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死刑存廃問題 - Wikipedia

死刑存廃問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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死刑存廃問題(しけいそんぱいもんだい)とは、刑罰の一つとして死刑を存在又は廃止させることが適切かどうかをめぐる問題のことである。

目次

[編集] 概略

死刑は、人間がある程度の規模の集団となり規則で秩序を形成するようになって生まれた。規則を守らなかった事への刑罰の他に、規則を破った場合こうなるという抑止効果と、権力者への反逆は、悲惨な死に至るという威嚇もあった。有史以前からあったこの制度は、最も古典的刑罰のひとつである。

死刑廃止論者は犯罪者にも人権はあり、また死刑そのもの自体残虐な刑である・死刑は国家による殺人に他ならない、などを根拠に廃止すべきという。逆に死刑賛成派は犯罪への抑止効果、被害者の人権の報復などを根拠に死刑を維持・復活すべきとする。また罰金、懲役および死刑などの刑罰としての人権の侵害は法制度の基盤であり犯罪者の人権は廃止の根拠にならないと主張される。

死刑の犯罪抑止効果については統計的に抑止効果があるとする論文はいくつか発表されているがその分析の正当性には大いに批判が存在する。その後に行われた統計分析では死刑およびその代替として主張されている終身刑および無期懲役の明確な抑止効果に関する結論は出ていない。死刑および終身刑にあたる凶悪犯罪が近代国家では少ないこと、さらに統計では因果関係を明示することができないことから統計的に結論が出るのは難しいのが現状である。

死刑の問題は、「人を殺す」という人間の原初的な強い忌避感情に関わるためか、古より議論されてきた。キリスト教ではローマの国教になる以前にもその正当性は議論されていたがトマス・アクィナスが報復論を否定する一方で予防論によって死刑の正当性を位置づけたことで教義上の結論を見る。近代になると、19世紀末から20世紀にかけてより革新的な世俗思想に添う形でシュライエルマッハー、カール・バルトらが改めて死刑廃止を主張し始めることになる。

近代における死刑賛成論の系譜は自然権と社会契約論を唱えたホッブス、ロックやカントなどの啓蒙主義時代の思想家が世俗的理論のもとに社会秩序の維持および自然権(生命権)の侵害に対する報復などによって死刑の必要性を再定義したことから始まる。一方で死刑廃止論の系譜は、トマス・モアの著作『ユートピア』(1516年)から始まる。その後、ルソーの影響を受けたイタリアの啓蒙思想家チェーザレ・ベッカリーアが死刑の廃止を本格的に主張した。彼の著作『犯罪と刑罰』(1764年)は翻訳され瞬く間にヨーロッパ中に広まり、多大な影響を与えた。ベッカリーアの思想を最初に実現したのはトスカーナ地方の専制君主レオポルド一世である。彼は1765年より死刑の執行を停止し、1786年には完全には死刑を廃止した。ベッカリーアの他にも、この時代にはディドロー『自然の法典』(1755年)、ゾンネンフェルス(1764年、論文において)、トマソ・ナタレ『刑罰の効果及び必要に関する政策的研究』(1759年執筆、1772年公刊)等が死刑の廃止を主張している。その後フランスではフランス革命が起こり、死刑が廃止するかに思われたが、ナポレオン・ボナパルトによって退けられた。

18世紀末~19世紀にかけて、応報刑では犯罪を抑止することができないという考えから、ドイツではフランツ・フォン・リストとその弟子達が目的刑という新しい刑法の体系を生み出し、それが近代学派(新派)となった。応報刑の旧派と目的刑の新派の対立は現代まで続いているが、目的刑を取る刑法学者は基本的に死刑廃止を主張している。

[編集] 歴史に見る死刑廃止

日本では平安時代穢れ思想の影響から中央政界で死刑が停止されていた時代がある。

この時代、中央政界では政変がしばしば起きたものの、武力が用いられることはなく、政争の敗者は寛刑により死一等を免れ、後に政権復帰することも可能であった。

中世自力救済の時代であり、殺人に対しては、報復殺人のほか加害者代理人を殺害したり、加害者宅を破壊する場合や金品で代行する場合などさまざまであった。現代日本の死刑存廃論で引き合いに出される仇討ちは、近世で武士階級にのみ例外的に認められたもので、自力救済の名残といえる。

なお江戸時代における死刑制度は、火付け(放火)は火あぶりの刑、10両(現代の価値に換算して150-200万円前後)以上の窃盗は死罪(「十両盗めば首が飛ぶ」)となっていた。抑止効果よりは、むしろ「真っ当な人」に損したような気にさせない配慮としての厳罰という態度が見て取れると同時に、刑罰の威嚇により幕府の権威を高めようとする目的があった。刑場までの道行きには下層刑務官僚に幟や刑具を持たせて仰々しく行進させ、莫大な経費を要したという。罪刑法定のために大岡忠相が編纂した法典『公事方御定書』は、本来、町奉行のほかに披見が許されず、その秘密主義でいっそう恐怖感を煽る効果が期待されていた。

