東北新幹線
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東北新幹線(とうほくしんかんせん)は、東京駅から八戸駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の高速鉄道路線及びその列車(新幹線)である。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):631.9km(実キロは593.1km)
- 軌間:1435mm
- 駅数:21駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線複線
- 電化区間:全線電化(交流25,000V・50Hz)
- 保安方式:速度検知式
- 保安装置:
- ATC-2:東京~新白河・新幹線総合車両センター~古川間(2006年度にDS-ATCに移行予定)
- DS-ATC:新白河~仙台~新幹線総合車両センター・古川~八戸間
- 車両基地所在駅:上野駅・小山駅・那須塩原駅・仙台駅※・盛岡駅
[編集] 概要
全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線鉄道として初めて計画された3線のうちの一つ(残り2線は上越新幹線と成田新幹線)である。東京~盛岡間は1971年に基本計画の決定・整備計画の決定を経て着工、1982年に大宮~盛岡間が開業し、1991年までに東京~盛岡の全区間が開業した。一方、盛岡~新青森間は1973年に整備計画が決定された5線(いわゆる整備新幹線)のうちの一つで、盛岡~八戸間が2002年に開業しており現在残る八戸~新青森間の建設が進められている。
現在、JR東日本の所有する新幹線の中では最も旅客需要の高い新幹線である。国土交通省の統計によれば1日あたり平均して、約22万人が利用している。ちなみに東海道・山陽新幹線は約51万人、上越新幹線は約10万人、長野新幹線は約2万5千万人が利用している(いずれも1999年度実績)。この統計によれば、東海道・山陽新幹線のうち東海道新幹線が36~37万人利用しているとなると山陽新幹線は14~15万人くらいの計算になるので、東北新幹線は山陽新幹線よりも旅客需要は高いことになる(ただし東北新幹線は、東京圏~仙台間輸送(350km程度)と東京圏~宇都宮間の首都圏内輸送(100km程度)が中心で、これに東北地方内輸送(仙台~福島・岩手)および東京圏~盛岡・八戸・山形・秋田方面の輸送が上乗せされるような状況なので、大阪、岡山、広島、福岡という大都市間輸送を全線(600km)に渡って担う山陽新幹線よりも収益的には劣る)。これは常に航空機との熾烈な競争にさらされている山陽新幹線と比べ、後述するように東北新幹線沿線は昔から鉄道のニーズが大きいことにも起因すると思われる。
交通需要について国土交通省(当時は運輸省)が2000年に調査した都道府県間旅客流動データによると、東京都から鉄道で他道府県に移動した年間旅客のうち、東北新幹線沿線各県(埼玉県を除く)への年間旅客数は819.6万人にのぼった。うち、年間旅客数が最も多かったのは栃木県の307.5万人であり、次いで宮城県の219.6万人、福島県の194.6万人、岩手県の97.9万人であった。さらに東京圏(東京都 + 神奈川県 + 埼玉県 + 千葉県)から沿線各県への年間旅客数は、栃木県が481.8万人で最も多く、次いで宮城県356.6万人、福島県343.8万人、岩手県150.3万人である。
また、沿線各都県間を流動する出発鉄道旅客数は、東京都出発客が819.6万人と最も多く、次いで栃木県の622.1万人、宮城県の608.8万人、福島県の468.3万人、岩手県の266.9万人であり、同じく目的地旅客数は、東京都を目的地とする客が824.6万人、宮城県が566.9万人、栃木県が544.5万人、福島県が484.3万人、岩手県が267.8万人であった。
沿線各都県間の鉄道旅客流動状況(2000年)は以下のとおり。
- 東北新幹線沿線各都県間鉄道旅客流動状況(2000年)
出発地\目的地 | 東京圏* | 栃木県 | 福島県 | 宮城県 | 岩手県 | 合計 |
東京圏* | 0 | 4,818 | 3,438 | 3,566 | 1,503 | 13,325 |
栃木県 | 5,749 | 0 | 134 | 276 | 62 | 6,221 |
福島県 | 3,444 | 244 | 0 | 900 | 95 | 4,683 |
宮城県 | 3,608 | 316 | 1,146 | 0 | 1,018 | 6,088 |
