京急本線
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本線(ほんせん)は、京浜急行電鉄の鉄道路線。泉岳寺駅(東京都港区)から浦賀駅(神奈川県横須賀市)を結ぶ京急の基幹路線である。なお、起点は品川駅であり、泉岳寺駅~品川駅間は都営地下鉄浅草線に乗り入れるための支線という扱いになっている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離:56.7 km
- 軌間:1435 mm
- 駅数:50駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線(うち子安駅~神奈川新町駅間は3線、金沢文庫駅~金沢八景駅間は複々線)
- 電化区間:全線(直流1500 V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:京浜急行電鉄・京成電鉄・新京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道・都営地下鉄浅草線で使用されている1号型ATS。C-ATS に更新予定。
- 最高速度:120 km/h(品川~横浜)、110 km/h
[編集] 運行形態
原則的に20分サイクルのパターンダイヤが組まれ、優等列車と普通列車とが各所で緩急接続を行う。優等列車は停車駅を限定することで表定速度を高め、普通列車の頻繁運転と緻密な緩急接続により通過駅での利便性を確保している。運行ダイヤ上の基幹列車とされる快特はすべて堀ノ内駅から久里浜線に直通し、堀ノ内駅~浦賀駅間は枝線の印象が強い。ただし、朝ラッシュ時には浦賀発着の特急列車(金沢文庫以北快特となる列車を含む)も運転される。
大師線以外の路線へは直通列車が運転されている。空港線への直通列車は品川・浦賀両方面からあり、浦賀方面からの直通列車は京急蒲田駅で進行方向を変える。なお、元旦には品川から大師線直通列車が臨時に運転される。
都営地下鉄浅草線や京成電鉄各線などと相互乗り入れを行っており、以下に挙げる路線の各駅へ直通列車が存在する。基本的には空港線羽田空港駅方面へ乗り入れる列車が多いが、一部は久里浜線や逗子線と直通する。運転区間が最長となるのは三崎口発京成成田行き特急列車(平日上り1本のみ設定)である。現在京急蒲田以南への直通は自社と東京都交通局の車両に限られるが、かつては京成電鉄や北総開発鉄道・住宅都市整備公団(現北総鉄道)の車両も乗り入れていた。
- 都営地下鉄浅草線・京成押上線・京成本線・北総鉄道北総線経由印旛日本医大駅
- 都営地下鉄浅草線・京成押上線・京成本線経由成田空港駅
- 都営地下鉄浅草線・京成押上線・京成本線・京成東成田線・芝山鉄道線経由芝山千代田駅
[編集] 最高速度
歴史にもあるとおり、品川~横浜間は開業時より東海道本線・横須賀線と並走するため、伝統的に速達運行が行われてきた。
戦後では認可速度80 km/h から始まり、1953年に90 km/h、1958年秋には100 km/h、1967年からは特急で105 km/h 運転が認可された。1995年以降は品川~横浜間で120 km/h(他社車両は制限速度が低く設定されている場合もある)、横浜以南では110 km/h 運転を行っており、これは関東地方では高速の部類に入る。標準軌という点は高速運転に有利だが、軌道や信号設備の改良など120 km/h 運転を始めるための準備に数年を要しており、他社がなかなか高速化に踏み切れないのも頷ける。
[編集] 列車番号
列車番号は3桁ないし4桁の数字の末尾に2つ以内のアルファベットを加えて表される。数字の千の位と百の位は列車の始発駅発車時間の「時」が使用され、下2桁は編成ごとの運行番号を表す。運行番号は乗り入れ先に合わせるため下りが偶数、上りが奇数となっている。アルファベットについては次の通り。
- 自社車両以外で運用する列車(詳細は列車番号#東京都交通局を参照)
- T - 東京都交通局車両の列車
- K - 京成電鉄車両の列車
- N - 北総鉄道車両の列車
- 自社車両使用列車
- A - 自社線内のみを運転する快特と京急ウィング号。ただし、泉岳寺駅~羽田空港駅のみ運転の列車を除く
- B - 平日朝ラッシュ時に運転される金沢文庫駅以南が特急の上り快特(かつての通勤快特)と、折り返しその運用につく列車
