ホットハッチ
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ホットハッチは自動車のタイプのひとつ。ハッチバック車をベースにした高性能車を意味する。
[編集] 概要
1974年発売のシビックRSを現在のホットハッチのルーツとする説もあるが、1977年登場の初代フォルクスワーゲン・ゴルフGTiをルーツとする場合が多い。初代ゴルフGTiは標準のゴルフ(1100/1500cc)をベースに1600ccエンジン(後に1800〜2000cc)を搭載し、標準モデルに比べ非常に高いパフォーマンスを持っていた。また、FFシャシーによる乗りやすさと操縦安定性を持っていた。
ゴルフは大成功し、日常輸送にも使えるスポーティーカーという新しい市場を開拓し、従来のスポーツカーの競合とも成り得た。
古くはヴォクソール・シェヴェット (Vauxhall Chevette) HS のような設計は存在し、高性能ハッチバックだったが従来のFRレイアウトを持っているので一般的な認識として「ホットハッチ」からは除外する傾向がある。HSはラリー用のモデルとして設計がなされていたため一部のマニアにのみ売られており、乗り心地の良いゴルフGTiとは違いファミリーカーとして洗練されておらず実用的ではなかった。 FFレイアウトに高出力エンジンを積んだ例は1962年のオースチン・ミニ・クーパーとモーリス・ミニ・クーパーにまで遡れるが、ハッチバック車でない(トランクが独立している)ためホットハッチとは言えない。
ゴルフの成功を見た他メーカーはコンセプトを真似、ルノーは1976年、サンクアルピーヌを、さらに1979年そのターボ仕様を、オペル(ヴォクソール)は1980年にオペル・アストラGTE、英国フォードは1981年にフォード・エスコートXR3iをリリース。さらに、ランチア・デルタ(GT/HFシリーズ)、フィアット・ウーノターボ、プジョー・205GTI等が続いた。
1980年代末には、ほとんどの日本のメーカーも参入。ゴルフはこの間4度のモデルチェンジを実施、さらに屋根のあるモデル以上に従来のスポーツカーと競争力のあったコンバーチブルの流行に先鞭を付けた。
1990年代の終りごろまでには、欧州のメーカーはみな、ハッチバックには高性能版を用意していた。 また、ホットハッチはスポーティーカー最大の市場区分になった。
[編集] ホットハッチの例
- BMW MINI COOPER S, JCW, JCW GP
- VOLKS WAGEN・POLO GTI
- FORD FIESTA ST / ST COMPETITION
- RENAULT LUTECIA 2.0 16V