岩手県 | 1,550 | 67 | 125 | 927 | 0 | 2,669 |
合計 | 14,351 | 5,445 | 4,843 | 5,669 | 2,678 | - |
また実際の利用状況は以下のとおりである。
東海道・山陽新幹線が全線に亘り高需要が期待され、また上越・長野新幹線が東京~高崎間の首都圏近郊輸送と新潟・長野に需要が偏重しているのに対して、東北新幹線は栃木・宮城両県を抱える東京~仙台間に高需要が期待され、これらの中心駅である宇都宮、仙台を節とした運転体系が確立されつつある。
[編集] 歴史
- 1971年(昭和46年)11月28日 - 起工。
- 1979年(昭和54年) - 小山駅付近で試作車両の走行試験を開始。
- 1982年(昭和57年)6月23日 - 大宮駅~盛岡駅間 (465.2km) 暫定開業。最高速度210km/h。2002年12月の八戸延伸開業の際に本線として使用される盛岡駅~盛岡新幹線運輸区間の回送線も供用開始。200系営業運転開始。
- 1982年(昭和57年)11月15日 - 上越新幹線開業。
- 1985年(昭和60年)3月14日 - 上野駅~大宮駅間 (27.7km) 及び水沢江刺駅、新花巻駅開業。最高速度を240km/hへ引き上げ。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄の分割・民営化によるJR各社の発足に伴い、全線が東日本旅客鉄道に移管。
- 1990年(平成2年)1月22日 - 東京駅延伸工事中に御徒町トンネルの建設現場で土砂が噴出し地上の道路が陥没する事故が発生。
- 1990年(平成2年)3月10日 - くりこま高原駅開業。
- 1991年(平成3年)6月20日 - 東京駅~上野駅間 (3.6km) 開業、東京乗り入れを果たす。
- 1992年(平成4年)7月1日 - 山形新幹線(福島駅~山形駅間)開業、直通運転開始。200系と400系が併結運転開始
- 1994年(平成6年)7月15日 - E1系Maxが営業運転を開始(現在は運用なし)。
- 1997年(平成9年)3月22日 - 秋田新幹線開業、直通運転開始。最高速度を275km/hへ引き上げ。同日E2系が営業運転を開始。E2系とE3系が併結運転開始
- 1997年(平成9年)10月1日 - 長野新幹線開業。
- 1997年(平成9年)12月20日 - E4系Maxが営業運転を開始。
- 1999年(平成11年)12月4日 - 山形新幹線、山形駅~新庄駅間延伸開業。
- 2002年(平成14年)12月1日 - 盛岡駅~八戸駅間 (96.6km) 延伸開業。同時にDS-ATCを採用。
- 2005年(平成17年)5月31日 - 建設中の牛鍵トンネル内で、天井部分が60mに渡って陥没する事故が発生。この事故による新青森への延伸開業予定時期に支障はなく、年内に復旧工事がほぼ完了した。
- 2005年(平成17年)11月27日 - 古川駅~盛岡駅間で始発からDS-ATC使用開始。
- 2005年(平成17年)12月10日 - ダイヤ改正により仙台以北よりMaxやまびこの定期運用終了。
- 2006年(平成18年)10月15日 - 新白河駅~仙台駅~新幹線総合車両センター間で始発からDS-ATC使用開始。
- 2006年度(平成18年度) - 東京駅~新白河駅、新幹線総合車両センター~古川駅間でDS-ATC導入予定。これにより全線がDS-ATC化される。
[編集] 運賃計算と特急料金
運賃の計算については、東京駅~盛岡駅間は東北本線の営業キロを適用(東京駅~盛岡駅間の営業キロは535.3km、実キロは496.5km)し、盛岡駅以北は並行するJRの路線がないため、実キロ(新幹線での実際の距離)を適用し計算する。
特急料金に関しては、「三角表」と称する各駅間に定められたものにより算出される。
[編集] 駅一覧
駅名 | 営業キロ | 実キロ | 2005年度 乗車人員 |
接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
東京駅 | 0.0 | 0.0 | 379,350↑ | 東海道本線(東海道線#、山手線*、京浜東北線#、横須賀線*)、中央本線*、総武本線(総武快速線#)、京葉線、武蔵野線*、東海道新幹線、東京地下鉄丸ノ内線、東京地下鉄東西線(大手町駅) | 東京都 | 千代田区 |
上野駅 | 3.6 | 3.6 | 179,978↓ | 東北本線(宇都宮線#、高崎線*、常磐線*、山手線*、京浜東北線#)、東京地下鉄銀座線・日比谷線、京成本線(京成上野駅) | 台東区 | |
