CLASSICISTRANIERI HOME PAGE - YOUTUBE CHANNEL
SITEMAP
Audiobooks by Valerio Di Stefano: Single Download - Complete Download [TAR] [WIM] [ZIP] [RAR] - Alphabetical Download  [TAR] [WIM] [ZIP] [RAR] - Download Instructions

Make a donation: IBAN: IT36M0708677020000000008016 - BIC/SWIFT:  ICRAITRRU60 - VALERIO DI STEFANO or
Privacy Policy Cookie Policy Terms and Conditions
利用者:Miya/コーヒー (案) - Wikipedia

利用者:Miya/コーヒー (案)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

コーヒーオランダ語:koffie、英語:Coffee、珈琲)は、コーヒー豆コーヒーノキの種子)を焙煎して粉状にしたもの。あるいは、その粉を挽き、湯またはで成分を抽出した飲料。「コーヒー」はアラビア語でコーヒーを意味するカフワ (قهوة, Qahwah) が転訛したものである。その語源は、エチオピアにあったコーヒーの産地カファ (Kaffa) がアラビア語に取り入れられたという説と、元々ワインを意味していたカフワの語がワインに似た覚醒作用のあるコーヒーにあてられたという説がある。

コーヒー
拡大
コーヒー
暗赤色の実を付けたコーヒーノキ
拡大
暗赤色の実を付けたコーヒーノキ
コーヒーの果実と種子(コーヒー豆)の構造
拡大
コーヒーの果実と種子(コーヒー豆)の構造

コーヒーは世界で最も多くの国で飲用されている嗜好飲料の一つであり、家庭や飲食店、職場などで飲用されている。 また例えば、フランスのパリではコーヒーを提供する場の喫茶店には、知識人や文学や美術などさまざまな分野の芸術家の集まる場として、文化的にも大きな役割を果たしていた。

コーヒーはアルコールと並んで、人類との関わりが最も深い嗜好飲料だと言える。また、石油に次いで貿易規模が大きい一次産品であるため、経済上も重要視されている。北回帰線と南回帰線の間(コーヒーベルト)の約70カ国で生産され、アメリカヨーロッパ日本など全世界に輸出されている。カフェインに代表される薬理活性成分を含むことから医学薬学の方面からも関心を集めている。

目次

[編集] 植物学的特長と分布

コーヒーノキはアカネ科の常緑樹。原産地はエチオピアのアビシニア高原。熱帯地方でよく生育し、成木は約3~3.5メートルの高さになる。厳しい剪定に耐えることができるが、冬霜がつくと成長することができない。雨季と乾季があるところが理想で、高地で最も成長する。

コーヒーノキは樹齢3~5年後から約50~60年のあいだ花を咲かせ実をつける。白い花は色と匂いがジャスミンに似ている。果実はコーヒーチェリーと呼ばれ、通常赤または紫の核果であるが、品種によっては黄色の実をつけるものもある。果肉にも若干のカフェインが含まれており食用に供される場合がある。果実が成熟するまでには約9か月かかる。

果実の中には2粒の種子が向かい合わせに入っており、一般にコーヒー豆と呼ばれるものは実そのものではなく種子の部分である。枝の先端に付く実には1粒だけ丸い種子を含むものがありピーベリーと呼ばれる。ピーベリーのみを特に集めたものには、稀少価値から高価で取引されるものもある。

コーヒーノキ属
分類
界: 植物界 Plantae
門: 被子植物門 Magnoliophyta
綱: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目: アカネ目 Rubiales
科: アカネ科 Rubiaceae
属: コーヒーノキ属 Coffea
  • C. arabica L.
  • C. benghalensis Roxb
  • C. canephora Pierr ex Froeh
  • C. congensis Froeh
  • C. liberica Bull ex Hiern.
  • C. stenophylla G. Don

[編集] 種と栽培品種

コーヒーノキ属の植物のうち、アラビカ種Coffea arabica) とロブスタ種 (カネフォーラ種、C. canephora) が産業的に栽培されている。世界で栽培されているコーヒーの75〜80%はアラビカ種、約20%がロブスタ種である。以前はこの二種にリベリカ種C. liberica) を足してコーヒーの三原種と呼んでいたが、病害に弱く品質面でも劣るため、全生産量の1%未満にすぎない。

栽培地ごとに移入された年代や経路が異なることと、栽培の過程で変異種の発見と品種改良が行われたことにより、栽培のための品種(栽培品種)が200種類上存在している。品種改良は特にアラビカ種で進んでおり、ブラジルとコロンビアでさかんに行われている。

従来はティピカブルボンがアラビカ種の二大品種と呼ばれ、それぞれコロンビアとブラジルで主力品種であった。しかし、品種改良によって、収量が多く病虫害に強い品種に置き換えられてきた。その結果、コロンビアではカトゥーラとバリエダ・コロンビアが、ブラジルではカトゥーラ、カトゥアイ、ムンド・ノーボが主力品種になっている。

一方、風味の点で言えばこれらの新しい品種よりも以前のティピカやブルボンの方が優れていたと主張する人も多い。このため、これらの生産量は少ない古い品種を高価値のコーヒーとして取引する動きが出てきている。この動きは、生産地の貧困問題を解決するためのフェアトレード運動とも連動している。

コーヒーの栽培品種
拡大
コーヒーの栽培品種

種と栽培品種の詳細はコーヒーノキを参照。

[編集] アラビカ種

アラビカ種 (Coffea arabica) はエチオピア原産。高品質で比較的高収量で、世界のコーヒー生産において主流となっている。ただし高温多湿の環境には適応せず、霜害に弱く、乾燥にも弱い。レギュラーコーヒー用。

