全日本吹奏楽コンクール
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全日本吹奏楽コンクール(ぜんにほんすいそうがくコンクール、All Japan Band Competition)は社団法人全日本吹奏楽連盟と朝日新聞社が主催し、毎年開催するアマチュア吹奏楽団体を対象とした音楽コンクールである。1940年に同新聞社が創設したが太平洋戦争で中断、戦後は1956年に再開された。日本の吹奏楽界では最大規模の大会で、アマチュア吹奏楽関係者にとって本大会本選(便宜上、以下「全国大会」と記す)に出場することは、一般的に栄誉とされている。
目次 |
[編集] コンクール概要
[編集] 規定
全日本吹奏楽コンクールは大きく中学、高校、大学、職場、一般の5部門に分かれる。
中学、高校、大学、職場の各部門については、参加者のすべてが同一の学校・企業・官庁の公認団体の団員であることが求められる。中学、高校の各部門では同一経営の小学校の児童、中学校の生徒(中高一貫校や付属校など)の参加も認められている。奏者が複数の団体から出演することはできず、また、奏者として職業演奏家の参加はできない。指揮者については複数団体の指揮をしてもよく、職業演奏家でも問題はない。
参加を希望する団体は、まず該当地域の吹奏楽連盟に加盟登録し、毎年主催者が指定する課題曲(吹奏楽連盟会報「すいそうがく」、連盟ホームページ、吹奏楽関連雑誌、朝日新聞紙上で発表)と各団体が選曲する自由曲の2曲を決めて参加申込をする。
現在、「職場の部」と「一般の部」については各々の部門に分かれているが、これらを2008年度より「職場・一般の部」に統一することが検討されている。
[編集] 主な規定
- 演奏時間:課題曲・自由曲合わせて12分以内。12分を超過した場合は審査はなされず、失格となる。
- 人数制限:中学・高校が50名以内、大学・職場が55名以内、一般が80名以内(いずれも指揮者を含まない)
- 編成:吹奏楽編成(木管楽器・金管楽器・打楽器)の作音楽器のみ。ブラスバンド編成やオーケストラ編成などの参加は認められていない。
- コントラバス・ピアノ・チェレスタ・ハープの使用は認められている。また、曲中のスキャット(声)も認められている。
- 参加団体は演奏する課題曲の楽器編成に合わせた自由曲を演奏する場合が殆どで、あからさまに編成が変わるという例は無い。
- 3年間連続して全国大会に出場した団体は、その翌年は地区大会、県大会や支部大会といった下部大会も含め、吹奏楽コンクールに参加することができない。この制度は、通称「三出制度(もしくは、三出休み)」と呼ばれている。
- かつて第4回(1956年)~第17回(1969年)は3年連続1位、その後第18回(1970年)~第43回(1995年)は5年連続金賞入賞団体を全国大会に招待して演奏を披露させるという「招待演奏(特別演奏)」が行なわれていたが、現在では全国大会に招待されることはなくなり、代わって全日本吹奏楽連盟より「国民文化祭・吹奏楽の祭典」への出場推薦や、支部・県の吹奏楽連盟より県大会や支部大会での招待演奏の依頼が行われる。
- この規定に対しては賛否両論あり、いまだに議論が絶えない。吹奏楽連盟のできるだけ多くの人に全国大会を経験して欲しい、という意図の基において規定されている。ただし、特に中学・高等学校の部においては演奏者が毎年変わっていることや吹奏楽部を担当している顧問が異動となる可能性もあることもあり反対の声は多くある。しかし、対象となる団体がコンクール参加団体のうちのごく一部であることもあり全体として議論はあまり活発ではない。
[編集] 審査
9人の審査員が上述の課題曲と自由曲のそれぞれに対し技術・表現をABCDEの5段階によって評価し、その結果により金賞・銀賞・銅賞のいずれかの賞が与えられる。
現在のように金賞・銀賞・銅賞のグループ表彰になったのは第18回大会(1970年)からで、第17回大会(1969年)以前は1位・2位・3位・・・の順位制であり、1位の団体には優勝旗が授与されていた。
[編集] 予選
参加団体はまず、例年7月ないし8月に行われる都道府県大会に参加する。(都道府県大会の前に、細かい地区に分けた地区大会が行われる場合も多い。これは各支部毎で異なる。「コンクール予選構成」を参照のこと。)審査の上、都道府県代表が決められ、上位大会である支部大会(北海道支部・東北支部・東関東支部・西関東支部・東京支部・北陸支部・東海支部・関西支部・中国支部・四国支部・九州支部)に出場、審査の上、支部代表権を獲得すると全国大会へ出場することができる。審査は上述の方法で行われるが、各支部、都道府県の裁量で審査方法、審査員の人数は決められる。尚、支部・都道府県によっては、前年度の大会で上位大会に進んだ団体に対してシード権を付し、上位大会である県大会や支部大会からの参加を認める場合もある。
支部や都道府県単位で、小学生部門や、課題曲を演奏しない部門を行う場合も多い。全国大会への道は開かれていないが、複数の団体の合同バンドを認めたり、人数規制を緩和するなど柔軟な対応ができ、人数や予算に制約のある団体を含めほとんどのコンクールに参加意思のある吹奏楽団体が参加できるようになっている。
[編集] コンクール予選構成
支 部 | 都道府県 | 地 区 |
---|---|---|
北海道 | 北海道 | 函館、日胆、札幌、空知、旭川、名寄、北見、釧路、帯広、留萌、稚内 (北海道は道大会が支部大会となる) |
東 北 | 青森県 | 青森、弘前、八戸 |
岩手県 | 県北、盛岡、中央、県南、沿岸 | |
宮城県 | 仙台青葉泉、仙台宮城野若林太白、名取仙南、塩釜石巻、古川栗原、登米本吉 | |
秋田県 | 県北、中央、県南 | |
山形県 | 村山、最北、置賜、田川、飽海 | |
福島県 | 県北、県南、会津、いわき、相双 | |
東関東 | 茨城県 | 県東、県南(小中のみ)、県西、県北、中央(小中のみ)、県南県西、県東県北中央(以上高校BCのみ) |
栃木県 | 地区大会なし | |
千葉県 | 地区大会なし | |
神奈川県 | 横浜、川崎、県南、県北、県央、西湘、湘南(以上中高のみ) | |
西関東 | 群馬県 | 地区大会なし |
埼玉県 | 東部、西部、南部、北部(以上中学のみ)、高校、大職一 | |
山梨県 | 地区大会なし | |
新潟県 | 上越、中越、下越(以上中高のみ) | |
東 京 | 東京都 | 地区大会なし |
北 陸 | 富山県 | 地区大会なし |
石川県 | 地区大会なし | |
福井県 | 地区大会なし | |
東 海 | 長野県 | 北信A、北信B、東信、中信、南信A、南信B(以上中学のみ)、東北信、中南信(以上高校のみ) |
岐阜県 | 地区大会なし | |
静岡県 | 東部、中部、西部(以上中高のみ) | |
愛知県 | 名古屋、知多、東尾張、西尾張、東三河、西三河北、西三河南(以上中高のみ) | |
三重県 | 地区大会なし | |
関 西 | 滋賀県 | 中学湖北湖東中部、中学湖南甲賀・高Aブロック、中学大津湖西・高Bブロック |
