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寿司 - Wikipedia

寿司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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質問の要約:伊達巻の地方分布について

寿司、すし、壽司)は、主にで調味された酢飯)と魚介類野菜などを組み合わせた日本料理である。すでに“sushi”で通じるほど世界中に認知されている。 起源は東南アジアで魚を保存するために米の中に魚を漬けたもの。

語源は酸っぱいという意味の形容詞である酸しとされている。鮓はもともとはで漬けた魚のことを、鮨は魚醤の一種を表す言葉であった。「寿司」は江戸時代中期から使われるようになった当て字である。

目次

[編集] 種類

主に握り寿司が代表的であるが他にも巻き寿司、ちらし寿司、押し寿司、なれ寿司、稲荷寿司などがある。

握り寿司
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握り寿司

[編集] 握り寿司

新鮮な魚介類などの切り身・むき身や、穴子(煮付もしくは焼いたもの)・(酢締めしたもの)等調理を加えたもの、卵焼きを切り分けたもの等の具を、手のひらで飯の上に乗るよう握ったもの。具と飯との分離を防ぐため海苔を使った物もある。江戸前寿司はこれらの中に入るが、かつての江戸に面した東京湾で採取された魚介類を使った物が本来の江戸前寿司である。しかし、握り寿司発祥の地と認識されていることもあり、現在は握り寿司の代名詞に使用されている。北海道地方では「生寿司」と称されることが多く、他の地域では茹で上げるのが一般的な海老などを生で握るのが普通である。

[編集] ネタ

寿司に用いられる魚介類その他は「タネ」、多くはそれを逆さにした符牒で「ネタ」と呼ばれる。その主なものに次のようなものがある。

近年は、特に回転寿司や日本国外の寿司料理店において、ミニハンバーグチャーシューなどの肉類や、シーチキンアボカドなどの和食以外をネタにした、従来の寿司から見ると奇想なものが増えている。ただしこれらのネタを従前から続く工夫の1つと捉える意見がある一方、寿司の枠を超えた異質のものとして寿司とは別のものとする意見もあり、賛否が分かれるところである。

[編集] 握り方

握り寿司において飯(シャリ)の握り方は寿司職人の技術が最も発揮されるところであり、様々な技法がある。

  • 手返し
    • 本手返し
    • 小手返し
    • たて返し
    • 横手返し
  • 親指握り

これのほかに、にぎりの形があり、たわら形、はこ形、ふね形などがある。

近年では大衆店化、チェーン店化しているところを中心に、シャリの自動握り機が普及している。タンク状の装置に酢飯を入れておくと、機械がそれを絞り出すような機構を用いて寿司の形に作ってくれる。中にはワサビをつけたり、軍艦巻の海苔をまきつけるところまで自動で行なうものもある。また機械の外観が飯桶の形をしていて、客席から一見すると寿司職人が桶からご飯を取り出して握っているように見えるものもある。

[編集] 職人

他の和食と同様に、寿司職人は男性優位な世界である。寿司店においては、握り職人は男性であることを暗黙の条件としていることも多い。これはいわゆる男尊女卑の現れであると考えられる場合もあるが、一般的には男性のほうが女性より平均体温が低く、ネタに直接触れる仕事に向くとした理由や、女性は生理による体調の変化が激しく、生ものの微妙な味の変化をとらえるのが難しいとする理由を挙げる場合もある。また時には体力勝負の修行が必要となることや、男性中心の厳しい現場に女性が入ると、どんなに腕が優れていても獅子身中の虫になりかねないとした理由によるものとされる。いずれにせよ本質的な理由とは考えにくく単に男性主体の職場に女性が入ることに対する根強い抵抗感がその背景にあることは否めない。

実際に、依然として女性寿司職人を嫌う客や養成を拒む寿司店等が根強く存在し、男性職人である事が当然としたり、ある種のクオリティと考えている店が大半を占めている。

しかしながら僅かではあるが回転寿司店等の大衆寿司店を中心に女性寿司職人の数も増えており、そういった職人達の立場を保護しつつ、性別に関係なく良い職人を養成しようとする声も高まってきている。いずれにせよマニキュアや香りを伴う化粧品を身につけることは厳禁である。