代表的な品種には以下のものがある。

  • ティピカ (C. arabica 'Typica')
中南米に移入されたアラビカ種を起源とするもの。豆はやや細長い。収量は低く隔年変化するため安定しない。病虫害にも弱い。香りが強く上品な酸味と甘味を持つと言われる。以前はコロンビアの主力品種であったが、カトゥーラなどの収量の多い品種に圧されて作付けは少ない。
  • スマトラ (C. arabica 'Sumatera')
インドネシアに移入されたアラビカ種を起源とする品種。大粒で長円形。マンデリンがその代表。
  • モカ (C. arabica 'Mokka')
イエメンやエチオピアで栽培されている品種。一種類の確立した品種ではなく、ハラー、アガロ、イェルガチェフと呼ばれる複数の品種の総称とも言われる。小粒で不揃い。ここでいう「モカ」はあくまで植物の品種名としてのものである。コーヒー豆の銘柄としての「モカ」とは意味合いが異なる。
  • ブルー・マウンテン (C. arabica 'Blue mountain')
ジャマイカに移入され栽培された品種。ジャマイカの他、ケニアなどにも移入されている。ここでいう「ブルー・マウンテン」はあくまで植物の品種名としてのものである。コーヒー豆の銘柄とは意味合いが異なり、ブルーマウンテン(品種)の豆であってもケニアで生産されたものをブルーマウンテン(銘柄)とすることはない。
  • コナ (C. arabica 'Kona')
ハワイに移入された品種。ハワイでのコーヒー生産が減少しているため高価で取引されている。
  • ブルボン(C. arabica 'Bourbon')
ブルボン島に移入されたティピカの突然変異で生まれ、ブラジルに移入され発見された。赤ブルボン。ティピカより収量は多いが新しい品種よりは低く、また収量が隔年変化し安定しない。また霜害や病虫害に弱い。品質は良好で甘味、濃厚なこくと丸みが特長。以前のブラジルの主力品種。ブルボン・サントスがその代表。
  • カトゥーラ(C. arabica 'Caturra')
ブラジルで見つかったブルボンの変異体。病虫害に強く、低温にも耐える。矮性(樹高が低い)で収穫時の手間が少ない。高品質で特に強い良質な酸味を持つが、やや渋味も強い。コロンビアやブラジルなどの主力品種の一つ。
  • ムンド・ノーボ(C. arabica 'Mundo Novo')
ブルボンを改良したもの。病虫害に強く、比較的高収量。ブルボンでありながら旧来のティピカに似た、調和の取れた味をもつと言われる。ムンド・ノーボとは「新世界」の意味。ブラジルの主力品種の一つ。
  • カトゥアイ(C. arabica 'Catuai')
ムンド・ノーボとカトゥーラを交配したもの。矮性(樹高が低い)で病虫害に強く、高収量。味はブルボン種に似る。ブラジルの主力品種の一つ。
  • マラゴジッペ(C. arabica 'Maragogype')
ティピカ種の変異したもの。ブラジル原産。種子が極めて大きい。品質はやや低めだが、特徴的な風味を持つ。炭焼コーヒー向きと言われる。
  • アマレロ(C. arabica 'Amarello')
ブルボンの変異種。種子が黄色い。黄ブルボン。比較的高収量。

[編集] ロブスタ種

ロブスタ種(Coffea canephora)はアフリカのコンゴが原産。生物学上は正式にはカネフォーラ種と呼ばれる。病虫害に強く、高温多湿の気候にも適応する。成長が速く高収量でカフェイン含量が多い。栽培されているロブスタ種のほとんどは「カネフォーラ種ロブスタ」という変種(C. canephora var. robusta)にあたる。焦げた麦のような香味で苦みと渋みが強く、酸味がない。主にインスタント用、あるいは廉価なレギュラーコーヒーの増量用として用いられる。

[編集] リベリカ種

リベリカ種(Coffea liberica)は西アフリカ原産。高温多湿の気候に適応するが病害に弱い。品質もアラビカ種に劣るとされる。

[編集] 交雑種

アラビカ種の品質の高さを維持したまま、その弱点である収量の低さや病虫害抵抗性の低さを克服させるため、アラビカ種とロブスタ種の交雑種の作製が行われている。ただしアラビカ種とロブスタ種は染色体数が異なり、単純に交配させても結実しないため、ロブスタ種が自然に変異した四倍体、あるいは人工的に四倍体化したものとの間で交配が行われる。

交雑種由来の品種には以下のようなものがある。

  • ハイブリド・デ・ティモール(C. arabica x canephora 'Hibrido de Timor')
自然に四倍体化したロブスタ種とアラビカ種との交雑種。単にティモール('Timor')とも呼ぶ。病害に強い。
  • アラブスタ(C. arabica x canephora 'Arabusta')
アラビカ種と、人工的に四倍体化したロブスタ種の交配による品種。特性は両者の中間だが、収量が低い。
  • カティモール(C. arabica x canephora 'Catimor')
ハイブリド・デ・ティモールとカトゥーラを交配したもの。非常に多収穫で病害に強いが、風味の点では他の品種に劣るとされる。
  • バリエダ・コロンビア(C. arabica x canephora 'Variedad Colombia')
カティモールにカトゥーラを戻し交配(雑種と親にあたる品種とを交配)し、アラビカ種の性質により近づけたもの。収量が非常に高く、病虫害にも強い。他の交雑種に比べると良質だが、ティピカと比べると品質は低いという人もいる。コロンビアの主力品種の一つ。

[編集] コーヒーができるまで

コーヒーができるまで

コーヒーは、右図の工程で作られる。

コーヒーは北回帰線と南回帰線の間(コーヒーベルト)の約70カ国で生産されており、そのコーヒー農園でコーヒーノキの栽培と果実の収穫が行われる。さらに引き続いて、生豆(なままめ、きまめ、生のコーヒー豆のこと)を取り出すコーヒー豆の精製と呼ばれる加工作業までが、コーヒー農園で行われることが多い。精製された生豆は生産国で集積され、選別・等級付けされてから消費国に輸出される。生豆は消費地においてコーヒー独特の香味を生み出すために焙煎され、場合によっては複数の焙煎豆を混ぜてブレンドされる。その後粉砕により細かい粉状にされてから、水や湯で抽出されて、飲用に供されるコーヒーが出来上がる。