京都府 | 地区大会なし | |
大阪府 | 北摂、北、中、南 | |
兵庫県 | 東阪神、西阪神、神戸、東播、西播(中高のみ)、全但、淡路 | |
奈良県 | 地区大会なし | |
和歌山県 | 地区大会なし | |
中 国 | 鳥取県 | 地区大会なし |
島根県 | 地区大会なし | |
岡山県 | 地区大会なし | |
広島県 | 地区大会なし | |
山口県 | 地区大会なし | |
四 国 | 徳島県 | 地区大会なし |
香川県 | 地区大会なし | |
愛媛県 | 地区大会なし | |
高知県 | 地区大会なし | |
九 州 | 福岡県 | 北九州、筑豊、福岡(以上中高のみ)、中学福岡、中学筑前、中学筑後 |
佐賀県 | 地区大会なし | |
長崎県 | 県央、県南、県北(以上中学のみ) | |
熊本県 | 地区大会なし | |
大分県 | 地区大会なし | |
宮崎県 | 地区大会なし | |
鹿児島県 | 地区大会なし | |
沖縄県 | 地区大会なし |
[編集] コンクール課題曲
吹奏楽コンクールで全国大会まで開催される部門には課題曲の演奏が義務付けられている。近年は朝日作曲賞の入選作品3~5曲(大賞受賞作品は翌年度の課題曲Iとなる。但し、過去にI以外の課題曲になる例外有。)と、吹奏楽連盟の委嘱による作品1曲前後が課題曲に選ばれている。
過去には團伊玖磨、三善晃、大栗裕、小山清茂、兼田敏、和田薫など、一線級の作曲家による作品が課題曲となったこともある。また、近年では日本人による新曲が主であるが、過去にはJ.P.スーザ、A.リード、W.F.マクベスなどの作品も課題曲となったことがある。
第41回大会(1993年)~第55回(2007年)の15年間、西暦で奇数年はマーチの楽曲、偶数年はマーチ以外の楽曲が指定されてきたが、現在、連盟により課題曲設定方針の変更を、第56回(2008年)より施行することを目標として検討されている。詳細は以下の通り。
- 課題曲I~IV(全部門で選択可能)
- 毎年、マーチ2曲を含む多様なものとする。
- 「技術的にやさしく、親しみやすい旋律のもの」とする。
- 演奏時間は3~4分程度
- 課題曲V(大学・職場・一般の部のみ選択可能)
- 「吹奏楽曲の開発を意図した多様なもの(マーチも可能)」とする。
- 現在の朝日作曲賞とは別に、連盟独自に「全日本吹奏楽連盟作曲コンクール」を設け、このコンクールの大賞受賞作品を翌年度の課題曲Vに設定する。
- 演奏時間は3~4分程度
[編集] 課題曲の変遷
課題曲の設定については、時代によって変わってきた。
- 戦前の実施であり、国威高揚をはかるような曲であった。
- 中学の部、高校の部、職場の部、一般・大学の部で各一曲指定。すべてマーチであった。
- 第7回(1959年)
- 中学の部、高校の部、職場・一般・大学の部で各一曲指定。すべてマーチであった。
- 第22回(1974年)
- 課題曲は2曲。A、Bと頭をつけ、部門に関係なく選択できるようにした。初めて本格的なポップス調の課題曲が登場。
- 第23回(1975年)
- 第24回(1976年)
- 課題曲は4曲。A、B、C、D。部門に関係なく選択可能。
- 第25回(1977年)
- 課題曲は4曲。Aが中学、Bが高校以上、Cが全部門共通、Dが小編成部門用でそれぞれ選択。小編成部門の全国大会は無いため、全国大会での実況録音は無い。(地区大会での録音は、存在する可能性がある)
- 第26回(1978年)
- 課題曲は4曲。部門に関係なく任意に選択。A-Cは序曲風、Dはマーチという時代がしばらく続く。なお1978年の課題曲Bは、この年の全国大会では、どの団体も演奏していない。
- 課題曲は4曲。ただし、第44回(1996年)は5曲。第41回(1993年)から、4曲すべて西暦で奇数年はマーチの楽曲、偶数年はマーチ以外の楽曲に指定された。課題曲番号がA~DからI~IVと、アルファベットからローマ数字に指定が変わった。同時に、課題曲参考演奏を収めた音源が従来のカセットテープからCDに変更された。(A-D表記をI-IV表記に変更したのは、CD化に合わせたものといわれる。)
- 第51回(2003年)-現在
- 課題曲は5曲。Vは大学・職場・一般のみが選択できる。その他は変更なし。
[編集] 課題曲一覧
[編集] 第1回(1940年)~第10回(1962年)
第1回(1940年) | ||
---|---|---|
吹奏楽部 | 行進曲「大日本」 | 海軍軍楽隊 |
喇叭鼓楽部 | 意想曲「野営の篝火」 | 大沼哲 |
第2回(1941年) | ||
吹奏楽団 | 行進曲「皇軍の精華」 | 陸軍軍楽隊 |
喇叭鼓隊 | 意想曲「日常時日本」 | 和田小太郎 |
喇 叭 隊 | 青年マーチ | 陸軍軍楽隊 |
鼓 笛 隊 | 行進曲「くろがねの力」 | 小森宗太郎 |
第3回(1942年) | ||
行進演奏 | ||
吹奏楽団 | 行進曲「航空日本」 | 陸軍軍楽隊 |
喇叭鼓隊 | 戦捷行進 | 和田小太郎 |
喇 叭 隊 | 速歩行進其の一 | ― |
鼓 笛 隊 | 国民進軍歌 | 小森宗太郎(編) |
舞台演奏 | ||
吹奏楽団 | 行進曲「アジアの力」 | ― |
喇叭鼓隊 | 幻想曲「喜悦」 | 山口常光 |
喇 叭 隊 | 「君が代」「国の鎮め」各1回 「集れ」「気を付け」「休め」「解れ」各2回 |
― |
鼓 笛 隊 | 少年楽手 | 明石丈夫 |
――― 太平洋戦争のため中断 ――― | ||
第4回(1956年) | ||
中 学 | 行進曲「トム・タフ」 | ビンディング |
高 校 | 行進曲「花のほほえみ」 | キャンベル |
職 場 | 行進曲「エル・キャピタン」 | J.P.スーザ |
大学・一般 | 行進曲「大空」 | 須摩洋朔 |
第5回(1957年) | ||
中 学 | 行進曲「ミリタリー・エスコート」 | H.ベネット |
高 校 | 行進曲「剣と槍」 | Starke |
職 場 | 行進曲「マラソン」 | Borgen |
大学・一般 | 行進曲「マンハッタン・ビーチ」 | J.P.スーザ |
第6回(1958年) | ||
中 学 | 行進曲「先頭指揮官」 | H.ベネット |
高 校 | 行進曲「前衛隊」 | J.O.Humu/吹奏楽連盟 |
職 場 | 行進曲「ウェリントン将軍」 | W.Zehle/吹奏楽連盟 |
大学・一般 | 行進曲「剛毅潔白」 | カール・タイケ/吹奏楽連盟 |
第7回(1959年) | ||
中 学 | 行進曲「R.M.B.」 | Jarrett |
高 校 | 祝典行進曲 | 團伊玖磨 |
大学・職場・一般 | 行進曲「グロリアス・ユース」 | H.S.ホイスラー |
第8回(1960年) | ||
中 学 | 行進曲「リトル・ジャイアンツ」 | Moon |
他部門 | 行進曲「スカイ・ウェイ」 | ポール・ヨーダー |
第9回(1961年) | ||
中 学 | 行進曲「ブースター」 | J.G.Klein/Hayes |