赤羽駅付近~大宮駅間は埼京線の線路と並行している。 | ||||||
大宮駅 | 30.3 | 31.3 | 231,599↑ | 東北本線(宇都宮線#、湘南新宿ライン#、京浜東北線#、埼京線#)、川越線、高崎線(湘南新宿ライン#)、上越新幹線、北陸新幹線(長野新幹線#)*、埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)、東武野田線 | 埼玉県 | さいたま市 大宮区 |
この間で久喜駅(東北本線、東武伊勢崎線)及び茨城県古河市付近を通るが、新幹線駅はない。 | ||||||
小山駅 | 80.6 | 80.3 | 21,375↓ | 東北本線(宇都宮線#、湘南新宿ライン#)、水戸線、両毛線 | 栃木県 | 小山市 |
宇都宮駅 | 109.5 | 109.0 | 35,545↑ | 東北本線(宇都宮線#、湘南新宿ライン#、烏山線*、両毛線*)、日光線 | 宇都宮市 | |
那須塩原駅 | 157.8 | 152.4 | 4,973↑ | 東北本線(宇都宮線#、両毛線*) | 那須塩原市 | |
新白河駅 | 185.4 | 178.4 | 2,799↓ | 東北本線 | 福島県 | 西白河郡 西郷村 |
郡山駅 | 226.7 | 213.9 | 18,355↓ | 東北本線、水郡線*、磐越西線、磐越東線 | 郡山市 | |
福島駅 | 272.8 | 255.1 | 15,274↑ | 山形新幹線、東北本線、奥羽本線(山形線#)、阿武隈急行線、福島交通飯坂線 | 福島市 | |
白石蔵王駅 | 306.8 | 286.2 | 953↑ | 宮城県 | 白石市 | |
仙台駅 | 351.8 | 325.4 | 76,723↑ | 東北本線、常磐線*、仙石線、仙山線、阿武隈急行線*、仙台市営地下鉄南北線 | 仙台市 青葉区 宮城野区 |
|
古川駅 | 395.0 | 363.8 | 5,098↓ | 陸羽東線 | 大崎市 | |
くりこま高原駅 | 416.2 | 385.7 | 1,251↓ | 栗原市 | ||
一ノ関駅 | 445.1 | 406.3 | 4,511↑ | 東北本線、大船渡線 | 岩手県 | 一関市 |
この間に鉄道橋として日本最長の第一北上川橋梁(3,868m)がある。 | ||||||
水沢江刺駅 | 470.1 | 431.3 | 1,046↑ | 岩手県 | 奥州市 | |
北上駅 | 487.5 | 448.6 | 3,673↑ | 東北本線、北上線 | 北上市 | |
新花巻駅 | 500.0 | 463.1 | 841↓ | 釜石線 | 花巻市 | |
盛岡駅 | 535.3 | 496.5 | 17,930↑ | 秋田新幹線、東北本線、田沢湖線、山田線、花輪線*、いわて銀河鉄道線 | 盛岡市 | |
いわて沼宮内駅 | 566.4 | 527.6 | 100↑ | いわて銀河鉄道線 | 岩手郡 岩手町 |
|
この間に八甲田トンネル貫通まで世界最長の陸上トンネルであった岩手一戸トンネル (25,808m) がある。 | ||||||
二戸駅 | 601.0 | 562.2 | 709↑ | いわて銀河鉄道線 | 岩手県 | 二戸市 |
八戸駅 | 631.9 | 593.1 | 4,903↑ | 東北本線、八戸線、青い森鉄道線 | 青森県 | 八戸市 |
- 接続路線の*印:線路名称上(戸籍上)はその駅を起終点あるいは経由する路線ではないが、運行上はその駅に発着している路線。
- 接続路線の#印:路線名称ではない電車・列車名称。
- 乗車人員の↑↓は前年度に比較した増(↑)減(↓)を示す。
[編集] 運行形態
[編集] 現在の運行形態
東京から八戸・盛岡方面には概ね1時間に1本の割合で運転されており、さらに仙台方面への区間列車が運転されている。停車駅に関しても概ね固定されているが、時間帯によっては停車駅が増えたり減ったりする列車もある。
愛称がゾーン制になっていることを受けて、駅一覧において以下で示す色分けの駅を下り側の終着駅とする。
はやて |
やまびこ |
なすの |
- 下り
東京駅 発車時刻 |
種別 | 東京 | 上野 | 大宮 | 小山 | 宇都宮 | 那須塩原 | 新白河 | 郡山 | 福島 | 白石蔵王 | 仙台 | 古川 | くりこま高原 | 一ノ関 | 水沢江刺 | 北上 | 新花巻 | 盛岡 | いわて沼宮内 | 二戸 | 八戸 | 終着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00分 | Maxやまびこ・(つばさ)◆ | ● | ● | ● | △ | ● | → | → | △ | ● | → | ● | 仙台 | ||||||||||
