虹
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虹（にじ）とは赤から紫までの光のスペクトルが並んだ円弧状の光である。 太陽の光が空気中の水滴によって屈折、反射されるときに、水滴がプリズムの役割をするため、光が分解して複数色の帯に見える。雨上がり、水しぶきをあげる滝、太陽を背にしてホースで水まきをした時などに良く見ることができる。
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[編集] 名称
英語のレインボー（rainbow）は、外来語として日本語にも取り入れられているが、「雨の弓」を意味する。
日本語の方言には、鍋づる（新潟県佐渡、愛知県など）、地獄のお釜のつる（富山県射水郡）、太鼓橋 （大分県）、立ちもん（長崎県南高来郡）などと表現する例がある。
中国語では、もともと竜の一種と見なして、虫偏の漢字を用いるが、はっきりと龍虹と呼ぶ地域（広東省増城市）や、「広東鍋の取っ手の龍」を意味する鑊耳龍（広東省台山市）と呼ぶ地域もある。
[編集] 虹の色数
虹の色の数は現在の日本では七色（赤、橙、黄、緑、青、藍、紫）と言われるが、地域・民族・時代により大きく異なり、イギリスやフランスなどでは民間では六色（赤、橙、黄、緑、青、紫）（学術的には藍を加えて7色）といわれたりする。ドイツでは五色だという。日本でも古くは五色、沖縄地方では二色（赤、黒または赤、青）とされていた。なお現代でもかつての沖縄のように明、暗の2色として捉える民族は多い。
赤地に黄、緑、青の縞（赤、黄、赤、緑、赤、青、赤）だとする地域（インドネシア、フローレンス島）も存在し、必ずしもスペクトルと同じ順序で色が認識されるとは限らない。
[編集] 虹の性質
主虹（しゅこう）と呼ばれるはっきりとした虹の外側に、副虹（ふくこう）と呼ばれる薄っすらとした虹が見られることがある。主虹は赤が一番外側で紫が内側という構造をとるが、副虹は逆に赤が内側、紫が外側となる。
主虹は「太陽」－「プリズムとなる水滴」－「観察者」のなす角度が40～42度となる位置に見られる。このため、虹は太陽の反対側にみられ、太陽が高い位置にあるときは小さな虹が、夕方など太陽が低い位置にあるときは大きな虹が見られる。また、副虹は「太陽」－「プリズムとなる水滴」－「観察者」のなす角度が50度となる位置に見られる。
簡単に虹を観察するには、よく晴れた日に太陽を背にして、目線の高さより上にホースなどで水を霧状に撒いてみるとよい。
飛行機周辺の空気が水蒸気を多く含んでいる場合には、太陽の光によって眼下に360度円形状の虹が見られることがある。雲海を超える高い山の山頂でも、眼下に虹が見えることがある。
[編集] スペクトルの発見
イギリスの物理学者アイザック・ニュートン（Isaac Newton 1642年-1727年）は望遠鏡の研究の過程で、プリズムに白色光をあてると、色が分解し虹が見られることを発見した。ニュートンはこの結果から、光は様々な粒子の混合体であるという「光の微粒子説」を唱えたが、ロバート・フックやクリスティアーン・ホイヘンスなどから激しく批判された。七色といったのは、ニュートンで、色の数は最終的にはドレミの音階から七という数字に落ち着いたもの。
[編集] 宇宙空間での虹
光速近くで移動する宇宙船から星空を眺めると、ドップラー効果と特殊相対性理論の効果によって、星の見かけの位置が進行方向前方に移動し、これを中心にリング状の虹が見られるとされる。この虹のことをスターボウ (Starbow)とよぶ。
[編集] 虹に関する伝承
古代中国では主虹は、「虹」（こう）とよばれ、空に横たわる竜の一種とされていた。またこれは雄とされ、対する副虹は雌であり「霓」（げい）と書かれた。
そして、日本に伝わる物の中には虹の足元には宝が埋まっている。などがある。
[編集] 虹が登場する事柄など
[編集] 小説
- 「オズの虹の国」オズの魔法使いシリーズ（ライマン・フランク・ボーム）
- 「白虹」グイン・サーガ第26巻（栗本薫）
- 「虹色の地獄」クラッシャージョウシリーズ（高千穂遙）
- 「レインボゥ・レイヤー―虹色の遷光」（伏見健二）
- 「虹の生涯―新選組義勇伝」（森村誠一）
- 「スタジアム 虹の事件簿」（青井夏海）
- 「ふたたびの虹」（柴田よしき）
- 「虹の天象儀」（瀬名秀明）
[編集] アニメ
- 「南の虹のルーシー」
- 「レインボー戦隊ロビン」
- 「魔神英雄伝ワタル」
- 「Gift - eternalrainbow -（ギフト－エターナルレインボウ－）」
[編集] ドラマ・特撮
- 「愛の戦士レインボーマン」
- 「虹色定期便」（NHK）
[編集] 漫画
[編集] 映画
[編集] 歌
- 「レインボーラブ」寺内タケシ作曲、国連の依頼で国際障害者年のテーマソングで作った、1980年頃、世界各国の言葉で「愛」を叫ぶ