他部門 | 行進曲「ジュビリー」 | E.D.ゴールドマン |
第10回(1962年) | ||
中 学 | 行進曲「若人」 | 片山正見 |
他部門 | 行進曲「鬨の声」 | 須摩洋朔 |
[編集] 第11回(1963年)~第20回(1972年)
第11回(1963年) | ||
---|---|---|
中 学 | 行進曲「朝のステップ」 | 小川原久雄 |
他部門 | 行進曲「希望」 | 川崎優 |
第12回(1964年) | ||
中 学 | 序曲「廣野をゆく」 | 石井歓 |
他部門 | バンドのための楽章「若人の歌」 | 兼田敏 |
第13回(1965年) | ||
中 学 | 序曲「ティアラ」 | F.D.コフィールド |
高校・職場 | 序曲「パリスとヘレナ」 | グルック(/バーンズ) |
大学・一般 | シンフォニック・プレリュード | A.リード |
第14回(1966年) | ||
中 学 (連盟委嘱作品) |
学園序曲 | 佐藤長助 |
他部門 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための小狂詩曲 | 大栗裕 |
第15回(1967年) | ||
中 学 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための序曲「北の国から」 | 服部公一 |
他部門 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための「ディヴェルティメント」 | 兼田敏 |
第16回(1968年) | ||
中 学 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための「序・破・急」ト調 | 陶野重雄 |
他部門 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための幻想曲「移り気な五度のムード」 | 塚原晢夫 |
第17回(1969年) | ||
中 学 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための小品「ふるさとの情景」 | 川崎優 |
他部門 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための音詩「南極点への序曲」 | 岩河三郎 |
第18回(1970年) | ||
中 学 | オラトリオ「サムソン」序曲 | G.ヘンデル/Whear |
他部門 | 音楽祭のプレリュード | A.リード |
第19回(1971年) | ||
中 学 | 行進曲「輝く銀嶺」 | 齋藤高順 |
他部門 | 行進曲「太陽の下に」 | 奥村一 |
第20回(1972年) | ||
中 学 (連盟委嘱作品) |
シンコペーテッド・マーチ「明日に向かって」 | 岩井直溥 |
他部門 | シンフォニック・ファンファーレ | 三沢栄一 |
[編集] 第21回(1973年)~第30回(1982年)
第21回(1973年) | ||
---|---|---|
中 学 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための寓話 | 兼田敏 |
他部門 (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のためのアラベスク | 名取吾朗 |
第22回(1974年) | ||
A | 吹奏楽のためのシンフォニア | 小林徹 |
B | 高度な技術への指標 | 河辺公一 |
第23回(1975年) | ||
A(中 学) | 吹奏楽のための小前奏曲 | 郡司孝 |
B(中 学) (連盟委嘱作品) |
ポップス・オーバーチュア「未来への展開」 | 岩井直溥 |
C(他部門) | 吹奏楽のための練習曲 | 小林徹 |
D(他部門) | 吹奏楽のためのシンフォニック・ポップスへの指標 | 河辺浩市 |
第24回(1976年) | ||
A | 即興曲 | 後藤洋 |
B | 吹奏楽のための協奏的序曲 | 藤掛廣幸 |
C (連盟委嘱作品) |
カンティレーナ | 保科洋 |
D (連盟委嘱作品) |
ポップス描写曲「メイン・ストリートで」 | 岩井直溥 |
第25回(1977年) | ||
A(中 学) (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のためのドリアン・ラプソディー | 桑原洋明 |
B(高校以上) (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のためのバーレスク | 大栗裕 |
C(全 部 門) (連盟委嘱作品) |
ディスコ・キッド | 東海林修 |
D(小 編 成) (連盟委嘱作品) |
行進曲「若人の心」 | 藤田玄播 |
第26回(1978年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
ジュビラーテ | R.ジェイガー |
B (連盟委嘱作品) |
カント | W.F.マクベス |
C (連盟委嘱作品) |
ポップス変奏曲「かぞえうた」 | 岩井直溥 |
D (連盟委嘱作品) |
行進曲「砂丘の曙」 | 上岡洋一 |
第27回(1979年) | ||
A | フェリスタス | 青木進 |
B (連盟委嘱作品) |
プレリュード | 浦田健次郎 |
C (連盟委嘱作品) |
幻想曲「幼い日の想い出」 | 藤田玄播 |
D (連盟委嘱作品) |
行進曲「青春は限りなく」 | 奥村一 |
E | 行進曲「朝をたたえて」 | 山本信一,湯山昭 /岩河三郎 |
第28回(1980年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための「花祭り」 | 小山清茂 |
B (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための序曲「南の島から」 | 服部公一 |
C (連盟委嘱作品) |
北海の大漁歌 | 岩河三郎 |
D (連盟委嘱作品) |
行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」 | 齋藤高順 |
第29回(1981年) | ||
A | イリュージョン | 鵜沢正晴 |
B (連盟委嘱作品) |
東北地方の民謡によるコラージュ | 櫛田(月失)之扶 |
C | シンフォニック・マーチ | 斉藤正和/上岡洋一 |
D | 行進曲「青空の下で」 | 坂本智/藤田玄播 |
第30回(1982年) | ||
A | 吹奏楽のためのカプリチオ | 吉田公彦 |
B | 序奏とアレグロ | 木下牧子 |
C | アイヌの輪舞 | 早川博二 |
D (連盟委嘱作品) |
サンライズ・マーチ | 岩河三郎 |
[編集] 第31回(1983年)~第40回(1992年)
第31回(1983年) | ||
