ビックカメラ
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ビックカメラ(Bic Camera)は、東京・池袋を中心に全国に展開している家電量販店、又はこれを運営する株式会社ビックカメラ。群馬県高崎市が発祥の地。2006年9月現在、24店舗で営業中である。
目次 |
[編集] 概説
種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 東京都豊島区高田三丁目23番地23号 |
設立 | 1980年11月21日 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | 音響映像、家庭電化商品及び情報通信機器商品等の物品販売事業 |
代表者 | 新井隆二 (代表取締役会長) 宮嶋宏幸 (代表取締役社長) |
資本金 | 16億2327万円(2006年7月現在) |
売上高 | 4331億8601万7000円(2005年8月期・連結) |
従業員数 | 4534名(2006年5月・連結) |
決算期 | 毎年8月31日 |
主要株主 | 新井隆二98.8%(上場直前の時点) |
外部リンク | www.biccamera.com |
特記事項:ビックカメラ・有楽町本館 (読売会館ビル)設計者 村野藤吾
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1978年、高崎東口店及び池袋北口店で創業。当初はカメラ専門の量販安売店であったが、競合店のCM戦略を見習い、あの有名な「○割・○割引は当たり前」のフレーズが誕生、インパクトあるCMが、ビックカメラの「代名詞」と成って消費者に浸透し、その後、家電・パソコン、酒類、ゴルフクラブ、寝具、高級ブランド品、自転車、ホビー・玩具など拡大、現在では家電量販店の中では随一の多彩な取り扱い品目量を誇る規模になった。
1994年、パソコン需要の高まりのニーズに早くから着目した、「ビックパソコン館」を設立し、ビックカメラ内のパソコン販売部門を強化、販売員のスキルアップ教育など行う。1997年、Windows95販売以降のパソコン需要拡大に対応する為、パソコン本体・周辺機器自作PCパーツの独立店舗専門店、ビックパソコン館「池袋本店、新宿東口店、新宿東南口店」3店舗をオープン(新宿東口店、新宿東南口店は撤退)、その後も精力的に出店(横浜・天神)していたが、2000年以降のパソコン販売単価の下落、PC本体の販売数鈍化を受けて売上げ・利益率低下に歯止めが掛からないと判断し、2003年ビックカメラが吸収合併する。この辺の経営判断の早さが傷口を広げず、現在も出店攻勢を続けるビックカメラの強みである。
2001年、経営再建中のそごうが撤退した、「読売会館」を読売グループの上層部と交渉の上賃貸契約が成立、現在のビックカメラ旗艦店「ビックカメラ有楽町店」(現:ビックカメラ有楽町本館)をオープンさせた。当時のマスコミは「老舗の百貨店凋落し、家電量販店が超一等地の有楽町へ出店・台頭した一例」として大きく報じた。他に「札幌そごう跡地」(現:ビックカメラ札幌店)、「大宮そごう」「新宿小田急百貨店ハルク別館」にはテナントとして(大宮店・新宿西口店)出店している。現在では、競合店であるヨドバシカメラを激しく追い上げる規模まで成長し、更に激化した「ヨドバシ、ヤマダ、コジマ」との出店競争、メーカーとの販売台数マージン、卸値の好条件を維持する為にも必須な拡大路線=新規出店を続けている。
- 独特のCMソングに乗せた大量のテレビCM、ポイントシステム、店舗の立地条件などの点で、ヨドバシカメラ同様の経営戦略・メディア対策の指向を持つ。テレビCM等においては、「聖歌#687(新聖歌#475)」の替え歌(札幌・池袋・横浜・名古屋・大阪なんば・福岡天神の6種類)が使用されている(尚、関西で展開しているカメラのナニワも、同じ曲の替え歌を用いている)。
- 「ビック(Bic)カメラ」を「ビッグ(Big)カメラ」とする誤用が多くみられる。しかし、1997年に放送された同店のテレビCMにおいてこの誤用にヒントを得た駄洒落として「大きな亀(=ビッグカメ)」が出てきたことが更なる誤解を助長させた事もあり、誤用者に対してのみ、その責を問うのは難がある。なお、「ビック(bic)」とは英語の方言で「(外見だけでなく中身も)大きい」の意である(元はbig)。創業者の新井会長が、バリ島を訪れた際に現地の子供たちが使っていた「ビック、ビック」という言葉に、「偉大な」という意味があると聞いて社名に使った。
[編集] 沿革
- 1968年3月 - 新井隆二が株式会社高崎DPセンター(群馬県高崎市中大類町)を設立。
- 株式会社高崎DPセンターのカメラ販売部門を分離して、株式会社ビックカラーを設立。
