部活動・クラブ活動・サークル活動
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部活動・クラブ活動・サークル活動(ぶかつどう・クラブかつどう・サークルかつどう、英 club activity)とは、いずれも共通の趣味・興味を持つ仲間が集まった団体の活動の事である。学校などにおいて行われる。
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[編集] 各活動の違い
部活動、クラブ活動、サークル活動は、いずれもよく似たものであり、しばしば同一視されるが、厳密には次のような若干違う点も見られるといわれている。また、その活動は、大まかに「運動系(体育系)」と「文化系」に区分されることが多い。
- 部活動
- 部活動は、目的とする事業の計画を策定し、その事業は何らかの意味で学校などに対して公益的な活動である。一般的に中学校・高等学校・大学・短期大学で使われる呼称であり、部活(ぶかつ)と略される事も多い。部活動は、学校において部、同好会、愛好会などというように団体を種別ごとに区分する制度と関連し、狭義には、部という団体種の活動を指して部活動という。この場合、新規創設時は愛好会・同好会として活動し、ある程度の活動実績が評価されて部に昇格するシステムを採る学校もある。この場合、部に昇格する事で、例えば、部の運営費用が生徒会から予算として認められるようになる。
- 一方広義には、部のような活動を行う団体全ての活動を指し、各学校などによってその範囲が定められているのが通例である。なお、運動系の部を運動部(あるいは体育部)、文化系の部を文化部という。
- クラブ活動
- クラブ活動は、基本的に同好の者が集まり、指導者による指導を受けつつ自発的に行われる互助的・学習的な活動である。広義には部活動の概念を包括する事もあるが、学校などに対して公益性が要求されず、又、自発的な学習や互助が目的の中心とされるなど、部活動と異なる点もある。
- サークル活動
- サークル活動は、ある一定の活動を通して人間同士の繋がりや交流を深めようとする活動である。日本においては、主に大学で発達し、飲み会文化などを初めとするコミュニケーション重視の考え方も尊重されている。クラブ活動と同一と考えられる事も多いが、両者の間には、活動分野を重視するか人間関係を重視するかという違いがあるといわれている。
部活動、クラブ活動、サークル活動についての考え方の細部については、各個人や学校などによって様々なものがあり、活動の類型は、各学校などによって異なっている。中でも、部活動とクラブ活動、クラブ活動とサークル活動については同一視して扱われる事が多く、団体を1つか2つの種別に区分しているところが多い。
[編集] 運動系と文化系
部活動・クラブ活動・サークル活動は、伝統的に運動系と文化系に分けられる。日本においては、運動系の部活動(運動部)がまず作られたといわれている。
- 運動系
- 運動系は、対抗試合に勝ち、より高い成績をおさめることが一般的に重要とされている。スポーツによる人間形成が行われることを期待し、日本においては精神的な活動をするところも多い。特に部活動においては、学年による上下関係を重んじ、必ずといっていいほど選手以外の指導者がいて、上級生部員には男子・女子を問わず「○○さん(先輩)」と呼ばせるなど、礼節なども重んじられる。地方では「運動部への入部が常識」とする風潮から、誰から強制されるというわけではないが、運動系の部活動に実質、強制加入させられるケースが多い。また練習中に怠けると厳しい罰があることが多く、また休みでも朝から夕方まで一日中することがある。一方で、精神性を重視しつつ、科学的な手法を練習メニューに組み込み、活動時間を短時間に抑えて効果を上げる部もある。
- 文化系
- 文化系は、目的とする事業をどのように設定するかによって、重要とされることは異なる。大会やコンテストなどの成績であることもあれば、学校内における独占的事業の確実な遂行や、学術・芸術などにおいて高い水準での相互扶助や発表の場を確実に提供することであったりもする。一般に上下関係は運動部ほど強くないことが多いが、文化部ごとに尊重される人材が慣習的に存在している。
- 活動内容に学校独自の要素が多く、部によっては文化連盟(高文連など)において該当する部門が無い場合もある。それらの部では、学校内や地域を対象にした発表を目標におくところが多い。
- 但し近年では、運動系においても上下関係に厳しくないところも出始めており、学校ごとに事情が異なる。
- 幽霊部員・帰宅部
