バスターミナル
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バスターミナル(bus terminal)とは、複数のバス路線の発着点となっている、道路とは別に設けられた施設である。バスの発着場所を施設化したものと言える。
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[編集] 概要
バス交通が中心の国や地域では、都市にある中・長距離バス路線の発着場所として設けられていて、それは交通の拠点であり、都市の玄関口としての性格が強い。
日本にあるバスターミナルは違いが大きく、その設備に関しては一概では言えない。鉄道の駅や、空港・港・バスの車庫を起点にして路線バス網を形成している場合が多いため、これらの近くに設ける場合が多い。また、都市計画等により一地域で分散しているバス停を一箇所に整理した事例の他、バス会社が中心街や観光地に設置している事例もある。例外的ではあるが、高速路線バスのバス停について、他の路線バスが発着し、且つ高速バスと路線バスが連携している場合、この停留所自体をこう呼ぶ場合がある。また、利便性を高めるために路線バス会社や地方公共団体等がこの近くに営業所や案内所を設けている場合が多い。
バスターミナルの形状としては、それ自体が建物になっているものや、単に広場状で旅客部分にのみ屋根がついているものなど、様々である。
なお、国土交通省の定義では、下記のようになっている。
「旅客の乗降のためバス事業用の自動車を同時に二両以上停留させることを目的とした施設であって、乗合バス事業者が自ら使用することを目的として設置したバスターミナルを専用バスターミナルといい、それ以外のものを一般バスターミナルという。」
[編集] 名称について
バスターミナルの名称の由来については、英語のTERMINAL という言葉が、終着点という意味があるためバスの終着点・結節点という意味でこう呼ばれる。旧国鉄バスの場合には、路線バス専用線ないしはそれに類する道路上にあるバスターミナルには駅と称し、連絡運輸との兼ね合いで鉄道の駅と同等に扱う場合もある。その為、一部には「○○バスターミナル駅」と称した場合もある。また、現在でも「駅」と称しているバスターミナルの沿革を見ると、かつて鉄道の駅ないしは駅の予定地であったものも散見される。
なお、日本のバスターミナルは「○○バスセンター」と名乗る施設が数多く存在するが、「バスセンター」という言葉は和製英語であり、英語圏では通用しない。英語ではbus terminal、bus station、bus depotという表現が用いられる。また、アメリカの公営バス事業者は、地域バスの発着場にtransit centerという名称を与えることが多い。地域によってはterminalという語が人生の終点を連想させるとして、bus terminalという表現をしないところもある。
[編集] 日本における沿革
日本のバスターミナルは、少なくとも1949年12月、岡山県岡山市に開業した「セントラルバスステーション」(現在の「天満屋バスステーション」)1951年2月、新潟県新潟市に開業した「新潟交通バスステーションビル」(後に移転。現在の万代シテイバスセンター)、1957年7月29日、広島県広島市に開業した「広島バスセンター」などが登場する事となる。
[編集] 日本にあるバスターミナル
- 代表的なもの
- 北海道地方
- 東北地方
- 関東地方
- 筑波山口
- つくばセンター
- 東京駅八重洲南口(JRバス関東)
- 新宿駅新南口(JRバス関東)
- 新宿高速バスターミナル(京王電鉄バス)
- 東京シティエアターミナル(TCAT)(東京空港交通)
- 品川バスターミナル(京浜急行バス)
- 浜松町バスターミナル(世界貿易センタービル内)
- サンシャインシティプリンスホテルバスターミナル(池袋サンシャインシティ内)
- 京王八王子高速バスターミナル
- 町田バスセンター
- 町田ターミナル
- 相鉄高速バスセンター(相模鉄道)
- 横浜シティ・エア・ターミナル(YCAT)
- 草津温泉駅
- 中部地方
- 万代シテイバスセンター(新潟交通)
- 新潟駅万代口バスターミナル・南口バスプール
- 蒲原鉄道村松駅バスターミナル(蒲原鉄道の項を参照)
- 富山駅前バスのりば(JR・富山地方鉄道富山駅前、富山地方鉄道の項を参照)
- 金沢駅バスターミナル(北陸鉄道・JR西日本・加越能鉄道)
- 京福バスターミナル
- 伊那バスターミナル
- 長野バスターミナル(川中島バス・長電バス)
- 松本バスターミナル(松本電気鉄道)
- 高遠駅
- 甲府駅バスターミナル
- 三島駅南口バスターミナル(伊豆箱根バス・沼津登山東海バス・西伊豆東海バス・富士急シティバス・富士急山梨バス)
- 沼津駅バスターミナル(伊豆箱根バス・沼津登山東海バス・西伊豆東海バス・富士急シティバス・富士急山梨バス・ジェイアールバス関東・京王電鉄バス・京成バス・富士急山梨バス・近鉄バス)
- 吉原中央駅
- 新静岡センターバスターミナル(しずてつジャストライン)
- 浜松駅バスターミナル(遠州鉄道)
- 名鉄バスセンター(名鉄バス、日本初の多層型バスターミナルビル)
- 名古屋バスターミナル(JR名古屋駅前、松坂屋名古屋駅店横、名古屋市営バス・JR東海バス)
- 栄オアシス21内バスターミナル
- 高山濃飛バスセンター(JR高山駅前、濃飛乗合自動車の項を参照)
- 関バスセンター (三重交通)
- 上野産業会館 (三重交通)
- 近畿地方
- 大淀バスセンター(奈良交通)
- 五條バスセンター(奈良交通)
- 京都駅前バスターミナル
- 北大路バスターミナル
- 阪急桂駅前バスのりば
- 洛西バスターミナル
- 大阪シティエアターミナル(OCAT、通称「湊町バスターミナル」)
- なんば高速バスターミナル(南海電鉄難波駅上)
- 大阪駅桜橋口(西日本JRバス)
- 梅田阪急三番街バスターミナル
- 阪神梅田ハービスOSAKAバスターミナル(阪神電鉄)
- 三宮バスターミナル(ミント神戸1F)
- 神姫バス三ノ宮バスターミナル(JR三ノ宮駅東高架下)
- 東浦バスターミナル
- 洲本高速バスセンター
- 中国地方
- 鳥取駅バスターミナル
- 倉吉バスセンター
- 天満屋バスステーション(天満屋横、日本初の百貨店系バスターミナル)
- 津山広域バスセンター
- 庄原バスセンター(備北交通)
- 備北観光三次営業所バスターミナル
- 広島バスセンター(広島そごう横)
- 大朝駅
- 萩バスセンター
- 宇部中央バス停
- 下関駅
- 四国地方
- 九州地方
- 西鉄天神バスセンター(西日本鉄道福岡駅内三越横)
- 博多駅交通センター(JR博多駅前 西日本鉄道、昭和自動車、ジェイアール九州バス)
- 藤崎バス乗継ターミナル
- 小倉駅バスセンター
- 黒崎駅バスターミナル(黒崎井筒屋横)
- 飯塚バスセンター
- 直方バスセンター
- 後藤寺バスセンター
- 佐賀駅バスセンター
- 唐津大手口バスセンター
- 伊万里バスセンター
- 長崎駅前交通会館
- 長崎新地ターミナル
- 佐世保バスセンター
- 熊本交通センター(熊本城下。日本最大のバスターミナル。)
- 延岡駅前バスセンター
- 宮交シティバスセンター
- 小林バスセンター
- 鹿児島いづろ高速バスセンター
- 山形屋バスターミナル(山形屋系)
- 那覇バスターミナル(琉球バス、沖縄バス、那覇バス、東陽バス)
- 名護バスターミナル(琉球バス、沖縄バス、那覇バス、東陽バス)