クーペ (自動車)
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[編集] 概要
元々は「2人乗りの箱形馬車」という意味。 自動車のボディタイプとしての意味においてはフランス語圏以外でもcoupeと呼ばれる。スポーツカーにこのタイプが多く、2ドアで車高はセダンと比べて低く後部座席はないか、あってもかなり窮屈である。従って後部座席があるものでも乗車定員は5人ではなく4人となっている場合が多い。独立したトランクルームを持つノッチバッククーペ、乗員スペースと荷物室が隔てられていないハッチバッククーペの2タイプがある。一方、重心を低く保ち、エンジン出力や足回りのなどの向上により運動性能を強化したマシンが多い。このためドライバーズカーとしての位置付けが非常に強い車種である。
[編集] クーペの種類
[編集] ノッチバッククーペ
いわゆる3ボックス(ノッチバックとも呼ばれる)スタイルで、2ドアクーペとも呼ばれる。前部のエンジンフード、後部のトランクの間により高い室内スペース部分のある形状をしている。 また、マツダ・RX-8のような4ドアクーペも存在する。さらに、4ドアを持つ車種として、現在でもメルセデス・ベンツ CLSクラスなどが存在する。
[編集] ハッチバッククーペ
跳ね上げ式後部ドア(ハッチドア)を持つもので、3ドアクーペとも呼ばれる。後部座席上から自動車の後端に滑らかにつながるファストバックスタイルが特徴で、後部座席があるものでは実用的なファミリー向けハッチバック同様折りたためる後部座席を採用している。また、5ドアを持つ車種として、マツダ・ランティスなどが存在する。
[編集] 現状
1980年代後半、バブル景気とあいまって、車にも趣味性の強い車種が好まれるようになった。こうした中で、日産・シルビアやトヨタ・セリカ、ホンダ・インテグラなどの2ドアクーペが、若者たちのデートカーとして大きなブームとなった。 しかし、1990年代以降景気後退期になると、こうしたデザイン優先の趣味的な要素が多いクーペは人気が下降し、対照的に実用的な車体形状であるミニバンや経済的なコンパクトカーの人気が高まった。こうしたなか、依然として一部では根強い人気がある車種もあるものの全体してはクーペスタイルの車種は徐々に廃止・削減される傾向にある。なお、現在スポーツ性やスタイルをある程度保持した車種カテゴリーとしてはスポーツセダン、スポーツワゴン、ホットハッチがこれに変わっている。 しかし、現在各メーカーで団塊世代向けに新型クーペの開発が盛んに行われているため将来的には再び人気が高まることが予想されている。
[編集] クーペの例
- トヨタ
- ソアラ、スープラ、セリカ、2000GT、MR-2、MR-S、セプタークーペ、カローラレビン、スプリンタートレノ、コロナクーペ、セラ、サイノス
- 日産
- プリンス・スカイライン・スポーツ、フェアレディZ、シルビア、180SX、パルサーEXA、サニールキノ、NXクーペ、レパード
- ホンダ
- NSX、レジェンドクーペ、プレリュード、インテグラ、CR-X、S2000、アコードクーペ
- マツダ
- コスモ、RX-7、RX-8、R360クーペ、ランティス
- 三菱
- ギャランGTO、スタリオン、GTO、ギャランクーペFTO、ランサーセレステ、FTO
- スバル
- アルシオーネ、アルシオーネSVX
- いすゞ
- 117クーペ、ピアッツァ、ジェミニクーペ
- スズキ
- フロンテクーペ
- メルセデス・ベンツ
- Cクラスクーペ、CLクラス、CLSクラス
- BMW
- BMW3シリーズクーペ、BMW6シリーズクーペ
- ポルシェ
- ポルシェ 911、ポルシェ・ケイマン
- プジョー
- クーペ407
- シトロエン
- C4 Coupe
- フィアット
- クーペ・フィアット
- アルファ・ロメオ
- アルファロメオ・GT
- シボレー
- コルベット
- フォード
- マスタング
- ヒュンダイ
- ヒュンダイ・クーペ