[編集] 生産

主な生産地はブラジルコロンビアなどの中南米や、ベトナムインドネシアなどの東南アジア、エチオピアイエメンケニアなどのアフリカ諸国など。一部はハワイ中国などでも生産されている。日本でも小笠原諸島沖縄に移入されたことがあるが大規模生産には成功していない。ただし九州や沖縄で個人規模農園で栽培している人もいる。

生産地の国々にあるコーヒー農園ではコーヒーノキの栽培と果実の収穫が行われる。全世界では、150億のコーヒーノキが1000万ヘクタールの土地で生育していると概算されている。なるべく多く生産するためには (1ヘクタール当たり熟した実で16トン、あるいは1エーカー当たり15,000ポンド)、農園は大量の水および肥料を必要とする。

[編集] 豆の種類と名称

世界のコーヒー生産地と豆の名称
拡大
世界のコーヒー生産地と豆の名称

コーヒー豆の種類は、主に生産地で分けられている。名前の付け方は、国名(コロンビア、ケニア)、山域(キリマンジャロ、ブルーマウンテン)、積出港(モカ)、栽培地名(コナ、マンデリン)

この他、種名や栽培品種の名を付加した名称(ジャワ・ロブスタ、ブルボン・サントス)や、選別時の等級を付加した名称(ブラジル No. 2、タンザニアAA)なども用いられている。また1990年代以降の動きとして、高品質であることを売り物に差別化を図るため、さらに特定の農園の名前を冠したコーヒー豆も増えつつある。

南米においてはブラジルとコロンビアのネームバリューが圧倒的に高いため、他の国で作られたコーヒー豆を一度これらの国に持っていってから世界に輸出するという事が行なわれている。つまり、日本などで購入するブラジル豆には実際にはペルー産やボリビア産などが混じっているが、これが表示される事は無い。このことにより、ブラジル豆、コロンビア豆のシェア率がさらに高まり、知名度がさらに高まるという循環がおこっている。

[編集] 代表的なコーヒー豆

代表的なコーヒー豆の一覧を示す。なお、説明として示した味に関する評価は、焙煎や抽出の状態や、生産地における栽培品種のトレンドの変化により大きく変わる。特に品種が異なる場合、それらは全く別物である点には注意すること。

  • キリマンジャロタンザニア): 強い酸味とこくが特長。'野性味あふれる'と評されることが多い。
  • コナハワイ島): 非常に強い酸味を持つ。ブレンドに用いると良質な酸味が与えられると言われる。
  • ジャワコーヒージャワ): 苦味中心の味。野生的な苦味と評される。
  • ブルーマウンテン: 卓越した香気を持ち、調和の取れた味わい。最高級の品質と呼ばれる。
  • モカイエメン): 独特の強い酸味を持ち、甘みとこくが加わる。また、香気に優れる。熱狂的なファンが多いと言われる。
  • グアテマラ: 酸味とこくを中心とした味わい。
  • ブラジル: 酸味と苦みのバランスが良い。
  • コロンビア: 酸味と甘味を中心とした味わい。
  • マンデリン (インドネシア): 苦味とこくを中心とした味わい。ブルーマウンテンが現われるまでは世界一と評されていた逸品。
  • トラジャ: 苦み中心の味で、非常に濃厚なこくを持つ。酸味は無い。
  • ケニア: 全体に調和というかバランスの取れた味わい。
  • サルバドルエルサルバドル): 強く主張する味は無く、全体に柔らかな印象の味わい。
  • コスタリカ: 苦味控えめの味わい。

[編集] 世界の生産量

2002年の全世界での生産量は、7,365,000tにのぼる。主な生産地は、以下の通り(生産量・シェアのデータは2002年)。

  1. ブラジル - (2,390,000t - 32.5%)
  2. ベトナム - (689,000t - 9.4%)
  3. コロンビア - (660,000t - 8.9%)

[編集] 世界各国の輸出量

2001年の世界各国の輸出量は、5,329,000tにのぼる。主な輸出国は、以下の通り(FAO:国際食料機関)

  1. ブラジル - (1,252,000t - 23.5%)
  2. ベトナム - (931,000t - 17.5%)
  3. コロンビア - (560,000t - 10.5%)


[編集] 日本の輸入量

日本は、アメリカ、ドイツに次いで世界第3位の輸入国である。生豆と加工済み(レギュラー・インスタント)の形で輸入している。生豆での輸入量の上位は以下の通りである(2002年)。1位 ブラジル、2位 コロンビア、3位 インドネシア

[編集] コーヒー豆の精製

収穫されたコーヒーの果実からコーヒー豆を取り出す工程をコーヒーの精製と呼ぶ。コーヒーの精製には主に乾式(乾燥式・非水洗式)と湿式(水洗式)の二種類がある。単純作業のため、コーヒーの精製は生産地で行われる。精製をすませたコーヒー豆は生豆と呼ばれ、カビなどの発生を防ぐために水分含量が10-12%になるよう乾燥して保管され、消費地に輸出される。

[編集] 乾式(乾燥式・非水洗式)

古くから行われている精製方法であり、水の便の悪い産地でも行えるという利点がある。ブラジルの大部分や、他の産地の小規模農園で栽培されているロブスタ種に対して行われることが多い。収穫した果実を乾燥場に平らに広げ天日干しを行う。乾燥に要する時間は果実の完熟度合いで異なり、完熟した黒い実では1日から3日、未熟な緑色の実では2週間ほどを要する。乾燥を均一化するために、日に数度攪拌が行われる。乾燥後、外皮と果肉、内果皮などを機械的に取り除く。50℃で3日程度乾燥する機械乾燥も行われている。

[編集] 湿式(水洗式)

乾式に比べてコーヒー豆の見た目が整いやすく商品価値が高くなる利点がある。ブラジル以外の産地でアラビカ種に対して行われることが多い。 収穫した果実はまず約1日水につけられ、そこで浮いてきた未熟果実が除去される。外皮と果肉を大まかに機械的に取り除いた後、発酵槽と呼ばれる水槽に1日から2日つけられる。この過程で、果肉と発酵槽に生息する水中微生物の持つペクチン分解酵素の働きにより種子を取り囲むペクチン層が分解される。水洗いして乾燥させた後、精製工場に出荷され、そこで内果皮を機械により取り除いてコーヒー豆とする。内果皮を取り除く前のものをパーチメントコーヒーと呼び、この状態で輸出される場合もある。