---|---|---|
A | 吹奏楽のためのインヴェンション第1番 | 内藤淳一 |
B (連盟委嘱作品) |
白鳳狂詩曲 | 藤掛廣幸 |
C (連盟委嘱作品) |
カドリーユ | 後藤洋 |
D (連盟委嘱作品) |
キューピッドのマーチ | 川崎優 |
第32回(1984年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
変容―断章 | 池上敏 |
B | 吹奏楽のための土俗的舞曲 | 和田薫 |
C | シンフォニエッタ | 三上次郎 |
D (連盟委嘱作品) |
マーチ・オーパス・ワン | 浦田健次郎 |
第33回(1985年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
Overture FIVE RINGS | 三枝成章 |
B | 吹奏楽のための交響詩 波の見える風景 | 真島俊夫 |
C | シンフォニック・ファンファーレとマーチ | 仲本政国 |
D (連盟委嘱作品) |
ポップ ステップ マーチ | 森田一浩 |
第34回(1986年) | ||
A | 吹奏楽のための「変容」 | 瑞木薫 |
B (連盟委嘱作品) |
嗚呼! | 兼田敏 |
C (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための序曲 | 間宮芳生 |
D | コンサート・マーチ「テイク・オフ」 | 建部知弘/藤田玄播 |
第35回(1987年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
風紋 | 保科洋 |
B | 渚スコープ | 吉田峰明 |
C (連盟委嘱作品) |
「コンサートマーチ'87」 | 飯沼信義 |
D | ムービング・オン | 川上哲夫 |
E | マーチ「ハロー! サンシャイン」 | 松尾善雄 |
第36回(1988年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための「深層の祭」 | 三善晃 |
B | 交響的舞曲 | 小林徹 |
C (連盟委嘱作品) |
マーチ「スタウト・アンド・シンプル」 | 原博 |
D | カーニバルのマーチ | 杉本幸一/小長谷宗一 |
第37回(1989年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
風と炎の踊り | 小長谷宗一 |
B | WISH for wind orchestra | 田嶋勉 |
C (連盟委嘱作品) |
行進曲「清くあれ、爽やかなれ」 | 別宮貞雄 |
D (連盟委嘱作品) |
ポップス・マーチ「すてきな日々」 | 岩井直溥 |
第38回(1990年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
ランドスケイプ-吹奏楽のために | 池辺晋一郎 |
B (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための「風の黙示録」 | 名取吾朗 |
C (連盟委嘱作品) |
マーチ「カタロニアの栄光」 | 間宮芳生 |
D | 行進曲「マリーン・シティ」 | 野村正憲/藤田玄播 |
第39回(1991年) | ||
A (朝日作曲賞受賞作品) |
吹奏楽のための「斜影の遺跡」 | 河出智希 |
B | コーラル・ブルー(沖縄民謡「谷茶前」の主題による交響的印象) | 真島俊夫 |
C (連盟委嘱作品) |
ロックン・マーチ | 藤掛廣幸 |
D | そよ風のマーチ | 松尾善雄 |
第40回(1992年) | ||
A (連盟委嘱作品) |
ネレイデス | 田中賢 |
B | 吹奏楽のためのフューチュリズム | 阿部勇一 |
C (連盟委嘱作品) |
吹奏楽のための「クロス・バイ・マーチ」 | 三善晃 |
D | ゆかいな仲間の行進曲 | 坂本智 |
[編集] 第41回(1993年)~第50回(2002年)
第41回(1993年) マーチの楽曲 | ||
---|---|---|
I (朝日作曲賞受賞作品) |
ターンブル・マーチ | 川辺真 |
II (連盟委嘱作品) |
スター・パズル・マーチ | 小長谷宗一 |
III | マーチ「潮煙」 | 上岡洋一 |
IV | マーチ・エイプリル・メイ | 矢部政男 |
第42回(1994年) マーチ以外の楽曲 | ||
I (連盟委嘱作品) |
ベリーを摘んだらダンスにしよう | 間宮芳生 |
II (朝日作曲賞受賞作品) |
パルス・モーションII | 川崎美保 |
III | 饗応夫人 太宰治作「饗応夫人」のための音楽 | 田村文生 |
IV (連盟委嘱作品) |
雲のコラージュ | 櫛田(月失)之扶 |
第43回(1995年) マーチの楽曲 | ||
I | 行進曲「ラメセスII世」 | 阿部勇一 |
II | スプリング・マーチ | 大石美香 |
III | 第1行進曲「ジャンダルム」 | 高島豊 |
IV | アップル・マーチ | 野村正憲 |
第44回(1996年) マーチ以外の楽曲 | ||
I (連盟委嘱作品) |
管楽器のためのソナタ | 伊藤康英 |
II | 般若 | 松浦欣也 |
III | クロマティック・プリズム | 松尾善雄 |
IV (連盟委嘱作品) |
はるか、大地へ | 上岡洋一 |
V (朝日作曲賞受賞作品) |
交響的譚詩 ~吹奏楽のための | 露木正登 |
第45回(1997年) マーチの楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
マーチ「ライジング・サン」 | 新井千悦子 |
II | マーチ「夢と勇気、憧れ、希望」 | 内藤淳一 |
III | 五月の風 | 真島俊夫 |
IV | ラ・マルシュ | 稲村穣司 |
第46回(1998年) マーチ以外の楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
童夢 | 松尾善雄 |
II | 稲穂の波 | 福島弘和 |
III (連盟委嘱作品) |
アルビレオ | 保科洋 |
IV | ブラジリアン・ポートレート | 河野土洋 |
第47回(1999年) マーチの楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
マーチ・グリーン・フォレスト | 内藤淳一 |
II | レイディアント・マーチ | 今井聡 |
III | 行進曲「エンブレムズ」 | 正門研一 |
IV | 行進曲「K点を越えて」 | 高橋伸哉 |
第48回(2000年) マーチ以外の楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
道祖神の詩 | 福島弘和 |
II | をどり唄 | 柏崎真一 |
III (連盟委嘱作品) |
胎動の時代-吹奏楽のために | 池辺晋一郎 |