- また、文化系においては「在籍しているが活動に参加していない」という、いわゆる幽霊部員が多い傾向がある。幽霊部員が出る背景には、入部が義務付けられているが希望の部が無く、やむを得ず体育部ほど参加が強制されない文化部を選ぶ事に加え、「履歴書に書く・調査書に書いてもらう」ためのクラブ実績の確保などがある。実質的には「部活動に参加せず、すぐ下校する」という、いわゆる帰宅部と呼ばれるスタイルである。このような場合、顧問は活動の監督をせず一切を部員に任せ切り・放任するケースが見られ、このことも幽霊部員を増やす一因といえる。
- 総務部
- 文化系のうち、学校全体の行事に関わるような活動を行う部(放送部・吹奏楽部など)については、「総務部」として分類されることや、委員会活動として捉えられる場合もある。
なお、部活動以外のクラブ活動やサークル活動では、構成者の結合が部活動より緩やかであることも多く、以上に述べたような文化を必ずしも有しているとは限らない。
[編集] 運動系・文化系におけるステレオタイプ
運動系と文化系とでは地域、学校によって状況が異なり必ずしも絶対というわけではないが、文化系が運動系よりも下に見られる傾向が日本にはある。根本には運動系は部活動が基本的に厳しく、運動するものは「礼儀正しい」「精神が強靭」という主観的概念が入る。(日本の固定観念が土壌になっていると思われる)文化系は試合や総体など勝負というものがなく「なまけもの」「根暗」というネガティブな印象を持っているものが多い。そのため、校内では、文科系の部員を見下す者も多い。これは男子学生に対する場合に顕著であり、またこの傾向は、社会人になっても認められる。
また、中学校・高等学校の年代では、特に男子生徒において「強靭な体力」「筋肉質」を求める傾向があり、それらを得るために暗黙で「運動部への入部」が常識とされる風潮がある。
学校ごとの差異はあるが、圧倒的に運動部へ入部する生徒が多い学校もあり、そのような学校では、たとえ入りたい文化部があったとしても運動部を選ぶことが多い。そのため、同じ運動部の中でも練習の負荷が低い、特定の運動部に入部希望が集中することがある。
部活動に関連した大会、特に全国大会で活躍することは、生徒や顧問による学校のアピールにつながる。そのため、生徒や顧問を紹介する場合に「○○高等学校サッカー部」など、本来課外活動である部活動の名称が肩書きとして用いられることが多い。
実際は喫煙や飲酒、暴力行為など高校野球不祥事などが多く、日本高校野球連盟の05年度に審議した不祥事件数は960件数にのぼるなど「高校野球=さわやか球児」などの神話は崩壊している。そもそも、高校野球での有力打者に対する敬遠を、「高校生らしくない」「なぜ勝負をしなかった」と批判するのは、既に1つのステレオタイプである。
地方には未だに存在するが、野球部に所属していたという履歴があると、就職に有利に働く場合がある。また就職時に、男性では文化系のクラブ活動をしていたことを公表すると不利になる状況も一部にはある。
[編集] 各段階別の活動
小学校、中学校、高等学校、大学と段階が進むにつれ、部活動、クラブ活動、サークル活動の状況は少しずつ変わる。小学校などでは、クラブ活動が中心とされるところが多く、中学校や高等学校では、部活動が中心とされるところが多い。大学になると、大きくは公益・分野重視の団体と人間交流重視の団体に2分されるが、重視するものを明確にしていない団体も存在する。
[編集] 初等教育
小学校などの初等教育においては、クラブ活動は必修となっている。これは、学習指導要領に定めがあり、特別活動の一領域とされている。このため、各学校毎や複数校が連携する形でそれなりにクラブが設けられている。なお、組織率は低いが、必修ではない選択制の部活動・クラブ活動も組織され、ブラスバンドを初めとして組織されている。なお、必修のクラブ活動と選択のクラブ活動を区別するために、それぞれを「必修クラブ」「選択クラブ」と呼ぶこともある。
必修のクラブ活動については、2002年度から土曜日がすべて休業日になり、それにともなって毎週のクラブ活動の時間が月1時間程度に削減される学校が増加している。授業時間を確保するための処置ともいえる。運営は各クラブの実態によって練習時間が変則的になり放課後に発表会のための練習を行うところもある。子どもたちの要望や、地域のボランティア(多くの場合、元保護者)が指導に来校する場合もあるが、実質の運営は個々の教員による。
京都府京都市では、部活動も近年始まり、文化系の部活動も存在する。放課後に異なる学年や学級の児童が1つの集団となって部活動を行うことは、コミュニケーションの発達の上でもたいへん望ましいとされる。しかし、指導員の確保はたいへん難しく、教員だけでは十分に対応できない場合が増えている。地域教育力の低下する現在、保護者と児童の現実を守るのは教員の積極的なかかわりが必要不可欠である。英語部などのようにな教員が指導を苦手とする分野は、保護者だけで部活動を運営するところもある。初等教育においては、校長の指導の下に教員が部活動運営の基盤となるべきであるが、なかなか行き届かないことも多い。
