根岸駅 (神奈川県)
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根岸駅(ねぎしえき)は、神奈川県横浜市磯子区東町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)および日本貨物鉄道、神奈川臨海鉄道の駅である。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
島式ホーム1面2線をもつ地上駅。のりばは北側の駅舎から見て2番線、1番線となっており、それぞれ大宮方面、大船方面の列車が発着する。
また、当駅の南側には新日本石油精製根岸製油所の専用線(荷役線・仕分線)と、それに繋がる着発線・授受線が敷かれており、同製油所にて精製され出荷される石油類を取り扱うタンク車や、神奈川臨海鉄道本牧線中継のコンテナ貨車などが留置されている。
直営駅でみどりの窓口設置駅、自動券売機・自動改札設置駅となっている。
[編集] 駅構内設備
[編集] 利用状況
- 2005年度の1日平均乗車人員は19,828人であった。
- 当駅は日本全国第1位の車扱い貨物取扱量を誇る(2003年度)。
[編集] 貨物扱い
前述のとおり当駅は車扱い貨物取扱量日本全国第1位であり、タンク車については多い時は1日500両近いタンク車を裁いている。構内~専用線は主に大量のタンク車で溢れており、この大量のタンク車を短時間で手際よく裁くため、旅客ホームに隣接する着発線・授受線と新日本石油専用線の仕分線・荷役線との間で頻繁にタンク車の入換が行われている。
授受線(一部は着発線直接授受)~専用線内では日新運輸の操車係と同社所有のスイッチャー(NDD5600形・D500形計4機)により入換・タンク車の編成組成が執り行われている。また、奥の専用線内では今では珍しいスイッチャーを用いた突放が行われている。1機のスイッチャーだけでは大量のタンク車を裁くのに時間がかかるため、取扱の多い時間帯は2機のスイッチャーが入換に従事する。なお、日新運輸の操車係はグレーの作業着にオレンジのヘルメットを着用しているのが特徴である。
着発線・授受線内での入換は神奈川臨海鉄道がJR貨物より受託しており、同社所有のDD55形ディーゼル機関車による神奈川臨海鉄道直通列車の入換のほか根岸始発・終着の列車についても、JRの機関車を誘導・操車し列車の組成や入換作業を行っている。神奈川臨海鉄道の操車係は青い作業着に黄色もしくは白のヘルメットを着用し、さらに視認性をよくするため蛍光帯を上から着用しているのが特徴である。また、神奈川臨海鉄道は入換業務以外にもJR貨物より根岸駅の貨物業務を受託しており、入換のほかでは根岸駅の貨物フロント業務なども行っている。その日その日で輸送量や貨車の手配などを根岸駅併設の旅客会社の根岸駅貨物分室の担当者と話し合い、運転の計画などを立てている。
構内は機関車、スイッチャー、貨車の入換の往来が大変激しく、各操車係ともポイント切替や構内の安全確認のため指差し点呼を厳しく励行し細心の注意をはらっている様子を伺うことができる。
当駅のタンク車は主に次の駅へと出荷している。当駅から直接着着駅へ運ぶ列車のほか、中継駅を経て別列車に継承されて着駅へ運ばれる列車も存在するため、貨物時刻表に記載されている石油列車の行先の限りではない。
- 中央本線 - 南松本駅、辰野駅、竜王駅、八王子駅
- 篠ノ井線 - 村井駅
- しなの鉄道 - 坂城駅
- 信越本線 - 長野駅
- 高崎線 - 倉賀野駅(一部川崎貨物経由)、岡部駅(一部梶ヶ谷貨物ターミナル駅で別列車より継承)
- 東海道線 - 三島駅
- 東海道貨物支線 - 川崎貨物駅(交番検査を行う空車の貨車のみ)
- 京葉臨海鉄道 - 浜五井駅(空車の貨車の回送のみ)