- C - 出庫から入庫まで自社線内で運用が完結する編成による特急と、折り返し営業運転を行わない8両編成の普通
- D - 日中の快特に京急川崎駅~金沢文庫駅間併結される羽田空港駅発着の特急と、金沢文庫駅で快特に併結される羽田空港行き上り普通
- H - 泉岳寺駅以北に乗り入れる特急・急行と、折り返しこれらの運用につく8両編成の普通
- SH - 泉岳寺駅~羽田空港駅運行の快特と、泉岳寺以北に乗り入れる快特(自社線外ではH)
- なし - 6両または4両編成の普通列車。ただし、D, X, Y を加える条件に当てはまるものは除く
さらに、短区間で折り返す列車の場合に発生する番号の重複を防ぐために下の文字が使用される。
- X・Y - 同一の番号を振るべき列車が複数ある場合、X、Y を末尾に追加する
運転中に編成の増解結を行う列車については、併結する場合には併結前に8両編成の列車が持っていた番号を使用する。分割する場合には、8両編成の列車は分割前の番号をそのまま使用し、4両編成の列車は分割時刻を基準に上記の方法で新たに付番する(なお、2005年10月現在京浜急行線内における営業中の増解結はすべて8両編成と4両編成の列車とで行われている)。
[編集] 方向幕表示
特殊な表示形態として、以下のものがある。
- エアポート快特と快特を区別するため、エアポート快特には「快特」の文字の前に飛行機のマークを表示する。
- 泉岳寺行き上り快特は品川駅まで「品川方面泉岳寺」と表示する。
- 京急ウィング号の種別表示「Wing」は本来の行先表示箇所に表示され、行先表示「久里浜(京急久里浜の略)」・「三崎口」が本来の種別表示箇所に表示される。
- 京成線への直通列車のうち、京成佐倉駅で成田空港駅行きに接続するエアポート快特・快特は「成田空港方面 佐倉」と表示する。
- 北総線への直通列車は京急車に限り品川駅まで「品川・日本橋方面 印西牧の原」・「品川・日本橋方面 印旛日本医大」と2行に分けて行先を表示する。
[編集] 列車種別
[編集] 現行の列車種別
基本的には以下の6種別で構成されているが、日中は快特及び普通の2種が基本とされている。また、優等列車は種別ごとにラインカラー(停車駅表にある3種類の色)を定めており、呼称するのにその色を用いる場合もある。
同じ種別の列車をさらに分類するため、一部の鉄道ファン等は列車番号末尾の英字を用いた呼称を使用することもある。例えば、日中の本線系統の快特は末尾が A と H の列車が交互に運転され、A の場合原則としてオールクロスシート車両の2100形が使用されることもあり、それぞれ「A快特」「H快特」と呼ばれる。また、通勤快特という種別が消滅したため平日朝ラッシュ時に運転される末尾が B の列車について「B快特」の呼称も使用されるようになっている。
[編集] 京急ウィング号
平日夜間の下りのみ運転される。最初の停車駅が上大岡駅であるが、平日のラッシュ時間帯の運行により上大岡駅までの所要時間は快特、むしろ特急と所要時間はほとんど変わらない。品川駅から乗車する場合には乗車券以外に着席整理券(200円)が必要だが、上大岡駅から先は整理券なしで乗車できる。品川駅~上大岡駅までは全車指定席なので快特停車駅のうち京急蒲田駅・京急川崎駅・横浜駅の3駅は乗車人員が非常に多い事もあり通過する。
- 停車駅
- 品川 - 上大岡 - 金沢文庫 - 横須賀中央 - 堀ノ内 -(久里浜線直通)
[編集] 快特
乗車券のみで乗れる列車では、最も停車駅が少ない。1999年夏のダイヤ改正以前は「快速特急」という名称だったが、ダイヤ改正に伴い、それまで通称・略称として用いられていた「快特」が正式名称となった。種別色から、"Green Limited Express"、"Green Train"と称される場合もある。日中の京急川崎以南では唯一の優等列車となる。
日中の久里浜線直通の快特は、自社線内を主に2扉クロスシートの2100形で運行する列車(以下 A快特)と、3扉車を用いて都営浅草線・京成押上線と直通する列車(以下 SH快特)がそれぞれ20分間隔で交互に、両者を合わせて概ね10分間隔で運転される。日中の下り SH快特と上り A快特は、京急川崎駅~金沢文庫駅間で空港線直通特急~浦賀・逗子線新逗子発着の普通を併結する。土休日は下り A快特と上り SH快特についても品川~金沢文庫間で浦賀・新逗子発着の普通を併結する。このような増解結がある関係で京急車が運用の主体となるが、ラッシュ時には少数ながら都営車も使われる。平日夕方~夜にかけての A快特は品川駅発着となり、乗車率が高くなるため3扉車で運転される。