- 1978年 - 高崎東口店を開設。
- 1978年4月 - 株式会社ビックカラーから株式会社ビックカメラ(高崎)に社名変更。
- 1978年5月 - 東京支店(後の池袋北口店)開設。
- 1980年11月 - 株式会社ビックカメラ設立。株式会社ビックカメラ(高崎)東京支店を引き継ぎ、池袋店(後の池袋北口店)とする。
- 1992年9月 - 池袋本店を開設。
- 1994年10月 - パソコン販売部門を分離して、株式会社ビックパソコン館設立。
- 1999年8月 - ビックカメラを筆頭株主とする日本ビーエス放送企画株式会社設立。
- 1999年12月 - 日本ビーエス放送企画株式会社が日本ビーエス放送株式会社に社名変更。
- 2001年1月 - 立川店を開設。
- 2001年4月 - 株式会社ビックパソコン館が商号を株式会社ビックピーカンに変更。
- 2002年8月 - 株式会社興和(旧株式会社ビックコンタクトレンズ)を吸収合併。
- 2002年9月 - 池袋西口店を開設。(池袋北口店を移転)
- 2003年5月 - 株式会社ビックカメラ及び株式会社ビックピーカンが合併。
- 2005年1月 - 本店所在地を東京都豊島区西池袋から豊島区高田に移転。
- 2005年8月 - 株式会社ビックカメラ(高崎)から株式会社ビックカメラに営業譲渡して、グループの経営効率化。
- 2006年2月 - 株式会社ソフマップを連結子会社化。
- 2006年7月 - 新株式発行及び株式売出決議・有価証券届出書提出(7月12日)を行う。
- 2006年8月 - ジャスダック証券取引所に上場。(8月10日)証券コード3048。
- 2006年9月 - TBS(東京放送)に対し3.2%の株式を取得。それに従いラゾーナ川崎店内にTBSストアを新設し今後他の店舗も出店する方針。
- 2006年9月 - 有楽町店本館5階にアップル「Mac Shop」1号店開設。
- 2006年9月28日JR川崎駅前ラゾーナ川崎に川崎店開設。
[編集] 店舗
[編集] 東京23区
- 池袋
- 新宿
- 渋谷
- 有楽町
- 有楽町本館 (旧有楽町そごう)
- 有楽町店別館 (旧「TAKARAZUKA1000days劇場」→ソフマップ有楽町店)
[編集] 関東地方 (東京23区を除く)
[編集] その他
- 名古屋駅西店 (旧生活創庫名古屋駅店)
- 京都店(仮称) - 2007年夏開設予定
- 岡山店(仮称) - 2007年秋開設予定(岡山会館ビル・旧ホテルニューオカヤマ)
- なんば店 (旧カテプリなんば ←プランタンなんば← 千日デパート)
- 札幌店 (旧札幌そごう)
- 天神1号館
- 天神2号館
[編集] ビックカメラのサービス・特徴
[編集] 販売スタイル
- 活気ある会社ランキングNo.1
- ビックカメラの最大の特徴、日本経済新聞社の活気ある会社ランキング2002年から2004年「3年連続No.1」を象徴している要因が、店舗入口や店内で販売員が行っている「声出し」・「呼び込み」の接客スタイルにある。店頭出入り口付近でのマイク・拡声器などを使った呼び込みはCMソングが大音量で流れる中、「特価セール商品・各階フロアーの案内・他店より高いお品が御座いましたらお近くの販売員までご相談下さい」などを繰り返し連呼している「にぎわい感」の姿が、いい意味で消費者に「活気がある」印象付け・イメージ作りには大いに貢献している部分であり、対照的に負のイメージとしては、店頭商品を選ぶ際には「うるさい・ちょっと耳障りで落ち着いた商品選びが出来ない」などの点も指摘されている。
- 専門販売員
- より詳細な商品特徴・情報を求める・購入検討している「お客様」を対象に、販売部門別に商品知識が豊富(洗濯機、冷蔵庫、ドライヤー、髭剃りなど各分野に精通させた専門職育成)で研修実績・経験が長い人物を「専門販売員」として配置している。右腕に緑色の腕章を付けている販売員が目印。腕章をしていない、一般の販売員も一定の商品知識・新製品販売に関する研修、勉強会など実施している。
- まとめ買いアドバイザー
- これから1人暮らしを始めるので家電一式揃えたい、結婚のブライダル一式、法人向け備品・景品等のまとめ買い需要に応える「まとめ買いアドバイザー」制度を、現在9店舗で導入している。「電話での事前予約が可能」各階にある商品をお客の予算に合わせて各販売フロアーを一緒に案内して「お買い物」トータルコーディネートを行う。
- カレンダー配布
- 毎年12月上旬に日本地図が描かれたカレンダーを配布している。カレンダーには十二支や六曜をはじめ、月の名前の由来、日本とほぼ同緯度にある世界の都市などの豆知識が事細かに書かれており、毎年このカレンダーを取りに来る客も多い。また、各都市の地下鉄路線図も掲載されているが、ビックカメラの店舗が存在する都市のみ(店舗がない仙台、神戸は掲載されていない)となっており、地図には店舗の所在地が記されている。2007年版には出店が決まっている京都の地下鉄路線図が追加掲載された。
