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宗教

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Disambiguationこの項目では一般的な意味での宗教について説明しています。コンピュータ分野における論争については宗教 (コンピュータ)をご覧ください。

宗教しゅうきょう)は一般に、・超越的存在・聖なるものなどについての信念や信仰、信念や信仰と結びついた個人の態度(超越的なものとの関係)・活動(礼拝など)・制度(寺社教会など)・信者の形成する社会などを表す。


目次

[編集] 語源

「宗教」の語源は、幕末期にReligionの訳語にあたる語が必要になるにあたり、宗教一般をさす語として採用された語である。一般には明治初期に広まった。この元になった単語 Religion は、ラテン語の単語 religare から生じた語である。religare はもともと「参加すること、結合すること」という単語であり、そこから人間と神をつなぐこと(縁)を意味すると理解されていた。

磯前 (2003) によれば、Religionの語が最初に翻訳されたのは日米修好通商条約においてであり、訳語には宗旨や宗法の語があてられた。他にも、それに続く幕末から明治初頭にかけての間に用いられた訳語として、宗教、宗門、宗旨法教、法教、教門、神道、聖道などが確認できるとする。この内、「宗旨」、「宗門」など宗教的な実践を含んだ語は、「教法」、「聖道」など、思想や教義の意味合いが強い語よりも一般に広く用いられており、それは多くの日本人にとって宗教が実践と深く結びついたものであったことに対応する。「宗教」の語は実践よりも教義の意味合いが強い語だが、磯前の説ではそのような訳語が最終的に定着することになった背景には日本の西洋化の過程で行われた外交折衝や、エリート層や知識人の価値観の西欧化などがあるとされる。

[編集] 宗教の構成諸要素の特性

宗教の定義は後述のとおり使用される場合によって変わり、厳密な定義ができるものではないが、一般的な傾向は存在する。傾向として、次の諸点が指摘できる。

  • 宗教組織としての傾向
    • 信仰の対象および内容を規定した教義がある。
    • 教義や戒律にともに従う信仰のための信者団体である教団がある。
    • 信仰の証として守るべき禁止事項である戒律がある。
    • 暦の中で位置付けられた年中行事や人生の過程で行う通過儀礼などの儀式を行う。
    • その宗教の特徴となる象徴 シンボル を持つ。
  • 物事についての考え方
    • 神か、それに類する、自分がよく知らず、意のままにならない存在や力についての説明。これは人格神と呼ばれるような、実在の人物である場合もあるし、人間によく似た存在である場合もあるし、自然の働きそのものである場合もあるし、運命、運、福、天罰など独特の抽象概念である場合もある。こうした説明は、多くの場合、「自然」が何であるかについての説明を含む。
    • 祈りや儀式・儀礼など、こうした存在や力に働きかけて、物事が自分の望むように進むようにするための手段についての説明。多くの宗教では、こうした存在や力に対する畏敬の念を説いている。人間よりも何らかの意味で優れている存在、場合によっては全知全能の存在として、許しや慈悲や恵みを請う、あるいは願う場合も少なくない。これは、科学において、自然や物理法則を利用して物事を自分の思うままに進展させる際に畏怖や祈りが必要とされない点と好対照をなす。
    • 占い、神託など、こうした存在や力の動向を知るための手段についての説明。
    • 病、死、天災、収穫、天候、などが何であり、どのように訪れるかについての説明。
    • 集団や個人の生活の営み方。祝い事、祭り、儀式、祈り、禁忌、など。
    • 命、死、死後の世界、などについての説明。
    • 善行、悪行に対して与えられる報いについての説明。
    • 時間の始まりと終わり、空や地上や海の起源や形状、星や太陽や月の実態、世界の起源や終末についての説明。
    • 価値観と世界観(価値観とは人生や社会において何が大切であるか、何をしてはならないか、などを規定し、世界観とは、この世界はどのような成り立ちをしているかについて、のべた考え方を表すもの。)
  • 信仰対象
    • 自然物、過去の人物、先祖、人格神、因果などの象徴的存在などについての信仰
  • 宗教体験
    • 修行や儀礼などを通した宗教体験・神秘体験

信仰内容には、通常、科学で検証の対象とならないような世界の秩序、人間の存在の意義などについての考え方が含まれている。 なお、考え方や教義の中に含まれる思想的傾向を教団や信者団体が実践しているかどうかは、また別の問題である。