さらに、空港線直通の快特が40分間隔(下記の「エアポート快特」とあわせ実質20分間隔)で運行している。羽田空港~都心方面の快特は早朝・深夜以外はあまり京急車を使わず、どちらかというと京成車、都営車での運用が多い。
毎年8月末に海の公園で開催される「金沢まつり花火大会」の開催後には、普段停車しない金沢八景駅に数本が臨時停車する。
- 停車駅
- 泉岳寺 - 品川 - 京急蒲田 - 京急川崎 - 横浜 - 上大岡 - 金沢文庫 - 横須賀中央 - 堀ノ内 -(久里浜線直通)
- 1998年11月18日 京急蒲田が夕方のみ停車から終日停車に変更。
- 1999年7月20日 堀ノ内が停車駅となる。
[編集] エアポート快特
羽田空港駅から京成線内へ直通する列車。40分間隔で運行し、一部列車は成田空港駅まで乗り入れる。京急線内での停車駅は通常の快特と同様だが、都営浅草線内も一部の駅を通過し、京成線内は快速となる。夕方ラッシュ時以降も都営浅草線内では運転されるが、京急線内は急行扱いに、京成線内は快特(一部通勤特急)扱いとなる。
- 停車駅
- 泉岳寺 - 品川 - 京急蒲田 -(空港線直通)
[編集] 特急
1999年夏のダイヤ改正以降、空港線に乗り入れる列車を除き、早朝深夜・朝夕のみ運転されている。平日朝の上り特急は金沢文庫駅以北で快特となる列車があり(以前の通勤快特と同様の列車、通称:B快特)、品川寄り先頭車が女性専用車両となる。種別色から、"Red Limited Express"、"Red Train" とも称される。
昼間時間帯の特急は現在、京急川崎以南では快特と併結し、空港線羽田空港と横浜方面を直通運転する列車が羽田空港~京急川崎間で特急と名乗るだけである。特急は空港線内では各駅停車である。なお、この列車は下りの場合京急蒲田を併結する快特に先行して発車し、一時京急川崎の引上線に停車、快特を先にホームに進入させた後その後部に連結される。金沢文庫以南では快特と分割され普通列車となる。
平日ラッシュ時の特急は主に都営浅草線直通列車として運転され、朝は12両編成となる。12両での運転区間は上りは快特と同じ区間(金沢文庫→品川)だが、下りは神奈川新町駅のホーム有効長が8両分のため、京急川崎までとなる。この場合、後寄りの車両4両は京急川崎から回送扱いとして神奈川新町で切り離すか、京急川崎で切り離して普通列車として運転される。分割併合を行う列車は京急車での運転になるが、そうでない場合は都営車も運用に就く。
京急伝統の手法として、各駅停車列車の種別を「特急」や「快特」とする場合がある。これは京急では列車番号を種別ごとに定めていることから、同じ編成を用いる列車については種別をそろえるためである。2006年現在、このような列車は堀ノ内以南(久里浜線を含む)と金沢文庫~新逗子で見られる。
- 停車駅
- 泉岳寺 - 品川 - 青物横丁 - 平和島 - 京急蒲田 - 京急川崎 - 神奈川新町 - 横浜 - 上大岡 - 金沢文庫 - 金沢八景 - 追浜 - 汐入 - 横須賀中央 - 堀ノ内 -(以南各駅に停車)
[編集] 急行
全てが京急蒲田駅から空港線に直通し、空港線内では実質的に普通列車として機能している。朝夕は10分間隔、日中は20分間隔で運転され、日中は空港線直通快特と併せて品川~羽田空港方面の列車を毎時6本の運転としている。現在特急との違いは立会川駅の停車のみである。かつては京急川崎・神奈川新町から新逗子方面への列車もあったが、スピードアップした快速特急(現:快特)の妨げになるため1999年7月に廃止され、代わりに普通列車が増発された。都営車、北総車での運用が主体(ラッシュ時には京成車の運用もある)で、昼間時の京急車の運用は希である。
- 停車駅
- 泉岳寺 - 品川 - 青物横丁 - 立会川 - 平和島 - 京急蒲田 -(空港線直通)
[編集] 普通
各駅停車。日中は品川駅~京急川崎駅間・金沢文庫駅~浦賀駅間で概ね10分間隔、京急川崎駅間~金沢文庫駅間では3~7分間隔(毎時12本)で運転されている。慣例的な呼称として「普通車」が使用される場合もある。優等列車は多くが8両または12両編成であるのに対し、ほとんどの列車が4・6両編成である。ただし、列車番号末尾が「B」「C」「H」の列車は例外として8両編成での運転となる。