近現代においては、民主主義という新しく出現した形態の社会を運営するために必要な各種の要素の発見・解明・構築等が行われ、死刑の問題もそういう要素の一つ(「人権」と総称されるようである)との関係において説明されるようになった。(刑事司法的な)制限が弱すぎると社会が混乱し、強すぎても人々の各種権利が圧迫され結局は社会全体が危険に陥るため、制限と人々の権利のトレードオフにおいて最適な点を探求する作業は今日でも続けられている。特に、未曾有の戦禍を生んだ第二次世界大戦以降、人々の権利が社会的制限に対して弱く設定されていたことが戦争の一原因となったことが指摘され、人々の権利の側に強めにバイアスがかかるようにトレードオフの設定が変更されてきている。このことが戦後に死刑廃止国が増えた一因になっている。それにともなってか、死刑が微塵の疑いもなく正当であると考えられていた時代に比べて、宗教面や社会感情面での変遷も起こっているのが現状である。

また、歴史的にみた死刑廃止の意味づけには、政治犯処刑の抑止という面がある。南米やアジアを中心に、今なお革命クーデター政変などの政権交代のたびごとに新政府により政敵への処刑が行われており、その恣意的な執行をなくすために、予防的に死刑を廃止しておく意義がある。その反面、廃止諸国でも、内乱罪などには例外的に死刑を適用するところも多い。同様に、どの国でも治安維持に関する量刑は概して高い。

日本の刑法では、内乱罪及び外患罪が存在し、最高刑は死刑であるが、政府や裁判所は適用に極端に消極的でもある。

古代中国では、政敵の「九族皆殺し」が頻発していた。

[編集] 死刑廃止論の主張と死刑存続論の主張

注:日本の刑法学において「死刑廃止論」とは「今すぐに死刑を廃止するべきである」というもののみを指す。「将来的に廃止すべきである」「廃止に向かって努力すべきである」というものは「死刑存置論」の側に置かれる。また死刑が廃止されている国が死刑を復活させる事例が存在するだけでなく、廃止国で復活論が世論の多数である場合もある。よって死刑の是非の議論においては賛成派・反対派が事実にそう表現である。

 

反対(廃止論) 賛成(存置論)
死刑は懲役と比較して有効な予防手段ではない。死刑の抑止効果が仮に存在するとしても、その効果は憲法判断がされた当時に予想されていたよりも小さいことが判明し、他の刑に優位する抑止効果はさらに小さいため、将来にわたって確認・検出不能であると考えられている。
明確な抑止効果が証明されない以上、重大な権利制限を行う生命刑が、現代的な憲法判断により承認されることはない。
終身刑や無期懲役にしても「統計的」には明確な抑止効果は証明されていない。終身刑や無期懲役が死刑と同等の抑止効果を持つことが証明されない限り死刑を廃止すべきではない。またより厳格な罰が凶悪犯罪の抑止効果をもつのは死刑の代替として終身刑が挙げられていることからも自明である。そもそも予防効果だけを期待して行うものではなく、許しがたい凶悪犯罪を犯し、他者の生命を奪った重大な権利侵害加害者が受けるべき当然の刑である。
死刑は、日本国憲法第36条の残虐な刑罰にあたり許されない。殺人に「残虐な殺人」と「人道的な殺人」とが存在するのだとすれば、かえって生命の尊厳を損ねる。時代に依存した相対的基準を導入して「残虐」を語るべきではない。 日本国憲法第36条の残虐な刑罰とは火炙り、磔刑などを指し死刑はこれにあたらない。(最高裁判所大法廷昭和23年3月12日判決)自由権を拘束する懲役にも長期の独房禁固などの残虐とされる懲役とそうでない懲役が存在する。よって死刑・懲役そのものが存在するからといって自由権や生命権の尊厳が損ねられるわけではない。「残虐」の相対的基準は死刑と懲役の両方に導入すべきである。
社会契約を認める立場からからは、国家は国民の生命を奪う権利を持たない。死刑は国家権力が権力に都合の悪い人間を不当に排除するのに都合のいいシステムであり、民主主義の精神に反するシステムである。 民主主義による社会契約論と自然権を定義したロックなどの啓蒙時代の思想家の殆ど全員が生命権と自由権を侵害する犯罪行為に対して懲役と死刑を主張しているしている。懲役も基本人権である自由権の侵害である。国家が人権を侵害する権利を持たないとの論が通るなら「刑」法そのものが成り立たない。独裁国家が弾圧の一環として行う政治犯などに対する死刑と民主主義のもとで凶悪犯罪者に対して行われる死刑は全く別である。
もし冤罪であった場合、一旦生命を失えば取り返しがつかない。財産や自由を失うことに比べて命を失うことはそれ以上に取り返しがつかない。全部同じだと言うなら、殺人を特別に重く罰する理由がないことになる。 長期間の懲役であっても、冤罪により失った人生は取り返しがつかない点で同じである。冤罪で一生を刑務所で過ごすのは死刑よりも惨いと論じることも出来る。冤罪の可能性による廃止論を死刑だけに適応する論に整合性はない。刑事政策の観点からすると微罪に死刑を適用をするのは誤りであり、凶悪殺人に死刑を適用しないも誤りである。
死刑は人命を軽んじる風潮と人心の荒廃を招く。人間が人間を殺してはいけないのは道徳の根本である。また法律的にも生命権に対する冒涜である。凶悪犯といえども命を奪ってはいけない。人心の荒廃により、凶悪事件が多発するようになれば、これはマッチポンプではないか。 凶悪殺人に対する死刑は国家が生命権に対する冒涜をいかに真剣に捉えているかを示すものである。人が人を殺してはいけないのは道徳の根本であり、凶悪犯罪に対して死刑を適応しないのはこの根本的道徳を軽んじるものである。死刑、懲役、罰金は法律的に合法な人権の侵害である。犯罪者の人権を侵害して罰するのは刑法の基本である。この基本原理を否定するのは法の意義そのものの否定、しいては社会の崩壊を招く。
保守の立場からすれば、本来の日本は伝統的に人命尊重国家である。日本の伝統的主要な思想は罪人への慈悲を説いている。世界で最も長期間死刑を行わなかった事は誇るべき歴史である。 そもそも、死刑が執行されなかったのは、西暦818年から1156年までのみであり、それだけの時期廃止されていたからといって、伝統とはなり得ない。凶悪殺人をも死刑に処さないのは被害者の人権を踏みにじるもので、恥ずべき歴史である。
死刑など量刑を重くすることは、深層心理的な抑圧を『社会的弱者』に与え、「どうせ死ぬなら、思いきって派手に…」という決意を抱かせ、かえって凶悪犯罪を生み出す原因となる。また終身刑該当であれば、その後の処遇を考えて凶悪な犯罪は控える可能性が有る。また、凶悪犯罪を継続して射殺されるような事態になる前に、自首投降を選ぶ誘導が可能である。 死刑がない場合は既に終身刑に当る犯罪を犯したものが「これ以上どれだけ強姦、殺人を犯しても構わない。つかまる、あるいは投降する前に思い切って派手に」と考えることからかえって凶悪犯罪を生み出す原因となる。
犯罪を犯した容疑者が、「逃亡・自殺再犯」を選択する要因につながる。 逃亡した容疑者に対しては、自首による法的な救済措置が用意されている。