[編集] 宗教の広がり

世界の宗教の信者数は、キリスト教の20億人 (33%) 、イスラム教イスラーム)13億人 (22%) 、ヒンドゥー教9億人 (15%) 、仏教3億6000万人 (6%) 、儒教道教2億3000万人 (4%) 、無宗教8億5000万人 (14%)、その他(5%程度)である。一般にキリスト教、イスラム教、仏教は世界宗教とよばれ、人種や民族、文化圏の枠を超え広範な人々に広まっている。また、特定の地域や民族にのみ信仰される宗教として、民族宗教と分類される宗教がある。ユダヤ教や神道、ヒンドゥー教などが分類される。ヒンドゥー教はヒンドゥー(文化圏としてのインド)の人々にのみ信仰されているが、様々な語族にまたがる数多くの人々に信仰されている(南アジアおよび東南アジアバリ島が含まれる。なお、これらの地域には、イスラム教や仏教も伝わっている)。これらよく知られた宗教には、実際には様々な分派が存在する。キリスト教をとっても大別してカトリックプロテスタント東方正教などに分かれ、イスラム教もスンナ派シーア派などが存在する。また、現在においても新宗教(新興宗教)が新たに興っている。このように世界には、様々な世界の宗教が存在する(日本の宗教も参照。)

[編集] 定義、および定義をめぐる諸問題

宗教の対象が普遍的・究極的なものである場合が多いためか、「宗教」という単語に対しても、厳密な定義があるかのように考えられる場合がある。しかしながら日本語の「宗教」という語自体の定義は明治以降に広まったものであり、また百数十年の間にも変化しているものである。また、日本語以外の「宗教」に相当する単語は、各言語の歴史的・文化的経緯を経て意味が確立しているため、厳密にはそれぞれ別の意味を持つ語である。そのため、「宗教」という言葉がどのような意味で使われているのかは、文章中の定義や文脈で判断する必要がある。

また、宗教を広義にとらえると、その構成要素には社会や文化や生活、思想や道徳など、非常に広範な物事が含まれる。その宗教の中に生きている人間は通常宗教を意識しない。宗教は、他の宗教との接触があった場合や政治権力が宗教的権力と対立した場合、理科学的事実と経典内容に矛盾が存在した場合、あるいは聖と俗など非日常的なものと比較的日常に属するものの区別を行う場合に表面化する。このため、キリスト教に対する未開の宗教、政治権力に対する宗教教団、科学による世界観に対する宗教的世界観、日常生活に対する祭り、などの形を通して宗教は意識される。顕在化した宗教意識は場合によって視点が異なるため、「宗教」という言葉が指す内容も場合により異なる原因になる。

