阪急バス
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阪急バス株式会社(はんきゅうバス、英称 Hankyu Bus Co., LTD.)は、阪急阪神東宝グループの一員で京都、大阪、兵庫の2府1県に路線バスを展開しているバス会社で、阪急阪神ホールディングスの連結子会社である。
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[編集] 概要
主に阪急電鉄、能勢電鉄、北大阪急行電鉄、神戸電鉄の沿線を走る。また、高速バスは夜行または昼行バスが、東は関東、信州、北陸方面から、西は中国、四国、九州方面までをカバーしている。
神戸地区においては、長年、阪急六甲駅から六甲山上へ向かう路線と三宮駅、神戸駅から有馬温泉に向かう路線の2路線を中心に運行してきたが、2003年に神鉄バス路線の大部分が加わり、神戸市の北区南部もメインエリアになった。
戦前には、同市灘区内においても灘循環バスと称して運行され、現在の神戸市営バス・東灘線渦森台方面の路線も元々は阪急バスが運行していた。
一方、阪急京都線沿線の路線は、元々京阪自動車(現在の京阪バス)の路線であったものを、1949年に譲り受けたものである。なお、茨木市や高槻市に空白地区があるが、これは京阪自動車が戦時統合を行わずにそのまま地元バス会社が残り、後にそれぞれ近鉄バスへ吸収されたり、高槻市が事業を引き継いだことによる。
能勢町域における日本初のデマンドバス(1972年~1997年10月)や日本初の本格的夜行高速バスムーンライト号の運行など、バス業界でも先進的な事業者である。
イラストやカラーをふんだんに取り入れた、見やすいデザインの方向幕も特徴的(最近ではLED方式の行先表示の導入や交換が進んでいるため減りつつある)。
また、近畿地方において優等種別のバスを設定している珍しいバス事業者である(清和台・猪名川は特急・急行・快速・準急の4種別があり、茨木(粟生団地線)は特急(大阪外大関連系統)と急行、石橋(白島線、如意谷線)、茨木(石橋・郡山団地線)、豊能(北大阪ネオポリス線)は急行のみ)。
[編集] 企業情報
- 社名:阪急バス株式会社
- 英文社名:Hankyu Bus Co.,LTD.
- 本社:大阪府豊中市庄内西町5丁目9番21号(豊中営業所所在地)
- 登記上本店:大阪府池田市井口堂1丁目9番21号(石橋営業所所在地、阪急電鉄が本店を池田市に置いているに準じる)
- 設立:1927年7月24日
[編集] 高速バス路線
[編集] 関東地方発着
- 大阪~新宿(京王バス東と共同運行)
- シャトー号(羽田京急バスと共同運行)
- 阪急梅田・新大阪・千里ニュータウン・千里中央・名神茨木・名神高槻・名神大山崎・京都駅前・京都深草~横浜駅東口・浜松町バスターミナル・品川バスターミナル
- 大阪~池袋(西武バスと共同運行)
- 神戸・大阪~上野・東京ディズニーリゾート・千葉(阪神電気鉄道・京成バスと共同運行)
[編集] 北陸・信越地方発着
- アルペン長野号(川中島バスと共同運行)
(阪急梅田行きはホテルメトロポリタン長野始発で長野駅→長野バスターミナルの順に停車)
昼行便は千里中央・京都駅前・長野道麻績IC通過。
- アルペン松本号(松本電気鉄道と共同運行)
- アルペン諏訪号(諏訪バスと共同運行)
- アルペン伊那号(伊那バス・信南交通と共同運行)
- おけさ号(新潟交通と共同運行)
- 大阪・京都~富山(富山地方鉄道と共同運行)
- 大阪~金沢(北鉄金沢中央バスと共同運行)
[編集] 近畿地方発着
- 大阪~綾部・舞鶴(「近舞線」、京都交通 (舞鶴)と共同運行)
- 大阪~天橋立・宮津(丹後海陸交通と共同運行)
- 大阪~有馬温泉(有馬急行線、厳密には高速バスの扱いではない)
