ソフマップ
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ソフマップ(Sofmap)は、パソコンなどを中心に販売している量販店チェーンストアである。または、これを展開する株式会社ソフマップ。
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[編集] 概要
東京秋葉原を中心に全国で34店舗(2006年3月27日時点)を展開している。
1982年に設立され、東京都新宿区高田馬場にある貸しビルの7階でパソコン用ソフトウェアの会員制レンタル事業を開始。秋葉原、渋谷にも店舗を展開するが、1984年に同業の違法性が強く問題視された為に撤退。パソコンの中古ハードウェア販売、ファミコン・ソフトの買取、販売に業態を転換し、店舗を秋葉原に集約した。現在の主要業態は、パソコン関連を中心とするデジタルグッズの専門小売業となっている。中古パソコン関連の買取および販売も行っている。中古事業に関しては、フランチャイズ展開もしている。各種テレビゲームの販売等も行っている。
当初は秋葉原・大阪日本橋の小型商業ビルに居を構え、商品展示は行わずその分廉価に販売する「箱売り」業態を得意としていた。そのため1986年より商品価格をリスト掲載したフリーペーパーソフマップタイムズ(後のソフマップワールド、有料化後はソフマップワールドハイパー→ソフマップドットマガジン→ソフマップデジタルバイヤーズ、2005年3月号で休刊)を大量に発行し、独自の「新品5年保証」、創業時からの得意分野であるパソコン中古買い取りの3本柱で他社との差別化を図っていた。その後、Windows95発売に端を発するパソコンブームを見越し、大幅に増床して初心者向けの展示販売に力を入れることとなり1993年の秋葉原1号店シカゴ、1994年の大宮を皮切りに大型店舗GIGA STORE店の出店を加速する一方、東京八重洲・池袋などではコンピニ業も行うなどの多角化を行った。
1997年夏、「ソフマップが光通信からの資本導入に失敗し、9月16日に倒産する見込みである」というパソコン通信の書き込みに端を発するチェーンメールが広まり、この情報を信じた顧客がルピー(同社が提供するポイントサービス)を取り付ける騒ぎが起こった。この風評騒ぎはメールで指摘された9月16日にソフマップが倒産しなかった事や、チェーンメールの内容に基本的な事実の誤り(ソフマップ本社の位置や光通信から導入しようとした資本金額など)を指摘し、事実無根の内容であると公表した事から収束に向かった。この風評は銀行の貸し渋りにまで発展し、結果として同社の経営に大きなダメージを与えたが、この経営危機も丸紅の資本参加を受けて改善した。
その後はパソコンの価格下落、中古品の商品サイクル短縮による流通性や収益性の低下や家庭用ゲームの販売不振などの要因が重なり、経営は低落傾向に陥っている。主力の東京秋葉原・大阪日本橋両地区はフロアの狭い店舗が多く、逆に地方ではフロアが広すぎて持て余すなど、店舗の非効率さも足を引っ張る要因となった。郊外に進出する家電量販店に対抗して初心者向けの展示販売に路線を切り換えたものの、ソフマップは店員のほとんどがアルバイトであるため、接客態度や商品説明の知識に関して店員ごとのバラつきや難があった。このため、サービス面での見劣りが目立つようになってきた。一方で、ソフマップカードの導入によるポイント付与もあって、箱売り当時の「激安」という状況からは遠ざかり価格面での優位面も崩れ(他店と価格比較できるソフマップワールド誌の無料配布は、1997年で終了)、中途半端な状態にさらされている。
その後2005年に丸紅が株式の一部をビックカメラへ譲渡したため、同社と提携する事となった。2006年に株式の61.56%をビックカメラが取得、ソフマップはビックカメラの連結子会社となった。この資本提携によって不採算店の閉鎖、同社のノウハウの蓄積があるリユース事業のテコ入れなど、リストラを進行中である。
テーマソング「HELLO,SOFMAP WORLD(山川啓介作詞、林哲司作曲)」は、ヨドバシカメラなど同業他社のテーマに比べてアップテンポで刺激的なため、しばらく店内にいると耳から離れなくなる洗脳ソングとして有名であり、後に8cmCDも発売された。店内で流れる同曲には、日本語版のほかに英語版・中国語版・韓国語版などが存在したが、CDに収録されたのは日本語版と英語版のみであった。
[編集] ビックカメラ傘下での再建
2005年からビックカメラと提携して業績改善に取り組んでいたものの、改善が見られないことから2006年2月にはさらに一歩進んだビックカメラとの資本・業務提携を締結。第三者割当増資による新株発行でビックカメラが61.56%を取得する親会社になった。この提携により、中古品ビジネス、仕入れ・店舗展開の協力、プライベートブランドの共同開発などの事業分野での提携が進むと見込まれている。
増資により、デフレや競争激化により売り上げが低迷している店舗を2006年から順次閉鎖している(以下参照)。
その一方で、パソコン(PC)・PCソフト・DVDソフトの中古商品買取は強化し、3月1日からビックカメラ店舗内にソフマップ買取センターを開設している。現在、新宿西口・池袋・大宮西口・有楽町・柏・なんばのビックカメラの店舗内にある。
また、主力の秋葉原地区において、ヤマギワ本店跡地のビル(現在建設中)に入居することを発表した。フロアにはアルバイトに代えて専門知識を持つ店員を配置し、商品説明に重点を置くことを発表している。
[編集] 沿革
- 1982年4月 - パソコンソフトのレンタル事業を目的として、有限会社ソフマップ設立。東京都新宿区高田馬場にて店舗を開店。
