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中学受験

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中学受験ちゅうがくじゅけん)とは、中学校入学試験を受験することである。特にこの試験を中学入試ちゅうがくにゅうし)と略する。本記事では、中学校の入学試験以外にも、前期中等教育学校、すなわち中学校・中等教育学校前期課程・盲学校中学部・聾学校中学部・養護学校中学部などの、入学試験と入学についても扱い、特に断らない限り「中学校(等)」「前期中等教育(の学校)」という表記は前掲の全てを含む。同様に「私立中学(等)」という表記は選抜制でない公立中学以外の全てを含む。

目次

[編集] 入学資格と年齢

[編集] 法的な入学資格の枠組み

日本において、中学校をはじめとする前期中等教育課程入学するためには、義務教育期においては通例、初等教育の課程(すなわち、小学校盲学校小学部・聾学校小学部・養護学校小学部のうちのいずれかの課程)を修了しなければならない。

日本では、学齢の考え方から、 初等教育課程を修了し、前期中等教育課程に入学する者は、満12歳以上である。ただし初等教育課程を修了していない者でも、年度初めの時点で満12歳の誕生日を迎えていれば、一般の小学校卒業者と同様に前期中等教育の課程に入学できる場合がある。この場合には、特に高等学校卒業程度認定試験大学入学資格検定の後身)や中学校卒業程度認定試験のような入学資格試験を受ける必要はない。

[編集] 各学校の定める入学資格と実質的な受験者

日本において、前期中等教育を行う各学校に出願できるのは、以上の入学資格を満たしている者、または入学する年度初め(4月1日)の時点で満たす見込みがある者(現役生)である。また、制度上は、中学校をはじめとする前期中等教育の学校に入学できる年齢に上限は設定されておらず、また過年度卒業生(既卒者)の進学が禁止されているわけでもない。しかしながら、各学校等においては、年齢に上限を設ける場合や、過年度卒業生に対して入学資格を設定していない場合が多い。その影響と社会的な風潮のため、現状では、中学校等の入学志願者のほとんどが小学校等を卒業する見込みの者(現役生)であり、浪人などの過年度生はほとんど存在しない。

たとえば、私立中学等の多くは、募集要項で「その年度に小学校を卒業する見込みの者(既卒ではない小学生)」のみを対象にしている。このため、ほとんどの入学志願者が現役生であり、過年度生はまれである。また、募集の対象が「小学校を卒業する見込みの者」(現役生限定)であれば、13歳以上の卒業見込みの小学生も現役生として入学できるかに見えるが、実際には年齢の上限が別に設けられている場合が多く、入学が許可されない場合が多い。ただし帰国子女の場合は、日本国外の学校制度に各国間で違い(年度のずれ等)があることから、日本国内からの受験生と違って、ある程度年齢に幅を持たせて募集している場合もよく見られる。また、入学者選抜を行わない公立の中学校は、学区等に基づいて入学者が機械的に決定されることが多いため、個別に募集要項を発表することは通例ない。しかし、やはり同様に門戸は狭く、年初に13歳以上の人の第一学年への新入学や、学齢超過者(年初に15歳以上の人)の第一学年への新入学や課程の中途への編入学は難しいといわれている。

ただし、一部の私立中学校等では、小学校既卒者(過年度生)や、他の中学校に在籍する者(いわば仮面浪人生)に対して、第一学年への新入学、所属可能最高学年より低い学年への編入学を認めている場合もある。ただし、以上の例は中学校のほとんどを占める中学校の昼間課程の場合に多く当てはまるものであり、中学校の夜間課程中学校の通信教育では、逆に生徒のほとんどが学齢超過者である。(詳しくは「過年度生」を参照。)

[編集] 年齢以外の制限

[編集] 内部進学

なお、私立の中学校では、完全中高一貫校が高等学校からの外部入学者の募集をしないのと同じように、中学校からの外部入学者の募集をせず、併設小学校からの内部進学のみとする学校もまれに存在する(田園調布雙葉中学校など)。(聖心女子学院中等科は2014年から併設の小学校の内部進学のみとする)

[編集] 学区

公立の中学校では、学習者本人(実質的には保護者)の住所によって通える学校が厳密に指定されている。これを学区制という。ただし近年、公立学校選択制が施行され始めており、徐々に中学校の選択肢は増えている。国立の中学校では、公立の中学校の学区ほどではないが、通学区域をかなり制限している場合もある。私立の中学校では、あまり厳密な学区制限がない場合が多いが、通学時間に上限を設けたり、親元を離れての通学を認めないといったケースもある。


[編集] 中学受験の現状

日本では、前期中等教育への進学率がほぼ100%であり、多くの小学生は自動的に中学校などの学校に進学する。しかし、無試験で入学できる学校が多いため、多くの地方では受験が意識されない場合が多い。