[編集] 世界の現状

1989年12月には国連で採択された「国際人権規約」の「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第二選択議定書」に随意項目として死刑廃止が存在する。これを加えて選択する国は国際条約に基づき国家有事以外には死刑を廃することになる。

以前は独裁国家が死刑維持国の大多数を占めたが民主化直後に東欧や南米の諸国が死刑を廃止し死刑廃止国の数が増加した。一方でアジア・アフリカ・中東の民主化の結果として民主国家で死刑を維持する国の数も増加している。また死刑廃止国でも政府が世論に逆らって廃止を実施したところも多く死刑復活の意向が多数派である国も存在する。

世界各国の状況は、2006年9月5日現在で

  • あらゆる犯罪に対して死刑を廃止している国:88カ国
  • 通常の犯罪に対してのみ死刑を廃止している国:11カ国
  • 死刑の実施を停止している国:30カ国
  • 死刑を実施している国:68カ国

となっている。この場合、死刑反対派は実質上の死刑廃止国が88+11+30の129カ国の多数派であると主張する一方で、死刑賛成派は死刑制度維持国は11+30+68の109カ国で多数派であると主張される。有事に死刑が適応される国よおよび実施が現時点で停止されている国が「実質上」の賛成派にあたるのか、反対派にあたるのかは恣意的な問題である。

なお、全世界の死刑執行数の約9割以上が中国であり、賄賂授受程度で死刑にされる者もいる。イランやサウジアラビアでは宗教的戒律(廃教・不倫など)を破った者に対しも死刑を行っている。

[編集] 死刑制度の世界地図

 死刑制度の世界地図 凡例:  青: 死刑を廃止した国 緑: 有事(戦時)に死刑あり。それ以外での死刑を廃止した国 橙: 死刑制度維持、しかし執行が停止・保留されている国 赤: 死刑が実施されている国
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死刑制度の世界地図
凡例:
  • : 死刑を廃止した国
  • : 有事(戦時)に死刑あり。それ以外での死刑を廃止した国
  • : 死刑制度維持、しかし執行が停止・保留されている国
  • : 死刑が実施されている国

この図は2004年4月6日時点における世界各国の死刑制度の状況を表した地図である。

色分けは次の通り。

  • ):あらゆる犯罪に対する死刑を廃止(79の国と地域)
  • ):戦時の逃走、反逆罪などの犯罪は死刑あり。それ以外は死刑を廃止(15カ国)
  • ):死刑制度を維持。しかし死刑を過去10年以上実施していない。廃止派はこれを事実上の死刑廃止国、賛成派は死刑制度維持国とする。(23カ国)
  • ):死刑を存置し適用している(78カ国)
  • 反対派は合計117カ国が死刑を法律上または「事実上」廃止しており死刑廃止派が維持派の78カ国を大きく上回ると主張される。賛成派は「事実上」死刑制度を維持している国が116カ国と死刑制度を廃止している79カ国を大きく上回ると主張される。

