和歌山市
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和歌山市(わかやまし)は、近畿地方のやや南部に位置する都市で、和歌山県の県庁所在地である。
江戸時代には、徳川御三家の一つ・紀州徳川家が治める紀州藩の城下町として栄えた。
面積は和歌山県の面積の約4%に過ぎないが、県人口の約40%が集中するプライメイトシティである。近畿地方の府県庁所在地としては、大阪市、神戸市に次いで人口密度が高い。
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地理
紀ノ川の河口に位置する。市街地はほぼ南岸。
和歌山市の中心市街地には、城下町としての名残を留めた小さな町が点在するが、特徴的なのは町名に「○○丁」と「○○町」とが混在していることである。丁は「…ちょう」と読んでかつての武家町を、町は「…まち」と読み同じく町人町を表すという(一部「町」でも「ちょう」と読む例あり)。他に「丁」と「町」が混在する旧城下町には、仙台市がある。
歴史
- 5世紀~7世紀、岩橋千塚古墳群が築造される
- 770年、唐僧・為光により護国院(紀三井寺)が開創されたと伝える
- 1585年 豊臣秀吉が豊臣秀長に命じて和歌山城の築城を開始(注:当時和歌山は若山という地名であった→参考サイト)
- 1600年 浅野幸長が和歌山城入城
- 1615年 徳川頼宣が和歌山城入城(徳川御三家)
- 1889年4月1日 市制施行(名草郡より分立)
- 1927年4月1日 海草郡雑賀村を編入
- 1927年11月1日 海草郡宮村を編入
- 1933年6月1日 海草郡和歌村・雑賀崎村・鳴神村・四箇郷村・岡町村・中ノ島村・宮前村を編入
- 1940年4月1日 海草郡湊村・紀三井寺町・野崎村・三田村を編入
- 1942年7月1日 海草郡木ノ本村・松江村・貴志村・楠見村を編入
- 1945年7月9日 和歌山大空襲。和歌山城天守閣はじめ中心部が焦土と化す
- 1955年1月1日 海草郡西和佐村・岡崎村を編入
- 1956年9月1日 海草郡西脇町・和佐村・東山東村・西山東村・安原村を編入
- 1958年10月1日 和歌山城天守閣再建
- 1958年4月1日 海草郡有功村を編入
- 1958年7月1日 海草郡加太町を編入
- 1959年1月1日 海草郡山口村を編入
- 1959年4月1日 海草郡紀伊村を編入
- 1960年4月1日 海草郡直川村・川永村を編入
- 1997年4月1日 中核市に指定される
行政
- 歴代市長
- 宇治田省三
- 旅田卓宗
- 尾崎吉弘
経済
岐阜市などと並んで中心部の衰退が著しく、人口も減少傾向にある。近畿地方においては、大阪市から最も距離の離れた県庁所在地であり(大阪市より70km南)、大阪方面への通勤も少ない。また、市長が交替すると政策が二転三転し、なかなか統一した将来計画を打ち出せないことも衰退に影響しているとされる。
中心部に位置し、かつて栄華を誇ったぶらくり丁商店街では地元老舗百貨店丸正が自己破産となり、大丸、ビブレなど集客力の高い店舗が次々閉店。さらに郊外型の大型ショッピングセンター(主にオークワ系)が現れたことにより、人の流れが遠のき、いわゆる「シャッター通り」となっている。2005年10月、大手量販店ドンキホーテがぶらくり丁に進出するなど、市は構造改革特別区域法を利用して規制を緩和、人の流れの回帰に努めている。
観光は和歌山城や和歌浦が中心である。徳川吉宗が大河ドラマなどで取り上げられると観光客が増えるが、ブームがしぼむと元に戻ってしまうという傾向を繰り返してきた。
主な工場
本社を置く主な企業
メディア
姉妹都市・提携都市
- 海外
学校
大学・短期大学
高等学校
中学校
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小学校
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その他
隣接する自治体
交通
鉄道