一人前の職人になる為には握り3年巻き8年と言われるように約10年前後の修行が必要と言われているが、別段法規的に資格が必要であるわけではない。実際にはアルバイトやパート労働者によって握りの作業が行われることも多々あり、長期間の修行期間の必要性については議論の分かれるところである。寿司を握る作業自体はほぼ正確に産業用ロボットに代替させることは可能である。※1ただし、市場で生鮮魚類を見極めるには相当量の技量と熟練が必要とされる。また、店の経営、後進の教育や外部とのかかわりなど、寿司の調理以外の面の成長の必要性も入れれば、ある程度長い修行が必要となる。

※例えば、パン生地のような特異な粘性をもった物質を扱う作業をロボット化させるためには、作業効率を優先させるために生地の性質をロボット化に見合った形へ変える必要がある。

[編集] 握り寿司の数え方

握り寿司を数えるときの助数詞は「(かん)」である。寿司用語としての貫は元来、数量(個数)ではなく、おおよその質量(分量)を表す単位として用いられる。相当分量は1貫あたり約40~50g前後(現在の標準的な握り寿司の2個分程度)であり、握り2個で1貫と数える。通常、1個の場合は「半貫」と計数するが、1貫(約2個分)の大きさを満たす場合に限り1個でも1貫と計数する場合がある。また別の数えかたとして、一部地方には1貫分の分量を3個に分け、3個で1貫と計数する店もあるが2個で1貫とするのが通例である。また、あまり一般的ではないが、古来より一人前に相当する量の握り寿司を「一貫揃い」と言い、1ネタ半貫ずつの握りを詰めた寿司折を「半貫折」と称する場合がある。

[編集] 寿司における貫

助数詞を貫とする語源と、握り2個で1貫と数えられるようになった理由、また1貫あたりに相当する分量の確定には様々な説があり、最も有力とされるものには次のような説がある。

江戸時代、当時流通していた穴のあいた96枚を銭さしに通してまとめると100文(銭さし百文、通し百文)として通用し、これを10個まとめて輪にした960文が1貫(銭さし一貫、通し一貫、1000文)として通用していた。江戸年鑑によると、この通し100文の重量が360gであり、当時一般的だった鮨とほぼ同じ重量であった事から、当該鮨を景気付けて「一貫鮨」と呼んでいたとされる。その際の鮨は現代の押し寿司の様なものであり、鮮魚の保存技術に乏しい時代でもあったため、大変贅沢な縁起物と考えられていた。また、それは寿司飯の上に9種類あまりのネタを載せた大きな食べ物であったと伝えられている。

文献(守貞漫稿 - 1853)によれば、文政年間(1818-1830)に、その一貫鮨を江戸両国の華屋与兵衛が、より気軽に、各々が好きな部分(好きなネタ)だけを食べられるようにとネタ1種類と、それに対応する寿司飯の分量(文献によると40g×9個)に分けて出し、支持を得たとされる。その寿司1個あたりの大きさが現代の握り寿司における2個分相当(約40g)であり、握り寿司、また江戸前寿司の元祖となった。当時一般的となったこの分量を、一貫鮨にあやかり、貫という助数詞を付加して寿司の分量単位における「1貫」であると定め、多くの寿司職人や消費者の合意を得て確定していった。

代わって元来の一貫鮨は、そのまま桶、皿、品といった単位で計数され、一人前(40g×9個)に相当する小分けした寿司のまとまりを一貫揃いと称する様になった(現在でも握りの個数は異なる場合が多いが、一人前に相当する握り寿司を一貫揃いと呼ぶ場合があるのはこのためである)。その後、一般的となった1貫(40g)の寿司を後の世の職人が更に食べやすく2分割して出すようになったために2個で1貫とするのが常識化した。 これをもって現在の寿司も半貫が約20gであるため、2個で1貫と計数する。

また、このことから握り寿司でない場合の寿司を貫という助数詞で数えない場合がある。 稲荷寿司等はその典型で、一般的には握り寿司同様に2個1貫とするが、握り寿司とは分けて1個、2個と数える店もある。

貫という助数詞が用いられるようになった異説として、江戸時代には1個で重さ1貫(「」は重量単位で1貫は3.75Kg)のものを持ち上げるだけの精力がつくと考えられていたからだという説や、先述にもある江戸当時の大きな鮨(一貫鮨)の値段が1貫、つまり1000文に相当するからだとする説もある。但し一貫鮨の対価に関する資料は乏しく、価格から派生したとする説に関しての信憑性は薄いとされる。

握り2個で1貫とする異説としては、「天秤棒などの両端に下げた荷物1組を『荷(か)』と言い、それが『貫』に転訛した」(近世にまで、何か二つのものを1荷と数えていたことは多くの記録に残る)、「明治・大正の頃に10銭のことを俗に『1貫』と呼んでいたため、一つ5銭の寿司二つで10銭、つまり1貫になる」などが伝わる。

