熱帯魚
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熱帯魚(ねったいぎょ)とは、今日では屋内鑑賞用の魚類のうち金魚など一定のジャンルに属する魚類を除くものを指す。すなわち熱帯魚とは、いわゆる屋内観賞魚一般を表す慣用語であり、すべてが熱帯原産というわけではない。極端な場合、チョウザメなど低水温に生息するものも「熱帯魚」と呼ばれることもある。生息地の水質により分類すれば、海水魚、淡水魚及び河口などの汽水魚に分かれる。
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[編集] 歴史
[編集] 主な熱帯魚の分類
ウィキペディアに項目のある熱帯魚の一覧。目分類ごとに示してある。
- エイ目 Rajiformes
- チョウザメ目 Acipenseriformes
- ケラトドゥス目 Ceratodontiformes
- プロトプテルス目 Lepidosireniformes
- ポリプテルス目 Polypteridae
- セミオノートゥス目(ガー目) Semionotiformes
- ガー(ガーパイク)
- アミア目 Amiiformes
- オステオグロッスム目(アロワナ目) Osteoglossiformes
- コイ目 Cypriniformes
- カラシン目 Characiformes
- ナマズ目 Siluriformes
- スズキ目 Perciformes
- ベラ亜目 Labroidei
- キノボリウオ亜目 Anabantoidei
- ハゼ亜目 Gobioidei
- カダヤシ目 Cyprinodontiformes
- ダツ目 Beloniformes
- トウゴロウイワシ目 Atheriniformes
- タウナギ目 Synbranchiformes
- フグ目 Tetraodontiformes
[編集] 熱帯魚の飼育方法
[編集] 器具・設備
ガラス製の長所としては、透明度を長期間保つことができる点があるが、大きくなると重量が重過ぎることと、強い衝撃により破損の恐れがある短所がある。 これに対しアクリル製では、軽く加工が容易である反面、傷がつきやすく、プレコなど固い歯で物の表面についたコケをこそぎ取る性質のある魚種を長期間飼育すると表面が曇る場合もある。また、アクリルの厚さが十分でない場合、水圧で変形し数年で細かい「す」が入ることがある。
- ろ過機:水中内のゴミを漉し取ったり(物理濾過)、バクテリアの力により魚類の排出する有害物質(主にアンモニア)を無害化(生物濾過)する装置。
- 上部フィルター方式:水槽の上部に設置したろ過装置にポンプでくみ上げた水を通過させ、ろ過する。日本では中型の水槽で今日もっとも一般的な方式である。
- 外部密閉型フィルター方式:水槽の外部にろ過装置を置く。ろ過された水は、ポンプの力で水槽内に還流させる。
- 底面フィルター方式:水槽の底面に敷き詰めた砂利にバクテリアを繁殖させ、エアポンプなどで循環させる構造。安価、手軽でろ過能力も高いが、掃除が手間。
- オーバーフロー方式:水槽を2階建てにし、1階のろ過層からポンプで強制的に2階へ汲み上げる。2階であふれた水は1階に落ちてくる仕組み。やや高価であるが、ろ過能力は最も高い。
- 外掛け方式:水槽の外側に簡易・小型のオーバーフローを実現するろ過装置。安価・手軽であり小型水槽に良く用いられるが、ろ過能力は中の下。ろ過槽に仕切りを作りろ材を詰める等簡単な改造でろ過能力を高める事も出来る。
- ろ材:バクテリアの住処としてろ過機に入れる。大磯砂から高価なセラミックス製までさまざま。
- 照明器具:魚類が美しく見えるように工夫されたライト。蛍光灯が一般的。
- ヒーター:サーモスタットの付いた保温装置。水温を一定に保つために使用する。
- カルキ抜き:水道水に含まれる魚類にとって有害な塩素を中和させる薬品。
- 流木、石:必須のものではないが、臆病な魚種にとっては隠れ家として有効。
[編集] えさ
- 人工餌:エビ、魚肉、穀類などを魚油などで練って乾燥させたもの。日常的にはほとんどこれがあれば飼育に事足りる。魚の遊泳域は、その性質により上層・中層・下層に固まりやすいので、これらに対応して人工餌も浮上性のものと沈下性のものがある。
- クリル:オキアミを乾燥させたもの。エビの殻に含まれる色素により、魚の色を良くし観賞価値を高める(色揚げ)に効果があるとされる。
- アカムシ:ユスリカの幼虫。非常に食い付きは良いが、消化不良を起こしやすい。
- イトミミズ:泥中に住む環形動物の一種。こちらも食いが良い。その代わり外部から有害物質を持ち込んでしまう場合もある。
- ブラインシュリンプ:ソルトレイクなどの塩湖に住むプランクトンの一種。
幼魚のエサなどに用いられることが多い。
[編集] 熱帯魚の負の側面
- 放流
- 魚食性の強い大型魚を飼育しきれなくなった飼い主(アクアリスト)が河川や湖沼にこれを放流すること。日本におけるブラックバス・ブルーギル問題などと同じく、これにより生態系に悪影響を与え、固有種の絶滅を招くこともある。
- ハイブリッド
- 自然界ではありえない掛け合わせが行われ、これが新種として流通する場合がある。しかしこれはブリードとしての新種として流通にのる為、今の所大きな問題ではない。
- 乱獲
- 特定の魚種が人気上昇により業者等による乱獲の対象となることがある。希少種が対象になると、それが原因で絶滅を招く恐れもある。また、希少種となった一因が乱獲にあると考えられるケースもある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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