かつて私立中学は主に裕福な家庭の子女が通うところと見なされていたが、近年になってゆとり教育学級崩壊などへの危機感から、特に首都圏では経済的に厳しい家庭でも中学受験が広まりつつあり、それに呼応するかのように私立中学側も費用を安くする傾向にある。また国立中学はほとんど学費が掛からないので人気が高い。そもそも中学進学をするために必ず受験しなければいけないものではなく、小学6年生がこぞって受けるわけではない。しかし、就職難の時代にあって学歴(学校名)や能力のニーズは高まる一方であり、また私立中高一貫校が高校からの生徒募集を停止し、完全中高一貫校化する傾向とあっては、少子化にも関わらず中学入試の人気は衰えるどころか年々活発化・競争激化している。

中学受験に対する家庭の意欲・情報量には温度差があり、子供の幼少の時から対応を考え計画をたてるといった教育に関心のある家庭がある一方で、実際もうすぐ中学にいく段階になって見えてきた地元公立中学に疑問を感じ、急遽受験に参戦するといった家庭もある。首都圏においては、卒業する6年生の15%強が、私立または国立の中学を受験しているといわれている(これを受験率と呼んでいる)。公表されてはいないが、東京都23区内では20%を超えるとのデータもある。近年では、長らく公立校の天下の続いた埼玉県での私立中学新設ラッシュに伴い、都内よりもむしろ埼玉県内での中学受験率の上昇の方が目立つ。千葉でも、私立の台頭が目立ち、今後、より一層の中学受験率上昇が予測される。

なお、受験とは違うが、一部の地域で公立学校選択制が施行されたため、無選抜の公立学校に入学する場合でも進学先を選定することがある。

[編集] 地域性

私立中学は日本に700校あるが、首都圏では東京都179校、神奈川県62校、埼玉県20校、千葉県23校と4都県で284校を占め、京阪神では大阪府63校、兵庫県39校、京都府24校と3府県で126校を占めている。この様に首都圏と京阪神に私立中学が集中しているため、それらの地域では中学受験が盛んである。地域によっては小学校の生徒の大部分が受験するため、それらの地域の公立中学が大幅な定員割れとなることもある。なお国立中学は私立中学ほど東京に集中しておらず、各都道府県に分散しているが、東京では私立中学と同様に人気が高い。

近年、公立中高一貫校が増設されているが、これは私立中学と違って色々な地域に存在する。そのため、受験ノウハウがない地域では混乱などもある。2004年に大きなニュースとなった長崎小6女児同級生殺害事件では、長崎に新設される公立中高一貫校への慌しい進学準備で地元が混乱し、加害者に対してもストレスがかかったといわれている。

それらの地域に在住していないが進学意識の高い家庭の場合は、がある学校が人気となる。開成の寮設置予定も話題となっている。

[編集] 地域性と中学受験観

中学受験が盛んな地域は、首都圏・関西圏を中心とした都市部においてである。(ただし、上記地域は日本の人口の大半を占めているので、特に地域を限定せず「中学受験が盛んになっている」と表現しても問題ない。)マスメディアも首都圏・関西圏の情報が中心であるので、中学受験に対する利点を強調する傾向がある。

一方で、その他の地方県においては、現在でも県立高校が進学コースの主流とされ、私立中学への進学は非主流(アウトサイダー)と見なされるケースも少なくない。それどころか、私立中学を受験すること自体が問題視される場合もある。必然的に、中学受験が盛んでない地域においては、中学受験のイメージはあまり芳しくなく、中学受験の問題点が強調される傾向がある。(ただし、県立高校への進学が主流の地域であっても、国立大学の附属小・中学校が設置されている場合は、国立中学を経て名門県立高校に進学することがエリートコースとされているケースもみられる。)

このように、中学受験に対する価値観は、各居住地域において中学受験の対象となりうる学校が存在するか否か、によって影響を受ける部分が大きい。

[編集] 受験全般

[編集] 入試制度

私立中学校国立中学校および選抜制の公立中学校(おもに中高一貫校である)、国公私立中等教育学校は、学区制の公立中学校とは異なり、入学希望者に学力試験や運動能力試験などを課し、その入学試験の結果によって合格者のみを入学させる場合が多い。公立の選抜制の学校では学力検査を行なわない建前になっているが、実際には同様の適性検査が実施され、進学塾も検査対策を行なっている。なお、学区制の公立中学校は、入学時選抜は行なわない。

[編集] 利点

日本では義務教育制度があるため、学齢期の日本人であれば誰でも公立中学校までの就学が公的に保証されているが、あえて入学試験を受けて私立中学校等に入学する(保護者がさせる)理由として次の諸点があげられる。