- 1983年 - 秋葉原1号店(現14号店)開店。資本金3,000万円で株式会社ソフマップ設立。
- 1984年 - 新品・中古パソコン販売への業態転換。
- 1985年 - 大阪日本橋に出店。
- 1992年 - 株式の額面の変更を目的に株式会社ソフマップに合併。
- 1994年 - ソフマップカード会員制度・ルピーポイント制度開始。初の大型店GIGASTORE大宮店オープン。
- 1995年3月: ソフマップ・エフ・デザイン株式会社(後のドリームテクノロジーズ)設立
- 1995年 - 有償保証制度・「ソフマップワランティ」開始。
- 1997年 - ソフマップカード会員100万名突破。
- 1999年 - 角田無線電機の「本店」及び本店内隣接の「エックスワン」を譲り受け、「カクタソフマップ」開店。
- 2000年 - ソフマップ・ドットコム設立。
- 2001年 - 東京証券取引所市場第二部に上場(証券コード2690)。
- 2002年 - 子会社であるソフマップソフトがヤマギワソフトからソフト関連事業に関する営業を譲り受け、東京物流センター・中古事業リユースセンター統合。
- 2003年 - 大阪物流センター・中古事業リユースセンター統合。
- 2004年 - 中古パソコンの商品化における国際標準規格ISO9001認証取得。
- 2005年 - 筆頭株主である丸紅がビックカメラに株式を一部譲渡。それにより筆頭株主がビックカメラ(19.84%)に(丸紅13.89%)。ビックカメラと資本・業務提携に関する覚書を締結。
- 2005年12月21日 - 通信販売事業ソフマップ・ドットコムのホームページのリニューアルに失敗。1週間以上もの間アクセス不能となり、リニューアル後には商品が2000年1月1日着になっていたりと、リニューアル失敗によるトラブルが続発。
- 2006年2月28日 - 株式の第三者割当増資により、ビックカメラが株式の61.56%を取得して同社の連結子会社に。
[編集] 店舗
※印は、近隣にビックカメラがある店舗。太字は大型総合店舗GIGA STORE店。
[編集] 東京
[編集] 関東
[編集] 中部
- 名古屋駅ナカ店 ※
[編集] 近畿
- 京都店 - 現在入居している近鉄百貨店京都店(プラッツ近鉄)が2007年2月に閉店しヨドバシカメラの店舗となるのに伴ない、2006年12月末に現店舗を閉鎖し、2007年1月末頃に京都駅八条口アバンティ内に移転する予定(なお2007年夏頃にはビックカメラが京都駅ビルの西側に出店予定)。
- 四条河原町店
- 梅田店(大阪駅梅三小路内)
- 天王寺店(ステーションプラザ天王寺5階)
- なんばザウルス1号店 ※
- なんばザウルス2号店 ※
- 日本橋1号店 - でんでんタウン。
- 日本橋2号店 - でんでんタウン。
- 神戸店 - 神戸ハーバーランドのHa・Re5F。
[編集] 閉店店舗
- 高田馬場本店(マンションの一室で営業していたソフトレンタル店。1984年限り)
- 渋谷店(渋谷区桜ケ丘のマンション(ワンルーム)の一室で営業していたソフトレンタル店。1980年代前半限り)
- モザイクモール港北店(都筑阪急内にあった)
- 秋葉原3号店(2006年5月14日限り)
- 秋葉原6号店(2006年3月26日限り)
- 秋葉原7号店(2006年3月26日限り)
- 新宿4号店(2006年5月14日限り)
- 仙台店(1997年12月14日限り)
- 有楽町店(2006年5月7日限り)※その後5月14日に、ビックカメラ有楽町店別館としてオープン
- 厚木店(2006年8月6日限り)※閉店セールが好調だったため7月2日閉店だったが、延長して8月6日閉店。
- 新潟店(2006年5月14日限り)(2006年7月12日現在、新潟市内にあるパソコン専門店はTWOTOPのみ)
- 日本橋4号店(2006年2月26日限り)
- 日本橋5号店(2006年2月26日限り)
- 堺東店(閉店はモザイクモール港北店とほぼ同時期、髙島屋堺店と同居)
- 広島店(2006年5月14日限り)
- なお、日本橋には10号店まで存在した。(内、7号店は現・なんばザウルス1号館)
[編集] 連結子会社
- ソフマップソフト株式会社
[編集] 株式状況
- 会社が発行する株式数 - 41,800,000株
- 発行済株式数 - 24,964,447株
- 株主数 - 13,699名
- 現在の資本金 - 2,291,660,000円
[編集] 大株主
株主名 | 持株数 | 議決権比率(%) |
株式会社ビックカメラ | 14,175,300 | 59.39 |
丸紅株式会社 | 1,399,900 | 5.86 |
モルガンスタンレー・アンド・ カンパニー・インターナショナル・ リミテッド |
1,151,500 | 4.82 |
日興シティグループ証券㈱ | 926,500 | 3.88 |
新井隆二 | 500,000 | 2.09 |
㈱マップグループ | 350,000 | 1.46 |
日本生命保険相互会社 | 300,000 | 1.25 |
東京海上日動火災保険㈱ | 300,000 | 1.25 |
メロンバンク・ABM・アムロ・ グローバルカストディ2 |
278,800 | 1.16 |
㈱三菱東京UFJ銀行 | 873,000 | 0.51 |
自己株式 | 347,847 |
[編集] 株主優待
毎年2月末日時点の実質株主名簿に記載されている100株以上の株主に対して、1,000円優待券3枚の優待を実施。優待には釣銭は発生しない。利用できるのは、ヤマギワソフト・ユーフロントを除くソフマップ各店舗及びソフマップ・ドットコムのみ。