[編集] 諸外国での動き

この項目は現在進行中の事象を扱っておりますが、Wikipediaはニュース速報ではありません。性急な編集をせず事実を確認し正確な記述を心懸けて下さい。またウィキニュースへの投稿も検討してみてください。なお、この内容は不特定多数のボランティアにより自由に編集されていることを踏まえ、自身の安全利害に関わる情報は自己責任でご判断ください。

[編集] ヨーロッパ

EU各国は、不必要かつ非人道的であることを理由として死刑の廃止を決定し、死刑の廃止はEUへの加盟条件の1つとして掲げている。欧州評議会においても同様の基準を置いているため、ヨーロッパ唯一の死刑存置国ベラルーシ欧州評議会から排除されている。EUは日本やアメリカなど死刑を存続している他国に廃止を迫り、2001年6月には、両国の欧州評議会全体におけるオブザーバー資格を問題(剥奪)にする旨の決議を採択した。

フランス
フランスは、1981年に就任した社会党ミッテラン大統領(当時)が「私は良心の底から死刑に反対する」と公約し当選。弁護士のロベール・バダンテールを法務大臣に登用し、「世論の理解を待っていたのでは遅すぎる」と死刑廃止を提案。国民議会の4分の3の支持を得て決定した。ヨーロッパでは最後の死刑廃止国となった。世論調査機関TNSソフレスによる、死刑制度廃止当時の世論調査では、死刑制度の存続を求める声は62パーセントを占めていた[1]
2006年9月18日にソフレスが発表した世論調査によると、死刑廃止25周年を迎えて、52パーセントが死刑制度の復活に反対と答え、死刑制度の復活を望む意見は42パーセントを占めた。支持政党別の内訳では、死刑復活に賛成する声は、右派政党の国民戦線支持層で89%。与党・民衆運動連合(UMP)で60%。一方、社会党支持層では賛成は30%となった。若齢、高学歴者ほど死刑復活反対の傾向が強かった[2]
ポルトガル
ポルトガルでは、西欧では最も早く1867年に死刑を廃止している。ポルトガル国民の多くはカトリック教徒であり、殺人行為に対する嫌悪感が非常に強いことが背景にある。この政策はサラザール独裁政権下にも引き継がれ(サラザールは元々カトリックの聖職者から経済学者、政治家に転身した)、その後の政権においてクーデターが数度起きるなど政情不安の時代もあったが、死刑は復活せず今日に至っている。
イギリス
イギリスにおける死刑廃止思想は古く、トーマス・モアにまで遡ることができる。1938年には死刑廃止案は下院を通過したが、第二次世界大戦の勃発により死刑廃止案は立ち消えとなった。1965年11月9日に死刑の停止が議会で可決され、その後死刑は廃止された。
バチカン
カソリックは報復のための死刑は不可、予防(人命救助)のための死刑は可との教義上の立場をローマ時代から維持している。近代社会においては終身刑によって犯人の再犯の予防および他の犯罪者に対しての威嚇の役目は十分果たされているとの見解である。よって「全ての命は神聖である」として死刑には反対している。また現代の多くの死刑が報復の役目を果たしていることにも言及し「死刑は憎悪と復讐心に満ちた行為」、「罪をもって罪を裁くことは殺人である」と表明している。ただし一部の極貧の途上国(カソリックの多いアフリカ諸国を念頭においていると考えられる)においては近代国家並みの懲役制度を維持することができない場合もあることを認めており、この場合は例外として死刑やむなしの見解を示している。
ロシア
1996年の欧州議会加盟時に死刑執行を一時停止。1999年には憲法裁判所が死刑判決を正式に禁止した。しかし一部の下級裁判所は死刑判決を継続している。一時停止は2007年初めに期限切れとなる。また、ロシアが2006年5月に欧州評議会議長国に就任したことをきっかけにして、ヨーロッパ諸国から死刑廃止議定書の批准を求める声があがっている[3]
だがテロ事件の頻発を背景に、死刑復活を求める世論が高まりを見せている。プーチン大統領は死刑廃止措置を行う事を示唆しているものの、詳細な具体策を明らかにしていない。2006年2月9日には、多数の児童が殺害された2004年9月の北オセチア学校テロ事件の被告に対し、ロシア検察当局が死刑を求刑した[4]