  • 学習内容
    学力に見合った学校に入学することで、それ相応の授業を受けることができる。無選抜で、住所地によって進学する学校が定められている学区制の公立中学校(大部分が市区町村立の中学校である)は、その教育レベルなどの面で必ずしも十分な評価を得ているとは言えず、難関の高校大学への進学実績も振るわないことから、独自のカリキュラムを打ち出す私立中学校等への人気が高い。また私立学校の多くは従前通り土曜日も授業を行い、公立学校との年間授業時数の差が歴然としており、この点からも公立へ進級させることに躊躇する親もいる。
  • 宗教教育
    公立校では宗教教育を受けられないことから、信者家庭にとっては宗教系私立中学校に人気がある。ただし、無宗教もしくは他宗教の家庭でも宗教系学校に入学する事はよくあり、受け入れる学校側もその点は心得ており、宗教行事への列席は求めるものの信仰を強制することはない。事前の説明会でも学校行事の一環として行われていることを強調し、かつそのことを理解した上で志望してほしいと公表している。
  • 高校への内部進学
    入学試験がある中学校の大部分が中高一貫校であるため、公立中学から公立高校へ進学する際に大きな影響がある内申書内申点を気にすることなく、内部進学制度を利用して無試験あるいは外部入試よりも簡単な試験で進学でき、高校受験の負担がないというメリットがある。なお国立中高一貫校の多くも高校まで内部進学可能であるが、国立中学は高校を併設していない場合も多い。ただし内部進学については連携型一貫校ではこの限りではなく、全員が進学できるわけではない。この点はかなり大きな判断材料である。たとえば女子しか内部進学できない国立中学校では、入学偏差値が女子の方が10以上高い(=人気が高い)という例があり、このことからみても高校受験が不要であることは魅力的に見られていると分かる。
  • 大学への内部進学
    多くの私立大学附属校では、高校への内部進学のみならず、大学受験をせずに大学までエスカレーター式に内部進学できるというメリットがある。なお国立大学附属校では大学教育学部の付属研究施設という位置づけのため、現在大学まで内部進学できる制度にはない(変更案あり)。
  • 中高一貫教育
    入学試験がある学校の大部分が中高一貫校であるため、整理されたカリキュラムによる効率的な教育(真の意味でのゆとり教育)を受けられる。詳しくは記事参照。
  • 公立中学に比べて、学校生活で問題行動に巻き込まれにくいこと
    公立中学と異なり、進学時に学力などでの選抜があることや、教育目標故に、公立中学と生徒の層が異なる。このため、少なくとも非行校内暴力と呼ばれるタイプの問題行動には通常巻き込まれない。たとえば、番長タイプの生徒や、校内に暴走族や非行少年グループが乱入することなどへの心配は、通常しなくてもよい。(このため、この種の問題が多発化した時代・地域などではその避難策として私立中学への進学が見られた。)しかし、いじめなど、交友関係のもつれは、人間関係があればありうる問題であり、特に思春期には多いはずである。これは、こうした私立中学とて例外ではないはずである。
  • ブランド価値
    かつての国私立の中高一貫校は、単なる大学入試のためのステップとして位置付けられることが多かったが、近年では国私立校そのものに大学と同様のブランド価値を認める人々が多くなってきた。また私大附属校の中にも、慶應義塾玉川学園青山学院成城学園関西学院などのように、高校以前から入学している方がブランド価値が高いとされる学校も存在する。
  • 卒業後の人間関係・人脈
    優秀な同級生との繋がりは、金銭的なものには代えがたい財産であり、卒業後においても様々な場面で助け合って行ける心強い存在となりうる。大学等に比べると人数の面では小規模であるものの、帰属意識・結束力の面では大学等よりも強いことが多い。学年別や地域別、医師・官公庁・銀行といった職域別の同窓組織を持つ学校もある。