IV | 吹奏楽の為の序曲 | 坂田雅弘 |
第49回(2001年) マーチの楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
式典のための行進曲「栄光をたたえて」 | 内藤淳一 |
II | 平和への行列 | 戸田顕 |
III | あの丘をこえて | 星谷丈生 |
IV | 行進曲「SLが行く」 | 若杉海一 |
第50回(2002年) マーチ以外の楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
吹奏楽のためのラメント | 高昌師 |
II | 追想 ~ある遠い日の~ | 岡田宏 |
III (連盟委嘱作品) |
ミニシンフォニー 変ホ長調 | 原博 |
IV | 吹奏楽のためのラプソディア | 足立正 |
[編集] 第51回(2003年)~第56回(2008年)
第51回(2003年) マーチの楽曲 | ||
---|---|---|
I (朝日作曲賞受賞作品) |
ウィナーズ 吹奏楽のための行進曲 | 諏訪雅彦 |
II | イギリス民謡による行進曲 | 高橋宏樹 |
III | 行進曲「虹色の風」 | 松尾善雄 |
IV | マーチ「ベスト・フレンド」 | 松浦伸吾 |
V (大職一のみ選択可) |
列車で行こう | 川村昌樹 |
第52回(2004年) マーチ以外の楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
吹奏楽のための「風之舞」 | 福田洋介 |
II | エアーズ | 田嶋勉 |
III (連盟委嘱作品) |
祈りの旅 | 北爪道夫 |
IV | 鳥たちの神話 | 藤井修 |
V (大職一のみ選択可) |
サード | 田渕浩二 |
第53回(2005年) マーチの楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
パクス・ロマーナ | 松尾善雄 |
II | マーチ「春風」 | 南俊明 |
III | ストリート・パフォーマーズ・マーチ | 高橋宏樹 |
IV | サンライズマーチ | 佐藤俊介 |
V (大職一のみ選択可) |
リベラメンテ 吹奏楽による | 出塚健博 |
第54回(2006年) マーチ以外の楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
架空の伝説のための前奏曲 | 山内雅弘 |
II | 吹奏楽のための一章 | 堀内俊男 |
III (連盟委嘱作品) |
パルセイション | 木下牧子 |
IV | 海へ...吹奏楽の為に | 三澤慶 |
V (大職一のみ選択可) |
風の密度 | 金井勇 |
第55回(2007年) マーチの楽曲 | ||
I (朝日作曲賞受賞作品) |
ピッコロマーチ | 田嶋勉 |
II | コンサートマーチ「光と風の通り道」 | 栗栖健一 |
III | 憧れの街 | 南俊明 |
IV | マーチ「ブルースカイ」 | 高木登古 |
V (大職一のみ選択可) |
ナジム・アラビー | 松尾善雄 |
第56回(2008年) | ||
連盟委嘱作品 | ? | 浦田健次郎 |
[編集] 課題曲音源
- これまでの課題曲の音源は「課題曲集」CDとして全日本吹奏楽連盟・ソニーミュージックの2法人から現在販売されている。
- 最新の課題曲参考演奏音源は、毎年12月中旬から吹奏楽連盟にて郵便振替で購入することができる。(毎年10月中旬頃から郵便振替による予約受付開始)
-
- 演奏は、近年は「東京佼成ウインドオーケストラ」「大阪市音楽団」の2団体が2年おきに交互に行っている(課題曲参考演奏団体・指揮者一覧を参照のこと)。
- 音源収録・ビデオ撮影は毎年9月上旬の2日間、ホール(文化会館)にて行われる。近年では、演奏が「東京佼成ウインドオーケストラ」の場合は埼玉県の「和光市民文化センター サンアゼリア」、「大阪市音楽団」の場合は京都府の「八幡市文化センター」で収録・撮影が行われている。
- CD製造は2006年度まではブレーンが行っていたが、2007年度はフォンテックが行った。
- 最新の課題曲については音源CDのみでなく「楽譜セット」「フルスコア」「DVD」(2005年度以前はVHSテープであった)も販売される。但し、数に限りがあるため、購入する際はできるだけ早く購入するとよい。また、過去の課題曲の楽譜等についても、吹奏楽連盟に在庫がある場合購入できる場合があるので、購入したい場合は連盟に電話か電子メールで問合せするとよい。
- 1970年代の参考音源カセットテープには、通常の演奏の他「木管+打楽器」「金管+打楽器」と、セクション別の演奏が収録されていた。
[編集] 課題曲参考演奏団体・指揮者一覧
[編集] 1975年~1994年
大会年 | 大会回 | 演奏団体 | 指揮者 |
---|---|---|---|
1975年 | 23 | 航空自衛隊音楽隊 | 斉藤高順 |
1976年 | 24 | 陸上自衛隊中央音楽隊 | 高橋良雄 |
1977年 | 25 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 手塚幸紀 |
1978年 | 26 | 東京佼成ウインドオーケストラ | A.キューネル |
1979年 | 27 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 黒岩英臣 |
1980年 | 28 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 小松一彦 |
1981年 | 29 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 小松一彦 |
1982年 | 30 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 小泉ひろし |
1983年 | 31 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 佐藤功太郎 |
1984年 | 32 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 山岡重信 |
1985年 | 33 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 山岡重信 |
1986年 | 34 | 東京佼成ウインドオーケストラ | F.フェネル |
1987年 | 35 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 山岡重信 |
1988年 | 36 | 東京佼成ウインドオーケストラ | F.フェネル |
1989年 | 37 | 東京佼成ウインドオーケストラ | F.フェネル |
1990年 | 38 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 小田野宏之 |
