三宮駅
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三宮駅(さんのみやえき)は、兵庫県神戸市中央区北長狭通1丁目、布引町4丁目にある、阪急電鉄・阪神電気鉄道・神戸高速鉄道・神戸新交通・神戸市営地下鉄の駅。
JRの三ノ宮駅とともに神戸市の中心地である三宮に位置し、各社の路線の集まる交通の要衝となっている。
阪急電鉄では、神戸市における同社のターミナル駅であることを強調するため、駅員及び車掌の肉声放送及び構内自動放送で「神戸三宮駅」と呼称している(肉声放送は2004年頃までの一時期、自動放送は2006年頃までの一時期を除く)。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
阪急三宮駅 | |||
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阪神三宮駅 | |||
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ポートライナー三宮駅 | |||
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東海道本線(JR神戸線)の三ノ宮駅と隣接している。また、各路線ともに地下街(さんちか)を通じて神戸市営地下鉄海岸線の三宮・花時計前駅と乗り換えが可能である。
[編集] 駅構造
[編集] 阪急電鉄・神戸高速鉄道(阪急三宮駅)
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- 島式2面3線のホームを持つ高架駅である。当初は神戸駅を名乗っており、頭端式4面3線の駅だったが、神戸高速鉄道の開通と同時に三宮駅に改称し、中間駅構造となった。さらに10両編成化対応工事の際にホーム幅を拡幅し、現在の姿になっている。
- 1936年の開業当初から、神戸阪急ビル内に駅が内包されており、鉄道がビルへ出入りするその光景は神戸のシンボル的存在であった。1995年、阪神・淡路大震災により大きな損傷を受けてしまい、ビル自体が老朽化していた上に電車の復旧を優先させるため、やむなくビルを取り壊した経緯がある。その後、元のビルのデザインを踏襲した22階建てのビル「三宮阪急ビル」が計画されたが、資金難により数回にわたって着工は延期され、2006年11月現在も再建の目途は立っていない。
- なお、2006年10月14日から神戸市内高架延長線開通70周年を記念して、神戸阪急ビルの模型が500個限定で発売される。[1]
- 高速神戸・新開地方面が1号線、上りホームと下りホームに挟まれた線路が2号線、大阪梅田方面が3号線となるが、旅客案内上では1号線を1番ホーム、2号線の下り側ホームを2番ホーム、上り側ホームを3番ホーム、3号線を4番ホームとしている。以前は4面3線のホームで、3号線の北側の4番ホームと1号線と2号線の間2番ホームが降車ホーム、3号線と2号線との間の3番ホームと1号線南側の1番ホームが乗車ホームあったが、特急の10両編成化準備の為、1981年(昭和56年)までに現在の配置に改造された。
- 一部例外を除き、2番ホームは基本的に大阪梅田方面への折返し電車からの降車、もしくは同電車から神戸高速方面の電車への乗り換え用としてのみ使用されている。
- 当駅で折り返す山陽電鉄の列車は三宮で客を降ろし一旦梅田方へ引き上げてから運用に入る。
[編集] 阪神電気鉄道(阪神三宮駅)
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- それまで地上に存在した線路を地下に移設した、1933年6月17日(ゴーストップ事件と同一日)に開業。こちらも元町延伸までは神戸駅を名乗っており、駅の壁には昭和30年代まで「コウベ」と片仮名で書かれた駅名標が残されていた。
- 島式4面3線のホームを持つ地下駅。地下1階部分にコンコースが、地下2階部分にホームが存在している。
- ホームは北側から相対式の1番線(大阪梅田方面行き)降車ホーム、島式の1番線乗車ホーム、櫛型の2番線(山陽姫路方面行き)・3番線(大阪梅田方面への折り返し用で、元町方面は行き止まり)乗車ホーム・3番線降車ホームとなっている。なお、3番線降車ホームは有効長が5両分しかないため、梅田側先頭車はドアカットしている。
- 3番線は、1974年まで西大阪線西九条行き特急(西大阪特急)に使用されて以降は暫く使われていなかったが、1980年代前半に登場した快速急行が当駅始発となったため、以後は継続して使用されている。だが、最近は快速急行の運用が減ったため、今は平日の朝(区間特急)、夕方(快速急行、急行)のみになっている。
- なお、同駅は西大阪延伸線が開業し近鉄難波駅まで延伸される際に奈良方面からの列車が折り返すことになるほか、改札口が西口の1か所しか存在しないという防災上の問題を有していることから、2009年までに東口(大阪梅田方面)改札を新設するなど全面改修が予定されている。工事は駅施設が神戸高速鉄道へと譲渡された後に着工の予定である。
