となり、札幌~函館間で15分の短縮が見込まれている。試作台車を283系気動車1両に取り付け走行試験が行われていたが、試験終了後、元に戻され、定期運行に復帰した。
2006年3月18日のダイヤ改正から、道内発着の全列車が全面禁煙となった。本州へ直通する列車で急行「はまなす」以外のもの(「北斗星」などの寝台特急や特急「スーパー白鳥」・「白鳥」)は対象外とされたが、2005年9月から寝台特急「北斗星」・「カシオペア」のロビー・デッキ等の灰皿は順次撤去され、徐々に禁煙化されてきている。なお、2007年に予定されているダイヤ改正でJR東日本も全面禁煙に踏み切るため、今回対象外となった列車についても、やがて禁煙になる見込みである。
[編集] 本社・支社
- 支社
他に、道外の東京、仙台、大阪に「JR北海道プラザ」を有している。→ツインクルプラザ参照
[編集] 歴史
- 1987年4月1日 国鉄が分割民営化され、北海道旅客鉄道発足。
- 1987年7月13日 幌内線廃止。
- 1988年2月1日 松前線廃止。
- 1988年3月13日 海峡線開業。これに伴って寝台特急「北斗星」と快速「海峡」を運転開始、寝台特急「日本海」の内1往復が函館乗り入れ開始。
- 1988年3月14日 青函航路廃止。
- 1988年4月25日 歌志内線廃止。
- 1989年4月30日 標津線廃止。
- 1989年5月1日 名寄本線、天北線廃止。
- 1989年6月4日 池北線廃止(北海道ちほく高原鉄道に転換)。
- 1990年9月1日 785系電車による特急「スーパーホワイトアロー」運転開始。
- 1992年7月1日 千歳線(南千歳~新千歳空港間)開業。
- 1994年3月1日 キハ281系気動車が特急「スーパー北斗」として運転開始。
- 1994年5月16日 函館本線(上砂川支線)廃止。
- 1995年9月4日 深名線廃止。
- 1995年12月4日 本社を札幌駅から桑園駅前の新本社ビルに移転。
- 1996年1月10日 JR北海道を含む三島会社が運賃を改定し、JRグループの同一運賃の体系が崩れる。本州会社と運賃格差が発生。
- 1997年3月22日 キハ283系気動車が特急「スーパーおおぞら」として運転開始。
- 1998年11月21日 自動改札システム導入。
- 2000年3月11日 キハ261系気動車が特急「スーパー宗谷」として運転開始。
- 2000年4月1日 バス事業をジェイ・アール北海道バスに譲渡。
- 2001年6月22日 改正JR会社法が施行(成立は2001年6月15日)。本州3社が本法の適用から除外されたものの、指針によりJR北海道を含む三島会社とJR貨物との協力関係の維持を規定。
- 2002年12月1日 快速「海峡」を廃止し、789系電車による特急「スーパー白鳥」運転開始。
- 2003年3月6日 札幌駅南口駅ビル「JRタワー」開業。
- 2006年3月18日 道内完結の全列車が全面禁煙化。寝台特急「日本海」の函館乗り入れを廃止。
[編集] 今後の予定
- 2009年度初旬 札幌圏にICカード乗車券を導入。
[編集] 路線
- 凡例 [幹]:幹線系線区、[地]:地方交通線、[特]:特定地方交通線、*は民営化後の開業
[編集] 現有路線
- 函館本線[幹] 函館~大沼公園~小樽~旭川 423.1km
- 函館本線[幹] 七飯~渡島砂原~森 35.3km
- 江差線[地] 五稜郭~木古内~江差 79.9km
- *海峡線[地] 中小国~木古内 87.8km - 1988年3月13日開業
- 札沼線[地] 桑園~新十津川 76.5km
- 千歳線[幹] 苗穂~沼ノ端 60.2km
- ※線路付替により現在は白石から分岐するが、JR線路名称上の起点は苗穂。事業基本計画および『鉄道要覧』では沼ノ端~白石56.6kmと記載。
- *千歳線[幹] 南千歳~新千歳空港 2.6km - 1992年7月1日開業
- 石勝線[幹] 南千歳~新得 132.4km
- 石勝線[幹] 新夕張~夕張 16.1km
- 室蘭本線[幹] 長万部~追分~岩見沢 211.0km
- 室蘭本線[幹] 東室蘭~室蘭 7.0km
- 日高本線[地] 苫小牧~様似 146.5km
- 留萌本線[地] 深川~増毛 66.8km
- 根室本線[幹] 滝川~帯広~根室 443.8km
- 富良野線[地] 富良野~旭川 54.8km
- 宗谷本線[地] 旭川~名寄~稚内 259.4km
- 石北本線[地] 新旭川~北見~網走 234.0km
- 釧網本線[地] 東釧路~網走 166.2km
[編集] 廃止路線
- 幌内線[特] 岩見沢~幾春別、三笠~幌内 20.8km - 1987年7月13日 廃止(JRグループ発足後廃止第1号)
- 松前線[特] 木古内~松前 50.8km - 1988年2月1日 廃止
- 歌志内線[特] 砂川~歌志内 14.5km - 1988年4月25日 廃止
- 標津線[特] 標茶~根室標津、中標津~厚床 116.9km - 1989年4月30日 廃止
- 名寄本線[特] 名寄~紋別~遠軽、中湧別~湧別 143.0km - 1989年5月1日 廃止
- 天北線[特] 音威子府~浜頓別~南稚内 148.9km - 1989年5月1日 廃止
- 池北線[特] 池田~北見 140.0km - 1989年6月4日 北海道ちほく高原鉄道に転換 → 2006年4月21日廃止
