筑豊本線
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筑豊本線（ちくほうほんせん）は、福岡県北九州市若松区の若松駅から福岡県筑紫野市の原田駅に至る九州旅客鉄道（JR九州）の鉄道路線（地方交通線）である。全線が福岡近郊区間に含まれる。
折尾駅の東水巻側から分岐して鹿児島本線の黒崎駅方面に通じる短絡線があり、黒崎駅および門司港駅方面との直通列車が通る。この短絡線上にある折尾駅ホームの南側に鹿児島本線と筑豊本線の境界点がある。
石炭輸送が盛んであった頃は炭礦などに通じる多くの貨物支線を有していたが、現在は全て廃止されている。直方市・飯塚市などの市町から北九州市・福岡市などとの通勤・通学路線となっている。
長らく非電化路線で、ラッシュ時輸送のために客車列車が運転されていたり、都市間輸送強化のために高性能な気動車が投入されてきたが、2001年に電化され電車が走るようになった。電化を機に短絡線と篠栗線を含めた黒崎～直方～桂川～博多間には福北ゆたか線、若松～折尾間には若松線（わかまつせん）、桂川～原田間には原田線（はるだせん）の愛称がつけられている。
北部九州地区の乗車カードであるワイワイカードが若松駅、二島駅～直方駅、新飯塚駅、飯塚駅、桂川駅、原田駅で使用できる。
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[編集] 路線データ
- 管轄（事業種別）：九州旅客鉄道（第一種鉄道事業者）：
- 路線距離（営業キロ）：若松～原田間 66.1km（黒崎～東水巻間の短絡線は営業キロ設定なし）
- 軌間：1067mm
- 駅数：25駅（起終点駅含む）
- 複線区間：若松～折尾、折尾～飯塚（折尾駅構内での若松線との連絡が一部単線、また黒崎～東水巻間の短絡線は複線である）
- 電化区間：折尾～桂川間電化（交流20,000V・60Hz）、若松～折尾間、桂川～原田間非電化
- 閉塞方式：複線自動閉塞式（右記以外）、単線自動閉塞式（飯塚～桂川～原田間）
- 指令所：博多総合指令センター
本線を名乗るJR線の中では路線距離が一番短い。因みに二番目に短いのは留萌本線(66.8km)。
[編集] 運行形態
[編集] 優等列車
1950年から1985年にかけて本州直通の特急や急行列車が短絡線を経由して折尾～原田間を通り抜けていたが、現在はそのような列車はなくなった。2001年の電化時から直方～博多間に運転開始した通勤客向けの特急かいおうが直方～桂川間を通る。
[編集] 地域輸送
かつては、若松～原田間を通して運転される列車や、後藤寺線などの支線に乗り入れる列車もあったが、電化後は概ね愛称の通りに運転系統が分かれている。全区間でワンマン運転を実施している。
- 福北ゆたか線
- 門司港方面・黒崎・折尾・直方～博多間を直通する列車が多数運転され、多くは鹿児島本線内または直方・筑前大分～博多間を快速として運転される。快速は新飯塚・篠栗～博多間などの普通列車に接続している。列車種別や停車駅等の詳細は、福北ゆたか線を参照されたい。
なお、博多～直方間で運転されるワンマン運転の列車（普通・快速、いずれも2両編成）は、2006年3月17日まで無人駅および有人駅での営業時間外の停車時に関しては、前の車両のドアのみ開き（中扉は開かず・後ろ乗り前降り）、乗車時には整理券をとる必要があったが、2006年3月18日のダイヤ改正後より、全ての駅で列車のホーム側の全てのドアから乗り降りできるようになった。
- 若松線
- 若松～折尾間の列車が主体だが、一部に中間・直方まで直通する列車もある。
- 原田線
- 運転本数が少なく、わずか1日6.5往復の運転で4～6時間間隔が開く時間帯がある。2005年3月1日のダイヤ改正以後は全列車が桂川～原田間の運転となっている。