いずれにせよ、その質量基準(40~50g)や握り二つが1貫という点で相違はない。しかし近年、本来二つで1貫のはずの大きさの握り半貫、つまり1個を1貫と間違える店が増えている。寿司における貫は伝統的な質量基準であり、名称等と違って本来変更、変遷されてゆくべきものでないため、伝統の継承と消費者保護の観点から憂慮の声があがっている。 また巻き寿司も「カン」を用いて数えるが、この場合は「巻」の字を宛てることもあり、ひと巻き分を1貫(1巻)とするのが本来である。一説には、この数え方が握り寿司に流用されたともされる。

[編集] 半貫を1貫と間違う店が増えた原因

大正後期から昭和初期にかけて東京の江戸前寿司店(奴古寿司とされる)がネタの大きさを売り物にして江戸当時に1貫と確定した分量(現在の2個分)の握り寿司1個を1貫とし、常時客に販売していた。 これは当時、当該店が発行した広告(1920年)から知る事ができる。1920年以降には1個を1貫と数えた記録が多く残されているが、それ以前には現在の握り半貫に相当する分量を1貫と呼んでいた記録は何処にも残っておらず、その後の記録からも、その計数方法が元来であるとする然るべき根拠は見当たらない。このことから、この店が 勘違いの原因 とするのは確定的ではないものの一原因であり、半貫が1貫と勘違いされだしたのは少なからず、それ以降であると考えられる。

また様々な記録によると半貫を1貫とする計数方法は1924年ごろから少しずつ全国的な広がりを見せている。これは年代的に1923年関東大震災と重なる為、誤解を受けた多くの人々や寿司職人が、この災害の影響で全国に散らばったためとされる。また昭和後期から平成にかけても、半貫を1貫と間違う寿司店が一気に増えている。これは職人気質の伝統を重んじる寿司店が減った上、それとは縁遠い回転寿司店の進出や、間違った計数方法(半貫で1貫)を根拠無く公言するインターネット上のサイトの影響もあると考えられる。

これらの事から200年あまりの長期間(江戸から昭和初期頃まで)は、どの店も先代の教えを受け継ぎ2個で1貫という伝統的な分け方と、その質量基準を守りつづけてきたが、この店をきっかけに(あるいはこの時期から)客を通じて半貫で1貫と勘違いする寿司店が少しずつ増えていった事が分かる。

[編集] 食べ方

握り寿司の食べ方については諸説がある。「始めは味の淡白な白身魚から。トロ・ウニなど味の濃いものは後の方で。最後は巻き寿司(あるいは卵)でさっぱりと締める」などといった順序が言われるが、好きなものを自由に食べればよいとの意見もある。

「箸を使わず手でつまみ、ネタに醤油を付けて食べるとよい」(シャリに醤油を付けると崩れる)とも言われるが、箸で食べても問題はない。

[編集] 用語

握り寿司店にて用いられる主な用語を以下に記載する。ただし、これらの用語は必ずしも全国共通ではなく、一部地域では通用しない場合がある。また、基本的に寿司職人の間での符牒であり、客が知った風を気取って使うのはお勧めできないものがある。