[編集] その他の精製法

乾式と湿式とを組み合わせた半湿式(半水洗式)という方法がブラジルの一部の農園などで行われている。収穫後の果実を湿式と同様に水槽につけるが、発酵槽につけることなく外皮と果肉を取り除き、その後で乾式と同様の方法で乾燥する。特殊な精製法として、コーヒーの果実を食べた動物のからコーヒー豆を精製するものがある。市場に出回ることがあるものとして、インドネシアに生息するジャコウネコの糞から採れるコピ・ルアクが有名である。その他にもイタチトラの糞から採れたと称するものが、産地で極少量得られることがある。いずれもきわめて生産量が少ないため稀少価値から最も高価で取引されるが、コーヒー豆の品質としての評価とは必ずしも結びつくものではなく、その味についても評価は分かれる。

[編集] 焙煎

精製された生のコーヒー豆は次に焙煎されて、初めて実際に我々が口にするコーヒーの香りと味を生み出す。多くの場合、この工程は消費国でなされ、ロースターと呼ばれる大手のコーヒー豆卸業者が行うほか、コーヒー豆小売りを行う販売店や喫茶店などで自家焙煎される。一部の愛好家の中には自分で生の豆を購入して自家焙煎する人もいる。

焙煎は焙煎機と呼ばれる専用の機械で行われる。ただしフライパンや焙烙、ギンナン煎りに用いる金属製の手網や、電動ポップコーンマシンなどでも焙煎することが可能である。これらの装置は加熱原理と熱源の違いによって以下のように分類される。

  1. 直火焙煎
  2. 熱風焙煎
  3. 遠赤外線焙煎
  4. マイクロ波焙煎
  5. 炭火焙煎(日本独自)
  6. 過熱水蒸気焙煎(日本独自)

コーヒーが焙煎されるとき豆の温度は約200℃程度まで到達する。一般的な焙煎方法ではおよそ10-20分程度の加熱時間を必要とする。

焙煎の度合いのことを焙煎度といい、焙煎度の低いものを浅煎り、高いものを深煎りと呼ぶ。浅煎りされたコーヒー豆は薄い褐色で、深煎りへと進行するにつれて黒褐色へと変化し表面に油がにじみ出てくる。浅煎りと深煎りの中間にあたるものを中煎りと呼ぶこともあるが、これらは相対的な呼び名であって明確に定められているものではなく、販売店舗などによっても異なる。また、日本では以下の8段階(浅煎り→深煎りの順)の焙煎度を用いる場合もある。

コーヒーの焙煎度(生豆、ライト→イタリアンの順)
拡大
コーヒーの焙煎度(生豆、ライト→イタリアンの順)
  1. ライト (light)
  2. シナモン (cinnamon)
  3. ミディアム (medium)
  4. ハイ (high)
  5. シティ (city)
  6. フルシティ (Full city)
  7. フレンチ (French)
  8. イタリアン (Italian)

一般に、浅煎りは香りや酸味に優れ深煎りは苦味に優れると言われているが、嗜好の問題であるため、総合的に見てどちらかが優れているということは特にない。

[編集] ブレンド

コーヒー豆はその消費目的に応じて数種類混合されることがある。これをブレンドと呼ぶ。ブレンドされたコーヒーはブレンドコーヒーと呼ばれ、これに対して一種類の焙煎豆のみからなるコーヒーをストレートコーヒーと呼ぶ。 ブレンドは通常、焙煎の後かつ粉砕の前で、焙煎された数種類の豆を混合することで行われることが多いが、場合によっては焙煎する前にブレンドしたり、粉砕した後の粉同士で行うこともある。

ブレンドは、複数の違った持ち味を持つコーヒーを混ぜることで、ストレートコーヒー単品だけではなし得ない味を、提供者側の意図にあわせて作り上げるための工程である。しかしながらその法則には定まったものがあるわけではなく、各ロースターが独自に考案したブレンドのレシピに従って行われる。インスタントコーヒーなど工業的生産の場では、香味等の品質を保つため8つ以上のタイプの豆が混合される。

[編集] 粉砕

焙煎されたコーヒー豆は、抽出される前に顆粒状ないし粉状に小さく挽かれる。この工程をコーヒーの粉砕という。粉砕にはコーヒーミルあるいはグラインダーと呼ばれる器具あるいは機械を用いるが、場合によっては乳鉢や石臼などが用いられることもある。コーヒーは焙煎された豆のままで販売される場合と工場で粉砕された後で販売される場合があるが、粉砕されると表面積の増加から空気酸化による品質低下が早まると言われているため、家庭用のコーヒーミルで抽出直前に挽いている人も多い。

粉砕されたコーヒーは粉の大きさに応じて、細挽き中挽き粗挽きと呼ばれる。大きさの目安としては、粗挽きでグラニュー糖大と言われる。ただしこの区分はあくまで相対的なもので、定まった規格があるわけではなく、店舗やコーヒーミルの違いによって実際の大きさは異なる。これらの挽き具合は、そのコーヒーがどのように抽出されるか、またどのような味にすることを望むかによって調整される。例えばエスプレッソではほとんど微粉に近い粉状になるよう極細挽きにして用いられる。

コーヒー本来の味を楽しむためには、粉砕時に渋皮を除去した方がまろやかな味になると言われている。 焙煎後の豆は木槌などで容易に砕くことが出来るため、木槌で粗く砕き、渋皮だけを除去、その後本来の粉の大きさまで粉砕する。近年、プロ用粉砕器の中には渋皮を除去する物もある。また、先に示したとおり木槌で軽く粉砕し、その後、再度挽いている店も多い。