- 阪急梅田駅・新大阪・千里ニュータウン~宝塚IC~西宮名塩~西宮北IC・山口支所前・上山口・中野・有馬
[編集] 中国地方発着
- くにびき号(一畑バス・中国ジェイアールバスと共同運行)
- 大阪~湯原温泉(中鉄バスと共同運行)
- 大阪~新見・庄原・三次(備北バス・中国バスと共同運行)
なお、ふくふく大阪号(大阪・神戸~山口・下関)は、共同運行をしていたサンデン交通の単独運行となった。予約のみ阪急バスでも取り扱い。
[編集] 四国地方発着
- パールエクスプレス洲本号(淡路交通と共同運行)
- パールエクスプレス徳島号(阪神電気鉄道・南海バス・徳島バスと共同運行)
- なんば高速バスターミナル・USJ・阪急梅田・大阪駅前(ハービスOSAKA)・高速舞子~鳴門公園口・高速鳴門・松茂・工業団地・徳島駅前
- 大阪~脇町・美馬・阿波池田(四国交通と共同運行)
- さぬきエクスプレス号・高松エクスプレス大阪号(西日本ジェイアールバス・四国高速バス・ジェイアール四国バスと共同運行)
- よさこい号(土佐電気鉄道・高知県交通と共同運行)
- ※週末と繁忙期に運行される、阪急梅田~甲浦・東洋町役場・野根中通・佐喜浜支所・高岡第一(ディープシーワールド)・室戸岬ホテル・室戸営業所・室戸市役所・吉良川冨屋・羽根船場・奈半利駅・田野役場通・安田役場通・安芸市役所・安芸営業所・和食・はりまや橋・高知駅・桟橋高知営業所(土電営業所)は予約発券のみ取り扱う。よさこい号と合わせた往復割引等の適用はできない。
- オレンジライナーえひめ号(伊予鉄道と共同運行)
[編集] 九州地方発着
福岡・長崎駅・鹿児島中央駅行きの3路線があったが、2003年に阪急観光バスに移管された。
[編集] その他
[編集] 廃止された高速バス路線
- USJ直通バス(西宮線、有馬温泉線)
- 阪急梅田~東城線(単独運行)
- 阪急梅田~飯田BC
- 阪急梅田~米子駅(1993年3月11日から5年間運行してたが、採算が取れないため現在は、日本交通 (鳥取)のみが運行)
- 阪急梅田~岡山・倉敷駅(大阪梅田エクスプレス)(下津井電鉄と共同運行、2006年12月20日に下津井電鉄単独運行(予約・発券業務は阪急バスでも可能)で復活予定。)
- 阪急梅田~佐賀・唐津(サガンウェイ号)(西日本鉄道・昭和自動車と共同運行)
- 阪急梅田~久留米・大牟田・荒尾(ちくご)(西日本鉄道と共同運行)
- 阪急梅田~後藤寺(ムーンライト号)(西日本鉄道と共同運行、福岡発着は存続)
- 阪急梅田~大分(ゆのくに)(大分交通、亀の井バスと共同運行)
[編集] 営業所・路線
全営業所・路線でスルッとKANSAI対応カードが利用可能である(高速路線、リムジンバス等を除く)。
- ☆印がついている営業所はスルッとKANSAIのPiTaPaやJR西日本のICOCAなどのICカード利用可能営業所・路線
- ★印がついている営業所は阪急田園バスへ運営委託
- ◆印がついている路線は優等種別設定路線(前述参照)
[編集] 大阪府下
- 千里営業所
- 豊中営業所(本社に併設)
- 石橋営業所(登記上本店所在地) ★
- 所在地 池田市井口堂1丁目(最寄停留所 井口堂)
- 担当路線 池田市内線、白島線◆、豊中西宮線、箕面中央線、如意谷線◆、阪大病院線
- 能勢営業所 ★
- 所在地 豊能郡能勢町大里(最寄停留所 赤馬、大里住宅前)
- 担当路線 西能勢線、東ときわ台線、杉生線(柏原・後川系統)、新光風台線、妙見口能勢線
- ※かつて(1972年~1997年10月)日本初のデマンドバスの運行を行っていた
- 豊能営業所 ★
- 伏尾台営業所 ★
- 所在地 池田市伏尾台5丁目(最寄停留所 伏尾台四丁目)
- 担当路線 東能勢線
- 茨木営業所(阪急エムテック整備工場を併設)
- 所在地 茨木市上郡2丁目(最寄停留所 中河原南口)