[編集] 課題点

逆に注意すべき課題点としては次の諸点が挙げられる。

  • 教育費
    入学前の通塾費・入学後の学費が、塾に行かずに公立中学校に進学した場合と比べて嵩んでしまう。公称されている校納金の他雑多な出費、任意とうたった寄付金を求められることがある。しかしながら、大学への現役合格率の高い私立中高に比べ、公立学校から大学へ進学する場合に浪人が多いという点がこれを打ち消すと考える人もいる。
  • 受験生への負担
    長期間にわたる通塾は大きな影響を及ぼす。詳しくは試験対策で後述。また、高校・大学受験などと違って浪人することが事実上想定されていないため、必ず合格しなければいけないというプレッシャーは親子共々重くのしかかってくる。万全を期し併願対策を施して複数校を受験したものの、いわゆる全落ちの場合は無条件に地元公立中学進学となり、数年次にわたった受験準備が水泡に帰すことになる。(ただし希望の中学に合格できなくとも、学習した内容自体は、中学入学以降の学習においても役立つ面はある。)
  • 世界観
    学力的・家庭環境的にも同質の生徒が集まりやすいため、異質なものとの触れ合いが少ないという指摘もある。また男子校・女子校などでは異性との自然な交流が不可能である。しかしこれは校風による差も大きい。その一方で、建学の精神を見直し伝統をやぶってまで男女共学化に踏み切る学校も見られる。このことは、生徒に与える世界観を考えての決断といえる。
  • 通学時間
    地元の公立中学に通うのと比べ遠距離通学の場合が多いため、鉄道バスなどを使用し、生活時間の多くを移動に費やすこととなる。見えない学費負担としても大きな割合を占める。
  • 相性
    私立学校はそれぞれに建学の精神があり、独自の教育方針をもち個性が強い。そのためよく調べずに受験し、または逆によく調べその方針に親が賛同し、学校側も受け入れ態勢を整えて迎えているにもかかわらず、子供にあわないケースがある。
  • 登校時の危険
    地元の公立中学に通うことに比べて通常通学時間が増す。このため、鉄道事故交通事故などの事故や通学途上での犯罪(窃盗や女子生徒の場合痴漢など)に巻き込まれるリスクも、地元の公立中学に通うことに比べて増える。地元の公立中学に通う短距離の通学時間でさえこの種の問題があるわけだから、親などはより心配である。ただし、私立中学の制服などで、非行に巻き込まれるリスクは比較的低い。
  • 中学受験対策の学習負担と、出題内容
    中学受験の出題内容は、少なくとも難関校になれば高度である。このため長期間・学習負担の大きい勉強をしないと合格出来ず、そのためもし中学受験をしなければ体験できたであろう、小学校5・6年にできること(遊び・スポーツ・交友など)が制約されてしまう。(ただしこの点は、一貫校であれば高校入試(あるいは大学入試も)を受ける必要がなくなるので、単に受験する時期が変わるだけとの見方もできる。)
    加えて、中学受験の出題内容は、出題内容の「高度」さが評価される反面、情操や社会的弱者への思いやりを醸成するような教育内容ではないことが多く、その意味で問題とする向きもある。
  • 中学入学後に落ちこぼれる危険性
    難関中学であっても、学校内で相対的に学力下位の子供の成績が伸び悩む傾向がある。原因としては、能力中間層に合わせた授業が展開されることが多いこと、高校受験(又は大学受験も)が無いため中だるみ状態になること、集団下位はサボるという動物としての本能、などが考えられる。このため、中学のランクを下げた方が結果的にその後の学力の伸びが大きくなるという逆転現象も珍しくない。2006年6月19日に発生した奈良の医師宅放火殺人事件では、難関中高に通う犯行少年が、学校内でなかなか好成績を挙げられない事により過度のストレスが掛かっていたことも犯行原因の一つと指摘されている。
    ただし、難関中学の優秀な人間の中で揉まれた方がその後の人間の幅が大きくなると肯定的に捉える向きもある。
  • 生徒数
    近年の中学受験熱によって、私立中学はより多くの生徒を受け入れる傾向にあり、1クラスの生徒数が50人近くになることも多い。過密化は集団の活力向上に寄与するが、ストレスの増大にもつながるため、リスク要因として意識する必要がある。

[編集] 情報公開と選別

少子化に鑑み、学校側の情報公開がすすみ、それぞれの独自色をだしては、志願者やその家族の取り込みを競っている。それだけに選ぶ側は複数校に通っては比較検討する目を養い、子供の何に重心を置いて教育したいのか軸足をすえて、数字やうわべに惑わされないように選別することが必要である。

  • 公開する学校行事
    あらゆる機会を設けて学校側は行事を公開し、学校の教育方針をひろめている。ただし非公開の行事もあれば、子供同伴の可否、予約制もあるので事前に確認を要する。
    • 運動会、体育大会
    • 文化祭
    • オープンスクール、体験授業
    • 学校説明会、個別相談会
    • 各種行事(コンサート、クリスマス礼拝等)
  • 学外において
    • 所属私学団体主催または進学塾主催の合同説明会
    • 受験雑誌記事、広告掲載
    • 受験案内書籍、進学実績データ

次の基準もまた選別の目安となる。

  • 男女校か共学校か(共学であっても別学制もある)
  • 伝統校か新興校か
  • 併設高校の有無、および内進要項、ならびに外部募集の有無
  • 大学付属校か
  • 宗教系校か
  • 系列学校の存在
  • 父母参加行事の多寡

[編集] 入試時期

国立校や首都圏以外の学校では1月以前に入試日がある場合もあるが、通常入学直前の2月上旬に入試が行なわれる場合が多い。東京都など一部では私学間協定により入試の解禁日を設定しているため、その直後に集中している。ただし帰国子女入試はより早期に行なわれることもある。なお、複数の日に入試を受けられる学校も多いが、難関校ほど入試日が少ない傾向にある。

キリスト教系の学校では、日曜礼拝の関係で、例年の入試日が日曜になった場合に入試日をずらすことが多く、これによって志願状況などが変わることをサンデーショックという。

[編集] 合格発表

合格発表日は学校によって様々だが、試験当日、翌日、遅くとも3日後には発表される。校内掲示が主だが、IT化に伴い、ホームページにて掲載、携帯電話でも閲覧可と対応している学校もある。中にはファクシミリ電子メールレタックス電報にて個別送信するところもある。試験日は集中してはいるが統一されていないため、辞退者を見込み募集人員から若干多めに、または補欠合格者として別に発表するのが通例である。見込んだ人員以上に辞退者が出ることがあるので、さらに繰り上がり合格者を出すことがあり、それにより入学手続済みの学校で新たな辞退者を生み、順次波及して年度末まで繰り上がり合格者を出していくことがある。逆に見込んだ辞退者が出ず、学級数増で対応し、次年度募集人員を減らす形で翌年の受験に影響することがある。

当日発表の学校の場合は、当日に合否を確認し、翌日以降に他校の受験をするかどうかを判断できる。こういった点でも受験者に対してメリットがあるため、各校は競うように合格発表日程を短縮化しつつある。