出荷先は新日本石油の内陸油槽所が中心で、個人事業主への出荷として三島駅で取り扱う東レへ送る重油、辰野駅で取り扱う豊島屋へ送る軽油や灯油、長野駅で取り扱う新潟燃商へ送る灯油などがある(季節によって品目等異なる場合あり)。また、かつては常磐線の神立駅に隣接していた新日本石油の内陸油槽所へ石油類を輸送する列車と信越支線沼垂駅に隣接する新日本石油加工新潟製油所とを結ぶ潤滑油輸送の列車がそれぞれ存在したが、現在は廃止となっている。
一部列車ではタキ1000形式貨車のみで編成組成された最高速度95km/hの高速石油列車も設定されており、EH200形電気機関車を主に用いて石油の速達に一役買っている。
コンテナ貨車については、すべての列車が神奈川臨海鉄道本牧線の横浜本牧駅または本牧埠頭駅発着の列車で、当駅は中継駅となっている。このため、直接の荷役等は行わない。
取扱品目は仙石線支線石巻港駅から運ばれる日本製紙の紙や白新線新潟貨物ターミナル駅から運ばれる北越製紙の紙などを積載した12ftJRコンテナ、化成品(MDI、ラテックス、新日本石油精製根岸製油所から出荷される潤滑油などが中心)。タンクコンテナのほか、横浜本牧駅と仙台臨海鉄道仙台港駅を結ぶ20ft・40ft海上コンテナーを運ぶ列車も存在する。また、年度末の輸送増加に伴う補完輸送として、3月いっぱいの期間限定で日産自動車宇都宮工場で製造した高級車を東北本線宇都宮貨物ターミナル駅より発送し、横浜本牧駅で取り下ろし、隣接の横浜港日産専用埠頭へと運ぶNISSANカーパック輸送列車も当駅にて中継される。
また、かつては横浜本牧駅接続の国際埠頭専用線より上越線渋川駅に隣接した工場へ運ばれる工業塩輸送列車(通称『塩トラ列車』、『塩コキ列車』)も行われていたが、こちらはすでに終了している。
[編集] 駅周辺
海側には工業地帯、山側には住宅地が広がる。駅前広場にはバスなどが発着し、それを囲むようにしてマンションなどが林立している。
- 新日本石油精製根岸製油所
- 東急ストア
- 根岸森林公園(旧横濱競馬場)
- 横浜プールセンター(通称「マンモスプール」)
- 衛生看護専門学校(駅前校舎は閉鎖され、当駅より山手駅側に歩いてすぐの旧日赤病院隣に移転)
- 根岸中学校
- 根岸小学校
- 根岸駅前郵便局
- 首都高速道路湾岸線
- 米軍根岸住宅
[編集] 路線バス
- <58> 桜木町駅前・横浜駅前
- <58> 小港橋・みなと赤十字病院
- <99> 桜木町駅前
- <101> 保土ヶ谷車庫前(市庁前・桜木町駅前経由)
- <126> 根岸駅前(本牧回り)
- <21> 桜木町駅前(旭台経由)
- <21> 市電保存館前
- <78> 磯子駅前(浜小学校前経由)
- <133> 上大岡駅前
- <深夜> 浜小学校前 ※深夜バスのみ
- <135> 根岸駅前(脳血管医療センター経由)
- <58,99> 磯子車庫前(磯子駅前経由)
- <54> 本牧車庫前(本牧市民公園前経由)
- <54> 海づり桟橋(本牧市民公園前経由)
- <54> 桜木町駅前(本牧市民公園前・小港経由)
- <54> 根岸駅前(本牧市民公園回り)
- <97> 北通り(急行) ※平日土曜朝のみ
- <97> 根岸駅前(北通り経由)
- <91> 三菱本牧工場前(急行) ※朝のみ
- 10番乗り場
- <54> 日産工場前・本牧車庫(急行) ※平日土曜朝のみ
[編集] 歴史
- 1964年(昭和39年)5月19日 - 国鉄根岸線の駅として開業。
- 1969年(昭和44年)10月1日 神奈川臨海鉄道本牧線が開業し当駅に接続。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道に承継。
[編集] 隣の駅
- 神奈川臨海鉄道
- 本牧線
- 根岸駅 - 横浜本牧駅