両国国技館
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両国国技館(りょうごくこくぎかん)は、東京都墨田区横網(よこあみ)にある大相撲の興行のための施設。また、ボクシング、プロレスなどの格闘技の興行が行われることもある。番付には旧字体で國技館と表記している。旧国技館には大鉄傘(だいてっさん)の通称があった。
先代の両国国技館は現在の国技館とは異なり、京葉道路沿いの本所回向院の境内にあった。1906年(明治39年)6月着工、3年後の1909年(明治42年)5月に竣工し、6月2日に開館式が行われ、6月場所より使用された。設計は日本銀行本店や東京駅、浜寺公園駅の設計者として知られる辰野金吾と葛西万司で、大鉄傘の愛称は当時のデザインに由来する。工事費用は27万円。命名は命名委員会(会長:板垣退助)によるが、作家の江見水蔭が執筆した開館式の披露文(相撲節により相撲は国技であるという内容)にヒントを得て、当時年寄であった尾車(元:大関の大戸平)が提案したものである。その後、大正時代に火災で1回、関東大震災でもう一度、焼失し、そのたびに再建された。その間、靖国神社境内や、名古屋市で本場所が行われたことがある。
太平洋戦争中の1944年(昭和19年)2月、軍に接収され、風船爆弾の工場としても使用された。敗戦後の1945年(昭和20年)10月26日にはGHQにより再度接収され、メモリアルホールとして改称・改装された。改装は1946年(昭和21年)9月24日完成し、11月にはこけら落としとして大相撲秋場所が開催されたが、その後は接収解除まで、大相撲でのメモリアルホールの使用は許可されなかった。
1952年(昭和27年)4月の接収解除後はローラースケート場やボクシング、プロレスなどの会場として利用された。1958年(昭和33年)6月には日本大学に譲渡され、講堂として利用されていたが、老朽化により1982年(昭和57年)解体。博物館明治村への移築も考えられたようだが、あまりにも大きい建物で、運ぶのは無理だったという。解体後の跡地にはオフィス、住宅、劇場、レストランなどからなる複合ビル施設の両国シティコアが建設されており、中庭には先代の国技館の土俵の位置がタイルの色で示されている。なお、敗戦後の大相撲の興行場所としては、しばらくの変遷ののち、1954年 - 1984年の間にわたって蔵前国技館を使用していた。
1985年(昭和60年)より使用されている両国国技館は二代目。
新日本プロレスのG1クライマックス決勝戦に使用される会場である。
1991年から毎年12月に高専ロボコンの全国大会、1992年からは毎年全日本ロボット相撲大会が開催されるほか、毎年2月には、国技館5000人の第九コンサートが行われている。
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[編集] 豆知識
- 旧両国国技館での最多連続優勝は太刀山峯右エ門と双葉山定次の5場所連続で、ともに地方場所のなかった年2場所制時代でのものである。同じく年2場所時代に5連覇を達成している栃木山守也は、国技館延焼事件の影響もあって仮設国技館での優勝を含み、両国国技館での5連覇は達成していない。
- 新両国国技館での連続優勝の最多は千代の富士貢の7連覇。常設国技館での最多連覇記録でもある。昭和60年1月の開館場所から62年1月場所までで、丸二年新国技館で他の力士は優勝出来なかった。
[編集] 施設の特徴
- 電光掲示板に、その取組の決まり手が表示出来るようになっている。
- やぐらと土俵は昇降式となっており、相撲以外のイベントにも対応出来るようになっている。
- 地下には国技館サービスの統括する焼き鳥工場があり、お土産用の焼き鳥を調理・製造している。
- 大相撲興行中、升席において伝統的に喫煙が認められていたが、2005年の一月場所から全面禁煙となった。
- わんぱく相撲などアマチュア相撲の全国大会も行われるが、このため地方予選を男性選手にまじって勝ち抜いた女性選手の出場が制限されることもある。各主催団体が自主的に相撲協会に配慮してのもので、協会から各団体への申し入れの類は一切ない。
- 本場所が行われていないときも、館内巡回ツアーが行われたり、構内の売店は開くようになった。
- 構内には相撲博物館と相撲診療所があり、博物館は本場所やイベントなどの行われていないときには入館無料である。また、診療所は一般の患者も受け付けている。
- 本場所開催期間中はFM放送でオリジナル館内放送「どすこいFM」、NHK-BS大相撲中継・日本語放送、英語放送を2003年から配信している。
- 2005年5月場所より、館内で、無線LANを利用してノートパソコンに大相撲や国技館の情報を配信するサービスである「Sumo Live TV powered by Intel」を開始した。
[編集] 交通の便
[編集] 参考文献
- 風見明『相撲、国技となる』大修館書店 ISBN 4-469-26502-0
- 天使の恋人 『国技館と共に歩んだ近代都市』 サントロペグループ、2000年~2005年
[編集] 関連項目
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