[編集] 南北アメリカ

アメリカ合衆国
死刑は基本的に合憲との連邦最高裁の判断が出ている。
ただしその執行方法の合憲性が問題となることもある。また州の判断で死刑を廃止することも可能である。例として、ニューヨーク州の高等裁は死刑の執行方法を違憲とする判決を出した。テキサス州では2000年代において年間100人以上が死刑に処せされている。
かつてアメリカではレイプによる死刑が横行していた。1870~1950年までにレイプを理由に771件が死刑判決を受けたが、そのうち701人が黒人であった。当然ながら人種差別の批判が相次ぎ、1972年に連邦最高裁によってレイプを罪状とする死刑は違憲と認定された。
死刑制度の有無は、州によって異なる。民主党優位の州では廃止、共和党優位の州では維持される傾向にある。具体的にはニューイングランド諸州、ニューヨーク州などで死刑は廃止、または禁止された。ただし、共和党の勢力が強い中北部諸州でも死刑が廃止されている州があるが、これらの州が治安的に安定している事が背景にある。逆に、民主党が強い西海岸諸州でも死刑制度が存続している州がある。これは、賛成派と反対派が拮抗している状態であるためである。また凶悪犯罪の率の高い州で死刑制度が維持される傾向にある、特に南部諸州で顕著である。死刑維持派は主に被害者の権利を根拠とし、廃止派は人権保護の普遍性人命の尊重とを根拠としている。
(参考:レッドステートとブルーステート
カナダ
いかなる場合でも死刑を廃止。廃止派はロジャー・フッド『世界の死刑』(2002年)によると、カナダでは、人口10万人当たりの殺人の比率は、殺人に対する死刑廃止の前年(1975年)の3.09件から死刑廃止後には2.41件(1980年)に低下した事実を指摘している。賛成派は因果関係が明確でないと指摘している。
ペルー
これまで同国では、死刑の適用は国家反逆罪のみ、一般の刑法犯は終身禁固を最高刑としていた。しかし、2006年6月に就任したアラン・ガルシア大統領は、選挙公約の一つに掲げていた、7歳未満の子供に、性的暴行を加え殺害した被告への死刑適用を認める法案を、同年9月21日に議会へ提出。現在、その審議が行なわれている。
背景には、日本の広島県2005年に発生した少女暴行殺害事件で、容疑者として逮捕された日系ペルー人が、母国において同様の性犯罪を繰り返していたにも関わらず司法の不手際で収監を逃れていたことにより、年少者に対する性犯罪の厳罰化を求める世論が同国で高まったことや、殺害した場合の死刑適用に8割が賛成するなどの世論調査の結果が挙げられる[5]
※ラテンアメリカ諸国全体の傾向としては、現在ほぼ全ての国が一般犯罪に対する死刑を廃止している。死刑制度を存続している国も、10年以上死刑を執行していない。