[編集] 過去の列車種別
[編集] 通勤快特
平日朝の上りのみ運転され、横浜駅以南では特急停車駅、横浜駅以北では現在の快特停車駅(当時の快速特急停車駅と京急蒲田)に停車していた。1999年7月に名称廃止となり、現在は同じ形態の列車が金沢文庫以南は特急、金沢文庫以北は快特という形で運転されている(通称「B快特」)。
- 廃止時の停車駅
- 品川 - 京急蒲田 - 京急川崎 - 横浜 - 上大岡 - 金沢文庫 - 金沢八景 - 追浜 - 汐入 - 横須賀中央 - 堀ノ内 -(以南各駅に停車)
[編集] エアポート特急
京成本線の京成高砂駅・青砥駅と羽田空港駅を結ぶ列車。京急線内では特急、都営浅草線内ではエアポート快特と同じ駅に停車していた。詳細はエアポート快特の項目を参照のこと。
[編集] 急行(新逗子~京急川崎・品川)
1999年7月のダイヤ改正前までは、新逗子~京急川崎(日中は神奈川新町)でも急行の運転があった。基本的に6両編成で、廃止直前には 800形、700形、北総・公団線(現・北総鉄道北総線)7000形、7300形、都営5000形などの車両を中心に運転されていた。また、朝のラッシュ時には品川・都心方面直通列車や新逗子~金沢文庫間の区間輸送列車が8両編成で運転された。
なお、京急川崎~京急蒲田間では、毎年1月の箱根駅伝実施の際、選手が京急蒲田付近の空港線踏切(第一京浜)を通過する予定の時間帯、空港線の運転規制により、行き先変更の形で臨時運転されることがある。
- 1999年7月のダイヤ改正直前の急行停車駅
- 泉岳寺 - 品川 - 青物横丁 - 立会川 - 平和島 - 京急蒲田 - 京急川崎 - <鶴見市場> - 京急鶴見 - 生麦 - 子安 - 神奈川新町 - 横浜 - 日ノ出町 - 黄金町 - <井土ヶ谷> - <弘明寺> - 上大岡 - 京急富岡 - <能見台> - 金沢文庫 -(以南各駅に停車)
- <>内は朝ラッシュ時などの臨時停車駅
[編集] 週末特急
かつて週末には品川~浦賀間をノンストップで運転するハイキング特急やラ・メール号、パルラータ号と呼ばれる座席指定特急など、観光輸送を念頭に置いた列車が存在した。しかし、沿線人口の増加と通勤需要の増大により、快速特急(現快特)への発展的解消された。
[編集] 歴史
- 開業当初は1435 mm 軌間を使用し、600 V で運行される。
- 1902年3月1日 軌道を1372 mm に改軌。
- 1902年5月8日 品川駅(現北品川駅)~八幡駅(現大森海岸駅)間開業。大森停車場前~海岸間が支線化。
- 1902年9月1日 六郷橋駅~川崎駅間開業。
- 1905年頃 八幡駅を海岸駅に改称。
- 1905年12月24日 川崎駅~(旧)神奈川駅間開業。
- 1906年10月1日 雑色~川崎間の八幡塚駅廃止、六郷堤駅(現六郷土手駅)開業。
- 1910年3月27日 新子安駅(現京急新子安駅)開業。
- 1914年4月12日 花月園前駅開業。
- 1915年8月21日 新町駅(現神奈川新町駅)開業。
- 1916年12月25日 八丁畷駅開業。
- 1924年3月11日 八ッ山橋駅~高輪駅開業。高輪駅は現品川駅の第一京浜向かい。これまでの品川駅を北品川駅に改称。
- 1925年11月 蒲田駅、川崎駅、鶴見駅をそれぞれ京浜蒲田駅、京浜川崎駅、京浜鶴見駅に改称。
- 1927年 山谷駅を大森山谷駅に改称。
- 1927年4月 市場駅を鶴見市場駅に、新町駅を神奈川新町駅に改称。
- 1929年6月22日 神奈川駅~横浜駅間開業。横浜駅は仮駅で、月見橋付近に設ける。神奈川駅廃止。
- 1930年2月5日 横浜駅開業に伴い、横浜駅乗り入れ。
- 1930年3月29日 青木橋駅(現神奈川駅)開業。
- 1930年4月1日 湘南電気鉄道により、黄金町駅~浦賀駅間開業。
- 開業当初は1435 mm 軌道を使用し、1500 V で運行される。
- 1930年4月6日 青木橋駅を京浜神奈川駅に改称。
- 1930年7月10日 湘南富岡駅(現京急富岡駅)開業。
- 1931年1月1日 高輪駅~京浜蒲田駅間で急行列車運転開始。
- 1931年7月10日 杉田駅開業。
- 1931年12月26日 横浜駅~黄金町駅間開業。これに伴い、現行の本線全線開通。