04分 | はやて・(こまち)33号 | ● | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | 八戸 |
08分 | Maxやまびこ・(つばさ) | ● | ● | ● | → | ● | → | → | ● | ● | ▲ | ● | 仙台 | ||||||||||
20分 | (Max)やまびこ◇ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △ | ● | 仙台 | ||||||||||
20分 | (Max)なすの◇ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 那須塩原/郡山 | |||||||||||||
24分 | Maxやまびこ・(つばさ)109号 | ● | → | ● | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 仙台 | ||||||||||
28分 | つばさ101号 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | ● | 仙台 | ||||||||||||
28分 | はやて・(こまち)■ | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | ● | △ | ▲ | ● | 八戸 |
36分 | やまびこ | ● | ● | ● | → | ● | → | → | ● | ● | → | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 盛岡 | |||
40分 | (Max)なすの※ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 那須塩原/郡山 | |||||||||||||
56分 | はやて・(こまち) | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | △ | → | △ | △ | △ | △ | ● | △ | ▲ | ● | 八戸 |
- 上り
東京駅 到着時刻 |
種別 | 始発 | 八戸 | 二戸 | いわて沼宮内 | 盛岡 | 新花巻 | 北上 | 水沢江刺 | 一ノ関 | くりこま高原 | 古川 | 仙台 | 白石蔵王 | 福島 | 郡山 | 新白河 | 那須塩原 | 宇都宮 | 小山 | 大宮 | 上野 | 東京 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00分 | やまびこ68号 | 盛岡 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | ● | → | ● | ● | ● | |||
04分 | Maxやまびこ・(つばさ)124号 | 仙台 | ● | → | ● | → | → | → | ● | → | ● | ● | ● | ||||||||||
08分 | はやて・(こまち) | 八戸 | ● | ▲ | △ | ● | △ | △ | △ | △ | △ | △ | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● |
24分 | やまびこ | 盛岡 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △ | ● | ● | → | → | ● | → | ● | ● | ● | |||
24分 | Maxやまびこ・(つばさ)102号 | 仙台 | ● | → | ● | ● | → | → | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
36分 | はやて・(こまち)■ | 八戸 | ● | ▲ | ▲ | ● | △ | △ | △ | △ | △ | △ | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● |
44分 | (Max)やまびこ◇ | 仙台 | ● | △ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
