アニメーション
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アニメーション(英: animation)は動画(どうが)とも呼ばれ、次のものを指す。
- コマ撮りなどによって、複数の静止画像により動きを作る技術
- 1の技術を利用して作られる、実写とは違う表現形式→(アニメ参照)
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[編集] 語源
animation(アニメーション)は、ラテン語で霊魂を意味するanima(アニマ)から来ており、生命のない動かないものに命を与えて動かすことを意味する。
[編集] アニメーションの訳語
日本では明治期の末に海外から短編アニメーションが輸入、上映され、凸坊新画帖と題されて公開された。この凸坊新画帖が最初のアニメーションの訳語ともみなされる。そしてアニメの主流であるセルアニメーションは、映画の場合は漫画映画、テレビの場合はテレビ漫画と呼ばれたが、今日では'アニメという略称が一般的に用いられている。尚、動画はアニメーターの政岡憲三による提唱。さらに遡ると、線画、漫画、繰画という呼称があったという。
日本で初めてアニメーションの量産体制を確立した東映動画が、1970年代から1980年代にかけて東映まんがまつりと冠をつけて、アニメーションを何本か立てで公開する興行を行なった。今日でも1960年以前に生まれた人の多くは、アニメの事を『漫画映画』の略として『漫画』と呼ぶ者が多いが、現在では『コミック』を意味する場合が多いので適切ではない。
[編集] 技法によるアニメーションの種類
- 人形などを少しずつ動かしながらコマ撮りするストップモーション・アニメーション。詳しくは、ストップモーション・アニメーションの項目を参照のこと。
- 動かない背景画の上に、セルと呼ばれる透明なフィルムシート上に部分的な描写を変化させて動きを描いた絵を重ねて撮影するセル画アニメーション。動かない部分を描く必要はなく、商業アニメーションでお馴染み。セル画と呼ばれるのは、かつては実際にセルロイドを用いたため。セルロイドは燃えやすく、アセテートに取って代わられた。近年は、原画として紙上に描かれた絵をスキャナーに取り込んで彩色と絵の合成の過程をコンピュータ上で行うことが殆どである。
- CG(コンピュータ・グラフィクス)により、撮影のプロセスを経ることなく、各コマの静止画像を順番に作成して、一連の動画に仕上げるCGアニメーションの手法もある。下記のサンプル画像も、パソコン上で作成したCGアニメーションと云える。
- 紙に描くペーパーアニメーション。セル画アニメーションと違い、重ね合わせが使えないため、動かない背景やキャラクターまで全て一枚ずつ描く必要がある。利点は画材を自由に選べること。
- 投射フィルムに直接絵を描くカメラレス・アニメーション。そのうち、現像済みの真っ黒のフィルムを引っかいて絵を描くものはシネカリグラフ、透明なフィルムに絵を描くものをフィルム・ペインティングという。
- その他、切り絵や砂絵を用いたものなど、様々な技法が存在する。
近年では日本で発達した、主に漫画原作のセル画アニメーションものを特に指して、"anime"、ないしジャパニメーションと海外では呼ばれるようになっている。これらの語についてはアニメの項を参照されたい。
[編集] アニメーションの仕組み
![]() 図1 1秒間に10コマ動く動画 |
![]() 図2 1秒間に2コマ動く動画 |
![]() 図3 上の図2で示されたアニメーションはこれらの6コマで構成される。 |