[編集] アジア

韓国
大韓民国では金大中政権発足以降1997年以降、死刑が執行されていない(金大中元大統領は光州事件後、軍法会議による死刑判決を経験している)。また、与野党を超えて死刑廃止を主張する声は少なくない。2005年4月には国家人権委員会が、政府に対して死刑廃止を勧告した。
2006年2月21日には、韓国法務部(法務省)において、死刑制度を廃止し、絶対的終身刑の導入の検討を行うべく、2006年6月までに関連研究の検討作業と公聴会を行う予定である。ただし現在の革新政権が保守政権に交代するとまたその方向性は転換するのではないかとの憶測も存在する。
台湾(中華民国)
2000年、台湾ではリベラル色の強い民主進歩党の政権誕生後、死刑廃止に向けた作業が続いているが、国内世論の意見集約は進んでいない。2001年5月17日、陳定南法務部長(法相)は、3年以内に死刑廃止のための法改正をすると表明した。
一方、その翌日の5月18日に、台湾の主要紙聯合報が行なった世論調査では、台湾国民の79%が死刑廃止に反対と答え、さらに死刑制度は凶悪犯罪阻止に有効と答えた割合は77%となった。2002年には18才以下の未成年者に対する死刑免除法案が可決。懲役刑の上限引き上げや仮釈放審査の厳格化を盛り込んだ刑法の改正が、2005年2月に可決、2006年7月1日から施行された。
刑法改正の具体的ポイントは、有期懲役の上限が20年から30年に。無期懲役の仮釈放が25年に引き上げ。殺人や強盗、身代金目的の誘拐など、重大な刑事事件を複数犯した者は、仮釈放期間中または懲役終了後の5年以内に、再び重大な刑事事件を犯した場合、仮釈放は認められない。また、連続犯罪規定の削除により、連続して罪を犯した場合、犯した罪ごとに罰則が科される事になった。
2006年6月14日陳水扁総統が、国際人権連盟(ILHR)代表との会見の中で、死刑廃止は世界的潮流と述べ、廃止に賛同。また、懲役刑の上限引き上げや、仮釈放審査の厳格化を含む刑法改正により、将来的に死刑制度廃止の国民的コンセンサスは得られるだろうとの見通しを述べた。横浜弁護士会の発表によると、台湾では、死刑を廃止する条項が盛り込まれた「人権基本法案」の検討が開始されている。
中国(中華人民共和国)
中国は世界最大の死刑執行国家である。正式な死刑のみならず、チベット東トルキスタン少数民族への拷問殺害、安易な裁判などが問題視されている。温家宝国務院総理は、2005年3月14日の記者会見で、中国の国情を理由に死刑廃止について否定的見解を示した。また、現在進められている司法制度改革には、最高人民法院による死刑の再審査制度復活も含まれており、今後、制度改革により死刑判決の厳格さと公正さが保障されていくと述べた[6]
最高人民法院弁公庁報道官の孫華璞主任は、2006年3月11日に、中国政府の公式サイト「中国政府網」及び新華網のネット掲示板において、中国における将来的な死刑制度廃止の可能性についての質問に答え、現在、中国を含めた世界半数以上の国々が死刑制度を有している。段階的な死刑の廃止は世界的傾向ではあるが、現在の国情では死刑制度廃止の条件は整っておらず、死刑廃止を支持する国民的同意も得られる段階にないとのべ、死刑制度廃止に否定的な見解を示した。
その上で、 現在の中国政府の政策では、法律及び司法の両面から死刑の適用・執行を厳格化しており、極少数の犯罪や、深刻な犯罪への適用に留めている。死刑には、即時執行と執行猶予2年に分けられ、後者の死刑判決では、執行猶予期間の2年間に罪を犯さなければ、無期懲役へ減刑される。このため、死刑が執行される例は実際は少ないと述べた[7]
フィリピン
フィリピンの死刑制度は、1987年アキノ政権下で一度廃止されたが、1993年ラモス政権下では華僑の圧力により復活した。2001年発足したアロヨ政権では死刑執行が凍結され、2006年6月7日上下院で再度死刑を廃止する法案が可決された。死刑廃止後の最高刑は「仮釈放なしの終身刑」となった。2006年6月24日、アロヨ大統領が死刑廃止法案に署名、同法が成立。
アロヨ政権による死刑廃止の背景には、同国内で大きな政治的影響力を有するカトリック教会が、かねてから死刑廃止を訴えており、カトリック教会派の大統領への支持をつなぎとめるための決断と見られている。加えて、2006年6月25日から同大統領がヨーロッパを歴訪。バチカンでローマ法王と会見するため、死刑廃止法案の成立を急いでいたという政治的背景も指摘されている。
その他アジア諸国
カンボジアでは1989年から死刑を廃止している。これはポル・ポト派による大虐殺が少なからず影響しているものと見られている。ポル・ポト派は死刑制度を利用し、政治犯を処刑し、体制に反対する者や反対する者で無くともポル・ポト派から見て邪魔な人物は死刑に処せられた。現在は憲法により死刑は禁止されている。
ネパールでは憲法の規定により死刑は禁止。
ブータンでは、国王令によりあらゆる犯罪に対して死刑が廃止。
スリランカでは1976年6月の死刑執行を最後に制度は凍結され、歴代大統領により死刑囚は自動的に減刑されていた。しかし、1999年3月13日、犯罪増加の報告を受けた政府は、今後、チャンドリカ・クマラトゥンガ大統領は死刑判決を自動的には減刑しないと発表。2004年11月19日に発生した高等裁判所判事殺害事件を機に死刑復活を求める世論が高まり、同年11月20日、クマラトゥンガ大統領は、強姦、殺人、麻薬取引に関する死刑制度を復活すると発表した。
イラクの死刑制度は、イラク戦争後のアメリカ軍を主体とする多国籍軍による占領時、アメリカ政府が派遣したブレマー行政官(当時)により凍結された。2004年6月30日イラク暫定政府のヤワル大統領は、アラブ圏有力紙とのインタビューで、死刑制度の復活を決定したと表明。適用範囲は、テロ行為や殺人、レイプなどに限られると述べた[8]2005年5月22日、イラク中部クートの特別法廷は、イラク警官の殺害、拉致などの20件の犯行に関与して訴追された、反米武装勢力「アンサール・スンナ軍」の男3人に死刑判決を言い渡した。死刑判決はフセイン政権崩壊後初めて[9]

[編集] その他諸外国の事例

オセアニア
オーストラリアニュージーランド共にいかなる場合でも死刑を廃止している。ニュージーランドにおいては死刑制度廃止後、死刑を復活させた事があったが、今日では死刑を非人道的として完全に廃止している。島嶼部の諸国でも死刑を廃止している。パプアニューギニアにおいては10年以上死刑は停止状態である。
アフリカ
アフリカ53カ国のうち13カ国が死刑を永久に廃止している。また20カ国が死刑を執行していない。合計すると53カ国のうち死刑を行っていない国は33カ国である。政情が比較的安定している南部アフリカ諸国における死刑廃止が目立つ。一方で政情が安定しているアラブ圏ではイスラム法の影響もあり死刑が存続している国が多い。フランスの文化的影響の強い西部アフリカ諸国では、死刑を中止しているか、国事犯を除く通常犯罪への死刑適用を行っていない国が多い。

[編集] 日本における動き

日本の歴史上における死刑廃止については、日本における死刑を参照のこと。

日本は、1989年の死刑廃止の任意条項にアメリカ、中国やイスラム諸国とともに調印しなかった。ただ、1989年11月から1993年3月までの3年4ヶ月の間、死刑執行は行われなかった。1994年には亀井静香議員を中心とする超党派の議員連盟「死刑廃止を推進する議員連盟」が発足し、日本における死刑廃止の動きは組織化されている。しかし、現在でも各国任意の死刑廃止条項には批准しておらず、またここ数年は死刑存続派が勢いを増してきており、判決でも死刑判決が増加の傾向にある。