- 但し、京浜電気鉄道と湘南電気鉄道との間で軌間が異なる為、横浜駅~黄金町駅間は湘南電気鉄道の軌間である1435 mm で敷設される。
- 1932年7月25日 生麦~新子安間にキリンビール前駅開業。
- 1933年4月1日 横浜駅以北の改軌工事完了 (1372 mm → 1435 mm )。品川~浦賀全線直通運転開始。省鉄品川駅乗り入れ、高輪駅廃止。
- 1933年7月1日 海岸駅を大森海岸駅に改称。
- 1934年10月1日 軍需部前駅(現安針塚駅)開業。
- 1935年7月10日 東京湾汽船(現:東海汽船)との連絡運輸開始。これに伴い、伊豆大島航路連絡のため、「大島号」運行開始。
- 1936年12月25日 品川駅~上大岡駅間急行列車運行開始。
- 1937年3月8日 支線化した大森停車場前~大森海岸間を廃止。
- この頃、東京地下鉄道線(現、東京地下鉄銀座線新橋駅以北を建設)との直通運転を目論んでそれを考慮した車両も製造するが、東京高速鉄道(現、銀座線新橋駅以西を建設)・東京横浜電鉄(現、東京急行電鉄)の総帥である五島慶太に阻止される。
- 1940年10月1日 軍需部前駅を安針塚駅に、横須賀軍港駅を横須賀汐留駅に改称。
- 1941年11月1日 湘南電気鉄道、京浜電気鉄道と合併。それにより黄金町駅~浦賀駅間を移管。
- 1942年5月1日 京浜電気鉄道、東京急行電鉄に合併。「大東急」の一員となった。
- 1943年6月30日 横浜~戸部間の平沼駅休止。
- 1943年11月1日 新子安駅を京浜新子安駅に改称。
- 1944年5月1日 品川駅~黄金町駅・横浜駅~浦賀駅間で運転系統を分離。
- 旧京浜電気鉄道と旧湘南電気鉄道との間で電圧が異なるため、電車運用の効率化を行う為の措置。
- 1944年5月10日 谷津坂駅(現能見台駅)開業。
- 1944年10月20日 キリンビール前駅をキリン駅に改称。
- 1944年11月10日 浜川駅、鈴ヶ森駅、大森八幡駅、総持寺駅、平沼駅を廃止。
- 1945年12月22日 横浜駅~上大岡駅間1500 V に昇圧。
- 1947年1月20日 湘南富岡駅廃止。
- 1947年3月1日 湘南富岡駅移転の上で再開業。
- 1947年12月25日 横浜駅以北を1500 V に昇圧、全線1500 V に統一。
- 1948年6月1日 東京急行電鉄から旧京浜電気鉄道・湘南電気鉄道の経営していた路線を分離し、京浜急行電鉄が発足。
- 1948年7月15日 品川駅~浦賀駅直通運転を復活。
- 1949年4月24日 「ハイキング急行」運行開始。
- 1949年6月30日 生麦~京浜新子安間のキリン駅、学校裏~梅屋敷間の大森山谷駅廃止。
- 1950年4月1日 急行列車運行再開。
- 1952年7月6日 品川駅~逗子線逗子海岸駅(現新逗子駅)で「海水浴特急」運行開始。
- 1952年12月15日 大森町駅開業。
- 1954年3月22日 特急列車運行開始。当初は平日ラッシュ時のみ。
- 1954年3月27日 「ハイキング急行」の名称を変更し、「週末特急」運行開始。
- 1954年7月7日 特急列車の増発。
- 1956年3月27日 「週末特急」に「ラメール」・「パルラータ」の愛称が与えられる。また、「大島号」の運行再開。
- 1956年4月20日 京浜神奈川駅を神奈川駅に改称。
- 1957年3月17日 特急の終日運行化。
- 1958年5月26日 特急の朝ラッシュ時10分間隔運行開始。
- 1961年9月1日 学校裏駅を平和島駅に、横須賀汐留駅を汐入駅に、横須賀堀之内駅を堀ノ内駅に改称。
- 1963年11月1日 湘南富岡駅、湘南田浦駅、横須賀公郷駅、湘南大津駅をそれぞれ京浜富岡駅、京浜田浦駅、京浜安浦駅、京浜大津駅に改称。
- 1966年7月7日 特急列車終日10分間隔での運行を開始。
- 1967年3月19日 特急の最高速度を105 km/h に引き上げる。
- 1968年6月15日 従前運行されていた「週末特急」・「海水浴特急」を定期化する形で快速特急運転開始。
- 1968年6月21日 品川駅~泉岳寺駅間開業。同時に都営地下鉄1号線(現都営地下鉄浅草線)と相互乗り入れ開始。主に特急・急行が乗り入れ。
- 1969年12月31日 三浦海岸駅~京成成田駅との間に初詣用夜行直通特急「招運号」を2往復運転。以降1978年頃まで春季・夏季などに京成線との直通特急を散発的に運転する。