  • デバナ -アガリと同じお茶だが最初に出すお茶の事。
  • アガリ - お茶のこと。薄めが基本。現在は緑茶や番茶だが、元は煎茶であった。語源は遊郭で来客時に出した上がり花から。
  • オアイソ - お愛想。勘定をするの意。常連でも勘定を払うと愛想をつかしたように帰っていくさまから、という説。ただし、これは板前が客に対して「お勘定のことなどお伺いしまして、さぞかし愛想の悪いこととは思いますが」と使う言葉を由来としているがために客が板前に対して使うのは間違っているという説もあり、これに従うと客が申し出る場合は「お勘定」とすべきという見解もある。
  • オテショウ(御手塩) - 醤油(関西ではたまり)などを入れる小皿のこと。
  • カッパ - 胡瓜のこと。
  • ガリ - 甘酢に漬けた薄切りの生姜。語源はその食感、ガリガリとする歯応えから。
  • ギョク - 玉子焼き、出汁巻き玉子。
  • クサ - 海苔のこと。「浅草海苔」の省略という説あり。
  • グンカン(軍艦) - シャリを海苔で縦に巻き、ネタを載せた寿司のこと。軍艦巻(ぐんかんまき)。これはウニやイクラなど散りやすいネタに使われる巻き方。
  • シャリ - 酢飯のこと。仏教語の舎利(飯)、すなわちサンスクリットを意味する単語シャーリ(zaali शालि)を語源とする。ちなみに仏舎利の「舎利」は「肉体」を意味する別の単語シャリーラ(zariira शरीर)なので、寿司とは関係ない。同じ漢字を書くが、所詮どちらもサンスクリットの音写、当て字みたいなもの。
  • つめ(または煮ツメ) - アナゴや煮蛤などの淡白な味をしたネタに塗る、佃煮の汁に似た甘塩辛い煮汁。
  • トロ - マグロの腹身の一番脂の乗った部分のこと。脂の乗り具合で「大トロ」「中トロ」などと分類される。
  • ナミダ - ワサビの事。につんとくる辛さでが出る事から。
  • サビ - ワサビの事。
  • ネタ - 酢飯や海苔、カンピョウ等を除く寿司の食材のこと。
  • バラン、ハラン(馬蘭、葉蘭) - 仕切りや飾り付けに用いられる植物の葉。現在では樹脂製の模造品が使われることがほとんどである。
  • ムラサキ - 醤油のこと。醤油が高価であったため、高貴なであるを当てたと言う説。土浦から見える紫峰筑波と言う商品名から来たという説。キッコーマンに代表される亀甲文様の亀甲は北極星信仰(妙見菩薩信仰)で、北極星のシンボルカラーである紫色からと言う説。単純に醤油の色からなど諸説様々存在する。
  • ガレージ - シャコのこと。「車庫」からきた洒落。
太巻(関西風)
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太巻(関西風)
巻き簀
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巻き簀

[編集] 巻き寿司

海苔の上に飯を乗せ、その上にきゅうり、卵焼きなどの具を乗せて巻いたもの。主に巻き簀(すだれ)を使用する。分類すると、以下のようになる。

  • 細巻 直径3cm程度の口に入れやすいのもの。大抵は具が1種類のみ。
  • 太巻 直径5cm程度以上になるものは太巻と呼ばれ具も複数となる。
  • 中巻 昭和中期以降、持帰り店を中心に発売されている。上記の中間の太さで具は概ね二・三種類となっている。

海苔巻とも呼ばれるが、広義には巻き寿司全体を指すものの、狭義の用法では地域によりその対象は異なる。その他、巻き簀を使わず飯と具を海苔で巻く手巻き寿司もある。なお握った飯の側面に海苔を巻き、上にイクラサラダウニなど崩れやすい材料を乗せたものを特に「軍艦巻き」と呼ぶが、これは握り寿司の一種として扱われている。

関西では、節分の日にその年の恵方を向いて無言で太巻きを一気に食べると幸運がもたらされれるとする「恵方巻」という行事がある。これは1970年代より一種の販促キャンペーンとして広められ、習慣として定着したものである。なお2006年現在、このキャンペーンは全国規模に拡大しており、それが消費者に定着するかどうか、今後が注目される。

[編集] 主な巻き寿司

細巻
  • 鉄火巻(てっかまき) を使用。
  • かっぱ巻 きゅうりを使用。店舗・家庭によりきゅうり巻とも。
  • かんぴょう巻 (関東地方における海苔巻
  • 新香巻(しんこまき) お新香を使用。
太巻
標準的な具は、玉子焼き・かんぴょう・きゅうり。その他は地方により異なる。また店舗や家庭によって様々な具が使われる。(関西地方における海苔巻
中巻
納豆(大葉入り)巻、穴子ときゅうり巻等、組合わせた具の食べ応えが楽しめる。種類は様々。

[編集] ちらし寿司

ちらし寿司は調理に専門的な技術が不要なため、家庭で作られる機会も多く、祭礼などハレの日の手作り料理として供されることが多い。大きく分けて二つの系統に分類される。

飯に細かく切った魚介類、野菜などの具を混ぜて食べるもの。
バラ寿司バラちらしとも言う。具には錦糸玉子・干椎茸の煮つけ・かんぴょう・酢蓮根・海老・焼穴子等がよく用いられる。
具を飯の上に飾り載せしたもの
江戸前寿司店のちらし寿司(均等にそろえ切りした具を並べる)、鹿児島県酒寿司岡山県祭り寿司等(さまざまな具を配置する)がある。