なお、小学生を対象としたスポーツ少年団が小学校単位で活動している場合において、指導者によって、例えば少年サッカーチームが「サッカー部」、少年野球チームが「野球部」と呼ばれるなど、当該スポーツ少年団が暗黙にその小学校のクラブ活動と同義のものとして認識され、「学校のクラブ」「地域のクラブ」の境界が曖昧になることがある。
[編集] 中等教育
中学校、高等学校などの中等教育においては、部活動もクラブ活動も課外活動である。
1958年の学習指導要領では、特別教育活動の1つとして、生徒の自発的な参加によって行われる活動とされていたが、中学校では1972年、高等学校では1973年改訂の学習指導要領から、クラブ活動は特別活動の一領域として必修とされた。中学校では1993年、高等学校では1992年改訂の学習指導要領では、「部活動への参加をもってクラブ活動の一部又は全部の履修に替えることができる」と明記された。しかし、中学校では2002年、高等学校では2003年改訂の学習指導要領で必修のクラブ活動は廃止され、現在では各校の実態に応じて、課外活動の一環として部活動が行われている。
多くの学校では、部活動は、生徒会と連携関係または協力関係において運営する。
[編集] 高等教育
大学などの高等教育の場においては、これらの諸活動は全て課外活動である。このため、活動団体の類型区分は各学校によって異なるが、一般的に学生の趣向によって、公益・分野重視の団体と人間交流重視の団体に大きくは分ける事が出来るといわれている。なお、複数の学校に跨って活動するインターカレッジ(一般には略してインカレ)サークルと呼ばれる形態のものも見られる。
一般に学生自治会の下に体育会や文化会などの自治組織が設けられ、その自治組織に所属して部活動やクラブ活動を行う。又、これらの活動分野ごとの組織に所属しないでサークル活動を行う事もある。
又、特に大学に分類される学校での公認クラブは、日本におけるその分野での先駆者的な立場で始まったものも少なくなく、特に外来の運動競技などでは、国内におけるその種目の初期段階から重要な役割を果たしている例があり、その為、他の学校教育現場での様に、全競技種目を統括するような総合体育大会のような運用方法はとられていない。(一部地域ではそういう形態も見られるが一般的とは言えない。)むしろ競技種目別に個別の連盟や協会が早くから整備され順次加盟校を増やす形態で発達してきたものが殆んどである。(参考:後述関連項目に一部紹介)
[編集] 一般社会
会社や業界ごとに、部活動、クラブ活動、サークル活動などが設けられている事がある。又、社会教育施設である公民館などにおける活動も盛んである。これらについても学校における活動と同様に、活動の分野に応じて大会や展示会が存在する。
[編集] 各国の部活動
通常日本では中学又は高校や大学・短期大学で同じ部活動を卒業まで行う事が多いが、海外ではシーズンごとに違った部活動に所属する。一年中同じクラブに所属する事はあまりないため様々な競技や文化体験ができる。 主に盛んなのはアメリカ、イギリスでカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどは盛んではない。学校での部活動が盛んでないにも関わらず、オリンピック、サッカー等で一流選手を輩出しているのは地域のクラブチームが存在するためで、誰でも所属でき、中にはプロの選手も存在し高度な練習が行えるためである。日本においても技術レベルの高い学生は学校の部活よりもプロクラブを優先する場合が多い。日本の部活動は非科学的なトレーニングと軍隊的な上下関係によって生徒の技術レベルが大きく侵害されている為である。部活動の指導者が素人の教師という点も原因の一つである。
[編集] 活動団体の例
[編集] 運動系
- 球技系
- その他
[編集] 文化系
[編集] 関連項目
- 児童会 - 生徒会 - 学生自治会
- 体育会と文化会
- 部室
- 幽霊部員
- 帰宅部
- ユニバーシアード
- 各地区大学総合体育大会(組織運営されていない地域もあり)
- 全日本医科学生総合体育大会王座決定戦
- 東日本医科学生体育連盟
- 西日本医科学生体育連盟
- 全日本歯科学生体育連盟
- 全国高等専門学校体育協会 (傘下に各地区高等専門学校体育連盟がある)
- 全国高等専門学校総合体育大会
- 全国高等学校体育連盟
- 日本中学校体育連盟
- 全国高等学校文化連盟
- 全国中学校文化連盟
- 中学校総合文化発表会
- 東京カリ~番長
[編集] 外部リンク
[編集] 運動系
- 財団法人全国高等学校体育連盟(全国高体連)
- 財団法人日本中学校体育連盟(全国中体連)
[編集] 文化系
- 社団法人全国高等学校文化連盟(全国高文連)
- 全国中学校文化連盟について(全国中文連、船橋市中学校演劇連盟のウェブページ内)