- 1974年12月2日 朝ラッシュ時の特急の金沢文庫駅~横浜駅間12両編成での運行開始。
- 1976年10月15日 北品川駅~青物横丁駅間高架化。また、北馬場駅・南馬場駅の統合により新馬場駅開業。
- 1978年8月21日 夕方ラッシュ時に快速特急運行開始。
- 1978年3月6日 子安駅~神奈川新町駅間三線化。
- 1981年6月22日 平日朝ラッシュ時の上り輸送改善策として、金沢文庫駅以南は特急停車駅、金沢文庫駅以北で現在の快特停車駅(当時快特は、京急蒲田駅を通過していた)に停車し、金沢文庫駅~品川駅間12両編成の通勤快特を運転。
- 1982年12月1日 谷津坂駅を能見台駅に改称。
- 1986年4月1日 夕時間帯以降、快速特急の12両運転が開始される。
- 1987年6月1日 京浜蒲田駅、京浜川崎駅、京浜鶴見駅、京浜新子安駅、京浜富岡駅、京浜田浦駅、京浜安浦駅、京浜大津駅をそれぞれ京急蒲田駅、京急川崎駅、京急鶴見駅、京急新子安駅、京急富岡駅、京急田浦駅、京急安浦駅、京急大津駅に改称。
- 1990年12月2日 青物横丁駅~大森町駅間高架化。
- 1992年4月16日 京急ウィング号運転開始。
- 1995年4月1日 快速特急の最高速度を品川駅~横浜駅間で120 km/h、横浜駅以南を110 km/h に引き上げる。特急は全線110 km/h で運行。
- 1997年10月4日 都営浅草線直通特急の12両運転区間が品川まで延長される。 空港線へ直通する特急が登場し、都営浅草線直通列車を大幅に増発。
- 1998年11月18日 エアポート快速特急・エアポート特急運行開始。
- 1999年7月31日 白紙ダイヤ改正を行い、それまでの快速特急について略称として定着していた快特を正式名称とした。
- 列車整理により平日朝間に運行されていた通勤快特及び京急蒲田駅以南で運行していた急行の廃止。但し、通勤快特は金沢文庫駅以南は特急、以北で快特に種別を変更する列車として運行される。
- 都営地下鉄浅草線直通の横浜方面発着の特急を昼間時については全列車、ラッシュ時でも一部列車を快特に格上げ。
- 金沢文庫駅で増解結を行う品川駅~新逗子駅・浦賀駅間列車を設定。当初は休日だけであったが、後に平日にも拡大。
- 空港線内の区間列車は大半が本線・都営浅草線直通列車に変更される。
- 2002年10月12日 京急川崎駅・金沢文庫駅で増解結を行う羽田空港駅~新逗子駅・浦賀駅間の快特も設定される(空港線内は特急として運転)。また、昼間時の品川駅発着快特を泉岳寺駅発着に延長、浅草線に連絡する。
- 2003年7月19日 昼間の空港線の運行パターンを変更。京成線発着の列車が快特、北総線発着の列車が急行に変更され、品川→羽田空港間の所要時間が最短14分に短縮される。
- 2004年2月1日 京急安浦駅を県立大学駅に改称。
- 2006年7月22日 横浜駅に下り専用ホームを新設・供用開始。
- 2014年(予定) 平和島駅~六郷土手駅間高架化。
[編集] 女性専用車
平日朝7:30~8:30に横浜駅に到着する、品川行き上り快特の先頭車両(実施区間は全区間)。
[編集] 駅一覧及び停車駅
駅間営業キロ | 泉岳寺からの営業キロ | 品川からの営業キロ | 駅名 | 普通 | 急行 | 特急 | 快特 | 接続路線・備考 | 所在地 | |
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都営地下鉄浅草線押上方面直通運転 | ||||||||||
- | 0.0 | 1.2 | 泉岳寺駅 | ● | ● | ● | ● | 都営地下鉄:浅草線 | 東京都 | 港区 |
1.2 | 1.2 | 0.0 | 品川駅 | ● | ● | ● | ● | 東海旅客鉄道:東海道新幹線 東日本旅客鉄道:東海道線・横須賀線・山手線・京浜東北線 |
||
0.7 | 1.9 | 0.7 | 北品川駅 | ● | | | | | | | 品川区 | ||
0.7 | 2.6 | 1.4 | 新馬場駅 | ● | | | | | | | |||
0.8 | 3.4 | 2.2 | 青物横丁駅 | ● | ● | ● | | | |||
0.5 | 3.9 | 2.7 | 鮫洲駅 | ● | | | | | | | 待避可能駅 | ||
0.8 | 4.7 | 3.5 | 立会川駅 | ● | ● | | | | | |||
