下関駅
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下関駅(しものせきえき)は、山口県下関市竹崎町にある西日本旅客鉄道(JR西日本)・九州旅客鉄道(JR九州)山陽本線の駅。JR西日本の管轄駅である。
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[編集] 概要
路線上は山陽本線の中間駅だが、JR西日本下関地域鉄道部下関車両管理室があり、かつJR西日本・JR九州との境界駅でもあるため、山陽本線・山陰本線の基点的存在となっており、普通列車は原則として全列車がこの駅を始発・終着としている。寝台特急の乗務員は、当駅で交代する。
かつては1961年6月1日の小郡駅(現新山口駅)~下関~門司~久留米間電化が完成して以来、九州方面の路線(鹿児島本線・日豊本線・長崎本線)へ直通する普通列車が新山口駅(一部は宇部線経由も)から運行されていたが、2005年10月のダイヤ改正で全廃(同時に山陰本線から関門トンネルに入る列車も廃止)されている。
なお、山陽新幹線は下関駅を経由していないが、停車駅である新下関駅とは山陽本線を用いて8~9分程度で行き来出来る。
2003年12月1日にJR西日本のアーバンネットワークエリア以外では初めて自動改札機が設置された。ただし、ストアードフェアシステムに対応していないため、JR西日本で発行しているJスルー・ICOCA、JR九州・福岡市地下鉄で発行しているワイワイカードは使えない。
[編集] 利用可能な鉄道路線
- ■西日本旅客鉄道
- 山陽本線(新山口方面)
- 山陰本線 - 本来の終着駅は隣の幡生駅であるが、運転系統上、下関駅が基点となっている。
- ■九州旅客鉄道
- 山陽本線(九州方面)
[編集] 駅構造
高架駅で、島式3面6線のホームを持つ。隣接ホームや改札口との階段は北端のみにあり、1階に改札口が1ヶ所、出口が西口・東口の2ヶ所ある。ホームと改札口の階段には全て上りエスカレータが併設されている。
3・4 | ■山陽本線(下り) | 九州方面(主に寝台特急) |
---|---|---|
6~8 | ■山陽本線(下り) | 九州方面 |
■山陽本線(上り) | 新下関・新山口・防府方面 | |
■山陰本線 | 小串・長門市方面 | |
9 | ■山陽本線(上り) | 新下関・新山口・防府方面 |
■山陰本線 | 小串・長門市方面 |
東端の1番線が下り通過線、西端の10番線が上り通過線となっており、機回し線の2・5番線と共にホームが無い。従ってホームは3・4番線、6・7番線、8・9番線となる。
下り列車は9番線以外から、上り列車は3・4番線以外から出る。九州方面と新山口・小串方面との乗り継ぎに配慮し、同一ホームでの乗り換えを原則とするダイヤとなっていることから、発車ホームは一定していない。よって、改札口上部の発車案内をよく確認する必要がある。
[編集] 下関駅の三角屋根
下関駅の三角屋根は歴史にもあるように1942年に関門トンネル開通に伴い駅東口に建てられた建造物である。
市民や旅行者から愛着を持たれていたが、2006年1月に発生した下関駅放火事件により焼失。 古い建造物のため、幾度と補修等が施され、焼失前は下関の町並みを壊さない暖かみのある青色だった。主要駅の木造建築による三角屋根としては、焼失時点で最古のものだったと言われている。
[編集] 振鈴
振鈴(しんれい)は、明治時代後期に駅で列車の発車の際に使われていた大型の鈴である。下関駅の振鈴は1901年の開業から代々引き継がれており、手振りの振鈴が現存するのはこの駅だけとなっていた。
2006年1月の下関駅放火事件により駅舎が焼損し、振鈴も行方不明となっていたが、事件から3日後の1月10日、がれきの下から発見された。木製の箱や取っ手は焼失し、金属製の部分はすすで黒こげになったものの、音色はそのままの状態に残されていた。事件の資料として、駅で保存するため現在は焼けた部分を修理中。
[編集] 駅弁
ふくめし(冬季限定)、ふく寿司、デラックスふく寿司、幕の内弁当、ほか。
