ファイナルファンタジーVII
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ファイナルファンタジーVII | |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション Windows 95/98(PC) |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア(日本) Eidos Interactive(PC) |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM3枚(インターナショナル版以外のPS版) CD-ROM4枚(インターナショナル版、PC版) |
発売日 | 日本: オリジナル版:1997年1月31日 インターナショナル版:1997年10月2日 アメリカ:1997年8月31日(PS)、1998年6月24日(PC) ヨーロッパ/オーストラリア/ニュージーランド:1997年11月1日 |
対象年齢 | ESRB:T USK:12+ ELSPA:11+ PEGI:12+ OFLC:G8+ CERO:12才以上対象*1 |
売上本数 | 日本国内合計:約326万本 全世界合計:約980万本 |
その他 | *1 2005年9月14日発売の『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン ADVENT PIECES: LIMITED』同梱版と、2006年7月20日発売のアルティメットヒッツ版 |
『ファイナルファンタジーVII』(-セブン、FINAL FANTASY VII、略称:FFVII) は、日本国内で1997年1月31日にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)より発売されたプレイステーション用RPG。ファイナルファンタジーシリーズのメインシリーズ7作目に当たる。平成9年度(第1回)文化庁メディア芸術祭のデジタルアート(インタラクティブ)部門優秀賞受賞作品。
目次 |
[編集] 概要
本作は、シリーズ初のプレイステーション作品で、CD-ROM3枚組という当時としてはボリュームの大きい作品となった。それまでは2D作品がメインだったRPGとは打って変わり、大容量メディアの特性を活かしたビジュアルの数々はゲームファン以外にも強烈な印象を与え、日本だけで約326万本という驚異的な売り上げを記録した。 発売から年月の流れた今もなお根強い人気を誇る作品であり、日本では、発売から9年以上が経過した2006年現在においても、週刊ファミ通などのゲーム雑誌の読者人気ランキングの上位にランクインし続けているほどである。
ゲームシステム面ではファイナルファンタジーシリーズの『FFIII』や『FFV』のジョブチェンジ・アビリティ付け替えシステムをさらに発展させたマテリアシステムが最大の特徴。しかしジョブシステムでは起こりえなかった、万能キャラの量産と言うものが序盤から可能であり否定派の根拠となっている。
日本だけでなく、日本国外でも本作が発売されたが、『ファイナルファンタジーVI』までとは異なり、本作からは日本国外でも同じタイトルで発売された。このため日本国外では『FFIV』から『FFVI』までは当時欠番となり(後にプレイステーション版が発売された時は『FFIV』や『FFVI』も日本と同じタイトルとなった)、日本国外におけるFFシリーズのファンを混乱させることとなった。
1997年10月2日には、日本国内での販売本数300万本突破記念として、アメリカ版における追加部分を逆移植した『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』が日本国内で発売された(販売本数約64万本)。2001年12月20日には廉価版『PS one Books ファイナルファンタジーVII インターナショナル』として再販された。
また、アメリカではWindowsパソコン用への移植もされた。
主人公であるクラウド・ストライフを始めとする主要キャラクターの人物造形は『ファイナルファンタジーIV』のカイン、『ファイナルファンタジーVI』のティナやカイエンらの心理描写からの発展形と見られる。また同じスクウェアから発売されたスーパーファミコン用RPG『クロノ・トリガー』からもキャラクターの装備形態・対照的な性格のダブルヒロイン・宇宙から飛来した侵略者などに影響が見られる。
また、最終ボス戦では合唱付きのBGM『片翼の天使』が流れる。このゲームが発売された当時合唱(人の声)をゲーム音楽に取り入れるのは画期的なことであった。
本作の大成功、および開発期間・費用の増大はスクウェアの経営戦略に大きな影響を与えた。『FF』シリーズに資源を集中するため他のシリーズの開発に消極的となり、このため『聖剣伝説』や『ゼノギアス』等の開発スタッフが流出する事態を招いている。
ビジュアル重視の表現・大作主義・大容量化といった手法はその後のコンピュータゲームの主流となり、その先駆けとなった本作はゲーム業界全体に少なからず影響を与えたと考えられる。
[編集] システム
フィールドはあらかじめレンダリングされたCGイラストレーションの静止画で、その上を3Dのキャラクターが動くスタイルをとっている。これはプレイステーション程度のスペックで効率良く見かけの表現力を上げる手法として有効で、スクウェアの『ファイナルファンタジーVIII』、『ファイナルファンタジーIX』、『クロノ・クロス』等に受け継がれ、他社のゲームにも影響を与えた。反面、旧作のスプライトを用いた単純なフィールドに比べて出入り口等が分かりにくい問題が指摘され、『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』では対策が施されている。