1.3 | 6.0 | 4.8 | 大森海岸駅 | ● | | | | | | | |||
0.9 | 6.9 | 5.7 | 平和島駅 | ● | ● | ● | | | 待避可能駅 | 大田区 | |
0.8 | 7.7 | 6.5 | 大森町駅 | ● | | | | | | | |||
0.7 | 8.4 | 7.2 | 梅屋敷駅 | ● | | | | | | | |||
0.8 | 9.2 | 8.0 | 京急蒲田駅 | ● | ● | ● | ● | 待避可能駅 京浜急行電鉄:空港線(品川方・浦賀方とも直通あり) |
||
1.4 | 10.6 | 9.4 | 雑色駅 | ● | ∥ | | | | | |||
1.2 | 11.8 | 10.6 | 六郷土手駅 | ● | ∥ | | | | | |||
1.2 | 13.0 | 11.8 | 京急川崎駅 | ● | ∥ | ● | ● | 待避可能駅 京浜急行電鉄:大師線 東日本旅客鉄道(川崎駅)*:東海道線・京浜東北線・南武線 |
神奈川県 | 川崎市川崎区 |
1.3 | 14.3 | 13.1 | 八丁畷駅 | ● | ∥ | | | | | 東日本旅客鉄道:南武線(南武支線) | ||
0.7 | 15.0 | 13.8 | 鶴見市場駅 | ● | ∥ | | | | | 横浜市鶴見区 | ||
1.5 | 16.5 | 15.3 | 京急鶴見駅 | ● | ∥ | | | | | 待避可能駅(上りのみ) 東日本旅客鉄道(鶴見駅)*:京浜東北線・鶴見線 |
||
0.8 | 17.3 | 16.1 | 花月園前駅 | ● | ∥ | | | | | |||
0.8 | 18.1 | 16.9 | 生麦駅 | ● | ∥ | | | | | 待避可能駅(下りのみ) | ||
1.4 | 19.5 | 18.3 | 京急新子安駅 | ● | ∥ | | | | | 東日本旅客鉄道(新子安駅)*:京浜東北線 | 横浜市神奈川区 | |
1.0 | 20.5 | 19.3 | 子安駅 | ● | ∥ | | | | | 待避可能駅 | ||
0.7 | 21.2 | 20.0 | 神奈川新町駅 | ● | ∥ | ● | | | 待避可能駅・車庫所在駅 | ||
0.5 | 21.7 | 20.5 | 仲木戸駅 | ● | ∥ | | | | | 東日本旅客鉄道(東神奈川駅)*:京浜東北線・横浜線 | ||
1.0 | 22.7 | 21.5 | 神奈川駅 | ● | ∥ | | | | | |||
0.7 | 23.4 | 22.2 | 横浜駅 | ● | ∥ | ● | ● | 東日本旅客鉄道:東海道線・横須賀線・湘南新宿ライン・京浜東北線・根岸線・横浜線 東京急行電鉄:東横線 相模鉄道:本線 横浜市営地下鉄:ブルーライン(3号線) 横浜高速鉄道:みなとみらい線 |
横浜市西区 | |
1.2 | 24.6 | 23.4 | 戸部駅 | ● | ∥ | | | | | |||
1.4 | 26.0 | 24.8 | 日ノ出町駅 | ● | ∥ | | | | | 横浜市中区 | ||
0.8 | 26.8 | 25.6 | 黄金町駅 | ● | ∥ | | | | | 横浜市南区 | ||
0.9 | 27.7 | 26.5 | 南太田駅 | ● | ∥ | | | | | 待避可能駅 | ||
1.2 | 28.9 | 27.7 | 井土ヶ谷駅 | ● | ∥ | | | | | |||
1.4 | 30.3 | 29.1 | 弘明寺駅 | ● | ∥ | | | | | |||
1.7 | 32.0 | 30.8 | 上大岡駅 | ● | ∥ | ● | ● | 待避可能駅 横浜市営地下鉄:ブルーライン(1号線) |
横浜市港南区 | |
2.2 | 34.2 | 33.0 | 屏風浦駅 | ● | ∥ | | | | | 横浜市磯子区 | ||
1.3 | 35.5 | 34.3 | 杉田駅 | ● | ∥ | | | | | |||
2.4 | 37.9 | 36.7 | 京急富岡駅 | ● | ∥ | | | | | 待避可能駅(上りのみ) | 横浜市金沢区 | |
0.7 | 38.6 | 37.4 | 能見台駅 | ● | ∥ | | | | | |||
