品川駅
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品川駅(しながわえき)は、東京都港区高輪三丁目および港南二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東海旅客鉄道(JR東海)・京浜急行電鉄(京急)の駅である。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅名の詳細
名前は品川駅ではあるが、所在地は東京都品川区ではなく東京都港区で、古来からある宿場町としての品川よりは北に位置する(当駅の南にある京急線の駅が、南にあるのに「北品川」となっているのは、このためである)。また、このことはフジテレビ「トリビアの泉」で品川区にある目黒駅と共に紹介された。
[編集] 駅構造
品川駅は大きく分けて3つの部分で構成される。
[編集] 京浜急行電鉄
所在地:東京都港区高輪3丁目26-26
京急線は品川駅の西側に位置し、2面3線の高架構造である。駅北側に折り返し用の引込み線が2線設けてある。横浜・羽田空港方面のホームはJRのコンコースに直結しており、中間改札がある。ただし、この中間改札はSuicaの利用が可能(京急→JRへ乗り換える場合、中間改札の自動改札機に品川までの乗車券を投入後、Suica券をセンサーに読ませる)であるが、ICOCAの利用ができないため注意が必要である。
- 当駅は京浜急行本線の起点駅である(泉岳寺駅も京浜急行の駅であるが支線の扱い)。
- のりば
1 | ■京急線 ■空港線 |
横浜・横須賀中央・京急久里浜・浦賀方面 羽田空港方面 |
2 | ■京急線(都営浅草線直通) | 日本橋・浅草・印旛日本医大・成田空港方面 |
3 | ■京急線(ウイング号平日のみ) ■京急線(下り普通・朝のみ) |
京急久里浜・三浦海岸・三崎口方面 新馬場・鮫洲・大森海岸方面 |
[編集] JR東日本
- 品川駅の中央に位置し、山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線のホームがある。島式7面14線ある。西から1番線~14番線と並ぶ。南側コンコースの西側には京急の窓口や京急との乗り換え改札があり、京急線の下りホームに直結している。また構内にはecute(エキュート)品川がある。
- 7~10番線は臨時ホームである。東海道線・横須賀線の早朝・深夜にある品川始発・品川終着の列車・電車は臨時ホームを使用している。また、品川行き湘南ライナーも臨時ホームに到着する。たまに行われるジョイフルトレインなどの鉄道車両の展示イベントのほか、東海道線や横須賀線のダイヤが乱れたりしたときに使うことがあり、湘南新宿ラインが大崎駅ではなく、当駅臨時ホーム発着になることもある。また、「ムーンライトながら91号」や団体列車などの始発臨時列車の発着にも使われる。
- のりば
1 | ■山手線(内回り) | 東京・秋葉原・上野方面 |
2 | ■山手線(外回り) | 渋谷・新宿・池袋方面 |
3 | ■京浜東北線(北行き) | 東京・上野・赤羽・浦和・大宮方面 |
4 | ■京浜東北線(南行き) | 蒲田・鶴見・東神奈川・(根岸線)磯子方面 |
5・6 | ■東海道線(上り) | 東京方面 |
7~10 | ■臨時ホーム | |
11・12 | ■東海道線(下り) | 川崎・横浜・大船・小田原・熱海・(伊東線)伊東方面 |
7~12 | ■「快速アクティー」「湘南ライナー」 | 藤沢・茅ヶ崎・小田原方面 |
■特急「(ワイドビュー)東海」 | 沼津・清水・静岡方面 | |
■特急「踊り子」「スーパービュー踊り子」 | 熱海・伊東・伊豆急下田・三島・修善寺方面 | |
■東海道本線(夜行快速「ムーンライトながら」)(寝台急行「銀河」) | 富士・大垣・大阪方面 | |
13 | ■総武快速・横須賀線 | 錦糸町・船橋・千葉・成田空港・君津・上総一ノ宮方面 |
■特急「成田エクスプレス」 | 成田空港方面 | |
14 | ■横須賀線 | 新川崎・横浜・大船・逗子・横須賀・久里浜方面 |
[編集] JR東海
駅の東側に位置する、東海道・山陽新幹線の島式2面4線のホームである。東京寄りに引き上げ線があり、折り返し可能である。1990年代半ばまで、現在の新幹線ホームおよびその東側は、品川機関区(東京機関区とは別)や貨物取り扱い施設、新幹線の車両基地があった。
東海道新幹線品川駅の構想自体は国鉄時代にはあり、その後旧国鉄の分割民営化を機にその構想はJR東海へと受け継がれた。JR東海が新幹線ホームの土地買収をする際、JR東日本とひともんちゃくあった。