宗教の定義に関する一般的な問題として、以下の問題がある。

  • 明治大正時代においては、神道非宗教論(正しくは「神社非宗教論」)が展開された。これは、宗教とは個人の信仰であり、神道儀礼は宗教ではないとするものである。この問題は、現在においても、靖国神社参拝と信教の自由に関する問題などに影響を与えている。
  • 江戸時代において、仏教(禅宗)からの儒教(朱子学)の分離が進められた。明治時代において宗教概念が成立した際に、仏教から分離し道徳規範となる儒教は、宗教であるのかないのか、分類が難しいものとなった。また、現在においても、禅や儒教は宗教というよりは東洋思想ではないか、等の、定義に関する論争がある。
  • 一般に宗教は組織をもつとされるが、そもそも教団と呼べるほどの制度が存在しないままに存在している、つまり組織が存在しない宗教的な活動も存在する。また、宗教にはしばしば特定の開祖が存在していることを考えれば、そうした宗教は初めから発達した組織と結びついているわけではないと言える。
  • 近年では精神世界、ニューエイジ・ムーブメントと呼ばれるような動きや、自己啓発セミナーなどを通じて、制度化された特定の宗教とは結びつかない形での宗教的実践や信仰が生じている。宗教を個人的な真理などの探求と捉え各種の宗教から情報を得る。このようなニューエイジ・ムーブメントを、組織宗教からはなれた、より個人的な宗教性の探求と捉えることもできる。このような宗教は宗教団体として確認することができないため、見えない宗教と呼ぶ場合がある。
  • 創唱宗教と対比されるところの自然宗教も、そもそもそれを信じている人が宗教や信仰についてあまりはっきりと自覚しておらず、宗教組織も非宗教組織から独立した形で明確に存在しているわけではない場合が多い。
  • 一部の禅宗では、信じるべき「教え」がほとんど与えられず、単に全てを疑うことが奨励される。また、禅宗以外にも、宗教には、特殊な体験・神秘的な体験を通して感覚的に何かを体得することを重視したり、そのための手段として身体的な修行を実践する側面もある。こうした宗教的な体験を重視し、信者が個別に探求を行うことを奨励する宗教もある。この場合、宗教は何か従うべき教えがあり、それはしばしば聖典に書かれている、という考え方はあてはまらない。但し、特にこうした傾向が強い場合は神秘主義と呼ばれ、宗教と区別される場合もある。
  • マルクス主義ナチズム不可知論は、価値観や世界観を提供する。また、科学的といえない部分があり、視点によっては宗教と同等の機能を持つ。そのため、宗教と同列(宗教に準じるもの)に扱われる場合がある。
  • 神の不在を信じる無神論は宗教的立場の一種であるとみなすことができるため、宗教と同列(宗教に準じるもの)として扱われる場合がある。
  • 近代化や都市化、科学の発達、あるいは人権思想の発達などにより、宗教が担ってきた様々な機能や要素が他のものに置き換えられていった。これは言い換えると、政治や科学、あるいは人権思想などは、宗教と同種の部分含まれていると言い換えることもでき、同列に扱われる場合もある。
  • そもそも宗教(Religion)はラテン語起源の言葉であり、キング(1987年)のように宗教を定義しようとする試み自体が基本的には西洋的な態度である、とする考え方もある。
  • インドでは、人間や、人間が属する世界についての思弁・洞察をダルシャナと呼ぶ。インドの思想家たちはダルシャナの具体例として、仏教やジャイナ教といった宗教をあげるが、同時に、ニヤーヤ学派(論理学の研究で知られる)、ヴァイシェーシカ学派(一種の自然哲学)、文法学派(文法を研究する一方、言語=宇宙的原理であるというような主張をするのでヨーロッパ的な意味での「文法学」と異なる)など、一般に哲学(インド哲学)と呼ばれるものもダルシャナにあげる。インドでは宗教と哲学は一体をなしていて不可分であり、ダルシャナは宗教のみならず、哲学という側面をあわせ持つ。ダルシャナはヨーロッパ的な意味での「宗教」や「哲学」という概念を逸脱している。インドにおける「ダルシャナ」という概念の存在はヨーロッパ的な意味での「宗教」の定義の普遍性に疑問符を突きつけているとも言える。
  • 政府として、宗教をどう定義しているかは国や時代によって異なり、それには政治的な意図が絡んでいる。例えば、戦前に神社は宗教ではないとしていたのは、国家が神社を保護するためである。また法輪功を宗教ではないとしていること(中国)や、オウム真理教は宗教ではない(宗教に値しない)という言説は、信仰の自由のもとで宗教弾圧を行なうためのものである。

日本の現行の民法では、宗教と祭祀を区別しているようにも解釈できる。 このように人々や社会の営みのあり方が宗教と非宗教の区別を持たないケースがあること、また、そうした区別が仮に研究者によって見出されることがあるとしても、当事者は意識しているとは限らないこと、などは宗教の定義を困難にしている一因だと考えられる。

また、「宗教」とならび、宗教で重要な地位を占めることの多い「」の定義も困難である。古代の日本において「カミ」は、人知を超える霊的な力の総体を指すものであり、「かしこきもの」とされる。いわゆる「神様」だけではなく、精霊のようなものも含まれる観念であったと考えられる。一方、漢字の「神」は人の心(死んだ際に抜け出すもの)であり、日本語では「タマ」に近いものと考えられる。また、戦国時代にはキリスト教にある唯一絶対神も含まれる。神も、時代・地域(文化圏)の変化とともに定義が変わってきたものである。