[編集] クレジットカード
括弧内は、発行するクレジットカード会社を示す。
- ビックカメラSuicaカード (東日本旅客鉄道株式会社)
- 現在、首都圏の店舗ではJR東日本、東京モノレール、東京臨海高速鉄道が発行するICカードSuicaによる支払いができる。(いわゆるSuicaショッピングサービス加盟店。ただし、Suicaの入金上限額が20,000円なので、大型家電商品の購入には不便な点がある。)さらには、JR東日本とビックカメラと共同でビックカメラSuicaカードの発行もしており、JRと本格的な提携を結んでいる。
- ビックカメラSuicaカードに関する詳細は「ビックカメラSuicaカード」を参照。
[編集] CM
- 下記に代表的なビックカメラのCM提供番組に関するエピソードのみ記す。
- テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」では全国ネットのナショナルスポンサーとなっている。その際、テレビせとうちなど放送エリアに店舗のない局では、企業そのもののイメージCMまたはインターネットショッピング「ビックカメラ.com」を流している。
[編集] 関連会社・事業部
- (株)ビック・トイズ - ビックカメラ店内にて玩具類の販売
- (株)生毛工房 - ビックカメラ店内にてオーダーメイド寝具受注・高級羽毛寝具類の販売
- (株)ビック酒販 - ビックカメラ店内にて酒類などの販売
- (株)ビック・スポーツ - ビックカメラ店内にてゴルフ用品、自転車、健康器具類の販売
- (株)東京サービスステーション - 家電類の修理、エアコン設置、アンテナ設置などの事業
- 日本ビーエス放送(株) - ビックカメラが出資するBSデジタル放送の衛星専門放送事業者
- (株)ソフマップ - ビックカメラが出資する中古・新品パソコン、PC関連販売の量販店
- ビックカメラコンタクト事業部(略称:ビックコンタクト)
- 眼鏡、コンタクトレンズ類の販売、無料視力測定などを行っている。店舗は主に、ビックカメラ店内のテナントとして入居(単独店舗も存在する)しており、ビックカメラのポイントカードも利用可能である。
※日本ビーエス放送についての詳細は同項目を参照。
[編集] 過去のエピソード
- なんば店開店時に店舗前の道路を勝手に「ビックカメラ通り」と命名し、CMなどで宣伝をしていた。この行為はただでさえ東京資本に抵抗のあった難波地区の感情を逆撫でしてしまい、多くの抗議を集めてしまった。このため、「ビックカメラ通り」の使用をやめ、イメージを回復させるため「好きやねん大阪」と付け足したCMをしばらく流していた。
- 創業時の高崎駅西口店(現在は東口店のみ現存)はユニークで奇抜な宣伝戦略を行っており、当時の新聞折り込みチラシには、カメラメーカー名や、商品名を故意に誤植にして、「このチラシ内に、誤字があったら店舗までおいでください。」と書いてあり、店舗に行って誤字を指摘すると粗品を進呈していた。1978年高崎駅東口に新規開店した際には、建物の外壁の色がハデ過ぎて、目がチカチカする等の苦情が寄せられた。
- 天才・たけしの元気が出るテレビ!!(日本テレビ)で、全身ペンキまみれの芸人(林家ペー)が、クレーンのフックにぶら下がり、未完成の文字が書いてある店舗建物に衝突し文字を完成する内容。収録に協力していた関係で1980年代当時のビックカメラを見ることができる。この模様はDVDに収録されている。
- かつて、毎日新聞社と共同でインターネットサービスプロバイダ「Webnik(ウェブニック)」を運営していた。
[編集] 関連項目
- 家電量販店
- 新井隆二(代表取締役会長)
- 自宅(練馬区)には温泉が湧いており、東京都で初の個人用温泉である。第95回東京都自然環境保全審議会議事速記録
- 協賛パートナーとしてペナントレース・日本シリーズの優勝記念セール、優勝逃した場合には「応援感謝セール」を実施している。以前はそごうが協賛パートナーとして優勝セールを実施してたが、そごう倒産後撤退。変わって2001年のビックカメラが有楽町本館出店以降毎年実施している(ビックカメラ有楽町本館には読売ジャイアンツグッズ常設販売店がある)。
[編集] 参考文献・書籍
- 『ビックカメラ 日本一活気ある会社の社長が社員に毎日話していること』 三笠書房編 ISBN 4837921078
[編集] 外部リンク
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