- 「虹色の湖」（中村晃子）作詞：横井 弘、作曲：小川寛興、1967年発売
- 「虹と雪のバラード」（トワ・エ・モア）作詞:河邨 文一郎、作曲：村井 邦彦、1971年発売、1972年2月に開催された札幌冬季オリンピックテーマ曲
- 「虹をわたって」（天地真理）作詩：山上路夫、作曲：森田公一、編曲：馬飼野俊一、1972年9月1日発売／販売数：51.7万枚／オリコン最高順位：1位
- Over the Rainbow（邦題 :「虹の彼方に」） - 作詞：エドガー・イップ・ハーバーグ、作曲：ハロルド・アーレン。1939年に映画化された『オズの魔法使い』の挿入歌として作られ、主演のジュディ・ガーランドが歌いヒットした。日本でも1974年にドラマ化された『オズの魔法使い』でアレンジされたものがエンディングに使用されているなど、多くの人に歌い継がれている。
- 「虹とスニーカーの頃」（チューリップ）作詩・作曲：財津和夫、1979年発売
- 『虹になりたい』(やまがたすみこ)作詞：深沢一夫 作曲・編曲：坂田晃一 1982年、アニメ・南の虹のルーシーのオープニングテーマ
- 「Rainbow Rainbow」（TM NETWORK）作詞：西門加里、作曲：小室哲哉、1984年発売
- 「情熱れいんぼう」（高井麻巳子）作詞：沢ちひろ、作曲：八田雅弘、編曲：清水信之、1987年6月発売
- 「虹をみたかい」（渡辺美里）作詞：渡辺美里、作曲：岡村靖幸、1989年発売
- 「虹になりたい」(MAYAKA)作詞：横山武、作・編曲：長岡成貢、1994年発売。OVA「青空少女隊」のオープニングテーマ
- ｢虹｣ （電気グルーヴ) 作詞/作曲：石野卓球、1994年12月1日発売 ｢DRAGON｣収録 1995年4月14日シングル版発売。五島良子がゲストボーカルとして参加。ヨーロッパ各国で発売され電気グルーヴの名を世界に知らしめた電気グルーヴの代表曲。アレンジも多岐にわたっている。
- 「消えない虹」（B'z）作詞：稲葉浩志、作曲：松本孝弘、1995年発売「LOOSE」収録
- 「虹を見ること(prismix)」（遊佐未森）、作詩：工藤順子、作曲：遊佐未森、編曲：David Motion、1996年6月2日発売「生活のプリン - Life Pudding -」収録
- 「虹」(L'Arc-en-Ciel) - 作詞：hyde, 作曲：ken, 1997年10月17日発売。バンド名L'Arc-en-Ciel もフランス語で「空に架かる弧」、虹を意味する。
- 「Over the Rainbow」（パーキッツ）作詞：ふじのマナミ、作曲：片岡嗣実（2000年3月、KONAMIの音楽ゲーム「pop'n music」にて公表。CDは2001年2月16日発売。なお前項の『オズの魔法使い』挿入歌とは全く関係ない。）
- 「虹になりたい」（TUBE）作詞/作曲：前田亘輝、2000年7月20日発売
- 「虹」（福山雅治）作詞/作曲：福山雅治、2003年8月27日発売
- 「虹」（フジファブリック）作詞/作曲：志村正彦、2005年6月1日発売
- 「虹色」（DJ YOSHITAKA feat G.S.C license）作詞/作曲/編曲：西村宜隆（DJ YOSHITAKA名義）（2005年9月、KONAMIの音楽ゲーム「pop'n music」にて公表。サウンドトラックは2006年2月1日発売）
- 「真夜中の虹」（麻倉あきら）作詞：田形美喜子、作曲：井上大輔、2005年12月7日発売
- 「虹」作詞/作曲：森山直太朗・御徒町凧、平成18年、第73回NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲
[編集] 姓
- 虹乃（にじの）
[編集] その他
- 日本エアシステムの飛行機には、機体に虹の模様が塗装してあるものがあった。JAS虹の翼というフライトシミュレータゲームもある。
- 昭和43年5月に福井県は美浜町から三方町まで全長11.24キロの観光道路「レインボーライン」を開通させた。運営会社は株式会社レインボーライン
- レインボー観光という福井県三方町の観光バス事業者がある。名鉄グループに属する。バスの車体には虹が描かれている。大型バス18台
- ブースカフェ（カクテルの一種）
- レインボーブリッジ(東京の橋の名前)
- レインボーフィッシュ（熱帯魚の一種）
- レインボーカード（大阪市交通局発行のカード）
- ポケモンカードゲームで、「レインボーエネルギー」・「δレインボーエネルギー」・「Wレインボーエネルギー」・「ホロンのマルマイン」・「ホロンのレアコイル」・「ホロンのポワルン」の事。「虹」・「W虹」などと略される。
[編集] 関連用語
[編集] 外部リンク
- 虹の色数の話参考資料
[編集] 参考資料
- 『日本語方言大辞典』、尚学図書編、小学館、1989年