[編集] 飲み物としてのコーヒー

飲み物としてのコーヒーは、直前にコーヒー豆から抽出して飲むレギュラーコーヒーと、レギュラーコーヒーから工業的に作られるもの(インスタントコーヒー缶コーヒーなど)に大別できる。コーヒーの淹れ方や飲み方は地域によってさまざまであり、また個人の嗜好によっても大きく異なる。

[編集] 淹れ方

焙煎されて粉砕されたコーヒーの粉は、湯または水に接触させることで中の成分を抽出し、我々が口にする飲み物としてのコーヒーが出来上がる。このときの抽出方法、すなわちコーヒーの淹れ方には様々な方法が存在する。コーヒー専用の抽出器具が多く考案されており、それぞれの淹れ方は用いる器具の名前で呼ばれることが多い。

コーヒーの風味は、焙煎の度合いや挽き加減(細かく、粗く等)、淹れ方や用いる器具などにより異なるが、それぞれの持ち味があるのに加えて本人の嗜好の問題であるため、万人が最善の方法だと言うものは存在しない。

  • 濾過
    • ドリップ
      • ウォータードリップ
        専用の機材を用い水でコーヒーを抽出する方法。1杯辺り8時間程度を目安とする。抽出する器具もインテリアとして活用される。近年、安価な器具が登場し、一般の家庭でも楽しめるまでになっている。
      • ペーパードリップ
        日本で最も普及していると思われる淹れ方。ドリッパにフィルタをセットし、粉を入れ適量の湯を注ぎ、30秒程度蒸らした後に抽出を開始する。ドリッパの湯が完全に切れる前に外すと雑味の無いコーヒーとなる。
        前述の手順さえ守れば誰でも一定水準のコーヒーが淹れられるのがこの方式の最大の利点である。
      • ネルドリップ
        フィルタとして布を使用する抽出法。ペーパードリップよりも美味なコーヒーを入れることが可能だが、抽出者の技量に大きく左右される。
        一定以上の味を出すにはネルを細心の注意をもって管理する必要がある。使用後のネルはコーヒーの油膜の酸化を避けるため、直ちに洗浄し、冷水に浸けて保存する。臭いが移るのを避けるため、洗浄の際は洗剤の類を使用してはならない。また、新品のネルは抽出済みのコーヒー粉を入れた湯で煮沸し、洗浄後に使用する。
    • エスプレッソマシン/マキネッタ
      高温、高圧をもって一気に抽出するエスプレッソマシンと、飽和水蒸気を使用する直火式のマキネッタがある。詳細はエスプレッソ項を参照のこと。
  • 煮沸後濾過
    • コーヒーサイフォン
      サーバと漏斗から構成され、漏斗部にネル又はペーパーフィルタをセットし、粉を入れる。サーバ部に水をいれ、加熱し、湯が漏斗部に上がったら頃合いを見計らって火から下ろす。
      最近、アルコールランプやガスコンロ等を使用する直火式以外に電熱式も普及しつつある。
    • パーコレータ
      コーヒー粉の入った籠状部分に湯を循環させ、抽出する。機材の構造が単純であるため、メンテナンスは非常に容易でキャンプ等で用いられるが、美味しく抽出するのには熟練を要する。
  • 煮沸
    • ジェズヴェ/イブリック(トルココーヒー
      ひしゃくのような形をした柄の深い小鍋に、深煎り細引きの粉と水、砂糖を入れ直火にかける。かき混ぜながら煮沸し、煮立つ直前に火から離し落ち着いたら再度火にかける。これを2,3回繰り返し、表面の泡を消さないようにカップに注ぐ。
      まず泡の味を楽しみ、粉の沈殿後に上澄みのみを飲用する
    • ボイル
      単純な煮沸法。粉と水を鍋に入れて煮沸して抽出し、上澄みだけを飲む。北欧ギリシャで見られる淹れ方で、トルココーヒーに由来する淹れ方だと考えられる。
  • 浸漬(しんし)
    • コーヒープレス
      粉と湯をプランジャーポットと呼ばれる器具に一緒に入れて抽出する。プランジャーと呼ばれる軸の先端には金属やナイロン製のフィルターが付いており、このプランジャーを押し下げて抽出済みのコーヒーかすを沈め、上澄み部分をカップに移す。
    • コーヒーバッグ
      コーヒー粉を布製の袋に入れ、それを水や湯に付けて抽出する。
    • スティーピング
      単純な浸漬法。カップにコーヒーの粉と湯を加えてしばらく待ち、上澄みだけを飲む。

[編集] さまざまな飲み方

コーヒーは熱湯で抽出されることが多く、抽出されたそのままを、あるいは温め直されたものがホット・コーヒーとして飲まれる。夏場などには、専用に濃く抽出したコーヒーを冷やしてアイス・コーヒーとして飲まれることも多い。

抽出されたコーヒーに何も加えずそのまま飲むものをブラック・コーヒーあるいは単にブラックと呼ぶ。多くの場合は、これに砂糖クリームなどの乳製品を別に添えて出されることが多い。この場合、砂糖(グラニュー糖、又は白砂糖、変わり種で金平糖)やクリームは飲む人が自分の好みに応じて加える。「コーヒー通は専らブラックで飲む」という説を唱える人もいるが必ずしもそうとは言えず、むしろ本人の嗜好による。

また上記した以外にも、牛乳アルコールなどを加えて飲まれることがある。これらはバリエーション・コーヒー(アレンジ・コーヒー)と呼ばれる。エスプレッソダッチ・コーヒーなど特殊な淹れ方をするコーヒーも、最も普及しているドリップ式のコーヒーと区別する目的でバリエーション・コーヒーに含めて述べられることが多い。