44分 | (Max)なすの◇ | 那須塩原/郡山 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||
44分 | Maxやまびこ・(つばさ)104号 | 仙台 | ● | → | ● | → | → | → | → | → | ● | → | ● | ||||||||||
48分 | Maxやまびこ・(つばさ)◆ | 仙台 | ● | △ | ● | ● | → | → | ▲ | → | ● | ● | ● | ||||||||||
51分 | はやて・(こまち)2号 | 八戸 | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● |
56分 | Maxやまびこ・(つばさ) | 仙台 | ● | ▲ | ● | ● | → | → | ● | → | ● | ● | ● |
- ●:停車 ▲:一部列車通過 △:一部列車停車 →:通過
- ◆:臨時列車 ◇:時間帯によってどちらかが運行 ■:時間帯によっては定期列車で運行
- ※:多客時間帯のみ設定あり
- ※ダイヤパターン化されていない定期列車と臨時列車は掲載していない。
- ※東京駅の発車、到着時刻に関しては多少の前後あり。
- 号数の振り方
- はやて
- 東京駅~盛岡駅・八戸駅間:定期列車は1~34号(5・11・22・26号は盛岡までの運転(臨時で八戸まで延長運転)、一部は東京駅~盛岡駅間「こまち」連結)、臨時列車は70~90号台
- 仙台駅~八戸駅間:95・98号
- 盛岡駅~八戸駅間:93号(土曜・休日運休)
- やまびこ
- 東京駅~盛岡駅間:定期列車は41~70号、臨時列車は130号台
- 東京駅~仙台駅間:定期列車は102~131号(東京駅~福島駅間「つばさ」連結)、201~223・225号(通過駅タイプと各駅停車タイプの混在)、臨時列車は300~320号台
- 仙台駅~盛岡駅間:96・97(休日運休)・99号
- 那須塩原駅・郡山駅~仙台駅間:290(土曜・休日運休)・291・293号(休日運休)
- なすの
- 東京駅~小山駅・那須塩原駅・郡山駅間:251~280・282・284号
- 列車番号は定期列車は基本的に号数+B(「はやて」は、連結列車を除き3000+号数+B)、臨時列車は4000、5000、6000、8000、9000+号数+Bである。
- また、上表にあるパターンにおいて、臨時列車として延長運行する場合は5000+号数+Bとなる。
[編集] 列車の概要
開業当初は東海道・山陽新幹線に倣って、「ひかり」に相当する速達タイプを「やまびこ」、「こだま」に相当する各駅停車タイプを「あおば」としていた。
しかし、1995年12月ダイヤ改正の近距離新幹線登場に合わせて、東北・上越両新幹線の列車名を運行区間別とする愛称の再編が行われ、東京~那須塩原間の近距離新幹線「あおば」を「なすの」として分離するとともに、仙台~盛岡間の「あおば」を「やまびこ」に統合。そして1997年10月のダイヤ改正からは東京~仙台間の「あおば」が「やまびこ」に統合され、「あおば」の愛称は消滅した。さらに2002年12月の八戸延長開業時のダイヤ改正からは東京・仙台・盛岡~盛岡・八戸間の列車として「はやて」が新設され、現在は概ね行先別に列車愛称が付されている。
ただし、停車駅は基本的に概ね各行き先によってある程度整理はされているが、統一化はされていない。
[編集] 列車愛称
- はやて(東京~盛岡・八戸、仙台~八戸間)
- 東京圏と仙台以北の東北各地の旅客需要に応える速達列車。全車指定席。停車駅は基本的に東京、上野、大宮、仙台、盛岡、八戸で、仙台以北では仙台~八戸間各駅の利用状況やダイヤに応じ列車毎に停車駅が追加設定される。基本的に東京・仙台~盛岡間では「こまち」(東京~秋田)を併結して16両で運転される(一部は併結なし10両、盛岡便は増結16両)。
- 仙台~八戸間の各駅停車区間便。自由席も設定されている。
- やまびこ・Maxやまびこ(東京~仙台・盛岡、仙台~盛岡、那須塩原・郡山~仙台間)
- 東京圏と宇都宮、および盛岡以南の東北各地の旅客需要に幅広く応える列車。定期列車のほぼ全便が東京、上野、大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台と仙台以北各駅に停車する。毎時1本の「やまびこ」(東京~盛岡)の他に、「Maxやまびこ」(東京~仙台)は、東京~福島間で「つばさ」(東京~山形・新庄)を併結し、白石蔵王駅にも停車する(一部列車は通過)。定期列車の場合、東京~盛岡便(速達)にも「はやて」の名称が用いられているが、臨時列車の場合、東京~盛岡便(速達タイプ)には「やまびこ」の名称が用いられることがある(その中には全席指定もあった)。以前の「やまびこ」(「はやて」開業以前の速達タイプ)は、「こまち」とも併結運転を行っていたが、「はやて」登場以後の併結運転は「つばさ」とのみである。