2.1 | 40.7 | 39.5 | 金沢文庫駅 | ● | ∥ | ● | ● | 待避可能駅・車庫所在駅 | ||
1.4 | 42.1 | 40.9 | 金沢八景駅 | ● | ∥ | ● | △ | 待避可能駅 京浜急行電鉄:逗子線(品川方と直通あり) 横浜新都市交通*:金沢シーサイドライン |
||
1.9 | 44.0 | 42.8 | 追浜駅 | ● | ∥ | ● | | | 横須賀市 | ||
1.7 | 45.7 | 44.5 | 京急田浦駅 | ● | ∥ | | | | | |||
2.6 | 48.3 | 47.1 | 安針塚駅 | ● | ∥ | | | | | |||
1.0 | 49.3 | 48.1 | 逸見駅 | ● | ∥ | | | | | 待避可能駅 | ||
1.1 | 50.4 | 49.2 | 汐入駅 | ● | ∥ | ● | | | |||
0.7 | 51.1 | 49.9 | 横須賀中央駅 | ● | ∥ | ● | ● | |||
1.2 | 52.3 | 51.1 | 県立大学駅 | ● | ∥ | | | | | |||
1.2 | 53.5 | 52.3 | 堀ノ内駅 | ● | ∥ | ● | ● | 待避可能駅(下りのみ) 京浜急行電鉄:久里浜線(品川方と直通あり) |
||
0.8 | 54.3 | 53.1 | 京急大津駅 | ● | ∥ | ● | ∥ | |||
1.1 | 55.4 | 54.2 | 馬堀海岸駅 | ● | ∥ | ● | ∥ | |||
1.3 | 56.7 | 55.5 | 浦賀駅 | ● | ∥ | ● | ∥ |
- 一部のブラウザで表示される色枠の横線は定期列車の始発もしくは終着のある駅を示す。
- 接続路線及び備考のカッコ内は接続路線の駅番号など
- 凡例
- {|
|- |●印 |停車駅 |種別毎の停車駅の一覧は上記の列車種別の節を参照のこと |- ||印 |通過駅 |- |△印 |臨時停車駅 |- |span style="color:white; background-color: white"|∥印 |span style="color:white; background-color: white"|運転区間外 |span style="color:white; background-color: white"| |}
- *:この駅間の乗り換えでの連絡運輸はなし。
- 京急川崎・京急鶴見・京急新子安・仲木戸・金沢八景の各駅
- 頭に社名や金沢が付く駅や神奈川新町などは、冒頭部分を省略して蒲田・川崎・新町・文庫などと略記されることもある(以前は列車の方向幕でも省略形が多く見られた)。
[編集] 廃止された駅
当線は軌道から高速鉄道化への過程や戦時休止などにより多くの廃止駅が存在する。
- 北馬場駅・南馬場駅
- 現在の北品川~青物横丁間付近にあり、路線の高架化に際して統合され新馬場駅となった。1975年8月27日の下り線高架化で下り線の駅が先行して統合され、「北馬場・南馬場駅」という奇妙な名前の駅となり、その後1976年10月15日の上り線高架化をもって上下線共に統合、「新馬場」と改称された。
- 出村駅
- 1901年開業。京急蒲田駅と雑色駅との間に存在した。かつては列車の退避が可能な急行停車駅であったが、戦時休止となり、1949年廃止。現在跡地は京急蒲田駅付近連続立体交差事業の用地となっている。
- キリンビール前駅
- 1932年開業。生麦駅と京急新子安駅の間に存在し、その名の通りキリンビールの工場近くに開設されていた。1944年にビールは贅沢品だという理由から「キリン」という珍しい駅名に改称したが、ほどなく戦時休止となり、1949年に廃止。
- 平沼駅
- 1931年開業。横浜駅と戸部駅の間に存在し、1943年に戦時休止、1944年に廃止された。その後1945年5月29日の横浜大空襲で被災し、焼け残った駅の鉄骨などが戦争の痕跡を後世に残すため残されたが、1999年に老朽化により鉄骨が解体された。なお、かつて東海道本線に存在した平沼駅 とは関係無い。
- 鈴ヶ森駅
- 1904年開業。北品川駅~大森町駅間が地平であったとき、国道15号を乗り越える場所に設置されていた。高所にあったが、柵などの設備もそれほど整っていなかったことと、戦時中のスパイ防御などの理由で1944年に廃止された。現在は跡形もない。