東海道新幹線品川駅が建設された理由として、品川折り返し列車の設定による東海道新幹線の輸送力増強(東京駅から東京第一車両所・東京第二車両所に出入する回送列車との競合を回避することで、毎時4本の増発が可能であるとされた)が大きな目的とされているが、開業以降2006年現在まで、品川折り返し定期列車は設定されていない。
ホーム上には売店等はない。ホーム上のコンコースおよび改札内にいくつかの店がある。また、改札内の待合室を兼ねるコーナーには一部に無線LANコーナー(電源付き)がある。新幹線ホームは駅舎の内側にあるため、地下駅のようになっている(似たような例は京王井の頭線の神泉駅)。上下線とも外側が本線(通過線)となっており、転落防止の為にホームドアが設置されている。
新幹線は、「のぞみ」の約6割、新大阪発着の「ひかり」が停車する。広島(または岡山)発着の「のぞみ」は原則通過し、博多発着の「のぞみ」は全停車する。
- のりば
21・22 | ■新幹線 | 東京行き |
23・24 | ■新幹線 | 名古屋・新大阪方面 |
[編集] 利用状況
品川駅の2004年度(JR東日本は2005年度)1日平均乗降客数は、乗り入れている鉄道会社をあわせて約88万人(全国9位、関東7位)。
- JR東日本 30万2,862人(乗降客数は約60万人)
- JR東海 約4万人
- 東海道新幹線の利用者数としては6位。なお、東海道新幹線の駅利用者数は1位~6位まで「のぞみ」の停車駅。
- 京浜急行 約24万人
- 京浜急行の駅としては、横浜に次ぐ2位。
東海道線や京浜東北線、京急線方面と山手線の西側にある渋谷、新宿方面との乗り換えや、京急線を使っての羽田空港との連絡目的、さらに新幹線の駅として開業したことで海側の再開発が進んで高層ビル街になり、通勤時はもちろん終日非常に混雑する駅の一つである。
2003年10月1日に東海道新幹線の駅も開業し、新幹線に乗るのに今までは東京駅を使っていた人の約3万人が当駅を利用するようになった。渋谷駅、目黒駅に接続する各線沿線住民を始めとして、品川区、大田区、世田谷区、川崎市南部の地域にとっては、新幹線が近くなった。東京駅との距離が僅差(約6分)にも関わらず、開業の影響は絶大である。また横須賀線は、東京駅では新幹線のりばから大きく離れているのに対し、当駅では新幹線のりばのすぐ近くに発着するため、直通先の総武線(総武快速線)沿線住民も新幹線は当駅利用が便利であるが、この駅を通る新幹線は通過する列車もあるため、停車本数が少ないのが難点である(特に日中時間帯の下りは、毎時30分発の「こだま」名古屋行きの次に停車する列車は、58分発の「のぞみ」博多行きとなっていて、その間30分近く空白となっている)。
[編集] 駅周辺
[編集] 西側(高輪口)
大規模なシティホテルが多く、エリアあたりの客室数では日本一を誇っている。これは、東海道の最初の宿場であった品川宿のあった地域であることが考えられる。
駅ビルと呼べるほどの施設はないが、京急系列の複合商業施設「ウィング高輪EAST」が併設されている。また、長距離バスの始発点である品川バスターミナルにもほど近い。第一京浜沿いのビジネス街に並んでいるほか、高輪、白金、池田山などの高級住宅街を後背に控えている。
1977年1月4日の青酸コーラ無差別殺人事件は、現在の品川プリンスホテル本館前(同ホテルの開業は1978年。当時は品川スポーツランド)にあった電話ボックスで起こった。
- 麺達七人衆 品達ラーメン(フードテーマパーク)
- 品達どんぶり五人衆(フードテーマパーク)
- ウィング高輪EAST・WEST
- ホテルパシフィック東京
- 高輪京急ホテル
- 品川バスターミナル
- 東横イン品川駅高輪口
- 高輪東武ホテル
- 高輪プリンスホテル
- 新高輪プリンスホテル
- 高輪プリンスホテルさくらタワー
- 品川プリンスホテル
- エプソン品川アクアスタジアム
- ユニ・チャーム本社
- 国道15号
[編集] 東側(港南口)
従来、工場や倉庫などが広がる地帯で、駅からこの側に出るには駅から離れた場所にある非常に長い地下通路を通らなければならなかったが、貨物ターミナルや新幹線車両基地(旧東京第一車両所、1992年移転)の跡地再開発がはじまってからは品川インターシティ、2003年に品川グランドコモンズがオープンし、オフィスビルや商業施設が建ち並び、都下でも有数の商業地域となった。また新幹線品川駅が開業したことにより名古屋・関西地区とのアクセスが向上したこともあって、企業が次々と本社を移転し、都内でも有数のビジネス街となった。
近年、再開発によるタワーマンションの建設ラッシュが進んでいて、湾岸戦争とまで言われるようになった。 これは昨今の不景気により企業が負債圧縮のため、数多く所有していた倉庫などの敷地を手放し、不動産業者などに売却したためであると言われている。