- 東京~仙台間の各駅停車列車(日中は白石蔵王駅通過)。「なすの」とともに上記の「やまびこ」が停車しない小山駅・那須塩原駅・新白河駅の旅客需要に応える列車。
- 那須塩原・郡山~仙台および仙台~盛岡間の各駅停車区間便。通勤・通学旅客需要に応える列車。
- なすの・Maxなすの(東京~小山・那須塩原・郡山間)
[編集] 担当乗務員区所
[編集] 車掌
- 丸の内車掌区:東京・上野発着の「やまびこ」「なすの」「はやて」「つばさ」(東京~山形間)「こまち」(東京~盛岡間)
- 上野新幹線第二運転所:東京・上野発着の「やまびこ」「なすの」「はやて」「つばさ」(東京~福島間)「こまち」(東京~盛岡間)
- 仙台新幹線運輸区:盛岡及び仙台発着の「やまびこ」「はやて」
- 盛岡新幹線運輸区:盛岡発着の「やまびこ」「はやて」「こまち」
- 山形運輸区:「つばさ」
- 秋田運輸区:「こまち」
- 「はやて」「こまち」併結列車はそれぞれの列車に車掌が乗務する。放送等は「はやて」の車掌が行う。「こまち」は丸の内車掌区・盛岡新幹線運輸区担当列車、「はやて」は盛岡新幹線運輸区担当列車に限り盛岡で乗務員交代を行う。
- 「Maxやまびこ」「つばさ」併結列車もそれぞれの列車に車掌が乗務する。放送等は「Maxやまびこ」の車掌が行う。
- 「Maxやまびこ」「Maxなすの」16両編成、「なすの」15・16両編成、「やまびこ」16両編成は、2編成併結列車のため通り抜けができないことから、それぞれの編成に車掌が乗務する。同じ列車でも編成により担当乗務員区所が異なる場合がある。
[編集] 運転士
- 上野新幹線第二運転所:東京・上野発着の「やまびこ」「なすの」「はやて」「つばさ」「こまち」(東京~盛岡間)
- 福島総合運輸区:福島に停車する「やまびこ」「つばさ」(東京~仙台間)
- 仙台新幹線運輸区:盛岡及び仙台発着の「やまびこ」「はやて」
- 盛岡新幹線運輸区:盛岡発着の「やまびこ」「はやて」「こまち」
[編集] 車両
[編集] 現用車両
- 営業車両
- 200系…K編成のみ。「やまびこ」(東京~仙台間、臨時)と「なすの」で使用。
- 400系…山形新幹線「つばさ」と「なすの」(増結用)で使用。
- E2系…J編成のみ。「はやて」、「やまびこ」、「なすの」で使用。
- E3系…秋田新幹線「こまち」、山形新幹線「つばさ」、「やまびこ」(増結用)、「なすの」(増結用)で使用。
- E4系…「やまびこ」(東京-仙台間)と「なすの」で使用。2階建て車両Max。
- 非営業車両
- E926形 (East i) …電気・軌道総合試験車。
- E954形 (FASTECH 360S) …高速試験車両。仙台駅~盛岡駅間で試運転中。
- E955形 (FASTECH 360Z) …高速試験車両(新在直通用)。仙台駅~盛岡駅~秋田駅間で試運転中。
編成記号の「S」は、系列に関係なく非営業用車両全般に用いられている。400系などの量産先行車も営業運転開始まで「S」を付けていた。
[編集] 過去の車両
[編集] 車内放送
1982年の開業から1991年6月19日までは停車駅に近い地域の民謡などの音楽を、停車駅案内車内放送のチャイムに、「ふるさとチャイム」という名称で使用していた(「上野」が「花」、「宇都宮」が「日光和楽踊り」、「郡山」が「会津磐梯山」、「仙台」が「斎太郎節」など)。その後は全ての停車駅で同一のオリジナル楽曲をチャイムとして使用して現在に至っている。
[編集] 大宮以南の開業の遅延と同区間の速度制限の理由
騒音問題による沿線住民の猛反対を受け続け、その見返りとして赤羽駅付近まで並行するように埼京線を同時に建設し、大宮駅以南の区間も110km/h制限となった。
だが、いざ開業してみると、東北新幹線より埼京線の開業当初に投入された103系の方が圧倒的に騒音が高いという滑稽な結果になった。そのため、民営化後に横浜線・南武線に続いて205系新製車を程なくして投入する羽目になった。
現在でも同区間における速度制限は変わらないが、埼京線の103系を淘汰した205系でも依然として騒音が高い傾向が見られ、遠距離客の利便性向上の為に速度制限の緩和を実施するべき、との声もある。ただし、線形的にも大幅な速度向上は難しいとされる。
[編集] 新青森延伸
[編集] 概要