2006年にキハ220が大分地区に投入され、捻出された大分のキハ31が直方へ転属し、同年8月1日から若松線で運用が始まっており、原田線でも8月17日から運用開始されている。
[編集] 使用車両
[編集] 歴史
石炭輸送を行うため、筑豊興業鉄道（ちくほうこうぎょうてつどう。1894年、筑豊鉄道に改称）により開業し、九州鉄道を経て、1907年、鉄道国有法により国有化された。路線は若松から上山田方面と長尾（現在の桂川）方面へ延びていたが、若松～原田間が全通すると飯塚～上山田間は上山田線として分離された。民営化後、上山田線は廃止され、筑豊本線は電化された。
- 1891年8月30日 【開業】筑豊興業鉄道 若松～直方 【駅新設】若松、折尾、中間、直方
- 1892年10月28日 【延伸開業】直方～小竹 【駅新設】小竹
- 1893年4月?日 【信号所新設】植木
- 1893年6月30日 九州鉄道の黒崎駅と筑豊興業鉄道の中間駅までを結ぶ短絡線が開業
- 1893年7月3日 【延伸開業】小竹～飯塚 【駅新設】鯰田、飯塚
- 1893年12月20日 【複線化】底井野信号場～植木 【信号所→駅】植木 【信号所新設】底井野
- 1894年8月15日 【社名変更】筑豊興業鉄道→筑豊鉄道
- 1994年12月21日 【複線化】折尾～中間、植木～直方
- 1895年4月5日 【延伸開業】飯塚～臼井
- 1896年4月29日 【複線化】若松～折尾
- 1897年8月26日 【駅新設】（貨）新入
- 1897年10月1日 【合併】筑豊鉄道→九州鉄道 【駅名改称】植木→筑前植木
- 1898年2月8日 【延伸開業】臼井～大隈 【貨物支線開業】大隈～下山田 【駅新設】大隈、（貨）下山田
- 1898年3月29日 【貨物支線開業】飯塚～忠隈 【駅新設】（貨）忠隈
- 1899年9月5日 【駅新設】二島
- 1901年2月13日 【駅新設】（貨）勝野
- 1901年6月28日 【貨物支線延伸開業】下山田～上山田 【駅新設】（貨）上山田
- 1901年12月9日 【支線開業】飯塚～長尾 【駅新設】天道、長尾
- 1902年6月2日 【貨物支線開業】小竹～塩頭 【駅新設】（貨）塩頭
- 1902年6月15日 【貨物支線開業】山野分岐点～山野 【分岐点新設】山野 【駅新設】（貨）芳雄、（貨）上三緒、（貨）山野
- 1903年12月20日 【旅客営業開始】大隈～上山田 【貨物駅→一般駅】下山田、上山田
- 1904年5月8日 【信号所新設】藤ノ木
- 1904年10月25日以前 【駅新設】（貨）菅牟田
- 1904年11月10日 【複線化】勝野～小竹
- 1905年7月22日 【信号所新設】南良津 【駅廃止】（貨）菅牟田
- 1906年11月11日 【複線化】直方～勝野
- 1907年7月1日 【買収・国有化】九州鉄道→官設鉄道
- 1908年5月15日 【信号所新設】本城、吉田
- 1909年1月1日 【貨物支線開業】中間～大辻、筑前植木～新入第三、鯰田～鯰田炭坑、長尾～豆田 【駅新設】（貨）大辻、（貨）新入第四、（貨）新入第三、
- 1909年10月12日【国有鉄道線路名称制定】筑豊本線 若松～上山田、中間～大辻、筑前植木～新入第三、鯰田～鯰田炭坑、小竹～塩頭、飯塚～忠隈 長尾線 飯塚～長尾、長尾～豆田
- 1910年5月1日 【貨物支線廃止】筑前植木～新入第三 【駅廃止】（貨）新入第四、（貨）新入第三 【貨物支線開業】筑前植木～新入第三第四 【駅新設】新入第三第四
- 1911年2月22日 【仮信号所新設】新入
- 1911年9月1日 【貨物支線廃止】中間～大辻 【駅廃止】（貨）大辻
- 1912年3月20日 【仮信号場廃止】新入
- 1912年7月12日 【貨物駅→一般駅】勝野
- 1913年7月1日 【貨物支線開業】新多分岐点～新多 【分岐点新設】新多 【駅新設】（貨）新多
- 1913年8月20日 【貨物支線延伸開業】上三緒～漆生 【駅新設】（貨）鴨生、（貨）漆生