1991年 | 39 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 十束尚宏 |
1992年 | 40 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 中村ユリ |
1993年 | 41 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 天沼裕子 |
1994年 | 42 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 天沼裕子 |
[編集] 1995年~2007年
大会年 | 大会回 | 演奏団体 | 指揮者 |
---|---|---|---|
1995年 | 43 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 岩村力 |
1996年 | 44 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 岩村力 |
1997年 | 45 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 中村ユリ |
1998年 | 46 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 森口真司 |
1999年 | 47 | 大阪市音楽団 | 木村吉宏 |
2000年 | 48 | 大阪市音楽団 | 堤俊作 |
2001年 | 49 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 時任康文 |
2002年 | 50 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 沼尻竜典 |
2003年 | 51 | 大阪市音楽団 | 金洪才 |
2004年 | 52 | 大阪市音楽団 | 金洪才 |
2005年 | 53 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 齊藤一郎 |
2006年 | 54 | 東京佼成ウインドオーケストラ | 齊藤一郎 |
2007年 | 55 | 大阪市音楽団 | 秋山和慶 |
[編集] 会場
中学の部、高校の部の全国大会は、東京都杉並区にある普門館(立正佼成会所有)で行われる。ほぼ毎年、同館が使われていることや、予選を勝ち抜いてのみ演奏できることから、同館はよく「吹奏楽の甲子園」と呼ばれる。尚、同館が吹奏楽コンクール全国大会で使用されたのは、第20回大会(1972年)が初めてであり、4年間をおいて、第25回大会(1977年)以降、中学の部、高校の部においては毎年この会場で開催されている。
例年、定員をはるかに超える入場希望者に対応するため、第44回大会(1996年)以降、中学の部・高校の部それぞれ全29団体のプログラムを更に「前半の部」と「後半の部」の2部に分け、完全入替え制で大会を進行している。
ただ、同館を所有する立正佼成会の予定により全国大会の日程が前後することがあり、また、お世辞にも音楽向きの音響を備えたホールとは言えないため、しばしば会場の変更を求める声が起こる。しかしながら、キャパシティの問題や、遠方から参加する団体の楽器車やバスの駐車関係で、広大な駐車場を持つ同館に代わるホールがないということ、また、「普門館を目指す=全国大会出場を目指す」という中高生の吹奏楽奏者の意識が大変強いものとなっていることから、具体的な変更の計画は今のところない。
第53回大会(2005年)は、立正佼成会大聖堂の改修事業に伴い、普門館がその代替施設として利用され、大会での使用ができなかったため(普門館が改修されたわけではない)、会場を愛知県名古屋市にある名古屋国際会議場センチュリーホールに移して開催された。第54回大会(2006年)からは、再び普門館での開催となる。
大学・職場・一般の部の全国大会は、東京都、大阪市、名古屋市、浜松市など、地方(各支部単位)の持ち回りで開催される。ここ最近の会場は、東京文化会館、大阪府立国際会議場、アクトシティ浜松、宇都宮市文化会館のいずれかとなっている。中学・高校の部とは違い、きちんとした反響設備を備えてあるホールで開催されることが多いが、まれにほとんど響かないホールで開催されることもある(大阪国際会議場、仙台サンプラザなど)。また、毎年会場を変えているため、会場の特性を把握出来ないまま本番に臨む団体が殆どである(この場合、必然的にホールを知っている地元支部の団体が有利となる)。ホールと楽曲との相性は決して無視できないものだが、持ち回り開催のため、この様な課題が存在する(コンクールが開催された会場については「コンクール開催会場・期日一覧」を参照のこと)。
各支部、都道府県、地区での予選はその地区のホールが主に使われる。また、2004年まで東京都大会は上述の普門館で主に行われていたが、参加団体の増加等で最低でも4日連続でホールを借りなければならず、普門館では4日連続で行うことが出来なくなったため、2005年からは都内の他のホールで行われている。尚、東京支部大会の中学・大学・一般の部は普門館で行われている。
[編集] コンクール開催会場・期日一覧
[編集] 第1回(1940年)~第10回(1962年)
大会回 | 開催会場 | 開催県 | キャパ | 開催日 | 開催部門 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 橿原神宮 | 大阪府 | ― | 1940年11月23日(土) | 全部門 |
大阪朝日会館 | ― | ||||
2 | 名古屋市鶴舞公園 | 愛知県 | ― | 1941年11月23日(日) | 全部門 |
名古屋朝日会館 | ― | ||||
3 | 福岡市東公園 | 福岡県 | ― | 1942年11月21日(土) | 行進演奏 |
福岡中学校講堂 | ― | 1942年11月21日(土) | 舞台演奏 | ||
――― 太平洋戦争のため中断 ――― | |||||
4 | 大阪府立体育会館 | 大阪府 | 約5,000 | 1956年12月9日(日) | 全部門 |
5 | 両国国技館 | 東京都 | 11,098 | 1957年12月8日(日) | 全部門 |
6 | 名古屋市公会堂 大ホール |
愛知県 | 1,994 | 1958年11月30日(日) | 全部門 |
7 | 北九州市立八幡市民会館 大ホール |
福岡県 | 1,454 | 1959年11月15日(日) | 全部門 |
8 | フェスティバルホール | 大阪府 | 2,700 | 1960年11月13日(日) | 全部門 |
9 | 台東体育館 | 東京都 | ― | 1961年11月12日(日) | 全部門 |
10 | 富士製鉄体育館 | 北海道 | ― | 1962年10月28日(日) | 全部門 |