カルトと宗教の問題も重要である。 海外でもカルトは問題視され、欧州に置いては国レベルでカルトとそうでない団体を区別しようと試みている。 どのような宗教であるかを問わず、どのような被害や問題がおきているか、人権侵害がおきているかによってカルトとそうでない団体を区別しようとしている。 特にフランスではセクトと読んで問題の多い団体に国単位で対応しておりMiviludesという組織を中心に大々的に対策を行っている。 また欧州人権条約9条を遵守している国に置いては宗派を理由にした差別は違法である。

[編集] 御神体

神が宿っている物。

[編集] 宗教の表現形式

宗教は、様々な表現形式を通して、時間や空間を超えて伝えられている。神話や伝説、教典の内容や教義は、口伝や詠唱、詩、や書物を通して伝えられる。また、通過儀礼や年中行事などの儀礼を通して伝えられる場合や、生活習慣や文化の中に織り込まれる場合もある。食事の際に生産者や自然に感謝をする場合などがこれにふくまれる。 また、絵画や彫刻などの芸術、音楽、舞踏、建築などを通して伝えられる場合もある。

[編集] その他、宗教の諸側面

また、宗教は価値観や世界観、思想的な傾向を提示するだけではなく、物事の概念を明確化する働きもある。正月クリスマスハロウィンなどの年中行事を通して時間の進行を明確化し、成人式結婚式葬式などの通過儀礼を通して社会的役割の変化を象徴的に体験させ適応させる、神話を通して人生の雛型や世界観を提示する、戒律や道徳観を通し人の生活にルールを与えることなどがある。このように宗教は、人々が生活する世界を形作っているものであり、生活や文化と不可分である場合も珍しくないといえる。宗教が何であるかを定義することが難しい大きな原因の一つでもある。 歴史的には、宗教は、現代では政治科学が担っている活動や思想も含む、非常に包括的なものであった。日本語の「まつりごと」に「政」「祭」「祀」などの字があてられる点にも、宗教と政治が一体(祭政一致・政教非分離)だった名残が見て取れる。

社会や文化、政治や生活と溶け合って存在する宗教は、社会の誕生とともに存在し、全ての社会において何らかの形で存在してきたとする見方もある。ラスコーの洞窟壁画のように、遺跡しか残されていない社会であっても、そこに宗教的な実践があったことが覗うことができる。(ネアンデルタール人の時代には既にあったと思われる)

近代化都市化、科学の発達、あるいは人権思想の発達などにより、宗教が担ってきた様々な機能が要素が他のものに置き換えられていった。これは言い換えると、政治や科学、あるいは人権思想などは、宗教と同種の部分含まれていると言い換えることもできる。

現代の日本社会では、宗教と科学、宗教と政治は別々のものであるとする考えが一般的である。これは、宗教という概念が欧米から輸入されたものであることが影響していると考えられる。 近世ヨーロッパでは、宗教と科学が分けて考えられる。これは、科学の発達に伴い、聖書の記載内容と自然科学の研究成果が相容れない場合(進化論のダーウィンと教会の対立など)が多くなったとき、つまり宗教と科学が対立した場合に科学的事実より、カトリックの聖書の見方を優先させられたガリレオ・ガリレイの逸話などが広く普及しているためと考えられる。実際、近代以降では、一般には聖書の記述内容と科学の知見に矛盾があったとしても、聖書の方を宗教的に有益な寓話等と見做し別のものとして扱うのが一般的である。 国家と宗教のかかわり方には、現実には様々な形がとられている。日本では建前上は政教分離の原則が取られているが、これは、欧米で一般に政教分離の原則が取られており、日本も欧米にあわせたためである。欧米では近世から近代にかけて、西欧では政治への教会の介入を避けるために、北米ではイギリスから信教の自由を守るために、宗教権力と政治権力を分離するように進められたためである。しかしながら現代社会においてもなお、ヨーロッパにおいて宗教系の政党が存在するなど、宗教と政治は完全に分離したわけではない。なお、ヨーロッパにおいては、フランスが政教分離に比較的厳密であり、公共の場において宗教を表すことがはばかられる。(例えば公立の学校にイスラム教徒の女生徒がスカーフをしたまま登校するという「事件」が、公共の場に宗教を持ち込んだとしてメディアを賑わす大騒動となったことがある。)マルクスを起源とする共産主義国家においては、実情は様々だが、建前上は一般に宗教が否定されていた。一般にイスラム世界においては、宗教と社会を分けて考えない意識が歴然として存在する。西欧近代と大胆に接近し、最も西欧的なイスラム教国であると言われ、西欧のやり方を導入して政教分離を定めているトルコでさえ庶民のレヴェルにおいては宗教=社会という観念がしばしば見られる。いわんや「イスラム色」の強い、保守的と言われるイランサウジアラビアでは尚更である。また、中東から東南アジアの国々において宗教の権威が政治に対し影響力をもつ事例は多い。特にこの地域には国教を定めている国が数多く存在する。国家の最高権力者と宗教のリーダーが同じである場合もイスラム革命後のイランなど極一部に存在する。また、最高権力者が宗教のリーダーによって任命や、承認される事例もある。もし天皇家を神道のリーダーとみなすならば、形式的とはいえ日本もこの例に当てはまる。イギリス女王と英国国教会の関係も同様である。このように、宗教と国家のかかわり方は、現在においても様々である。