- 担当路線 粟生団地線◆、茨木美穂ヶ丘線、石橋・郡山団地線◆、箕面山麓線、茨木・富田線、安威団地線、小野原東線、忍頂寺線、車作線、メゾン千里丘線、茨木サニータウン線、千里茨木線、茨木~関西国際空港リムジンバス
- 吹田営業所
- 柱本営業所 ★
[編集] 兵庫県下
- 猪名川営業所 ☆
- 所在地 川辺郡猪名川町白金1丁目(最寄停留所 紫合、パークタウン中央)
- 担当路線 杉生線◆、萩原台線◆、多田グリーンハイツ線、日生ニュータウン線、猪名川パークタウン線◆、つつじが丘線、大和団地線、猪名川町内線
- 清和台営業所 ☆
- 所在地 川西市清和台東1丁目(最寄停留所 清和台営業所前)
- 担当路線 杉生線◆、萩原台線◆、多田グリーンハイツ線、けやき坂線◆
- 伊丹営業所 ★
- 西宮営業所 ☆
- 宝塚営業所
- 所在地 宝塚市安倉北3丁目(最寄停留所 宝塚営業所前)
- 担当路線 宝塚市内線、宝塚すみれガ丘線、宝塚山手台線、空港宝塚線、仁川循環線、売布循環線
- 山口営業所 ★
- 芦屋浜営業所 ☆
-
- 南芦屋浜出張所(最寄停留所 浜風大橋南)
- 所在地 芦屋市海洋町
[編集] 京都府下
- 大山崎営業所 ★
[編集] その他事業所など
- 横大路支社
- 京都市営バスの管理受託、京都市営バス横大路営業所を参照のこと
- 洛西支社
- 京都市営バスの管理受託、京都市営バス洛西営業所を参照のこと
- 松原支社
- 神戸市営バスの管理受託
- 新大阪案内所(新大阪高速バスターミナル)
- 梅田案内所(阪急三番街高速バスターミナル)
- JR吹田駅前案内所
- 粟生団地案内所
- JR千里丘定期券売場
- 千里中央案内所
- 桃山台案内所
- 豊中駅前案内所
- 池田駅前案内所
- 川西能勢口案内所(川西バスターミナル)
- 平野案内所
- 日生中央案内所
- 阪神尼崎案内所
- 西宮北口案内所
- 甲東園出張所
- 逆瀬川案内所
- 宝塚駅前案内所
- 西宮名塩案内所
- 芦屋川駅前案内所
[編集] 車両
伝統的には三菱ふそう製が多かったが、近年は多様化の傾向にある。特に、1995年以降は日産ディーゼル製が入り、近年は西日本車体工業(西工)との関係の深さから数を増やしているほか、以前は理由があって導入を避けていた日野自動車製も2003年以降は三菱ふそうのリコール問題などによる三菱ふそう車購入抑制などにより徐々にではあるが台数を増やしている。このため逆に三菱ふそう車が年々減少しつつある。特に大阪の千里営業所や豊中営業所等に集中的に配属されてきた94~95年式の車両が代替廃車(自動車Nox・PM法に伴う廃車も含む)や猪名川営業所への転属の時期に入り、阪急バス=西日本車体工業+三菱ふそうという形が失われつつある。 大型路線系は西工製ボディを架装することが多いこと、また兵庫県内の急勾配を抱える路線を持つ営業所にはいすゞ自動車製の高出力車が配属されるのが一般的(1970年代までは三菱ふそうの観光系シャーシをベースに路線ボディを架装した車両が多く使われた)だったが、最近では豊能や大山崎、向日の各営業所にもいすゞ製の高出力車が配属されている(いずれも兵庫県内の営業所からの転属車)。
現在、日本国内における大型・中型の新型路線バスは、一般的に下部の半分~4分の3程度が固定式、残り上部が引き違い式の「逆T字窓」が採用されているが、この窓は路線バス用としては、1981年に阪急バスが最初に採用したものである。かつて阪急東宝グループに属していたアルナ輸送機用品(旧アルナ工機・現在は川崎重工の傘下)がバスや鉄道車両のアルミサッシを製造していることも影響を与えている。アルナは、停留所標柱の製造も行っており、阪急バスではほとんどの停留所で使用している。