上記以外の例では、三重県手こね寿司で具を混ぜた後、更に切り身を乗せる事がある。

店舗・家庭により好みの具が使用され、地方により果物(リンゴミカンサクランボ等)を入れる場合もある。

笹寿し
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笹寿し

[編集] 押し寿司

飯と具を重ね、一定時間、力をかけて押したもの。最もポピュラーな鯖寿司である大阪府のバッテラや京都府の鯖の棒ずし、富山県鱒寿司鯵の押し寿司秋刀魚寿司鳥取県の吾左衛門寿司、広島県角寿司山口県岩国寿司など。ササの葉などでくるみ、数時間から一晩、力をかけて押したものもある。

[編集] 熟寿司(なれずし)

なれずしは魚介類に塩、飯などを混ぜて長期間保存し乳酸菌の作用によって醗酵させたもの。もともとは魚だけを塩蔵して自然発酵させていたが、16世紀前後に発酵を促進させるために飯を加えるようになったという。熟成途中のもの(「なまなれ」。また「なまなり」とも)を飯と一緒に食べることもあったが、普通は十分発酵させた上で半ば融解した飯を取り除き、酸味のついた魚の部分だけを食べる。和歌山県の熟寿司や滋賀県鮒寿司秋田県のハタハタ寿司などが有名。石川県かぶら寿司北海道飯寿司のようにを加えることもある。寿司の原形とされている。

稲荷寿司
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稲荷寿司

[編集] 稲荷寿司

稲荷寿司は煮付けた油揚げの中に飯を詰めたもの。油揚げは甘く濃い味か薄味に仕上げる。中身は酢飯のみという物と、牛蒡などの野菜やごまをまぶす物がある。仕上がりの形は俵型だったり三角形だったりと地域によって多くの違いが見られる。具が入っていないもののほうが多い。飯に具が入っているものは一般に大きい。愛知県豊川市にある日本三大稲荷の一つ、豊川稲荷の門前通から派生し全国に広まった。米の採れないこの地方で考案された当初は、煮付けた油揚げの中にオカラを詰めたものだった。また稲荷寿司と海苔巻(かんぴょう巻)を詰め合せた弁当助六という。これは「揚げ」と「巻き」で揚巻(歌舞伎『助六』に登場する花魁の名)という洒落による名称である。

[編集] 代表的な地方の寿司

各地で食べられる寿司には様々なバリエーションがあり、何れの地域以外ではあまり見られないものとなっている。

[編集] 関西寿司

関西寿司は、主に関西地域の郷土寿司の総称。大阪寿司の代表的な箱寿司(押し寿司)、酢締めの押し寿司バッテラ、ばら寿司(五目寿司)、巻き寿司等も含まれる。具材の鮮度ではなく飯と具材の味が基本の寿司で持ち帰っても味が変化しにくい。

[編集] バッテラ

酢飯に酢締めにしたを乗せ、さらに白板昆布を重ねた押し寿司。酢による処理で保存性を高めつつ生臭みを押さえ、昆布が旨みと食感を加える。鯖の半身を使うため完成品は細長い形となり、切り分けて食べる。近年は全国的に知られるようになり、関西以外の寿司売り場でも販売していることがある。

[編集] 太巻寿司

具に高野豆腐の煮しめを使うのが特徴。また、でんぶは使わない事が多い。そのため他の地方のものと比べ、ほんのりとした甘みと食べ応えがある。

柿の葉寿司
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柿の葉寿司

[編集] 柿の葉寿司

柿の葉寿司は、奈良県和歌山県地方の郷土料理である。鯖の寿司をの葉で巻き、保存に適したものにした寿司。

[編集] 鯖寿司

鯖寿司は、若狭地方・京都郷土料理である。長方形に固めた酢飯の上に塩鯖の半身をのせ、出汁昆布で全体をくるみ、巻き簾で形を整えた後、竹皮で包んだ物である。先述のバッテラとは異なり、型に入れて固める作業はない。京都の場合、冷蔵技術が発達する前は若狭地方から運ばれる塩干物の塩鯖が貴重な海産物であり、この寿司が定着した(詳しくは鯖街道参照)。若狭では焼いた鯖をのせることもあり、「空弁」の代表としてマスコミで取り上げられ全国的に有名となった。

[編集] 鰻荷寿司

稲荷寿司に同じく愛知県豊川市豊川稲荷近郊から派生した郷土寿司で、押し寿司の一種。飯の上にタレを付けて焼いた鰻が重ねられている。豊川稲荷の稲荷と、唸る(ほどに旨い)をかけ、響きが稲荷寿司に似て覚えやすい事などから鰻荷寿司(うなりずし)という名称になったとされている。