[編集] おもな駅周辺施設など
[編集] 商業施設
- シーモール下関(山口県最大のショッピングセンター)
- 井野屋下関店
- デオデオ下関店
- 長門市場
- ハローデイ海峡ゆめタワー前店
- グリーンモール商店街
- 豊前田町界隈他
- 唐戸商店街
- カラトピア(サンリブ唐戸・専門店街)
- カラトコア
- カモンワーフ
- 下関漁港
- 唐戸市場
- 長門市場他
[編集] 観光
- 山口県国際総合センター(海峡メッセ下関)
- 旧英国領事館
- 南部町郵便局
- 旧秋田商会ビル
- あるかぽ~と他
[編集] レジャー
- 市立しものせき水族館「海響館」
- 日和山公園他
[編集] 企業・公共施設
- みずほ銀行下関出張所
- 十八銀行下関支店
- 福岡銀行下関支店
- 三井住友銀行下関支店
- 山口銀行本店
- 下関信用金庫本店
- 林兼産業本社
- 各金融機関、企業等の本支店
- 海峡メッセ下関(山口県国際総合センタービル)
- 海峡ゆめタワー
- 下関市民会館
- 婦人会館
- 下関警察署
- 下関警察署海峡交番(旧・下関水上警察署)
- 下関郵便局
- 下関港
- 下関ヴェルタワー(県内最大の高層ビル)※建設中
[編集] バスターミナル
東口駅前広場には12面の出発ホームを持つバスターミナルがある。市内に本社を置くサンデン交通の運行上の拠点となっており、市内循環系統と市内~彦島直通系統を除くほとんどの系統が下関駅始発・終着となっている。下関駅終着便はバスターミナルに乗り入れず、国道9号上の山口銀行本店前の降車ホームが終点となる。なお、下関駅西口にもバス停留所があり、彦島方面行きのバスが停車する(逆に彦島方面からのバスは西口には停車しない)。
路線の詳細についてはサンデン交通の該当項目を参照のこと。
- 1番乗り場:長府・小月方面
- 2番乗り場:宇部・秋芳・長門方面、県内高速バス(山口駅行・山口宇部空港連絡バス)
- 3番乗り場:(唐戸・東駅経由)綾羅木・安岡方面
- 4番乗り場:夜行高速バス(ふくふく大阪号)・定期観光バス・無料送迎バス
- 5番乗り場:新下関・内日方面
- 6番乗り場:唐戸・東駅方面
- 7番乗り場:丸山町・幡生駅方面
- 8番乗り場:彦島(江の浦)方面
- 9番乗り場:彦島(西山)方面
- 10番乗り場:(筋川・武久経由)綾羅木・安岡・新下関方面
- 11番乗り場:高尾(唐戸)方面
- 12番乗り場:昼行高速バス(ふくふく天神号、ふくふく広島号、新北九州空港連絡バス)
[編集] 歴史
- 1901年(明治34年)5月27日 山陽鉄道により馬関駅(ばかんえき)として開業。
- 1902年(明治35年)6月1日 下関駅に改称。
- 1942年(昭和17年) 関門トンネル開通に伴い、駅舎・施設を現在地に移設。
- 1945年(昭和20年)6月 関釜連絡船が対馬海峡封鎖のため運行不能となる
- 1964年(昭和39年)10月31日 関門連絡船廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道に引き継がれる。また、関門トンネル以西を九州旅客鉄道が所有することになったため、西日本・九州旅客鉄道両会社の接続駅となる。
- 1999年(平成11年)9月29日 駅構内において、下関通り魔殺人事件が発生。5人死亡・10人重軽傷の大惨事に。
- 2003年(平成15年)12月1日 中国地方のJR路線で初めての自動改札機が設置される。
- 2006年(平成18年)1月7日 午前2時過ぎに下関駅放火事件が発生、駅舎と乗務員センターが全半焼。JR線の運行にも影響。
なお移転前の1938年~1942年と、移転後の1946年~1971年には、山陽電気軌道(現、サンデン交通)の路面電車が駅前に発着していた。
[編集] 隣の駅
当駅に停車する寝台特急「はやぶさ」「富士」「なは」「あかつき」については当該項目を参照のこと。
- ■西日本旅客鉄道
- 山陽本線
- 幡生駅 - 下関駅
- ■九州旅客鉄道
- 山陽本線
- 下関駅 - 門司駅