- 1916年2月1日 【駅新設】（貨）赤坂
- 1916年2月28日 【仮信号所新設】南良津川（廃止時期不明）
- 1917年12月1日 【信号所新設】東藤ノ木
- 1919年3月25日 【貨物支線開業】小牧連絡所～筑前中山 【連絡所新設】小牧 【駅新設】（貨）筑前中山
- 1920年5月10日 【路線分離】漆生線 芳雄～漆生、上三緒～山野 【貨物駅→一般駅】芳雄
- 1922年4月1日 【連絡所→信号場】小牧 【4線化】折尾～中間
- 1922年11月1日 【信号所新設】御館山
- 1923年6月1日 【貨物支線開業】中間～中鶴 【駅新設】（貨）中鶴
- 1923年7月1日 【3線化】中間～筑前植木
- 1927年2月5日 【信号所→信号場】本城
- 1928年4月20日 【貨物支線廃止】筑前植木～新入第三第四 【駅廃止】新入第三第四
- 1928年7月15日 【延伸開業】長尾線 長尾～筑前内野 【駅新設】上穂波、筑前内野
- 1929年12月7日 【延伸開業】筑前内野～原田 【駅新設】筑前山家 【路線統合】筑豊本線 若松～飯塚+長尾線+新線→筑豊本線 若松～原田 【路線分離】上山田線 飯塚～上山田
- 1930年4月1日 【分岐点廃止】新多
- 1930年5月15日 【3線化】本城信号場～折尾
- 1934年1月15日 【信号所廃止】東藤ノ木、藤ノ木、吉田
- 1935年2月1日 【駅名改称】芳雄→新飯塚
- 1935年4月26日 【駅新設】筑前垣生
- 1935年9月21日 【信号所廃止】底井野
- 1935年10月1日 【信号所廃止】御館山、南良津
- 1940年12月1日 【駅名改称】長尾→桂川
- 1942年6月?日 【複線化】小竹～新飯塚
- 1944年6月1日 【複線化】新飯塚～飯塚
- 1944年8月11日 【駅新設】藤ノ木
- 1945年6月10日 【貨物支線廃止】小竹～塩頭、鯰田～鯰田炭坑（鯰田駅に併合）、飯塚～忠隈（飯塚駅に併合）、長尾～豆田（桂川駅に併合） 【駅廃止】（貨）塩頭、（貨）新入（直方駅に併合）、（貨）鯰田炭坑（鯰田駅に併合）、（貨）忠隈（飯塚駅に併合）、（貨）豆田（桂川駅に併合）
- 1952年8月1日 【貨物支線廃止】中間～中鶴
- 1953年11月6日 【仮停車場新設】奥洞海
- 1954年8月31日 【3線→2線化】中間～筑前植木
- 1962年11月1日 【仮停車場→駅】奥洞海
- 1966年5月1日 【貨物支線廃止】中間（小牧信号場）～筑前中山 【信号場廃止】小牧 【駅廃止】（貨）筑前中山
- 1969年10月1日 【貨物支線廃止】小竹～新多 【駅廃止】（貨）新多 【信号場廃止】本城
- 1984年2月1日 【貨物営業廃止】若松～折尾
- 1987年4月1日 【貨物営業廃止】直方～原田 【承継】日本国有鉄道→九州旅客鉄道（全線・第1種）・日本貨物鉄道（折尾～直方・第2種）
- 1987年7月1日 【駅新設】 鞍手
- 1988年3月13日 黒崎～東水巻間の短絡線上にも折尾駅ホームを設置。 【駅新設】東水巻
- 1988年9月1日 特定地方交通線に指定された上山田線が廃止。
- 1989年3月11日 【駅新設】新入、浦田
- 2001年10月6日 【電化】黒崎・折尾～桂川
- 2003年3月15日 【駅新設】本城
- 2005年4月1日 【第2種鉄道事業廃止】日本貨物鉄道（折尾～直方）
[編集] 駅一覧
[編集] 若松～折尾間（若松線）
若松駅 - 藤ノ木駅 - 奥洞海駅 - 二島駅 - 本城駅 - 折尾駅
[編集] 折尾～桂川間（福北ゆたか線）
折尾駅 - 東水巻駅 - 中間駅 - 筑前垣生駅 - 鞍手駅 - 筑前植木駅 - 新入駅 - 直方駅 - 勝野駅 - 小竹駅 - 鯰田駅 - 浦田駅 - 新飯塚駅 - 飯塚駅 - 天道駅 - 桂川駅
[編集] 桂川～原田間（原田線）
桂川駅 - 上穂波駅 - 筑前内野駅 - 筑前山家駅 - 原田駅