[編集] 島寿司

島寿司東京都伊豆諸島及び小笠原諸島郷土料理である。具材として島で捕れる魚を醤油漬にして使う。島で手に入りにくいわさびの代わりに唐辛子や洋がらしを使うなど、島の気候や食糧事情に合わせた製法で作られている。

[編集] 歴史

寿司は本来は魚介類を長期保存する発酵食品の一つで、東南アジアが起源と言われる。日本でも古くは寿司と言えば発酵食品の「熟鮨(なれずし)」のことであったが、江戸時代になって酢が大量生産されるようになると、ご飯を発酵させずに酢を使う「早鮨(はやずし)」が考案され、以降は早鮨が一般的な寿司を指すようになった。

現在でも琵琶湖沿岸には熟鮨の一種、鮒寿司などが残っている。

江戸時代以前、寿司の見た目は現代のように整ってはおらず、押し寿司(現在では関西ずしと分類されている)のようなものが主であった。また当時の寿司は現代の握り寿司に換算して9貫(約18個分、360g)ほどもある多量の米に9種類あまりのネタを乗せたものであり、一貫鮨とも称される大変大きなものであったと伝えられている。

江戸時代末期・文政年間に、この鮨を食べやすく小分けにした今の握りずしの原型ともされる寿司が現れる。この寿司は江戸・両国にて華屋与兵衛(小泉与兵衛)「与兵衛寿司」により考案されたとされる(いわゆる江戸前寿司)。しかし、当時の寿司はどちらかというとおむすびのようなものであったらしい。また、冷凍技術も未発達の時代であったため、近海で獲れたものをさらにヅケにしてネタとして使用していた。また大きさも現代の握り寿司の2~3倍であったとされ、という助数詞における分量単位も、これを基準に確定していった。

昭和の後期(1970年代頃)までは、寿司は高級料理の代名詞であった。祝い事などの際に寿司の出前をとるというのが庶民的な感覚であった。サラリーマンを題材としたマンガでは、夜遅くまで外で飲み歩く亭主が、妻の機嫌を取るために寿司の折り詰めを買って帰るという姿が描かれる事がしばしばあった。

1958年に大阪で回転寿司が発明され、1980年頃までかけて全国に普及するようになると、寿司は家族で食べに行く庶民的なものに変わっていった。しかし一方では、回転寿司以外の寿司屋、いわゆる「回らない寿司屋」で寿司を食べるのはいまでも贅沢な食事であるという風潮は残っている。

回転寿司の成功による寿司の庶民化と、生鮮食料品の流通の改革などが相まって、近年では家庭で寿司を作って食べる事も増えてきている。食品メーカーのテレビコマーシャルが引き金になり、手巻き寿司を家庭で作るのがブームになった事もあった。

[編集] 販売・消費形態

寿司は鮨屋、回転寿司などの店内で料理として出される。(鮨屋は出前を行うこともある。)また、スーパーマーケットデパートの地下の惣菜コーナーでは詰め合わせや握り寿司2つ程度の小さなパックなどが売られる。弁当販売店の形式で、持ち帰り用寿司を売るチェーン店もある。

かつては露天での販売も盛んであったが、衛生上の理由から屋台での寿司等生魚を使用した食品の販売は昭和初期までにその多くが規制されている。なお韓国には近年寿司を扱う屋台が出現したが、食べる際はよく注意することが望ましい。

巻き寿司、ちらし寿司はしばしば家庭でも作られる。

[編集] 衛生

寿司は、人間の手で腐敗しやすい生鮮魚類と炊き上げた白米を抱き合わせる作業を行うものであり、その過程で雑菌が付着することは避けられない。従って、夏期においては握ったものをすぐ食べることが望ましい。
諸外国では、手で握る作業を不潔なものと見なし、職人が薄いゴム手袋やビニール手袋を嵌めることを求められている店があるが、日本においてはそれは「野暮」と見なされ、そのような習慣は一般化していない。ただし国内でもスーパーなどで持ち帰りの寿司を作る場合や、回転寿司店で手袋を着用しているのが一般である。昨今では、世界的な日本食ブームのおかげもあり、外国人のいわゆる「通」を自称する人達の間でも、「素手で握る寿司が一番」という風潮がある。これは単にマニアックな理由だけではなく、特に西洋人の間では「日本の寿司職人は、素手で握っても食中毒を起こさない衛生的で清潔な職人」という西洋人独特のイメージ的な物もあるという。

[編集] 寿司ギャラリー

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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