高速バス・有馬急行線は、夜行高速バスにはムーンライト号の実績から西工製ボディを架装する三菱ふそう車が使われるが、昼行高速バスについては、純正ボディ車も多く、2004年にはそれまで実績のなかった日野車が有馬急行線に導入されるなど、4車種が揃っている。
特定車は、関西大倉学園(「関倉」と略される)の生徒送迎などに、西工製いすゞ車が多く配属される。特定には貸切車などからの転用も見られる。特定車の中には、深夜急行バスと兼用のものも在籍し、運賃箱や降車合図ボタンを装備するものも存在する。
社番は、以前91-2345や93-2440(参考画像)などといったように、ハイフンの前に年式表記を入れていたが、2003年に年式表記を削除し、以降の新車は最初から年式表記なしとなっている(勘のいい利用客から「いつまでこんな古いバスに乗せるんだ」という苦情があったためという説もある)。
ハイフン後の数字は、100~200番台が日野、300~400番台が日産ディーゼル、500~700番台がいすゞ(ただし、もとは400番台もいすゞ車である)、2000番台(厳密には3桁から番号が進み、現在2000番台になっている)は三菱ふそう車、0000番台はトヨタ車である。
なお、5000番台は神鉄バスからの移籍車で、下3桁は神鉄時代の番号である。また、阪急田園バスは000番台(3桁で100位が0になる)である。阪急観光バスは700~900番台を使用するが、同社の車両については、2003年に番号体系を一部変更している。
また運賃箱についても、長らくNECホームエレクトロニクス製を使用してきたが、ICカードPiTaPaに対応するため、順次ICカード利用可能営業所よりレシップ製の最新鋭運賃箱への交換が行われている(但し、スルッとKANSAI・回数カードのカードリーダーは東芝製。NEC製時代から使用している。)
[編集] 阪急バスグループ
- 阪急田園バス(株)
- 阪急観光バス(株)
- 大阪空港交通(株)
- ニッポンレンタカー阪急(株)
- (株)阪急エムテック
- (株)スマイル
[編集] 外部リンク
- 阪急バス(公式サイト)
- くまねこはうす(ファンサイト)
- Tokuden IM(ファンサイト、車両解説などあり)
大手私鉄 | ☆阪急電鉄・☆阪神電気鉄道・☆京阪電気鉄道・☆南海電気鉄道・近畿日本鉄道 |
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中小私鉄・第三セクター等 | ☆能勢電鉄・☆北大阪急行電鉄・☆大阪府都市開発(泉北高速鉄道)・神戸電鉄・☆神戸高速鉄道・☆北神急行電鉄・☆山陽電気鉄道・☆神戸新交通・☆大阪高速鉄道(大阪モノレール)・京福電気鉄道・比叡山鉄道・叡山電鉄 |
公営地下鉄 | ☆大阪市交通局・☆神戸市交通局・京都市交通局 |
公営バス(外郭団体を含む) | ☆大阪市交通局・大阪運輸振興・高槻市交通部・尼崎市交通局・尼崎交通事業振興・伊丹市交通局・神戸市交通局・神戸交通振興・京都市交通局 |
民営バス | ☆阪急バス・阪急田園バス・近鉄バス・南海バス・南海りんかんバス・南海ウィングバス金岡・南海ウィングバス南部・☆大阪空港交通・京都バス・☆京阪バス・京阪シティバス・京阪宇治バス・山陽電気鉄道・阪神電気鉄道・阪神バス・神鉄バス・★神姫バス・★神姫ゾーンバス・和歌山バス・和歌山バス那賀 |
関西圏での参入予定社局 | ☆京阪京都交通・★奈良交通・★エヌシーバス |
関西圏外の事業者 | ★岡山電気軌道・★両備バス・★下津井電鉄 |
関西圏外での参入予定社局 | ★静岡鉄道・★しずてつジャストライン |
- 記号の意味
- ☆印の社局はPiTaPa加盟社局。
- ★印の社局はPiTaPaのみの加盟社局(スルッとKANSAIは非対応)。
- 無印の社局はスルッとKANSAIのみ対応。
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