また、朝ラッシュ時は駅から港南口方面の企業へと出社する大量の会社員で駅通路や歩道が埋まり、港南口側から駅を利用する場合、日中に比べると改札口に到達するだけで数分ほど余計に時間が掛かることがある。
- アトレ品川
- 品川グランドコモンズ
- 品川イーストワンタワー(大東建託本社・ストリングスホテル東京)
- 太陽生命品川ビル(太陽生命本社・他にもバンダイナムコホールディングス等が入居)
- 品川グランドセントラルタワー(旧・品川三菱ビル、三菱商事品川本社・三菱自動車工業本社(移転検討中))
- 三菱重工ビル(三菱重工本社)
- キヤノンSタワー(キヤノンマーケティングジャパン本社)
- 品川インターシティ(A棟・B棟・C棟)
- 大林組東京本社(本店は大阪だが、ここが実質の本社である)
- 他にもソニーの一部本社機能、及び関連会社も入居
- 品川インターシティパーキング収容台数678台
- アレア品川
- 東京新聞品川分室
- 東京都下水道局港南水再生センター
- 東京都中央卸売市場食肉市場
[編集] バス路線
[編集] 西口(高輪口)
- 品川駅前
- ホテルパシフィック東京、品川プリンスホテル、高輪プリンスホテル 他
- <空港> 成田空港 (東京空港交通)
[編集] 東口(港南口)
- 品川駅東口
- 1番乗り場
- <品98甲> 大田市場 (都営) ※平日9時まで除く、休日は大田市場北門止
- <品98乙> 大井埠頭バンプール前 (都営) ※平日朝と土曜1本のみ
- 2番乗り場
- <品98甲> 大田市場 (都営) ※平日9時まで
- <品98丙> 大田市場(急行) (都営) ※市場開催日早朝1本のみ
- <浜95甲、 浜95乙、 田92> 品川車庫 (都営)
- 3番乗り場
- <品91> 品川シーサイド駅前・八潮パークタウン (都営)
- 4番乗り場
- <品96甲> 天王洲アイル(循環) (都営) ※平日のみ
- 5番乗り場
- <品96乙> JALビル前 (都営)
- 6番乗り場
- 7番乗り場
- 8番乗り場
- <品99> 品川埠頭循環(東京入国管理局前経由) (都営)
- <品99> 港南四丁目 (都営)
- <品99折返> 東京入国管理局前 (都営) ※平日昼間のみ
- こうなん星の公園前 乗り場
- <高速> 木更津駅(袖ヶ浦バスターミナル経由) (京急、小湊鉄道、日東交通)
- 1番乗り場
[編集] 歴史
同駅の西口側は三田~高輪台にまたがる台地(月の岬)の裾野に位置し、港南側の大部分は明治時代埋め立てられた場所に位置している。
- 1872年1月20日 西洋建築平屋建の品川駅(当時は「品川ステーション」)駅舎が完成。
- 1872年10月14日 (新暦)の新橋駅~横浜駅(現在の桜木町駅)間の正式開業に先立ち、同年6月12日に品川駅から横浜駅までが仮開業した。
- よって、新橋駅よりも先に開業したことになり、桜木町駅とともに日本一古い鉄道駅の1つということになる。そのためもあって現在、東海道本線のホームの発車時のメロディーが『鉄道唱歌』となっている。同歌に置いて品川は、第1集東海道編第3番に「窓より近く品川の 台場も見えて…」と歌われている。
- 1925年3月11日 京浜急行電鉄の高輪駅が開業。その後、国鉄駅乗り入れが検討され、1933年4月1日に現在地に移転、品川駅と改称された。
- 1945年5月24日 太平洋戦争による空襲にあう。
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化に伴い、東海道本線、(横須賀線、京浜東北線)、山手線はJR東日本に継承。
- 1998年11月 東西連絡通路が完成して駅舎が橋上化。
-
- これ以前に、品川駅には線路を越えるための通路が設置されていなかった。そのため、歩いて東口方面と西口方面を行き来する(歩いて線路の向こう側に行く)には、入場券を購入して改札内駅を抜けなければならかったが、これが解消されることとなった。なお、その関係で当駅には入場券の定期券が存在した。
- かつての品川駅には、西口改札を入って左にある階段を降りると、JR線の各ホームへ向かう連絡通路が設置されていた。品川駅の線路やホームは高架式ではないため、この通路は線路や周囲の地面よりも低いところにあり、短時間に集中して雨が降ると冠水してしまうことがあった。これが原因で列車の運行に支障を来したこともあったが、駅の橋上化により解消された。
- 2003年10月1日 東海道新幹線品川駅が開業。開業記念セレモニーの一環で、ソニーのQRIOが同駅から静岡駅まで「ロボットの乗客としては、初めて」新幹線に乗り込んだ。
- 2005年10月1日 大宮駅に続き、品川駅にも、ecute品川が開業。
[編集] 隣の駅
- 東海旅客鉄道
- ■東海道新幹線
-
- 東京駅 - 品川駅 - 新横浜駅
-
- 京浜急行電鉄
- ■本線