[編集] 入学手続

合格発表当日、または翌日から相当の期間を定めて合格者からの入学手続きとなる。難関校ほど、その日数は短い傾向にあり、たった1日間であっても銀行営業時間にあわせて終了というところもある。逆に長期間入学受付けするところもある。まず一時金を納め都内の試験日程にあわせて残金延納可というところもある。 手続きは合格証書他、手続き書類一式を受け取る。入学金その他を学校または指定金融機関に納付し、納付済書を提示して入学希望を申し出ることで完結する。あわせて入学式までの日程の案内を受ける。

発表日と手続日が違う場合、一式書類の受取期限に注意を要する。受取期限をすぎても受領しなかったり、 手続き期間をすぎても入学の手続きをしなかった合格者は、理由の如何を問わず辞退者と見なされ、繰り上げ合格者のように後日入学意志打診の対象となることはない。 他校入学により入学手続き前であっても辞退申し出は奨励されている。手続き後の辞退も同様。受付期間後に生じた繰り上げ合格者には、学校都合であるので別途受付けをする。

これらの方式は学校によりまちまちなので併願受験する場合は移動方法を含め、遺漏がないよう細心の注意を要する。

[編集] 他入試との比較

高校入試や大学入試と異なり、中学入試は不合格になっても必ず公立中学という受け皿があるため(高校・大学も無試験の学校はあるが)、基本的には浪人するという通念はない(小学入試も同様)。ただし、#入学資格過年度生にあるように、一部の中学校では浪人生などの入学を認めている場合もある。

高校入試や大学入試は志願者自身の努力にかかる比重が大きくなるが、中学入試は保護者と志願者の共同作業に近い(一方、小学入試は志願者の意志が希薄なため保護者の努力に重心がある)。というのは、志願者本人の勉学と並行して、保護者によるスケジュール管理や健康管理、塾への送り迎え、志望校選択や出願、子供のモティべーション維持といったふうに中学受験を控える家庭は、家族ぐるみの受験態勢といった様相を呈するのも、他の入試には見られない特徴である。

また、中学入試は大学入試同様にほとんどが学力検査の結果によって合否が決定され、公立高校入試と違って内申書にあたる報告書が持つ力はほとんどない。あったとしても小学校出席率の把握、ボーダー上の参考程度といえる。また、面接も年々廃止する傾向にある。

それから小学校で学習する事項を超えた知識を求めてはいけないことになっているため、高校受験大学受験でしばしば見られる知識偏重の詰め込み型の勉強では乗り切ることが難しく、他入試に比べ努力と結果が結びつきづらい現実がある。

[編集] 試験対策

中学受験で学力中堅校・難関校に合格を目指す場合は、それ相応に学力を高めなければならない。一般的な公立小学校では中学受験対策の授業を行なわない(一部の私立小学校は私立中受験にも熱心である)ため、学習塾予備校に通ったり、あるいは参考書通信教育を利用したりして独自に対策を講じることになる。公立学校の学習指導要領ゆとり教育路線を走っているため、前は公立小学校の授業のみでもある程度は充実した学力が身に付き、中学受験にも対応できたといわれているが、現在はほとんど不可能になっているといわれている。

[編集] 学習塾

中学受験のための代表的な塾としては、日能研(関東・関西・九州)、四谷大塚(関東)、SAPIX(関東)、浜学園(関西・愛知)、希(のぞみ)学園(関西・東京)、河合塾(愛知)、英進館(福岡)などがある。これらの学習塾は進学塾ともいわれ、小学校の学習進度よりも速く進めるカリキュラムを組んでいるのが特徴である。さらに難関校志望者向けに特別なプログラムを用意する進学塾もある。なお、本来の小学校の授業についていけていない場合は塾の選定に注意を必要とする。

中学受験のための学習塾通いで小学校を軽視する、遊ぶ時間や睡眠時間が削られる、夜道を歩くのが危険など子供の生活・成長・安全がむしばまれているとへの批判は絶えない。その一方で、中高一貫教育校へ入学することで思春期を高校受験に振り回されずに過ごすことができるというメリットも指摘されている(学校によっては大学受験も不要)。また、学習塾は授業が楽しくなければ受講者が辞めるので、常に講師の人気を保たなければならず、そのため塾の方が小学校より楽しいと感じる児童も多い。

[編集] 自習

入試対策を行なっている学習塾が近辺にない場合や、費用を節約したい場合は、通信教育や参考書を利用して自習をすることになる。本人の意欲が低い場合は、あまり成果が上がらない方法であるが、自習の力が身に付けば、後々有意義であるというメリットもある。中学受験用参考書は、一般に分厚く、検定済教科書の内容をはるかに超えている。代表的なものとしては「応用自在」や「受験全解」や「特進クラス」シリーズがある。数学の教材で有名な東京出版も算数の参考書を出版している。四谷大塚では「予習シリーズ」という自宅学習用教材を利用しているため、学習塾に通っていても自宅学習をする場合もある。この「予習シリーズ」は四谷大塚に通っていなくても本部で購入することができる。(市販はされていない)