[編集] 第11回(1963年)~第20回(1972年)
大会回 | 開催会場 | 開催県 | キャパ | 開催日 | 開催部門 |
---|---|---|---|---|---|
11 | 岐阜市民センター | 岐阜県 | ― | 1963年11月10日(日) | 全部門 |
12 | 高松市民会館 大ホール |
香川県 | ― | 1964年11月8日(日) | 全部門 |
13 | 長崎市公会堂 | 長崎県 | 1,922 | 1965年11月14日(日) | 全部門 |
14 | 宮城県民会館 大ホール |
宮城県 | 1,590 | 1966年11月20日(日) | 全部門 |
15 | 東京厚生年金会館 大ホール |
東京都 | 2,062 | 1967年11月25日(土) 1967年11月26日(日) |
全部門 |
16 | 京都会館 第一ホール |
京都府 | 2,015 | 1968年11月17日(日) | 全部門 |
17 | 名古屋市公会堂 大ホール |
愛知県 | 1,994 | 1969年11月16日(日) | 全部門 |
18 | 渋谷公会堂 | 東京都 | 2,084 | 1970年11月3日(火・祝) | 全部門 |
19 | フェスティバルホール | 大阪府 | 2,700 | 1971年11月7日(日) | 全部門 |
20 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 1972年11月5日(日) | 全部門 |
[編集] 第21回(1973年)~第30回(1982年)
大会回 | 開催会場 | 開催県 | キャパ | 開催日 | 開催部門 |
---|---|---|---|---|---|
21 | 名古屋市民会館 大ホール |
愛知県 | 2,291 | 1973年11月3日(土・祝) | 全部門 |
22 | 神戸文化ホール 大ホール |
兵庫県 | 2,043 | 1974年11月4日(月) 1974年11月5日(火) |
全部門 |
23 | 北海道厚生年金会館 大ホール |
北海道 | 2,300 | 1975年10月25日(土) | 職場・特別演奏 |
1975年10月26日(日) | 高等学校 | ||||
秋田県民会館 大ホール |
秋田県 | 1,839 | 1975年11月2日(日) | 大学・一般 | |
1975年11月3日(月・祝) | 中学校 | ||||
24 | 神奈川県民ホール 大ホール |
神奈川県 | 2,488 | 1976年11月6日(土) 1976年11月7日(日) |
全部門 |
25 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 1977年11月4日(金) 1977年11月5日(土) 1977年11月6日(日) |
全部門 |
26 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 1978年10月13日(金) 1978年10月14日(土) 1978年10月15日(日) |
全部門 |
27 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 1979年11月2日(金) 1979年11月3日(土・祝) 1979年11月4日(日) |
全部門 |
28 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 1980年11月2日(日) | 中学校 |
1980年11月3日(月・祝) | 高等学校 | ||||
名古屋市公会堂 大ホール |
愛知県 | 1,994 | 1980年11月9日(日) | 大学・職場・一般 | |
29 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 1981年10月31日(土) | 中学校 |
1981年11月1日(日) | 高等学校 | ||||
福井市文化会館 大ホール |
福井県 | 1,318 | 1981年11月3日(火・祝) | 大学・職場・一般 | |
30 | 尼崎市総合文化センター アルカイックホール |
兵庫県 | 2,030 | 1982年10月21日(日) | 大学・職場・一般 |
普門館 | 東京都 | 4,702 | 1982年10月30日(土) | 高等学校 | |
1982年10月31日(日) | 中学校 |
[編集] 第31回(1983年)~第40回(1992年)
[編集] 第41回(1993年)~第50回(2002年)
[編集] 第51回(2003年)~第55回(2007年)
大会回 | 開催会場 | 開催県 | キャパ | 開催日 | 開催部門 |
---|---|---|---|---|---|
51 | 宇都宮市文化会館 大ホール |
栃木県 | 2,000 | 2003年10月18日(土) | 大学 |
2003年10月19日(日) | 職場・一般 | ||||
普門館 | 東京都 | 4,702 | 2003年11月1日(土) | 中学校 | |
2003年11月2日(日) | 高等学校 | ||||
52 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 2004年10月23日(土) | 中学校 |
2004年10月24日(日) | 高等学校 | ||||
東京文化会館 大ホール |
東京都 | 2,303 | 2004年10月30日(土) | 大学 | |
2004年10月31日(日) | 職場・一般 | ||||
53 | 名古屋国際会議場 センチュリーホール |
愛知県 | 3,002 | 2005年10月1日(土) | 中学校 |
2005年10月2日(日) | 高等学校 | ||||
大阪府立国際会議場 メインホール |
大阪府 | 2,754 | 2005年10月22日(土) | 大学 | |
2005年10月23日(日) | 職場・一般 | ||||
54 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 2006年10月21日(土) | 中学校 |
2006年10月22日(日) | 高等学校 | ||||
宇都宮市文化会館 大ホール |
栃木県 | 2,000 | 2006年10月28日(土) | 大学 | |
2006年10月29日(日) | 職場・一般 | ||||
55 | 普門館 | 東京都 | 4,702 | 2007年10月20日(土) | 中学校 |
2007年10月21日(日) | 高等学校 | ||||
長野県県民文化会館 大ホール |
長野県 | 2,173 | 2007年11月3日(土・祝) | 大学 | |
2007年11月4日(日) | 職場・一般 |
[編集] コンクール参加団体数 (2006年度)
全国合計 | 中 学 | 高 校 | 大学 | 職場 | 一般 | 合計 | ||||