[編集] 神戸市営地下鉄
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- 1面1線のホームを2つ持つ地下駅である。駅番号はS03。
駅イメージテーマは「国際性と未来志向」 - 大倉山駅~三宮駅間は道幅の狭い生田新道の地下を通るため、上下二層式となっており、地下1Fに改札口、地下2階の1番線が新神戸・谷上方面、地下3階の2番線が名谷・西神中央方面となっている。
- 1面1線のホームを2つ持つ地下駅である。駅番号はS03。
[編集] 神戸新交通
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- 島式1面2線のホームを持つ高架駅である。駅番号はP01。
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- のりば
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- 昼間時は1番線から北埠頭行きが、2番線から神戸空港行きが発車している。
[編集] 駅周辺
三宮も参照。フラワーロードを挟んで東よりに阪神、神戸新交通の駅、およびJR三ノ宮駅があり、西よりに阪急、地下鉄の駅がある。三宮地下街(さんちか)は阪神の改札と直結しており、阪急・地下鉄の東口および神戸新交通からは階段・エスカレーターや連絡通路で結ばれている。
駅東側 -- 神戸新交通、JR東口
- 神戸新聞会館(ミント神戸)
- ダイエー三宮駅前店
駅南側(フラワーロード以東) -- 阪神、神戸新交通、JR中央口
駅南側(フラワーロード以西) -- 阪急東口または西口、阪神、JR西口
駅北側(フラワーロード以東) -- 地下鉄東口、JR東口
- 駿台予備校神戸校
駅北側(フラワーロード以西) -- 阪急東口、地下鉄東口
駅西側 -- 地下鉄西口、阪急西口
[編集] バス路線
- 三宮駅周辺発着バス路線記事を参照のこと。
[編集] 特記事項
- 阪急三宮駅、神戸市営地下鉄三宮駅、ポートライナー三宮駅の3駅には、自動体外式除細動器(AED)が1台設置されている。
- 阪神と阪急の駅がやや離れているため、ヴァル研究所の鉄道経路案内ソフト「駅すぱあと」では、「三宮(阪神線)」「三宮(阪急線)」と分けられている。ポートライナーの駅は前者、地下鉄西神・山手線の駅は後者と同じ扱いとなる。
[編集] 歴史
- 1905年(明治38年)4月12日 阪神電気鉄道の雲井通駅として開業。
- 1912年(大正元年)11月1日 三宮駅に改称。
- 1933年(昭和8年)6月17日 阪神の三宮駅が地下化。神戸駅に改称。
- 1936年(昭和11年)3月18日 阪神の元町延伸により、再び三宮駅と改称。
- 1936年(昭和11年)4月1日 阪神急行電鉄(現在の阪急電鉄)の神戸駅が開業。それまでの同線における神戸ターミナルを、神戸駅から上筒井駅(1940年廃止)と改称して支線の駅とする。
- 1968年(昭和43年)4月7日 神戸高速鉄道が開業。阪急の神戸駅が三宮駅に改称。
- 1981年(昭和56年)2月5日 神戸新交通ポートアイランド線の三宮駅開業。
- 1985年(昭和60年)6月18日 神戸市営地下鉄西神・山手線の三宮駅開業。
- 1995年(平成7年)1月17日 阪神・淡路大震災が発生。三宮発着の鉄道は全て不通となる。
- 1995年(平成7年)2月1日 阪神三宮~高速神戸間運転がトンネル内に残されていた阪神5000系1本で再開し阪神三宮駅の営業再開。
- 1995年(平成7年)3月13日 王子公園~阪急三宮間運転が正雀工場から陸送されたメンテナンスの容易な阪急8000系3本で再開し阪急三宮駅の営業再開。
- 1995年(平成7年)3月16日 神戸市営地下鉄三宮駅営業再開。
- 1995年(平成7年)6月1日 神戸高速鉄道東西線の阪急三宮~花隈間運転再開。
- 1995年(平成7年)6月12日 阪急神戸本線全線復旧。
- 1995年(平成7年)6月26日 阪神本線全線復旧。
- 1995年(平成7年)7月31日 三宮~中公園間運転再開により神戸新交通三宮駅営業再開。ポートアイランド線は全線復旧となる。
[編集] 隣の駅
- 阪急電鉄・神戸高速鉄道
- 神戸本線 - 東西線
- 特急・通勤特急(共に神戸高速線内各駅停車)
- 快速急行(神戸高速線内各駅停車)
- 六甲駅 - 三宮駅 - 花隈駅
- 通勤急行(塚口まで各駅に停車)
- 春日野道駅 - 三宮駅
- 急行(西宮北口まで各駅に停車)・普通
- 春日野道駅 - 三宮駅 - 花隈駅
- 山陽S特急(高速長田駅まで各駅に停車)
- 三宮駅 - 花隈駅
- 左が阪急神戸本線の駅、右が神戸高速鉄道東西線の駅
- 阪神電気鉄道
- 本線
[編集] 備考
- 神戸高速鉄道との境界は、阪急が三宮駅、阪神が元町駅だが、高速神戸駅以西(山陽電気鉄道・神戸電鉄方面)の駅までの運賃は阪急三宮駅・阪神三宮駅とも同一とされている。
- 神戸市営地下鉄では、当駅と三宮・花時計前駅との間との乗り継ぎは90分以内であれば通しで計算される。