[編集] 模擬試験

通塾であれ家庭学習であれ、身についた学力を測定し、志望する学校への合格可能性をさぐるために模擬試験を利用することになる。模試は、首都圏では全国中学入試センター模試・四谷大塚・日能研・首都圏模試が、多くのシェアを占めている。また、関西では各学習塾が個別に模試を行うことが多い。中学校の入試科目数にあわせて、4科と2科の偏差値を分けて出す模試もある。また6年生には模試ごとに出願先を調査して、学校別の出願動向、偏差値、難易度といったデータを提供している。

中学受験時の模試を受けるのは、小学生のうち受験対策をとっている比較的学力上位層に限られるし、そもそも日本の私立中学校生徒数は6%程度でしかないため、かなり少数精鋭の集団である。しかし高校受験時は、高校進学者・そのうちの模試参加者ともに中卒者の多数を占め、大学受験時も、大学進学者・そのうちの模試参加者ともに高卒者のかなりの割合を占める。そのため、中学受験時の受験生・学校の学力偏差値は、高校・大学受験時の偏差値と比べて低く出る傾向がある。すなわち入学偏差値が40程度の中学校の、併設高校の入学偏差値が50以上であるようなことが多い。

[編集] 過去問題集

中学受験用の過去問は英俊社や声の教育社や東京学参から出版されている。学校によっては実際に使われた試験問題、解答用紙を有償販売または無償配布しているところもある。

中学受験は学校ごとに出題傾向、出題方式の差が大きいので過去問を解いておくことは重要である。過去問と違い模試は、採点の都合上記述問題が少なく、出題分野の偏り、解答方式の違い、といった点からも出来不出来がそのまま志望校の合不合にあてはまるわけではない。

そこで不慣れからくるロスを最小限におさえる効果をねらって、6年後半から志望校や併願校、出題傾向の似た学校の過去問にとりくむ塾・家庭が多い。試験の出題形式、答案の書き方に慣れるために、数年次にわたる過去問を、実際の時間配分にあわせて解く場合が多い。かつて出題された問題がそのまま出題されるわけではないが、よく似た問題が、あるいは出題の仕方・解答のさせ方が繰り返される傾向にある。

ただし、受験本番の緊張や環境までは再現できないことや、配点、採点基準や合格最低点が公表されていない場合も多いことから、過去問の出来によって合格可能性を有意に判定することは難しい。

[編集] 試験内容

[編集] 出題傾向

小学校で学習する事項を超えた知識は求めないのが通常だが、その範囲の中で応用力を問うため限られた知識を最大限に活用させる傾向がある。そのため教科書の内容を理解するだけでなく、解答への糸口を見いだせるよう多面的なものの見方を身につける必要がある。その意味で、トレーニングを受けないことには大学生にも難しいと言われる。最近では、就職に際してのSPIにも似た形式で、知識量を問うのではなく、思考や判断力、作業量や正確さを問うような出題がなされるようである。

文部科学省が私立学校に対して学習指導要領を逸脱しすぎないよう要請し、中学校側も小学校で学習している範囲にて出題していると公言しているが、公立小学校のテストで毎回100点を取れる生徒でも塾や参考書で受験対策をしないと、中堅校であっても合格は難しい。

一般的なイメージと異なって、最難関校を中心に、かなりの思考力・潜在能力を問う問題が多くなってきており、それを学ぶことを中学入試のメリットとする論者も増えてきた。

[編集] 国語

国語漢字、語法、ことわざなどの基礎的な国語力を問われるほか、読解力を見る長文読解問題が出題される。長文問題は指示語など、文章の要旨に関する出題が多い。アドミッションポリシー、すなわちどんな生徒に入学して欲しいか工夫しやすい科目であることから、工夫を凝らした出題をする学校が見うけられる。近年、有名作家の文を使用した入試問題をそのままHPや過去問集に掲載したとして、複数の会社の出版物などが問題となった。大学入試顔負けの記述・論述問題も散見される。かつては、麻布武蔵といった超難関校でのみ記述問題が出題されていたが、近年では記述問題を出す学校が急増し、入試に占める国語の重要性が高まりつつある。また、大学入試と比較して、物語文が中心であることも特徴的であるといえる。

[編集] 算数

算数は実力・点数の差が付きやすいと言われ、難度の点でも話題に上ることが多い。上位校では出題傾向もまちまちだが、おおまかに、問題数が多く、正確さとスピードが重視されるタイプの学校と、応用問題のみ数問の出題の学校とに分かれる。

文章題は、小学校では方程式を習わないため、それを回避しながら入り組んだ問題を解かせるものになる(方程式を使わずに回答するという制限を付けると、大人には逆に難しい)。 連立方程式の解法を小学生のうちに学習しておくと有利になることもあるが、中学入試においては、方程式による回答は逆に時間がかかることも多い。