A | B | 計 | A | B | 計 | |||||
2,376 | 4,173 | 6,549 | 1,528 | 1,750 | 3,278 | 177 | 27 | 554 | 10,585 |
※注意
- 中学・高校の「A」は全国大会予選としての数 (大編成部門・A部門等)
- 中学・高校の「B」はその他の数 (小編成部門・B部門・合同部門等)
[編集] 世間認知度
各種TV番組等で度々紹介される。特に最近では、2004年から2005年にかけて日本テレビ系列の1億人の大質問!?笑ってコラえて!で特集が組まれた。この番組で「普門館すなわち吹奏楽の甲子園」というコンクール経験者間の認識が一般にも紹介された。
ラジオでは、NHK-FMでレギュラー番組が放送されていた。現在でも、コンクールシーズンには特番が組まれることがある。
約5,000人収容の大ホール普門館は、毎年熱心な聴衆で埋め尽くされる。ただ、一部の過度に熱狂的な聴衆のマナーはしばしば問題にされる。
[編集] 中学・高校の部の入場券
高校の部の入場券は、1990年代に入った頃から、極めて入手困難なプラチナチケットと化している。第39回(1991年)までは当日券が発売されていたが、徹夜組が行列をつくる等の混乱があり、翌年第40回(1992年)からは当日券発売を廃止し、事前受付販売のみに変更した経緯がある。(一通あたりの申し込み枚数を制限し、申し込み多数の場合は抽選としたこともあった。抽選にもれた入場希望者対応として、プレイガイドで第2次前売りを行った年もある)。第44回(1996年)以降行われている前後半入れ替え制も、少しでも多くの入場希望者に対応するために、一部の支部予選において、以前から行われていたものを参考に導入された。しかし、それでも全自由席であったことから開場時に聴衆が良席を巡って会場内を走ったり、荷物を置いて座席を確保する等、聴衆同士のトラブルも多くあり、安全な大会進行が急務となっていた。そこでまず試行的に、第53回(2005年)の大会において、高校の部のみ一般向けの入場券を史上初めて指定席制とし、プレイガイドによるオンライン発売としたが、発売開始後数分で完売した。連盟側では安全性や、大会のスムーズな進行についても十分な効果があったとして、翌年第54回(2006年)の大会では、高校の部に加え、中学の部でも指定席制として、9月にチケットぴあでのオンライン発売を行った。チケットは発売初日で中・高両部門共完売したが、特別電話予約のみの予約受付だった(ぴあ通常予約電話番号、ぴあ・ファミリーマート・サークルKサンクス店頭では予約不可)ため、全国からの電話が殺到、ぴあ特別電話予約センターに大変つながりにくくなった(大半は電話番号ダイヤル直後に、大変混雑している旨を知らせるメッセージが流れ、通話を切断せざるを得ない状況となった。)ため、高校の部(前半・後半共)においては発売開始後2時間弱をもって完売、中学の部(前半・後半共)も発売開始後3時間程で完売した。
[編集] CD、ビデオ
近年、全国大会の会場では、出場団体の演奏を収録したCD-R・MDの当日販売が行われる。複数の業者が参入し、演奏を終えた団体の録音が、演奏終了後15分程度で即売ブースに並ぶため、休憩時間などには熱心なファンが列を作る光景が見られる。また大会から1~2ヶ月程度で、有名レコード会社による実況録音盤CDやDVDが、一般のレコード店にて販売される。
[編集] 今後の課題
上述のように部活動としての吹奏楽への注目、知名度が高まったことで、従来から高校入試にあった吹奏楽推薦のほか、普通科吹奏楽コースを設置する高校が増え、音楽活動としての吹奏楽がコンクールでの入賞至上主義へと変質してしまうことへの危惧の声が一部にある。
また、吹奏楽コンクールで評価される音楽と、各種演奏会で演奏されるクラシック音楽の評価軸の乖離を指摘する音楽ファンやプロ奏者も少なからず存在する。音楽表現に絶対的な評価軸はありえない。そのため、どうしても「正確さ」が評価軸とされてしまい、「ミスがなく音程とアインザッツの合った演奏であればよい音楽である」という吹奏楽コンクールファンの間の認識を悲観する向きもある。
演奏面では、12分の演奏時間を意識するあまり、曲のカットがしばしば問題となる。聴かせどころを詰め込みたいあまりに、曲想やストーリー・作曲者の意図を無視したカットがまま見受けられ、これに悲観するファンや専門家も少なからず存在する。
奏者個人の面では、特に上位入賞団体に所属する中学生・高校生については音楽大学への進学を希望する生徒が少なくない。現に部活動での活躍が入り口となり、プロ奏者として活躍する例は見受けられる。しかし、吹奏楽コンクールでの入賞の過程での指導は、音楽大学などでなされる古典的な音楽教育との関わりが非常に薄く、部活動と卒業後の音楽活動を両立させることが非常に難しい。これは部活動の性質、クラシック音楽界の歴史やあり方とも当然関連するが、教育の一環である吹奏楽コンクールが青少年のクラシック音楽への間口を拡げている以上、指導者やプロ奏者が抱えざるを得ないジレンマである。
いずれにしても、音楽を理解しまた愛することのできる能力と感受性を持つ青少年を多数育成してきた文化的土壌のひとつが、この全日本吹奏楽コンクールの存在であるということは事実であろう。
2005年度より高校の部、2006年度より中学の部の一般向けチケットは、チケットぴあ委託により全て指定席発売となったため、以前と比べ、連盟側の事務的負担の軽減、聴衆にとっては安全性とチケット購入時期についての公平性の向上、大会運営の円滑化等が図られたが、一方、メディアで吹奏楽文化が注目されている影響等から、ダフ屋による転売目的のチケットの大量予約が横行し、コンクールを本当に聞きに行きたい熱心な聴衆が行くことがかなり難しい状況となっていることはとても重要な問題点である。「吹奏楽を愛する中高生の憧れの舞台」、また「日本の吹奏楽文化の発展を担う大会」として、チケットの販売方法についての再検討が大いに必要であると言えるだろう。
[編集] 関連の大会
[編集] 全日本吹奏楽連盟主催による大会
など
[編集] その他の主催者による大会
- 中部日本吹奏楽コンクール (中日新聞社)
- 中部日本独奏・重奏コンテスト (中日新聞社)
- 日本管楽合奏コンテスト (日本管打・吹奏楽学会)
- 日本マーチングバンド・バトントワリング大会 (日本マーチングバンド指導者協会 JMBDA)
- こども音楽コンクール 管楽合奏の部 (TBSラジオほか系列局)
- 全日本高等学校選抜吹奏楽大会 (浜松市・浜松市文化振興財団・日本高等学校吹奏楽連盟)
- 全日本高等学校吹奏楽大会in横浜 (横浜市・日本高等学校吹奏楽連盟)
- 全国高等学校総合文化祭 (文化庁・全国高等学校文化連盟)
など ※括弧内は主催者
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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