日本の死刑執行を最終的に判断するのは法務大臣である。法務省刑事局が、死刑確定囚について、裁判に提出しなかった証拠記録を送付するように命令したうえで、死刑執行起案書を作成し、法務大臣に上申する。そのため、法務大臣の主観的判断が介在する余地がある。そのため自分が浄土真宗の住職であるという宗教的信条から、死刑執行命令書に署名しなかった左藤恵(在任1990年12月-1991年11月)などのように在任中に発令の署名をしなかった大臣の例もある。
そのため、戦後の1964年1969年および1990年から1992年までは死刑執行が行われなかった。そのうち1964年は当時の賀屋興宣法務大臣(在任1963年7月-1964年7月)は、旧A級戦犯であり東条英機らが処刑されるのを見送ったために心情的にできなかった。後者の1969年は当時の西郷吉之助法務大臣は、明確に拒否したという。1990年代初期のモラトリアムは長谷川信、梶山静六、左藤、田原隆と歴代の法相に引き継がれたが、警察官僚出身の後藤田正晴が「法秩序、国家の基本がゆらぐ」(当時の国会答弁)として死刑執行を再開させたためストップした。
近年では弁護士出身で真宗大谷派の信徒である杉浦正健法務大臣(在任2005年10月-2006年9月)が就任直後の会見で「私の心や宗教観や哲学の問題として死刑執行書にはサインしない」と発言し、わずか1時間で撤回する騒動を起こしたが、最終的に杉浦法相は死刑を執行することなくその任を終えた。

なお、日本国憲法における死刑の違憲性については、1948年の最高裁判決においては合憲の判断がなされている。

[編集] 日本における死刑制度に対する議論

日本における死刑制度に対する議論の論点は主に以下の通りである。

  • 「犯罪抑止効果」 死刑・終身刑・無期懲役などの刑罰の相対的な犯罪抑止効果を示す統計は出ていない。反対派はこれにより死刑の犯罪抑止効果が終身刑をうわまわるかどうかはは未定、よって反対とする。賛成派はこれにより終身刑・無期懲役の抑止効果が死刑をうわまるかどうかは未定、よって死刑は必要とする。
  • 「冤罪」 死刑は、生命権を奪う行為である。反対派は生命権は自由権、財産権の淵源でありと主張する。賛成派は自由権を奪えば生命権の意義なし。よって終身刑の冤罪は死刑と同等あるいはそれ以上に残虐であり死刑も終身刑も冤罪の重大さは同等と主張される。また日本で死刑の次に重い罪が終身刑でなく無期懲役である理由にはこの考えが一因であるとの意見もある。
  • 「残虐性の有無」 拷問は精神的および身体的なものの両方が禁止されている。反対派は究極の身体刑であり死刑は、残虐な刑罰の禁止と矛盾すると主張する。賛成派は火あぶり、磔などの死刑が究極の身体刑であると主張する。苦痛を与えることを目的としない死刑は拷問に当たらないとされる。ただし絞首刑には短期間ながらそれなりの苦痛が伴うので薬物などによる安楽死が適当な処刑方法であるとの意見も存在する。また死刑そのものが拷問であるなら終身刑も一生かけて行われる精神的な拷問でありその残虐性は同等であると賛成派は主張する。
  • 「人命の軽視・尊重」 死刑制度は人命の軽視に繋がるのか人命の尊重に繋がるのか。死刑制度の存在は、かえって拡大自殺(extended suicide)など逆に殺伐とした世情を煽る側面もあるのではないかとする懐疑的な意見もある。一方で凶悪殺人に対する厳格な対処は人命の尊重を奨励するとの意見もある。

その他、各種の切り口から、論点を整理してみる。

[編集] 世論調査

死刑廃止国の多くは世論調査の結果とは関係なく死刑を廃止しているが、日本における世論調査に関しては、内閣府により2004年12月に実施された「基本的法制度に関する世論調査」にて、以下の結果を得ている。ここではその一部を示し、問題点を整理する。

「死刑制度に関してこのような意見がありますが、あなたはどちらの意見に賛成ですか」

  • (ア)どんな場合でも死刑は廃止すべきである … 6. 0%
  • (イ)場合によっては死刑もやむを得ない … 81. 4%
  • わからない・一概に言えない … 12. 5%

この世論調査に関する問題点として以下の2点が挙げられる。

  • 設問が「あなたは死刑制度に賛成ですか、反対ですか」という端的な問いではない。
  • 選択肢(ア)が「積極的廃止」を意味するのに対し、選択肢(イ)は「消極的賛成(容認)」を意味し、単純な比較はできない。

いずれにせよ、死刑「容認」が80%以上であることは事実である。しかし、粗雑な議論を避けるためには、「容認」することと積極的に「賛成」することとは必ずしも同一の考えに基づくものではない点に十分な注意を払う必要がある。

内閣府による死刑制度に関する世論調査は5年毎に通例では9月に実施されるが、2004年の調査は12月に実施された。ちなみに2004年9月は池田小児童殺傷事件の犯人に対する死刑が執行された。内閣府による世論調査の実施時期について、その恣意性を指摘する声もある。