中学では方程式を導入する際、方程式を立てさえすれば、あとは問題の意味を考えなくても自動的に答えが出るという問題を与え、方程式の有用性を強調するが、受験算数では、問題の意味を最後までひきずりながら解かなければならない問題も多く、方程式を使うと意味がたどりにくくなる。 東大入試数学を小学生向けに翻訳したような問題がちらほら出ていてる。 将来難関大学を受けようとする小学生は、中学受験をしなくても、余力があれば取り組むのもよい。

  • 計算問題
    • かっこのある計算
    • 四則混合計算とその逆算
    • 計算パズル
      • 小町算もどき
    小町算とは、小野小町が、言い寄って百夜通いをしていた深草少将の死を悼んで考え出した計算といわれ、12345689の数字に四則などの演算記号やかっこを挿入して計算結果が100(99という説もある)になる計算式を作る問題。
    挿話の出典は世阿弥浄瑠璃による架空のものであるとする説がある。
    転じて,いくつかの数字に演算記号やかっこを挿入して与えられた数にする問題を小町算と称する,あるいは区別して,小町算もどきと称する。それに従えば,小町算は中学入試にはほとんど出ないが,小町算もどきはしばしば出ている。
    関連 
    百夜通い(ももよがよい)
    √2の暗記法 1.41421356(一夜一夜に人見頃)
    通い婚
      • 魔方陣
    魔方陣とは,正方形の数表で、縦、横、対角線のいずれの列に並ぶ整数の和も等しいものが基本である。3×3の型を3方陣、4×4の型を4方陣、……という。また、対角線については問わないものや整数のかわりに分数であったり、和のかわりに積であるといった変則的なものも出題されることがある。
      • 魔方陣もどき
    魔方陣もどきとは、いくつかの円が重なり、円周や円どうしによって生じる交点に空欄を置き、空欄に数字を補充して、各円周上に並ぶ数の和を一定にする問題。形状はさまざまのものがある。
      • 虫食い算
    四則計算式や、四則計算の筆算における,数字の空欄補充の問題。中には見かけよりも高度な問題もある。
      • 覆面算
    虫食い算における空欄のかわりにアルファベットやカナなどの文字を使い、同じ文字は同じ数字、異なる数字は異なる数字に限定したもの
    中国の覆面算は当然ながらカナを使わず漢字を使う。アルファベット、かな、漢字のいずれの場合にも、それがある意味を持つ場合のものがある。
  • 文章題
    • 数論
      • 整数の性質
    公約数,公倍数に関する問題や、特定の整数の特別の性質について解く問題など。
      • 約束記号
    演算についての基本問題という見方もできなくはないが、受験生にとって、ほとんど、単に目先の変わった計算と映るようであり、事実そのような認識で解ける。
    あみだくじの横棒はその1つ1つが互換にあたり、数や文字の置換と同じことである。かって30年前には数や文字の置換がそのまま出題されたことがあったが,昨今は出ていない。けれども、あみだくじは時折出ている。2つは本質的には同じものである。
      • シャッフル算
    カードのシャッフルは、枚数によって周期が異なるが、その枚数と周期の関係を問うなどの問題。
    中学入試では1982年に麻布中に出たものが初出とされる。2002年に東京大学で出たことを受けて、2004年から中学入試に再浮上してきた。
      • ままこ立て
    継母の子と先妻の子を混ぜて環状に並ばせ、10人おきに取り除いて最終まで残って物を後継者にするというもので、最後に残る者を選ぶとか特定のものが残る数え方を問う問題。江戸時代の有名な塵却記や徒然草にも出てくるが、室町時代の書にも、僧がある家でもらった猫の置物を道すがら遊んでいた子を環に並べて、いくつかずつに数えながら順次環から出して最後に残った子に与えたという風聞が載っているなど出典は特定できない。西洋ではヨセフスの問題ともいわれている。
    中学入試では環状に並べた碁石を1つおきに取り除くとか、1山に積みあげられたカードを上から1枚ずつ捨てる、1番下にするを交互に繰り返し、最後に残る者を問うという2形態で出る。
    素数の判定法(ルカステスト)で有名で数論のリュカ(日本語では書物によってルカとかルカスとかルーカスと表記されることもある。)によって作られたパズル遊具。このパズルにまつわる由来も彼の創作である。話に出てくる地名や名前に,その話が創作であることがわかる仕掛けが含まれている。
    ハノイの塔の数理は2進法を使って解析することができる。
    • 規則性 ( 受験算数における )
      • 等差数列
      • 等比数列(受験算数における)
      • 図形数(三角数、四角数、五角数、矩形数,三角錐数)
        • 三角数
    1からの自然数の累加 Σk 四角数と矩形数の和
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        • 四角数
    1からの奇数の累加 連続する2つの三角数の和 
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        • 矩形数
    2からの偶数の累加 三角数の2倍
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        • 三角錐数
    三角数の累加(連続する3つの整数の積の1/6)
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      • フィボナッチの数列
    フィボナッチの数列とは、前の2項の和がその次の項になる次のような数列を言う。
    1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233,……
    フィボナッチが自書『算術の書』にうさぎの増え方を例にとり説明している。この数列は生物の増え方にさまざまな局面において見られることが知られている。
    関連
    黄金分割
        • 中学入試では、次の形態で出題される。
    1.数列そのものを、空欄補充の形で問うもの
    2.うさぎ算 うさぎや架空の微生物やロボット生産ロボットなど、自己増殖のものの増え方に関して問うもの
    3.連絡網の伝わる時間
    4.階段のぼり 階段を1段ごとに上る上り方と、1段とばしの2段のぼりとを混ぜて上るときの上り方の総数を問うもの
    パスカルの三角形は、碁盤の目の道路のある特定の始点から碁盤の筋に沿って、格子点まで行くときの最短距離の場合の数を問う問題として古くから出ていたが、パスカルの三角形そのものが出はじめ次第に大きいものも出ているのが現状である。
    また、パスカルの三角形はその中に2などの剰余で塗り分けると、シェルピンスキーのギャスケットと呼ばれるフラクタル模様が現れるが、そのことを下敷きにした問題も出ている。
    また、道順の問題で複雑な幾何学模様を経路の問題が出ることがある。結果的に方眼経路に帰着されるが、一見複雑なものなども灘中など問題でときおり見受けられる。
    東京大学でパスカルの三角形の問題が出題されることがあるが、その中でも要約しにくい問題が出たことがある。灘中は翌年その問題を架空の生物の殖え方を考え方のモデルとして出題したが、同大の問題を見事にわかりやすく示した逸品となっている。
    パスカルの三角形はまた、三角数、三角錐数などとも関連し、フィボナッチの数列、モーザー数列とも関連する。
    パスカルの三角形は、パスカル以前にも各国で発見されていたことを多くの書物が指摘している。
  • 場合の数
  • 図形問題