現在、八戸駅~新青森駅間の工事が進められている。開業予定は当初「2001年4月25日から概ね12年」とされていたが、後に前倒しされ、現在は2010年頃の開業とされている。東京駅~新青森駅間の所要時分は、最高速度260km/hの場合で約3時間20分とされているが、JR東日本では新青森駅への延長開業時に最高速度300km/h以上(最終的には360km/h)での営業運転を検討している。この場合、所要時分は3時間以内となる可能性があるが、決定事項ではない。
新青森駅で北海道新幹線に接続することになる。
なお、東北・北海道・北陸の各新幹線が全通した後は大宮駅~東京駅間及び東京駅の容量が逼迫するとして、大宮駅から新宿駅へ乗り入れる別線を建設すべきとの意見がある(上越新幹線の本来の起点は新宿とされており、その建設とも見なせる)。現在ピーク時の大宮駅~東京駅間の運行本数は毎時12本であり、設計上は毎時15本(4分間隔)の運転が可能であるが、現在の運行本数は開業時から年々増えており、東京駅の容量も考えるとこの区間が運行上の大きなボトルネックになる可能性は高い。
[編集] 駅一覧
※営業キロ・実キロは東京駅からのもの(予定)。
☆東北本線:新青森延伸開業時には青い森鉄道に移管され青い森鉄道線となる予定である。
駅名 | 営業キロ | 実キロ | 接続路線 | 所在地 | |
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八戸駅 | 631.9 | 593.1 | 東北本線☆、八戸線、青い森鉄道線 | 青森県 | 八戸市 |
七戸駅(仮称) | 667.0 | 628.2 | 上北郡七戸町 | ||
この間に八甲田トンネル (26,455m) がある | |||||
新青森駅 | 713.7 | 674.9 | 北海道新幹線(予定)、奥羽本線 | 青森県 | 青森市 |
[編集] 東北の鉄道の強さ
東北本線は1968年10月1日(「ヨンサントオ」と呼ばれた旧国鉄の大規模ダイヤの改正日)に全線で複線電化が完成し、電車特急は最高速度120km/hでの運行が可能であったことから、速度や輸送力の面で鉄道は他の交通機関と比較的恵まれた条件で競争できた。新幹線開業前から需要が一番高い仙台~上野(東京)間は在来線特急でも約4時間で到達可能で、青森などさらに遠距離の都市では夜行列車の利用が一般的であった。
最盛期には上野~青森間に北海道への連絡も兼ねて、常磐線や奥羽線経由を含めて毎日10本もの寝台特急列車に加え、10本程度の夜行急行列車が運行されていた程で、東北の住民は鉄道で長時間揺られて東京に出ることには慣れていたのである。なお、常磐線上野駅~仙台駅(常磐線の終着駅は岩沼駅)間は途中単線区間もありながら、現在もスーパーひたちの一部列車が全線を約4時間強で運行されている。
さらに、空港や高速道路が元々東北の厳しい豪雪などに弱いことに加えて、その整備の遅れも鉄道に幸いした。
東北線沿線では早くから仙台空港がジェット化されていたが、岩手県の花巻空港のジェット化は東北新幹線開業の翌年の1983年のことである。また青森県東部の三沢空港は1975年からジェット機が就航していたが、青森空港のジェット化は1987年を待たなければならなかった。新空港開港により冬季閉鎖の不便が解消され、ジェット化によって所要時間が大幅に短縮されたが、夏の濃霧や冬の吹雪の際に欠航のリスクが付きまとうことは変わらない。そのため速さを犠牲にしても比較的信頼性のある鉄道を利用する旅行者も少なからず存在する。一時期に青森~仙台の航空便が運航されてはいたが、1日3往復の利用しづらいダイヤであったことに加え、便数でははるかに勝るJRが値引き攻勢で対抗したため、早い段階で休航に追い込まれてしまった。
鉄道は市街地から駅へのアクセスが便利なことに加え、輸送力が勝る。そして何よりのアドバンテージは雪に強いことであろう。東北の鉄道(殊に新幹線)は、高速バスは基より航空機ですら運休する程の大雪でも滅多に運休することはない。その信頼性から鉄道を支持する者は多い。野辺地駅周辺に今なお見られる鉄道防雪林は東北本線開業後間もなく作られた明治時代のもので、信頼するだけでなく住民自ら鉄路を守っていることも窺える。
東北地方の交通に大きな転機を及ぼした東北新幹線の存在は、その沿線である福島・宮城・岩手の3県以外に、東北新幹線と直通するミニ新幹線によって山形・秋田県、そして東北新幹線の盛岡以北の整備区間である八戸まで短時間で東京へ行ける範囲が広まったことでさらに大きくなった。これにより東北地方の全6県には何らかの形で新幹線車両が乗り入れていることになった。