研究者による他の世論調査においては、一般市民へのアンケート結果と、国会議員や法曹関係者など「意識階層」へのアンケート結果とでは異なる傾向を示しているとされる。前者へのアンケート結果が死刑存続に傾くことに比べ、後者へのアンケート結果は存廃の意見が拮抗する傾向を示している。

いわゆる意識階層のうち、法学者や弁護士の過半数は死刑反対であるとみてよい[10]。一方で検察官や警官は多数が死刑賛成であると見てよい。法制度における立場の違いと見ることができる。

[編集] 死刑と文化・宗教

死刑の廃止については、文化的・宗教的な背景との関連が根強く、日本においては死刑の廃止はふさわしくないとの意見があるが、以下の理由によりあまり正当性を持たないといえる。

  • キリスト教の教義においては、予防論においては死刑は容認されている。カトリックは懲役制度が万全の現代では死刑は必要なしとする。東方正教は教義だけを述べこれが現在の状況において必要なのかどうかの世俗の判断に統一した見解を出していない。プロテスタントは宗派によってその見解が異なる。しかし報復論で死刑を正当化するのはまれである。
  • 世俗主義国家のトルコEUへの加盟を目指し死刑を廃止した。
  • 仏教徒の多い日本において、浄土真宗の住職であるという宗教的信条から死刑執行の命令を拒否した法務大臣がいた。

[編集] 厳罰化傾向の強まり

また、最近の傾向として、光市母子殺害事件にみられるように、犯罪被害者へのケアの問題が以前にもましてクローズアップされてきていることや、その成人・少年を問わず犯罪者に対する厳罰化の流れが強まってきている。このような事情もあることから、日本における死刑廃止に向けた活動は、より多くの問題を整合させなければならない状況にある。ただし、殺人等の凶悪事件の発生件数は国民の「漠然とした実感」とは裏腹に減少傾向にある[11]

[編集] 秘密主義

死刑執行の秘密主義に関しては、日本弁護士連合会が非難する声明を出し続けている。反対派は日本における最近の死刑執行は、ほぼ例外なく、国会閉会直後、年末、閣僚の交代時期、小泉首相の北朝鮮訪問などといった重大ニュースの発生時期、など国民の関心が発散しやすい時機に、政府側が意図的に死刑の存廃が議論となることを避けていると主張する。賛成派は死刑執行の手順上、法務大臣の辞任直前に執行書に署名が行われること、またその執行の準備に時間がかかるため執行が週末近くに行われるのは手続き上の単なる結果であると指摘される。ただし死刑賛成派でも日本の死刑執行の秘密主義に対しては批判的な見解も多い。

[編集] 裁判員制度と死刑

2009年に始まる裁判員制度により、死刑判決の可能性のある事案を国民と裁判官が一緒になって審判することになる。廃止派は果たして上記のような死刑執行の秘密主義において本当に問題が無いのか疑問が残るところであると主張される。賛成派は死刑執行の秘密主義に対する批判を一部で認めながらも、明らかな憲法違反である裁判の秘密主義と執行の手続きの秘密主義とは無関係であり裁判員制度とは関係ないと主張する。日本では賛成派が多数でありその是非の議論も活発でないため死刑廃止に向けた活動を行っている団体などは、国民の間で死刑制度の存廃について議論がより深く広がることを期待している。

[編集] 日本で著名な死刑廃止論者

日本国内の死刑廃止運動に、これまで積極的に参加・発言、あるいは死刑反対の立場から影響を与えたことのある人物の一覧(各項目内は五十音順)

  • 映画監督: 大島渚
  • 出版者: 深田卓
  • 元死刑囚: 免田栄
  • 元刑務官: 坂本敏夫、戸谷喜一
  • その他: 河野義行(松本サリン事件被害者)、菊池さよ子、三浦和義(国家による殺人には反対とする)、山際永三

[編集] 死刑廃止関連の映画

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 参考・引用文献

  1. ロベール・バダンテール、藤田真利子 訳『そして、死刑は廃止された』(作品社、2002年)
  2. 2006年9月17日朝日新聞記事 『死刑廃止から25年の仏、42%が復活望む』
  3. 『ロシアの死刑廃止を求め欧州から圧力』2006年7月21日付モスクワIPS(Inter press service)=ケスター・ケン・クロメガー記事、訳:坪沼悦子・浅霧勝浩・IPS Japan)
  4. 2006年2月11日付 朝日新聞記事
  5. 2006年9月22日付 時事通信記事『子供への性的暴行殺人に死刑適用:ペルー大統領が法案提出』
  6. 2005年3月15日付 人民網(日本語版)記事
  7. 2006年3月12日付 人民網(日本語版)記事
  8. 2004年7月1日付 中日新聞記事『イラク死刑制度復活:元大統領裁判へ憶測呼ぶ』
  9. 2005年5月24日付 中日新聞記事『武装勢力に死刑判決:制度復活後初めて』
  10. 菊田幸一『いま、なぜ死刑廃止か』(丸善ライブラリー〈文庫〉、1994年)、75-76頁
  11. 法務省『犯罪白書』各年 (http://www.moj.go.jp/HOUSO/hakusho2.html, 2006年11月30日URL確認)
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