引田駅
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引田駅(ひけたえき)は、香川県東かがわ市引田にある四国旅客鉄道(JR四国)高徳線の駅である。駅表示パネルのコメントは讃岐和三盆とひな祭りの駅。
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[編集] 駅構造
ホームは相対式、島式2面3線で1番線が一線スルーになっている。留置線1線。旧貨物線(引込み線)1線。駅舎のすぐ前の 駅舎は海側。喫茶店が同居。以前はJR四国経営の喜多方ラーメン麺小町引田店が入居していたが撤退した。キヨスクも撤退した。トイレは、駅舎の横にあり、男女共用の汲み取り式で、バリアフリー化されていない。10mほど先には、早朝・深夜業務の乗務員が使用する宿舎がある。 2005年10月に、駅舎の改修工事が行われた。自動券売機が新しくなり、列車時間表が、改札口の上から券売機の横に移動した。これは、身体障害者や、目の悪い高齢者に配慮したものである。また、これと同時に便所の改修も行われたが、外壁塗装や、大便所の鍵を変えただけで、水洗化はされなかった。
[編集] 駅業務
駅員は、概ね1名が勤務している。当駅は三本松駅の被管理駅となっているため、駅長はおらず、駅員は三本松駅から出向してきている。出札・集札業務のほか、駅の清掃、車両の解結等の作業も行っている。改札業務は行っていない。駅窓口の営業時間は6:45~10:45と、15:30~20:00となっていて、高徳線の駅にしては、かなり長い。しかし、窓口を利用する客の大半は、自動券売機を使うのが面倒なため、三本松や高松など、券売機で購入できる近距離きっぷを買っていき、遠距離きっぷや企画きっぷを買う客は極めて少なく、当駅より営業時間の短い駅と同様、定期券の販売程度しか駅窓口の役割は果たしていない。
それなのに営業時間が長いのは、当駅が高松からやってくる大半の普通列車の終着駅、また高松行き普通列車の始発駅だからである。当駅を始発または終着としている列車は1日33本。運転業務のために駅員は必要なのである。 なお、窓口にはマルスが無く、利用客から指定券販売を頼まれたときには、駅員はマルスのある三本松駅に問い合わせを行っているため、時間がかかる。特に、寝台列車や、北海道や東北の列車のような当駅での購入が滅多にない指定券を買う際は、1時間近く待たされる場合がある。また、窓口の券売用パソコンが古く、寝台券を作ることが出来ないため、現在では、都会の駅のみどりの窓口では滅多にお目にかかれない昔ながらの手書きのものを発売している。
また、京阪神・東京・岡山・広島方面への高速バス乗車券の発売も行っている。なお、高速引田バス停は、引田駅から約2km先の高松自動車道引田ICにある。東京・広島・岡山行きの高速バスは、ここには停車せず、約6キロ高松寄りの高速大内バス停に停車する。
[編集] 接続する他の交通機関
[編集] バス
- 路線バス
- 鳴門市営バス
- 大川バス
- 当駅前大川バス引田停留所より発車する。引田~JR高松駅間を、長尾街道経由で運行している。引田~高松駅間は14往復(一部の便は、三本松または長尾で乗換えが必要。土・日曜、祝日、12月29日~1月3日は、上り5往復、下り7往復運休)。区間運転の便も数便ある。所要時間・料金は、引田~高松駅間で約1時間30分、970円である。JRよりも、割高で、時間もかかるが、長尾や三木へは、JRが通っていないのでこちらの方が便利、また、当バスは、高松市中心部の瓦町等を経由するので、瓦町等へいく場合は、こちらの方が乗換えなしで行け、割安で速い場合がある。利用者は白鳥や三本松へ行く高齢者がほとんど。
- 高徳特急バス(廃止)
- 2001年3月に高松自動車道高松中央~板野IC間が開通するまで、JR高松駅~徳島駅間を、国道11号線・JR鳴門駅前経由で結んでいた。大川バス、徳島バス、コトデンバスの共同運行だった(コトデンバスは1996年頃撤退)。引田駅前には、「高徳特急引田停留所」が置かれ、高松駅、徳島駅へどちらも1時間程で結んでいた。2001年3月に高速道路開通とともに廃止され、かわって、同区間を高速道路経由で結ぶ「高徳エクスプレス」が誕生した。このバスは、高速引田バス停にも停車し、高松駅へは50分、徳島駅へは40分の所要時間で一日12往復運行している。料金は高松駅へ1050円、徳島駅へは900円。当駅より特急を利用した場合と比べると所要時間は若干かかり、料金は若干安いといったところ。高速引田バス停が町外れにあることや、知名度の低さから、引田からの利用者はあまりいない。
[編集] 駅周辺
駅前には、市営無料駐輪場、月極契約駐車場、東讃共同タクシーの営業所、鳴門市営バス・大川バスの停留所、接骨院、うどん屋、クリーニング店、焼鳥屋、スナックがある。国道11号沿いにあり、引田地区内では比較的賑やかな所である。
- 東かがわ市引田庁舎
- 東かがわ市立小海保育園
- 東かがわ市立引田幼稚園
- 東かがわ市引田小学校
- 東かがわ市引田中学校
- 香川県立大川東高等学校
- 引田愛育園
- 安戸池(マーレリッコ、ワーサン、野網和三郎銅像がある。)
- 田ノ浦海水浴場
- 大池オートキャンプ場
- 城山
- 古い町並み(かめびし、讃州井筒屋敷、日下家など)
- 誉田八幡宮
- 引田港
- 翼山
- 翼山温泉
- 東かがわ市歴史民俗資料館
[編集] 歴史
[編集] 隣の駅
[編集] 利用状況
一日平均で1000人程である。大半は定期の通勤・通学客で、定期外の利用は少ない。近年、当駅のある引田地区の少子化・過疎化、鉄道利用からマイカー利用へのシフトにより、利用客は減少傾向にある。また、当駅近くの大川東高校が2007年に廃校するため、利用者が更に減少すると予想されており、当駅に停車する特急列車が減るのではないか、高松・当駅間運転の普通列車の多くが、途中の三本松駅止まりになるのではないか、無人駅になるのではないかといった懸念が、利用者や地元住民に起こっている。事実、昼間に高松行きの普通列車が2時間無い時間帯ができるなど、朝夕を除けば当駅のダイヤは不便になりつつあり、利用者の減少を少しでも食い止めるための対策が必要となっている。
その対策として、JR四国は引田地区を訪れる観光客に鉄道利用を促している。引田地区は近年、江戸時代から残る豪商の屋敷や伝統製法を守る醤油屋が現存しており、その町並み保存と観光地化が進められている。その一環として2005年3月、「引田ひな祭り」が開催され、このときJR四国は、普段は当駅を通過する特急列車を臨時停車させたり、高徳線を走る車両に宣伝シールを貼ったりして、鉄道利用のPRに努めた。また、JR四国の企画きっぷ「あじな散歩道」で、当駅までの乗車券と、江戸時代の豪商の屋敷を改装した施設「讃州井筒屋敷」見学料金・食事券をセットにしたコースを発売開始している。今後、古い町並みの観光化がどれだけ進展するか、そして、どれだけの観光客に鉄道を利用してもらうかが、当駅の盛衰を占う課題である。
[編集] 関連項目
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