[編集] バリエーション・コーヒー

  • カフェ・オ・レ
  • アイス・カフェ・オ・レ
  • エスプレッソ
  • カフェ・ラッテ
  • カプチーノ
  • ウィンナ・コーヒー
  • アイリッシュ・コーヒー
  • ダッチ・コーヒー
  • カフェ・ロワイヤル
  • アラビア・コーヒー
    浅煎りの豆を小鍋で煮出し、砂糖なしで飲む。
  • トルコ・コーヒー
    細かく挽いた豆を(好みによって砂糖とともに)濃く煮出し、濾さずにカップに注いだものを、上澄みだけ飲む。
  • ベトナムコーヒー
    カップの底に練乳を入れた上にフレンチローストコーヒーを注いだもの。
  • コロンビア式コーヒー
    ティントとも呼ばれる、黒砂糖を加えた沸騰した湯を用い、火を落してから粉を加え、数分静置して粉が沈んだところで上澄みだけ飲む。
  • 真珠コーヒー
    一般的なブレンドコーヒーにアコヤ貝真珠の真珠層の粉が入れてある。
  • あずきコーヒー
    一般的なブレンドコーヒーに小豆の餡を少し入れてある。

[編集] インスタントコーヒーと缶コーヒー

抽出の手間を掛けずに手軽にコーヒーを飲むためのものとして、インスタントコーヒーと缶コーヒーが発明され、工業的に生産されている。詳細な説明はインスタントコーヒーおよび缶コーヒーの項目を参照のこと。

[編集] 代用コーヒー

代用コーヒーとはコーヒー豆以外の原料を使って造られたコーヒーを模した飲料である。

代用コーヒーのもっとも古い記録はフリードリッヒ二世統治下のプロイセンでのこと。ドイツではコーヒーが流行しビール産業が大打撃を受けた。またコーヒー豆の輸入による貿易不均衡などもあり、1777年のビール・コーヒー条例によって高い関税が掛けられることになった為、庶民は代用コーヒーを飲まざるを得なくなった。また、南北戦争中の米国や、第一次第二次世界大戦の時にコーヒー豆の輸入が滞った地域(日本など)や、冷戦時の東欧諸国でも代用コーヒーが飲まれた。

代用コーヒーの原料としてはタンポポの根、ゴボウジャガイモ百合根サクラの根、カボチャの種、ブドウの種、ピーナッツ大豆ドングリオオムギトウモロコシチコリ玄米、パンの耳など。これらはたいてい煎ったものを粉末にし、お湯を注いで飲んだ。

代用コーヒーはあくまで代用品として考案されたものなので、コーヒーの安定供給が続いている地域・時代ではその消費量は少ない。しかし、代用コーヒーのほとんどはカフェインを含んでいないため、カフェインの摂取を避けている人がコーヒーの代わりに飲む場合がある。また大豆コーヒーなどは大豆の栄養価が評価され、健康食品として販売されている。

[編集] 飲料以外の用途

コーヒーには飲む以外に様々な用途がある。

[編集] 食品原料

コーヒー豆から抽出したエキスを香り付け、味付けのために用いる。

[編集] その他

  • カレーの隠し味(インスタントコーヒーを使う)
  • 染料
  • 脱臭剤-コーヒー豆の出し殻を使う。出し殻は応用範囲が広い。
  • 民間療法のひとつとして、コーヒー抽出液による浣腸・洗腸が行われている。
  • コーヒー風呂: 焙煎した豆を荒挽きにして酵素を用いて自然発熱させた砂風呂形式の風呂、または抽出した飲用コーヒーをそのまま用いる風呂。家庭用にコーヒー粉末をティーバッグ状にして浴槽に入れる製品がある。


[編集] コーヒーの科学

[編集] 成分

コーヒーの成分
拡大
コーヒーの成分

コーヒーの生豆には多糖を中心とする糖類、アミノ酸タンパク質脂質の他、コーヒーに含まれるポリフェノールであるクロロゲン酸アルカロイドであるカフェイン(豆重量の1%程度)やトリゴネリンジテルペンであるカフェストールやカーウェオールなど、特徴的な成分が含まれている。

これらの成分は焙煎されることによって化学変化を起こし、その結果数百種類にのぼる成分が焙煎豆に含まれる。焙煎の初期にまず生豆中の水分が蒸発し、その後一連の焙焦反応と呼ばれる反応が起きる。多糖やタンパク質はこの過程で分解され、それぞれ低分子の糖類やアミノ酸を生じる。クロロゲン酸がこれらの分子と共に加熱されることで褐色色素が生じ、コーヒーの色を生み出す。この他、糖類のみの加熱により生じるカラメルや、糖類とアミノ酸によるメイラード反応なども色素の生成に関与する。これらの色素はコーヒーメラノイジンと総称される。さらに、焙焦反応ではこれらの分子が加熱分解されることでさまざまな低分子が生じる。糖類の分解により生じるピラジン類はコーヒーの香ばしさを生む香り成分として特に重要である。これらの分子はすべて、苦味や酸味、甘味などのコーヒーの味を決定する上でも重要である。

最終的に飲み物であるコーヒーの抽出液には、これらのうち水溶性の比較的高い成分が溶出される。抽出されたコーヒーは0.04%程度のカフェインを含むが、それ以外の多くの成分についてはほとんど解明が進んでいないのが現状である。

これらの成分はコーヒーの複雑な味と香りを生み出すだけでなく、覚醒作用に代表されるようなコーヒーのさまざまな作用の原因にもなる。

[編集] コーヒーと健康

医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。

コーヒーは発見当初から眠気防止や疲労回復などの作用を持つことに注目されてきた薬用植物である。しかしその一方、コーヒーが過度の刺激剤や興奮剤として働く可能性を指摘し、敬遠する人も存在している。このことからコーヒーが人体に及ぼす作用は医学・薬学的な関心を集め、さまざまな知見が得られている。

医学的・薬学的研究の結果から、コーヒーの作用としてほぼ合意が得られている作用には以下のようなものが挙げられる。

[編集] 急性作用

コーヒーを摂取後、数分から数時間に出てくる代表的な作用として次のものが挙げられる。

  1. 中枢神経興奮作用(精神の高揚・眠気防止/不安・不眠)
  2. 骨格筋運動亢進作用(筋肉の疲労を取る/ふるえ)
  3. 血圧上昇
  4. 利尿作用
  5. 胃液分泌促進(消化促進/胃炎を悪化させる)
  6. 血中コレステロール(LDL, TC)増加
  7. 大腸ぜん動運動の亢進(緩下作用/下痢)