[編集] 理科

理科は実験・観察に関する出題が多い。単に結果や知識を暗記するだけではなく、なぜそうなるのか、こう仮定するとどうなるのかを問われるため、体系的な理解、筋道を自らたてて判断する力が必要となる。また図表を読み取る能力、そこからさらに計算する力も問われる。高校受験レベルを超えた力量が求められ、かつ、化学物理生物地学の4分野をまんべんなく押さえる必要があるため、最も難しい科目であるとも言われる。目の前にある物を観察するというユニークな出題をする学校もある。

[編集] 社会

社会地理歴史公民から満遍なく出題される。特に時事問題の出題が多い。また最新統計から、産地、作物、相手国を推察させる問題が出る。地理の問題からそこを舞台とした歴史を問い、さらに現在の社会の仕組みと結びつけるなど、複合的な出題が見受けられる。 社会の一単位としての家庭が、社会にどういう目を向けているのか、日頃から新聞テレビニュースなどの話題に関心をもたせ社会性をどう涵養しているのか、そういった意味での家庭のありようが問われている側面がある。 世界史などの部分を除き、大学入試顔負けの出題がされる。ここでもやはり麻布武蔵などの超難関校は高いテーマ性を持った論述問題を出題するが、最近は中堅校でも記述式・論述式の出題が増えつつある。

地球上の直線,すなわち大円について問う問題。円形地図などさまざまな地図は,位相幾何学としての算数以上に高度な数学的感覚を要求される問題も出ることがある。

[編集] 英語

現段階では少数派であるが、桜美林中学校のように選択科目として入試に課す中学校があり、将来的に増加するものと思われる。児童英検各級から英検5~3級程度にまで及ぶ出題がなされている。

[編集] 科目・配点

4科目を課す学校、国語・算数の2科目だけを課す学校、4科目と2科目を選択できる学校がある。3科目、1科目の中学校もある。4科目の得点を均等に加算して考慮する学校も、国語・算数は100点満点、理科・社会は50点満点とする学校もある。また下記の学力以外の要素を判定に加味する学校もある。かつては算数・国語のみで受験できる学校も多かったが、近年では4教科受験が一般的となっている。

[編集] 学力以外の要素

  • 実技試験
    体育(例:マット、短距離走、球技)
    音楽(例:放送で流された音を配られた紙に音符にして書く。)
    美術(例:配られた折り紙で形を作り、それを別に配られた紙に描く。)
  • 面接
    実施する学校によって親子面接、志願者・保護者別の面接、志願者のみの単独・グループ面接などがある。
  • 志願理由
    子供が(または保護者が)なぜこの学校を選び志望するのかを記載する。出願時または受験時に提出。面接時にその内容を確認することがある。
  • 抽選
    国立中学では応募者が多すぎる場合には抽選を実施する。実施時期は、第1次選考と称して学科試験の前に行う場合と、学科試験等によって選抜した後に行う場合とがある。
  • 報告書、通知表のコピー
    報告書は、小学校に依頼して担任が作成する書類であり、高校受験のときの内申書に相当する。中学校独自の様式もあれば、地域で統一した様式もある。厳封したまま志望校に提出する。通知表のコピーで代用できる場合も多い。これは欠席日数や成績を確認するためのものである。受験率の高い地域にあっては短期間に仕上げなければならない担任の事務負担が高い。一部には、中学受験に反感を持つ小学校教員が報告書や通知表に悪く書くことを心配する向きもある。この二つは不要の場合もある。

[編集] 関連項目

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[編集] 外部リンク

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