カリフォルニア州
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- カリフォルニア州
- State of California
-
(州旗) (州章) - 州の愛称: ゴールデンステート
The Golden State -
州都 サクラメント 最大の都市 ロサンゼルス 州知事 アーノルド・シュワルツェネッガー 公用語 英語 面積
- 総計
- 陸地
- 水域全米第3位
423,971 km²
403,932 km²
20,036 km² (4.7%)人口(2003年)
- 総計
- 人口密度全米第1位
35,484,453人
83.7人/km²合衆国加入
- 順番
- 加入年月日
31番目
1850年9月9日時間帯 UTC -8 / DST -7 緯度
経度北緯32°30' - 42°
西経114°8' - 124°24'幅
長さ
標高
-最高標高
-平均標高
-最低標高402.5 km
1,240 km
4,418 m
884 m
-86 m略称 (ISO 3166-2) US-CA 公式サイト カリフォルニア州政府
カリフォルニア州(California、略号:CA)はアメリカ合衆国西部、太平洋岸の州。西海岸の大部分を占める。
合衆国の州のうちでは最大の人口を誇り、大統領選の選挙人数も最多である。
ワシントン州、オレゴン州と共にリベラルな気風で、保守的な中西部に対して「レッドウッド・カーテンの向こう側」と称される。
かつて日本では漢字で加利福尼亜と表記されることもあったが、現在ではあまり用いられない。この略である加州は、新聞の見出しのような字数制限のある場合など現在も用いられることがある。
目次 |
[編集] 歴史
サンフランシスコ・ベイエリアを中心とする北部と、農業が盛んな中部、ロサンゼルス~サンディエゴ帯を中心とする南部に分かれる。湾地帯にはシリコンバレーが含まれ、全米で最も経済的に進んだ地域の一つである。ロサンゼルスはハリウッドを抱えるなど、エンターテイメント産業の世界的中心である。
アジアや南アメリカに近いため、移民が多い。移民はそれぞれの居住区に固まる傾向が強く、「民族のサラダボール」という形容が当てはまる。チャイナタウン、コリアンタウン、リトルトーキョー、リトルサイゴン、リトルインディアなどが有名である。なかでもメキシコ移民が多く、スペイン語は州準公用語となっている。
南部の多くはもともとメキシコの領土で、元々はスペイン人によって開拓されたが、19世紀の米墨戦争の結果、メキシコからアメリカに割譲されアメリカ領となった。
後にアメリカ合衆国大統領となった、ロナルド・レーガンはカリフォルニア州知事を経験している。2003年10月には、俳優でオーストリア生まれのアーノルド・シュワルツェネッガーが州知事に当選した。
[編集] 地理
参照:カリフォルニア州の郡一覧
アメリカ大陸の西部、シエラ・ネバダ山脈の西側の太平洋に面した地域である。環太平洋造山帯に含まれ度々マグニチュード8クラスの地震を経験している。
州の形状は南北に長く、最南端の都市サンディエゴには国境があり、リオ・グランデ川の向こうはメキシコである。また北部はオレゴン州に、東側はネバダ州に隣接している。
気候は主に夏にまばゆい太陽が輝く地中海性気候で、降水量は多くなく、シエラ・ネバダ山脈に降った雪解け水の伏流水を井戸で汲み上げているところが多い。しかし急激な人口増加で新たな水源の確保が課題となっている。
州の形状や長い海岸線、高低差などのために、州の南端と北端または海岸部と内陸部ではかなり気温や気候が異なることもある。 そのため、南部の海岸でサーフィンをする人がいる一方、内陸の山地帯ではスキーをする人がいたりもする。
また、ヨセミテ国立公園、デスヴァレー国立公園など特徴のある著名な国立公園(National Parks)が随所にあり、年中多くの人々を楽しませている。
[編集] 人口動勢
[編集] 人口
歴史的人口 | ||
---|---|---|
国勢調査 | 人口 | %± |
|
||
1850年 | 92,597人 | |
1860年 | 379,994人 | - |
1870年 | 560,247人 | - |
1880年 | 864,694人 | - |
1890年 | 1,213,398人 | - |
1900年 | 1,485,053人 | - |
1910年 | 2,377,549人 | - |
1920年 | 3,426,861人 | - |
1930年 | 5,677,251人 | - |
1940年 | 6,907,387人 | - |
1950年 | 10,586,223人 | - |
1960年 | 15,717,204人 | - |
1970年 | 19,953,134人 | - |
1980年 | 23,667,902人 | - |
1990年 | 29,760,021人 | - |
2000年 | 33,871,648人 | - |
2006年 | 37,172,015人 | - |
2006年現在、州人口は37,172,015人と見込まれている。カリフォルニア州は、ネバダ州、アリゾナ州、フロリダ州、ジョージア州、ユタ州、アイダホ州、テキサス州、コロラド州、ノースカロライナ州、デラウェア州、バージニア州及びワシントン州に続き、13番目に急成長している。これは、前回の国勢調査からの自然増1,557,112人 (出生2,781,539人、死亡1,224,427人)、州内への移住者751,419人の増加も含まれる。アメリカ合衆国外からの移住は1,415,879人増加する事となり、合衆国内部の移住者は664,460人減少する事になる。