また、新幹線がない都市には新幹線の停車駅との間に新幹線連絡特急などが整備され、東京からの日帰り旅行を可能にした。2006年現在、東北地方の県庁所在地で唯一新幹線が通らない青森市へは、東北新幹線の現在の終点八戸から新幹線連絡特急(白鳥・スーパー白鳥・つがる)によって、八戸~青森間が約1時間で結ばれている(青森市については今後新青森駅までの開業が予定されているため、開業後は大幅な時間短縮が図られる)。青森以南で新幹線が通らない福島県浜通りの場合は直接東京(上野駅)へ直結する常磐線で、山形県庄内地方の場合は羽越本線で新潟駅を経由し上越新幹線で東京へ至ることがそれぞれ可能である。
以上のことから、東北地方の鉄道は九州などと比べて高速バスや航空機に対し有利な戦いを進めることができたといえる。
[編集] 東海道新幹線との直通運転
東北・上越新幹線が着工された当時、東京駅の東海道新幹線ホームは16~19番線の2面4線であった。当初の計画では在来線の敷地を転用して12~15番線の2面4線を新設し、さらに16番線の北端をY字型に西へ張り出させて、12~16番線を直通運転が可能な形とすることになっていた(12~13番線は現在の22~23番線)。また、上野駅は経由しない予定だった。
しかし最初に15番線、次いで14番線が完成したものの、東京~大宮間の工事の遅れや東海道・山陽新幹線の列車増発などにより、東海道新幹線用に使われることになった。このため直通運転可能なのは14番線のみに縮小され、また上野駅地下に新幹線駅を作ることも決まった。
国鉄の分割民営化後、一時凍結されていた東京~上野間の工事は再開されたが、需要の少なさや運行管理上の問題に加え、路線の性格も大きく異なるため、東海道新幹線との直通運転は「当面行わない」として事実上断念された。
東北・上越新幹線の東京駅乗り入れ当初は、ホームが12~13番線の1面2線しかなかったため、多客時の増発列車は原則として従来どおり上野駅発着とされた。1997年の長野新幹線開業時に20~21番線が増設された際に、ほぼ全列車が東京駅発着となった。なお、この時12~13番線は22~23番線に改められている。
1998年に発表された小説『謀略軌道』(北上秋彦)では、上りのやまびこ・こまちに減速すると作動する爆弾が仕掛けられたため、東京駅構内に突貫工事で渡り線を仮設し、東海道新幹線に乗り入れさせる(言うまでもなく『新幹線大爆破』のオマージュ作品である)。
[編集] 関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- 東北本線優等列車沿革
- 日本列島改造論
- 東北・上越新幹線
- 1982年11月15日国鉄ダイヤ改正
- 1985年3月14日国鉄ダイヤ改正
- 建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画
- 東北自動車道
- 八戸自動車道
[編集] 外部リンク
現行路線 |
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東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線(長野新幹線)/ミニ新幹線 : 山形新幹線・秋田新幹線 |
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線 |
整備新幹線 |
北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 |
基本計画線 |
北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線 |
山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 |
未成線 |
成田新幹線 |
現行列車 |
はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま/新幹線直行特急 : つばさ・こまち |
のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ |
廃止列車 |
あさひ・あおば |
営業用車両 |
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試験用車両 |
1000形・951形・961形・962形・WIN350・STAR21・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 |
事業用車両 |
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