市内のターミナル駅としてはJR西日本の和歌山駅と南海電鉄の和歌山市駅がある。しかし行政機関や金融機関が多く集まる和歌山城周辺へは、いずれの駅からも近いとは言いがたい距離がある。かつては南海和歌山軌道線(路面電車)が和歌山駅(1968年までは東和歌山駅)・和歌山市駅から和歌山城付近を通り、国道42号を南下して和歌浦・海南駅まで伸びていたが、1971年(昭和46年)に廃止されてしまった。
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路線バス
道路
高速道路
国道
県道
主要地方道
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一般県道
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航路
観光
観光地
寺院
神社
- 淡島神社
- 紀州東照宮 - 楼門、拝殿、本殿など主要建造物7棟が国の重要文化財
- 和歌浦天満宮 - 楼門、本殿等4棟が国の重要文化財
- 玉津島神社
- 日前神宮・國懸神宮
- 竈山神社
- 伊太祁曽神社
- 塩竈神社
- 矢宮神社
- 加太春日神社 - 本殿が国の重要文化財
文化施設
- 和歌山県立紀伊風土記の丘(登録博物館)
- 和歌山県立近代美術館
- 和歌山県立博物館
- 和歌山市立博物館
- 和歌山県書道資料館
娯楽
娯楽(スポーツ施設)
- 和歌山市民球場
- 紀三井寺球場
祭り
- 雛流し神事(淡島神社)
- 毎年3月3日
- 和歌祭
- 港まつり
- 紀州おどり「ぶんだら節」
- 紀州よさこい祭り
出身著名人
政治家
実業家
- 松下幸之助 - 松下電器産業創業者
- 西本貫一 - ノーリツ鋼機創業者
- 山葉寅楠 - ヤマハ株式会社創業者
- 島正博 - 島精機創業者
- 奥田耕己 - トランスコスモス創業者
- ジャニー喜多川 - ジャニーズ事務所創業者兼社長。
法律家
スポーツ選手
- 嶋清一 - 野球選手
- 真田重蔵 - 野球選手
- 西口文也 - 野球選手
- 西本幸雄 - 野球選手
- 藤田平 - 野球選手
- 西田真二 - 野球選手
- 前田忠節 - 野球選手
- 小久保裕紀 -野球選手
- 吉見祐治 - 野球選手
- 濱中治 - 野球選手
- 正田耕三 - 現阪神タイガース打撃コーチ
芸能人
歌手
- hyde(L'Arc~en~Ciel) - 歌手
- 玉置成実 - 歌手
- 田川寿美 - 演歌歌手
- 西司 - シンガーソングライター・作曲家・編曲家・ミュージシャン・音楽家
学者
小説家
歴史上の人物
和歌山市を舞台をする作品
- 『鉄道唱歌第五集 関西・参宮・南海篇』(1900年11月)
- 49.親のめぐみの粉河より 又乗る汽車は紀和の線 船戸田井の瀬うちすぎて 和歌山みえし嬉しさよ
- 50.紀の川口の和歌山は 南海一の都会にて 宮は日前国懸(ひのくまくにかかす) 旅の心の名草山
- 51.紀三井寺より見わたせば 和歌の浦波しずかにて こぎゆく海士(あま)の釣船は うかぶ木の葉か笹の葉か
- 52.芦辺のあしの夕風に 散り来る露の玉津島 苫が島には灯台の 光ぞ夜は美しき
- 53.蜜柑のいずる有田村 鐘の名ひびく道成寺 紀州名所は多けれど 道の遠きを如何(いか)にせん
- 54.みかえる跡に立ちのこる 城の天主の白壁は 茂れる松の木の間(このま)より いつまで吾を送るらん
- 55.北口いでて走りゆく 南海線の道すがら 窓に親しむ朝風の 深日はここよ夢のまに
- 大和田建樹は、「鉄道唱歌」において歴史・地理的に重要な位置に多く歌詞を割り当てる傾向があり、第五集では伊勢と吉野山・高野山、そしてこの和歌山が該当する(奈良は、鉄道唱歌の付録である「奈良めぐり」において歌いこんだ)。なお、この当時は現在の和歌山駅と和歌山市駅は開業しておらず、南海本線の和歌山終点は紀ノ川の北部に設けられた和歌山北口駅(現在廃止)、紀和鉄道(和歌山線の前身)のターミナル駅は(旧)和歌山駅(1968年に紀和駅へ改称)であった。
関連項目
外部リンク
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