カリフォルニア州は最も人口の多い州であり、アメリカ合衆国人口の12%を占める。
カリフォルニア州は、人口においてアメリカの上位50都市の8都市を有している。ロサンゼルス(人口3,845,541人)は合衆国第2の大都市であり、以下、サンディエゴ(7位)、サンノゼ(10位)、サンフランシスコ(14位)、ロングビーチ(34位)、フレズノ(37位)、サクラメント(38位)、オークランド(44位)と続く。
[編集] 人種構成
アメリカ合衆国統計局は、ヒスパニック系を2つのカテゴリー分けている。 ヒスパニック系は「ヒスパニック」とだけではなく、白人またはアジア系に分類される場合も、また、単純に「その他の人種」と分類される場合もある。そのために国勢調査データが分かりにくいと言われている。そのため下記は「ヒスパニック系」を明確に分類し、各グループのヒスパニック系以外の数値(ヒスパニック系以外の白人、ヒスパニック系以外のエスキモー人、ヒスパニック系以外の混血など)を掲載した(人種及び国勢調査上のもっと多くの情報についてはこのウェブサイトを参照のこと:[1])。
2000年国勢調査 [2] | 2004年概算 [3] | |
---|---|---|
ヒスパニック以外 White American | 47.4% | 44.2% |
人種を問わないヒスパニック/Latino | 32.4% | 34.9% |
Asian American | 11.0% | 12.0% |
黒人 | 6.5% | 6.0% |
2つまたはそれ以上の人種 | 1.9% | 1.9% |
先住民インディアン及び Inuit | 0.5% | 0.5% |
Native Hawaiian 及び他の Pacific Islander American | 0.3% | 0.3% |
カリフォルニア州内の民族は、メキシコ系 (25%)であり、その後、アジア系、イギリス系、ドイツ系、及びアイルランド系と続く。メキシコ系及びチカーノ系の多くは、カリフォルニア州南部、セントラルヴァレー、サリナス、及びサンフランシスコ湾地域に居住している。イギリス系の白人アングロサクソン民族の多くは、シエラネバダ東部、極北、及び北部海岸に居住している。北米、合衆国内でアジア系が最も集中しているのが、サンフランシスコ近辺である。
[編集] 言語
2000年現在、5歳以上のカリフォルニア州民の、60.5%は家庭で英語を話し、25.8%はスペイン語を話している。以下、中国語2.6%、タガログ語2.0%、及びベトナム語1.3%と続く。
[編集] 宗教
カリフォルニア州の住民の宗教は以下の通り。
多くの他の西部の州と同じく、カリフォルニア州でも「無宗教」の比率が合衆国のその他の地域に対して高い。
[編集] 重要な都市及び町
カリフォルニア州は大きな大都市圏内に大多数が属する、478都市を有している。カリフォルニア州の人口の68%は2つの最大大都市圏、Greater Los Angeles 及び サンフランシスコ湾岸地域に住んでいる。
上の地域内の重要な郊外の一覧、参照:w:List of urbanized areas in California (by population)。 [編集] カリフォルニア州内の25の豊かな場所以下のリストは w:per capita incomeによる順位である:
注釈:アメリカ合衆国内の豊かな郡であるマリン郡の順位は一人当たりの収入を基本としている。 [編集] 法律及び行政[編集] 経済
[編集] 主な会社などカリフォルニア州に本拠地のある企業には以下のようなものがある。 [編集] 主な産業など
[編集] 教育[編集] カリフォルニア大学機構カリフォルニア大学機構は世界で最も多くのノーベル賞受賞者を雇用している世界でも有数の公立大学機構である。多くの研究型大学を擁する。以下のキャンパスを持つ。略称はUC。
また、カリフォルニア大学はアメリカ合衆国エネルギー省・ローレンス・リバモア国立研究所、ローレンス・バークレー国立研究所、及び ロスアラモス国立研究所の国立研究所の管理を行っている。 [編集] カリフォルニア州立大学機構カリフォルニア州立大学機構も世界の中でも有数の教育機構の1つだと考えられている。40万人以上の学生を抱えるカリフォルニア州立大学機構はアメリカ合衆国最大の大学機構で、高校生の上位3分の1を受け入れる事を目的としている。以下の大学、分校などを含む。略称はCSU。
[編集] 私立大学など
[編集] 芸術・文化[編集] 美術館・博物館