このうち、1.〜5.については、コーヒー中のカフェインがその主な原因であると考えられている。ただし、カフェインレス・コーヒーでも若干見られる作用もあることから、カフェイン以外の成分の役割も示唆されている。6.についてはジテルペン化合物がその活性本体の候補であるが、7.の活性本体は未詳である。

これらの急性作用は遅くとも一日以内には消失するものであり、健常時には特に健康上の問題を引き起こすことはないと考えられている。しかしながら過度に摂取した場合やそのときの体調によっては、一過性に問題を起こすことがある。また、特に消化器疾患、高血圧、パニック症候群などの疾患がある場合など、特定の患者や病態によっては、これらの通常は無害な作用が有害に働くことがあるため、注意が必要である。

[編集] 慢性作用

コーヒーを長期間に亘って飲用した場合についても、多くの疫学的研究がされている。

[編集] 習慣性

コーヒーには軽度の習慣性があるとされる。これはカフェインによる作用だと言われている。カフェインには軽い精神依存性を引き起こす働きがある。また一日に300mg以上(コーヒー3杯に相当)のカフェインを常用する人には、カフェイン禁断頭痛と呼ばれる一種の禁断症状が現れることがある。これは最後のカフェイン摂取から24時間以上経過すると偏頭痛様の症状が現れるものである。このカフェイン禁断頭痛は症状が現れてから、カフェインを摂取することで30分以内に消失するが、カフェインを摂取しない場合は2日程度継続する。

ただし、これらの症状は麻薬類やニコチンアルコールと比較して、きわめて軽微なものだと考えられており、規制や年齢制限などは必要ないと考えられている。

[編集] 疾患との関係

コーヒーとある疾患との関連を調べた疫学調査は古くから数多く行われてきた。1980年までには「コーヒーが体に悪い」という視点からの報告が多かったが、それらの研究の多くは1990年代に、より精度を高めた追試によって否定されている。一方、1990年代からは「コーヒーが体に良い」という視点からの研究もなされている。

  • 発症リスク低下(ほぼ確証)
パーキンソン病・大腸がん
  • リスク低下の報告あるが論争中
アルツハイマー病・2型糖尿病・肝細胞がん・胆石
  • リスク上昇の報告あったが後に否定された
高脂血症・膵臓がん・心不全・十二指腸潰瘍
  • リスク上昇の報告あるが論争中
関節リウマチ・高血圧・死産リスク・骨粗鬆症・膀胱がん
  • 発症リスク上昇(ほぼ確証)
(今のところ特になし)

[編集] その他の健康情報

この他にも、研究途上の知見や単一の成分についてのみ見た研究結果、経験的に言われている効用、さらには風説の類いまで含め、非常に多くのコーヒーの作用が語られている。これらの中には、将来立証される可能性があるものも含まれているが、研究結果を誤解したもの、商用の宣伝目的と考えられるものなども多く含まれているため、他の健康ブームに乗った情報と同様、活用にあたっては注意が必要である。

  • 麻薬中毒者やタバコをやめたい人などが、コーヒーを飲用することにより禁断症状がやや緩和されるという。
  • 近年の研究では低血圧症、高血圧症の場合、血圧値を正常値に戻す働きがある事が指摘されている。また、善玉コレステロールを増やすなど心筋梗塞の予防にも役立つとの指摘もある。
  • モーニングコーヒーに砂糖を若干入れて飲むと、血管の血流が良くなる事と、脳の栄養分が補給されるため、勉学、頭脳労働などにかなり効果が有るとも言われている。
  • 「コーヒーはアルカリ性飲料」だと主張する人が散見されるが、これは日本のコーヒーの業界団体である全日本コーヒー協会が昭和63年頃から行っていたキャンペーンの影響だと思われる。当時はコーヒーは健康に悪いと考える風潮があり、それに対抗するために喫茶店経営者などに配布した「コーヒー&ヘルス」という小冊子にこの記述があった。しかし今日では酸性食品とアルカリ性食品という区分自体が栄養学上意味をなさないと言われており、この記述は削除されている。また「コーヒーはアルカリ性」だと主張する人も見られるが、これは上述の記載をさらに誤って解釈したことによると考えられる。実際にはコーヒーはアルカリ性ではなく酸性(pH 5〜6)を示す。ただしこのことと健康への影響とは無関係である。
  • 「酸化したコーヒーは体に悪い」という主張をする人がいる。コーヒー豆を保存するとき成分の酸化(特に脂質の酸敗)による品質低下が問題になること、抽出したコーヒーを保温しつづけると色素の酸化重合や過酸化水素などのフリー・ラジカルの生成がおきることが知られているが、健康との関係についての研究報告はまだ行われていない。なお、コーヒーの酸化と「コーヒーはアルカリ性飲料」とを結びつけて「新しいコーヒー=アルカリ性で体にいい」「古いコーヒー=酸化=『酸』化=体に悪い」という図式から健康との関係を説明しようとする人もいるが、酸化することと溶液が酸性化することとは必ずしも一致するものでない上、酸性・アルカリ性で健康への影響を説明することには医学的根拠がない点で、この説明は科学的な根拠があるものとは呼べない。

[編集] コーヒーの経済

コーヒーはロンドン先物取引所やニューヨーク先物取引所などで、商品先物取引の主要銘柄として取引が行われ、その取引金額は一次産品としては石油に次いで大きいと言われている。

しかし、その一方でコーヒーは、消費国と生産国との経済格差を生む南北問題の一因となっていることも指摘されている。コーヒー生産地諸国では主にプランテーションによりコーヒー栽培が行われている。ブラジルなどではかつてコーヒー・プランテーションの労働力は主に黒人奴隷であった。奴隷制廃止後は主に移民労働者によって行われている。労働集約型の作業がほとんどであることにこれらの背景が加わって、労働環境の悪さが指摘されており、実際に生産者が受ける収益がきわめて少ないことは国際的にも問題視されている。