なお、現代では中国北朝鮮などの独裁国家を除いて、信教の自由が国家により保障されている場合が一般的であり、自らが信仰する宗教を自ら選択することができる。教義は個々の信者の解釈によって変わることがあり、時にはそれが新宗教の成立に繋がる場合もある。

[編集] 宗教と経済

宗教はその教義によらず、組織化されているものは経済主体の一つとみなすこと出来る。中世世界において、国民経済の形成が未熟だった時代においては貨幣経済の維持に宗教が必要であった。宗教組織は、その教義に基づき富裕層が蓄財した貨幣の寄進を受け、寺院建設や組織維持に消費した。寺院や宗教組織はほとんどが生産力が低いため、貨幣経済における重要な消費主体となりえたのである。こうして、富裕層が蓄財行為によってもたらす供給超過を、意図するかしないかに関わらず解消することができた。これは現代における政府の所得再配分機能と同じである。

近年では、古代におけるピラミッド建設がナイル川の洪水で職を失った人々に対するケインズ政策としての側面を持っていたとされている。

さらに宗教は、「」を扱うことで個人の遺産の一部を獲得した。それが世代間の所得格差是正機能をも併せ持っていた。

近代に入って、民間企業投資が新たな経済主体として躍進すると宗教組織経由の消費システムは次第に破綻していった。さらに啓蒙思想の高まりと併せて宗教は精神面での純粋化を進めることになった。しかし、その経済機能は先進国においても一部で未だに機能している。

[編集] 現代日本における宗教団体

日本において宗教団体宗教法人として法人格を得ることができる。宗教法人の認証は、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事が行う。但し、他の都道府県内に境内建物を備える場合や他の都道府県内にある宗教法人を包括する宗教法人の場合などは文部科学大臣が認証を行う。認証の後、事務所の所在地において設立の登記をすることにより成立する。民間信仰新宗教などの宗教団体の中には法人格を得ていない場合も多い。

現在、日本には、神道系85,212団体、仏教系77,640団体、キリスト教系4,445団体、諸教15,337団体が存在する(平成14年12月31日現在、文化庁「宗教年鑑」(宗教統計調査)による)。

[編集] 余談

「二宮翁夜話」という書物に、二宮尊徳が話した次のような例え話がある。
「世の中に本当の真理はただ一つしかないが、その真理に近づく入り口はいくつもある。 神道、仏教、あるいは仏教でも天台宗、浄土宗、真言宗などいろいろあるが、これらは何れも、いくつもある真理への入り口に付いている小道の名前に過ぎない。 例えば富士山に登るのに、吉田から、須走りから、須山から、それぞれ登れるが、最終的に頂上に至れば同じ所である。これを、違う目的に到達できる別々の道がある、と考えるのは誤りである。入り口が幾つもあっても、最終的に到達する場所は、一つである。それは、誠である。 ところが世の中では、これらを別々な道であると言い、真理が幾つもあるように言っている。」

[編集] 日本の主な宗教問題

[編集] 海外の主な宗教問題

フランス政府セクト対策一覧

[編集] 宗教の分類

[編集] 宗教の種類

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 参考文献

  • 磯前順一(2003). 近代日本の宗教言説とその系譜: 宗教・国家・神道. 岩波書店.
  • King, Winston L. (1987). Religion. in Mircea Eliade (ed.) The Encyclopedia of Religion Macmillan Publishing Company, New York.

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