[編集] オーケストラなど[編集] 食生活先住民の他、世界各国からの移民によって構成されているため、都市部では世界各国の料理(またはそれらをアメリカ風にアレンジしたもの)を気軽に楽しむことが可能である。また、車社会であることもありテイクアウト(To Go)のファストフードが非常に多い。 特にもともとメキシコの領土であったことや、メキシコからの移民が多いこともありメキシコ料理が非常にポピュラーであるほか、イタリア料理や中華料理、ベトナム料理などもポピュラーなものとして日常的に楽しまれている。特に1970年代以降は寿司や照り焼きをはじめとする日本料理が都市部を中心に人気を博しており、レストランだけでなく、スーパーマーケットで豆腐や醤油、麺類などの食材を調達することも可能である。 [編集] 日本との関係カリフォルニアはハワイと並んで、日本人と最も関係の深い州のひとつである。古くはジョン万次郎、福澤諭吉、勝海舟から、この地を訪れた日本人は多い。意外なところでは、竹久夢二もこの地を訪れている。 明治以降は日本人の移民が相次ぎ、1924年に日本人の移民を禁じる排日移民法が制定される。この差別的待遇は太平洋戦争によってさらに悪化し、日系人は土地や財産を没収され、十ヶ所の強制収容所に収容されることになる。(キャンプは陸軍省下のWRAによって管理されたものと、司法省によって管理されるキャンプがあった。日系アメリカ人強制収容所と一般に言われる場合には前者のことをさす場合が多い)これら大戦前の移民の出身地は、圧倒的に山陽地方及び北部九州が多く、その理由として、かつては「山陽道は旅人の往来が多く、他所への移住に抵抗感が少ない地域であるから」とされたが、「この地方は中世以来水軍の活動が顕著で、鎖国が解かれ再び出国ラッシュとなったから」と云う説もある。このためか、かつては「アメリカの標準語は広島弁である」とまで言われた。 戦後、日系人は戦時中に活躍した日系アメリカ人部隊(陸軍第442連隊戦闘団・第100歩兵大隊)の存在や、日系アメリカ人議員の輩出などで、その地位と名誉を回復する。1988年には強制収容所での不当な扱いに対して補償法案を通過させ、生存者への金銭的補償を勝ち取った。一般に、日系人は経済的には平均より恵まれているといえるが、依然としてグラス・シーリング「見えない天井」という社会問題が残されている。(そもそも日系アメリカ人は大都市に多く住み、ゆえに所得も平均以上となるのは当然と言われている)米国の農場主は圧倒的に白人が多い中、カリフォルニアでは、サクラメント近郊等にかなりの割合で日系農場主が存在することも事実であり、日本人の勤勉さを引き継いでいる。 日系人社会はおよそ一世と二世、そして戦後から1980年代までの戦後移民、バブル以降の新移民に大別することができる。一世は経済難民的で、苦労して現在の地位を築き上げてきた功労者といえるが、アメリカ社会には同化しにくく、他の移民集団と同様にリトルトーキョーといったエスニックタウンを形成する傾向がある。また戦前・戦中の迫害経験もあるため、社会に対して猜疑心が強いとも言われるが、とりわけ強制収容所での経験は一世の父権主義を心理的に崩壊させ、二世リーダの台頭によって完全にその権威が失われてしまった。 二世や三世、四世は全てにわたって「アメリカ人」である。肌の色は黄色いが中身は白人であるため「バナナ」と蔑称されることもある(ちなみにその逆は「ヨーク(卵の黄身)」と呼ばれる)。彼らは父祖の地としての日本に興味はあるものの、それ以上の感情はもたず、思考や行動はアメリカ人的である。ただ二世は親と生地という二つの文化に自己を引き裂かれるというアイデンティティ・クライシスを経験することが多く、日系アメリカ人文学のテーマとして描かれることが多い。また、アメリカで生まれ、幼少時より日本で教育を受けた後、再びアメリカに戻った人を帰米という。この場合は、心情的にも日本人とほとんどかわらないが、彼らのアメリカでの苦労もまた二世と同様に苦難を伴う場合が多かった。 戦後移民は米軍人妻(戦争花嫁)や、成功を目指して渡米した人が多く、ロッキー青木やショー小杉が代表例である。彼らは日本人と付き合わず、積極的にアメリカ社会に飛び込んでいくという傾向が見られる。そのためこの集団は個々に分散して、一つのエスニック・グループとしては形成されていない。しかし高齢化するにつれ、日本回帰の現象も見られる。 新移民はバブル以降の日本の国際化を受けて、アメリカで生活することを選んだ人たちである。脱サラ者や定年退職者、留学生などが多いが、彼らの生活は日本との関係に依存している面が多く、近年の不況から、帰国を選択するものも増えてきている。 中国人や韓国人など他の移民社会と比べると、日系人社会は分散的である。団結力が弱く、無視しあったり、非難しあったりするケースが多いが、それは一つには上記のように各集団が全く異なる出自や目的を持っているからだと思われる。また、中華文化などに比べた日本文化の弱さ、キャンプでの密告合戦による相互不信、社会的地位向上のために積極的に日本文化を棄てたということも関係していると考えられる。 最近ではフジテレビ系列「ワンナイR&R」のキャラクター「松浦ゴリエ」が政府公認親善大使を務める。 2004年、アーノルドシュワルツネッガー知事が日本を訪問し、産業・観光をアピールした。 [編集] その他ドラマ『白バイ野郎ジョン&パンチ(「CHiPs」)』の舞台になった、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールが置かれている事で有名。(州警察はM&Aでハイウェイパトロールに吸収されてしまった) [編集] 交通
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[編集] 関連項目[編集] 外部リンク
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