1970年代以降、この問題の解決を目指してフェアトレード運動が活発になりつつある。商品価値の高い高品質なコーヒー(スペシャルティ・コーヒー)を生産することで収益の安定させて生産者の経済的自立を促す、生産環境の改善に向けた取り組みがなされている。

[編集] 缶コーヒーなどの「コーヒー」表示

「コーヒー飲料などの表示に関する公正競争規約」に基づく区分により、製品内容量100グラム中の生豆使用量によって、次の3種類に区分される。

  • コーヒー:5グラム以上
  • コーヒー飲料:2.5グラム以上5グラム未満
  • コーヒー入り清涼飲料:1グラム以上2.5グラム未満

製品に乳固形分を3%以上を含むものは「乳および乳製品の成分規格に関する省令」に基づき「乳飲料」となる。(カフェ・オ・レなど)

[編集] コーヒーと文化

[編集] コーヒーにまつわる名言

  • 「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い。」
(フランスの政治家、タレーラン・ペリゴール

[編集] コーヒーを題材にした楽曲

  • 一杯のコーヒーから(歌:霧島昇・ミスコロムビア、作詞:藤浦洸、作曲:服部良一
  • コーヒーショップで(歌:あべ静江、作詞:阿久悠、作曲:三木たかし)
  • コーヒー・デート(歌:伊東ゆかり、訳詞:みなみかずみ、作曲:L.Whitcup)
  • コーヒー・ルンバ(Moliendo Café, 作詩・作曲:Jose Manzo Perroni 日本語詞作詞:中沢清二) ベネズエラのアルパ奏者ウーゴ・ブランコが録音し世界的にヒットした。曲のリズムは実際にはルンバではない。
  • コーヒー・カンタータ(作曲:ヨハン・セバスティアン・バッハ BWV211 「そっと黙って、おしゃべりめさるな」)
  • コーヒーをいれたから(歌:Ikuko、キーコーヒードリップオンのCMソング)
  • ブラック・コーヒー(Black coffee, 作詞:ポール・フランシス・ウェブスター、 作曲:ソニー・バーク、1948年) ブルージーなジャズ・スタンダードの名曲。1949年にサラ・ヴォーンが初録音してヒットした。日本では1954年デッカ録音のペギー・リー版(同名アルバムに収録)が名唱として知られる。

[編集] その他、コーヒーにまつわる事柄など

  • エチオピアにはコーヒー・セレモニーと呼ばれる風習がある。主催者が客に対してその場で焙煎・粉砕・抽出したコーヒーを振る舞い、みんなで回し飲みをするなど、日本の茶道と共通した部分も多い。
  • トルコなどではコーヒーを飲んだ後の残滓がカップの底に作る模様から運勢を占うコーヒー占いを行うことがある。
  • 会議などの合間にとる5分から15分程度の小休止をコーヒーブレイクと呼ぶ。会議の参加者らがコーヒーなどのソフトドリンクを飲みながら談笑することで気分転換を図る習慣から生まれた呼び名である。
  • 「一緒に夜明けのコーヒー(あるいはモーニングコーヒー)を飲む」という言葉は、男女が深い関係になることの暗喩として用いられることがある。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

Category:コーヒー

Static Wikipedia 2008 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu -

Static Wikipedia 2007 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - en - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu -

Static Wikipedia 2006 (no images)

aa - ab - af - ak - als - am - an - ang - ar - arc - as - ast - av - ay - az - ba - bar - bat_smg - bcl - be - be_x_old - bg - bh - bi - bm - bn - bo - bpy - br - bs - bug - bxr - ca - cbk_zam - cdo - ce - ceb - ch - cho - chr - chy - co - cr - crh - cs - csb - cu - cv - cy - da - de - diq - dsb - dv - dz - ee - el - eml - eo - es - et - eu - ext - fa - ff - fi - fiu_vro - fj - fo - fr - frp - fur - fy - ga - gan - gd - gl - glk - gn - got - gu - gv - ha - hak - haw - he - hi - hif - ho - hr - hsb - ht - hu - hy - hz - ia - id - ie - ig - ii - ik - ilo - io - is - it - iu - ja - jbo - jv - ka - kaa - kab - kg - ki - kj - kk - kl - km - kn - ko - kr - ks - ksh - ku - kv - kw - ky - la - lad - lb - lbe - lg - li - lij - lmo - ln - lo - lt - lv - map_bms - mdf - mg - mh - mi - mk - ml - mn - mo - mr - mt - mus - my - myv - mzn - na - nah - nap - nds - nds_nl - ne - new - ng - nl - nn - no - nov - nrm - nv - ny - oc - om - or - os - pa - pag - pam - pap - pdc - pi - pih - pl - pms - ps - pt - qu - quality - rm - rmy - rn - ro - roa_rup - roa_tara - ru - rw - sa - sah - sc - scn - sco - sd - se - sg - sh - si - simple - sk - sl - sm - sn - so - sr - srn - ss - st - stq - su - sv - sw - szl - ta - te - tet - tg - th - ti - tk - tl - tlh - tn - to - tpi - tr - ts - tt - tum - tw - ty - udm - ug - uk - ur - uz - ve - vec - vi - vls - vo - wa - war - wo - wuu - xal - xh - yi - yo - za - zea - zh - zh_classical - zh_min_nan - zh_yue - zu -

Sub-domains

CDRoms - Magnatune - Librivox - Liber Liber - Encyclopaedia Britannica - Project Gutenberg - Wikipedia 2008 - Wikipedia 2007 - Wikipedia 2006 -

Other Domains

https://www.classicistranieri.it - https://www.ebooksgratis.com - https://www.gutenbergaustralia.com - https://www.englishwikipedia.com - https://www.wikipediazim.com - https://www.wikisourcezim.com - https://www.projectgutenberg.net - https://www.projectgutenberg.es - https://www.radioascolto.com - https://www.debitoformtivo.it - https://www.wikipediaforschools.org - https://www.projectgutenbergzim.com