- 函館本線(上砂川支線)[幹] 砂川~上砂川 7.3km - 1994年5月16日 廃止
- 深名線[地] 深川~幌加内~名寄 121.8km - 1995年9月4日 廃止
- 青函航路 青森~函館 113.0km - 1988年3月14日 廃止
[編集] 改キロ
- 石勝線 鹿ノ谷~夕張 -0.8km - 1990年12月26日
- 室蘭本線 志文~岩見沢 +1.7km - 1994年11月1日
- 室蘭本線 母恋~室蘭 -1.1km - 1997年10月1日
- 根室本線 野花南~島ノ下 -3.0km - 1991年10月22日
[編集] 予定路線
- 北海道新幹線 新青森~札幌
[編集] 車両
JR北海道の車両形式を参照のこと。
北海道内の路線はカーブが多いため、多くの特急列車で振り子機構を搭載している。また、1996年に日高本線の踏切で立ち往生したトラック(タンクローリー車)に気動車列車(キハ130-5)が衝突して運転士が両足切断の重傷を負うという事故が発生したため、これ以降に新製された車両は運転席を高くした高運転台仕様とし、車両前面の構造が強化された。 道内の半数以上の路線が非電化のため、所有車両の多くは気動車である。
[編集] 車両基地
【札幌本社】
【函館支社】
- 函館運輸所<函ハコ/函>
- 函館運輸所青函派出所<青函>
【旭川支社】
【釧路支社】
[編集] 車両工場
[編集] ICカード乗車券
2009年に独自にICカード乗車券を発行する予定である。名称は未定[1]。
発行するのは、プリペイドタイプのIC乗車券と、それに定期乗車券の機能を一体化させたIC定期券の2種類で、発売の際、デポジットを徴収する予定である。
[編集] 利用可能区間
以下の札幌圏55駅で使用可能の予定である(無人駅も含む)。
[編集] 相互利用
単独導入後に、以下のカードとの相互利用を検討中である。
[編集] 関連会社
JR北海道の関連会社で「JR」が社名につく会社は、レンタカー会社と構造物設計調査会社を除き、いずれもカナ表記が「ジェイ・アール」と間に「・」が入るのが特徴である(他社は入らない)。
- 北海道高速鉄道開発
- 高速化に関する車両や施設の貸出。当初、釧路~札幌間の鉄道高速化のために主に釧路市が出資して設立した。
- ジェイ・アール北海道バス
- JRバスの運行。
- 北海道ジェイアール・コンサルタンツ
- 鉄道その他の構造物の設計調査。
- ドウデン
- 信号設備施工。
- 北海道ジェイ・アール・ビルト
- 鉄道その他の建築物の施工・保守。
- 北海道軌道施設工業
- 軌道の施工・保守。
- 札建工業
- 土木・建築・線路などの工事。
- 札幌交通機械
- 車両の検修・改造、建造物の空調・衛生工事実施。
- 札幌工営
- 車両工場での作業受託。
- 北海道ジェイ・アール運輸サポート
- 車両のアメニティー清掃・整備、運転所構内入換業務受託。
- 北海道ジェイ・アール・サイバネット
- 車両その他の電子設備やシステムの開発。
- 北海道ジェイ・アール・サービスネット(旧・日交観北海道)
- 本社管内の駅業務受託。
- ジェイアール北海道レンタリース
- 駅レンタカーの運営、カーリース。
- 北海道ジェイ・アール・フレッシュネス・リテール
- ジェイアール生鮮市場の運営。
- 北海道キヨスク
- キオスクの運営や札幌圏の駅周辺のコンビニエンスストアなどの運営。札幌市営地下鉄の駅売店も経営。
- 北海道ジェイ・アール商事
- JR北海道グループで使う資材の調達やリース。
- 北海道ジェイ・アール・フーズ(旧・にっしょく北海道)
- 札幌・旭川・小樽の駅構内での飲食店やJR北海道ホテルグループの『ホテルさっぽろ弥生』の運営を行う。
- 北海道ジェイ・アール都市開発
- 高架下用地の賃貸。
- 札幌駅総合開発
- JR北海道ホテルズ
- JR北海道ホテルグループの『JRタワーホテル日航札幌』(JRタワー内)『ホテルノースランド帯広』の運営。
- 北海道クリーン・システム
- 北海道リネンサプライ
- 寝台座席などの寝具、座席の背当て等のクリーニングを行う。
- 北海道ジェイ・アール・システム開発
- パソコンのソフトウエア開発。
- 北海道ジェイ・アール・エージェンシー
- JR内の車内広告掲示やJRのCM製作、広報誌などを製作する。
- 札新開発
- 桑園自動車学校の運営。
- 北海道企画開発
- 七飯町にある『流山温泉』、ホテル『クロフォード・イン大沼』の運営、札幌運転所にあるゴルフ練習場の営業。
- 北海道ジェイ・アール・トラベルサービス
- ジェイ・アールはこだて開発
- 函館支社管内での駅業務受託、駅構内売店・食堂の営業。
- ジェイ・アール道東トラベルサービス
- 釧路支社管内での駅業務受託、添乗業務。
- 旭川ターミナルビル
- 旭川エスタの業務受託、旭川ターミナルホテルの運営。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
前身: 日本国有鉄道(国鉄バス)| 国鉄清算事業団 | ||||||
JR旅客各社: | JR北海道 | JR東日本 | JR東海 | JR西日本 | JR四国 | JR九州 |
JRバス各社: | JR北海道バス | JRバス東北 | JR東海バス | 西日本JRバス | JR四国バス | JR九州バス |
JRバス関東 | 中国JRバス | |||||
その他: | JR貨物 | JR総研 | JRシステム |