協定世界時
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協定世界時(きょうていせかいじ、UTC: 英Coordinated Universal Time、仏Temps Universel Coordonné)は、セシウム原子時計が刻む国際原子時をもとに、天文学的に決められる世界時(UT1)との差が1秒未満となるよう、国際協定により人工的に維持されている世界共通の標準時。具体的には、世界時との差が0.9秒以内になるように閏秒を挿入して維持している。世界各国の標準時はこれを基準として決めている。例えば、日本の場合は日本標準時(JST)で、協定世界時より9時間進んでおり、「+0900(JST)」のように表示する。
[編集] 世界時と協定世界時
国際単位系(SI)では、1秒はセシウム133が91億9263万1770回振動する時間と決められている。国際原子時(TAI)は、世界時の1958年1月1日0時0分0秒を起点として原子時計で計測して時刻を決めている。計測機関はフランス・セーヴルにある国際度量衡局である。
他方、世界時(UT)は地球の自転を観測して決められるが、種々の要因により、地球の自転周期は一定していない。長期的には海の潮汐運動の影響で地球の自転周期は少しずつ長くなっている。またスマトラ沖地震の際には自転が僅かに早まったと言われている。世界時と国際原子時とのずれを補正するために、国際原子時に閏秒を導入したものがこの協定世界時である。世界時とのずれが0.9秒を超えると閏秒として1秒が挿入あるいは削除されることになっている(詳細は閏秒の項目を参照)。
閏秒によってずれを補正するようになったのは1972年からである。それまでは、地球の自転の変動にあわせて原子時計の周波数を一定値オフセットして世界時の進行に近似させ、必要に応じて0.1秒のステップ調整を行うことで、世界時とのずれが常に0.1秒以内になるようにしていた。しかし、周波数のオフセット値を毎年調整する必要があり、これは困難なものであった。そのため、1972年から1秒の閏秒による現在の方式に変更された。
[編集] 関連項目
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地域によっては夏時間(DST)を採用している。 |