仮面浪人
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仮面浪人(かめんろうにん)とは主に、滑り止めの大学には合格したものの、入学を最も希望していた大学には落ちたという場合に、合格した滑り止めの大学に入学・在籍しながら、それとは別の希望する大学(ほとんどは在籍している大学よりも受験偏差値で上位の場合が多い)の入学試験のための勉強をしている状態にある学生受験生のこと。
「仮面」とは、滑り止め大学に在籍し学生の仮面を被っている立場を指して言い、「実質的には浪人」のためこう表現する。
合格した滑り止めの大学に入学せず、純粋に浪人した場合、次年度の入試で第一志望の大学はおろか、滑り止めの大学にすら不合格となってしまって、受験した大学のどこにも入学できなくなるというリスクを回避するために行われる。
なお、在籍中の大学で一定の単位を取得している場合は他大学に転学や編入学ができる。
大学に比べれば数はかなり少ないが、高校などでも仮面浪人は存在する。難関大学への進学を予定しているが、地元に進学実績の高い高校が少ないため入学が厳しい争いになる場合、滑り止めで受かった高校に通いながら目標高校の合格を目指すという事が行なわれる。
[編集] 仮面浪人の拡大
最近では、大学院の博士後期課程受験に失敗した修士課程修了者が、聴講生や研究生の資格で大学院の授業に参加しながら翌年の合格を目指すことや、公務員になって職場に適応できず在職のまま公務員試験を受験し続けるようなことも仮面浪人というようになっている。
[編集] 仮面浪人経験者
- 石川淳(作家) - 慶應義塾大学で仮面浪人して東京外国語大学へ
- 井上ひさし(作家) - 上智に在学しつつ弘前大学医学部と岩手医科大学を目指すも挫折
- 小沢健二(歌手) - 早稲田大学で仮面浪人して東京大学へ
- 菊池寛(作家) - 明治大学・早大で仮面浪人して一高へ
- 小柴昌俊(物理学者) - 明大で仮面浪人して東大へ
- 佐藤忠志(予備校講師) - 立教大学で仮面浪人して慶大へ
- 菅沼栄一郎(朝日新聞記者) - 慶大で仮面浪人して東大へ
- 山口昌男(文化人類学者) - 青山学院大学で仮面浪人して東京大学へ