戦闘画面やワールドマップはキャラクター、背景共に完全な3Dとなったが、メニュー等基本的な部分は過去の作品を踏襲している。
また、数々の重要な場面ではムービーが流れる。現在のCG技術には見劣りするものの、破格の予算と手間をかけた当時としては非常にレベルの高い作品である。ムービーシーンの冒頭をフィールドマップと合わせることでゲーム画面とムービーをスムーズにリンクする手法を取ったシーンもあり、更に一部の場面ではムービー再生中にもキャラクターを動かせる形にしている。
基本的に、プレイヤーが操作できるキャラクターは常時3頭身だが、戦闘時や一部ムービーを除いたシーンでは等身大サイズになる。頭身がバラバラになってしまう仕様は本作のみで、後の『ファイナルファンタジーVIII』では常時8頭身となっている。
[編集] マテリアシステム
本作では、装備に関する独特のシステムが存在する。
まず、過去のシリーズ作品と比べて装備項目は単純化され、武器・防具・アクセサリの3つだけとなった。武器や防具にはそれぞれ0から8個の穴(マテリア穴)があいている。この穴にマテリアと呼ばれる球状のアイテムを装着することにより、戦闘中に使うコマンドが増えたり能力値が変動したりする。マテリアを装備することで備わる能力をアビリティと呼ぶ。
なお、穴は単独である場合と2つの穴がつながっている場合がある。2つつながっている穴(連結穴)の場合、通常のマテリアを2つつけてそれぞれの効果を得るほかに、支援マテリアと呼ばれるマテリアと通常のマテリアを組にして装着することで、組にしたマテリアが与えるコマンドに追加効果を与えたり、属性やステータス変化を攻撃や防御に付けることが可能。一例を以下に挙げる。
- 「かいふく」マテリアと「ぜんたいか」マテリアをセットにして装備すると回復魔法の「ケアル」等が全員にかけられる。
- 「ほのお」マテリアと「ぞくせい」マテリアをセットにして防具に装備すると炎属性に対する耐性が得られる(耐性の度合は「ぞくせい」マテリアのレベルによって異なる)。
マテリアは敵を倒したときに獲得できるアビリティポイント(Ability Point、略字AP) により成長する。APがマテリアごとに決められた一定値に達すると新しいアビリティを習得でき、最終的には同じマテリアがAP0の状態で新しく手に入る (作中ではマテリアが「分裂」したと表現されている)。また武器や防具の中にはAPの成長率が変化する物がある(武器・防具とも0~2倍、一部キャラには3倍の武器が存在する)。
『FFV』のジョブ・アビリティシステムと『FFVI』のアクセサリ・魔石システムを融合、育成とカスタマイズを平行して楽しむことができるマテリアシステムは、それまでのファイナルファンタジーシリーズをゲームシステム面で集大成したものといっていいだろう。装備品の効果や特性を取るか、マテリア装着数や成長率を取るかといった葛藤を楽しむのも本作の魅力と言える。しかしキャラではなく物を成長させるという違和感による否定意見も存在する。
[編集] 戦闘
シリーズの特徴であるATB(アクティブ・タイム・バトル)は引き継いでいる。また、待ち時間を表すTIMEゲージの他にLIMITゲージとBARRIERゲージが存在する。
LIMITゲージは敵の攻撃でダメージを受けると蓄積され、ゲージがいっぱいになると1度だけキャラクターごとに様々な効果を持つリミット技を使うことができる。LIMITゲージの長さは戦闘前にLIMITレベルを設定することで行い (リミットゲージの長さは表示上は同じで、レベルが高くなるほど表示上の蓄積率は下がる)、レベルが高い方がリミット技の効果が大きい。特にレベル4の技は究極リミット技と呼ばれ、その習得にはレベル3までの全てのリミット技を習得するだけでなく、特殊な手順で必要なアイテムを入手する必要がある。ただし究極リミット技の効果が大きくゲームバランス的に問題があるという批判もある。
リミット技の原型は『ファイナルファンタジーVI』で初登場となったが、LIMITゲージが表示されるようになったのは本作から。リミット技はIXやXでも形を変えて登場している。
BARRIERゲージは魔法「バリア」及び「マバリア」における残り時間を表す物であり、前者は物理防御力、後者は魔法防御力を上げる効果がある(効果がある間は対応する種類のダメージが半減される)。この両魔法は以前からプロテスおよびシェルとして存在しているものであるが、本作ではこの2つにおいて効果の持続時間が表示されている事になる。
高評価の反面、CD読み込みや召喚魔法の演出の長時間化などによる戦闘の爽快感などがなくなり、否定する要素ともなっている。
[編集] ミニゲーム
本作には大量のミニゲームが用意されている。スノーボードゲームや潜水艦ゲームのように本編で強制的に行うことになるものもあるが、大半は「ゴールドソーサー」という、さまざまな遊戯施設が揃った一大レジャースポットで好きな時に遊ぶことが可能。
以下はミニゲーム一覧。括弧内は遊ぶことのできる場所を示している。
- コンドルフォート戦闘 (コンドルフォート)
- リアルタイム・シミュレーションバトル。全部で7段階のレベルが用意されているが、全てクリアすると最終的には遊べなくなる。
- アームレスリング メガずもう (ゴールドソーサー)
- ひたすらボタンを連打する腕相撲ゲーム。「すもう」と「レスラー」の2段階を選択することができる。
- バスケットゲーム (ゴールドソーサー)
- フリースロー。一定時間ボタンを押してから放すとシュートを放つ。このボタンを押す時間はかなり微妙だが、慣れれば短時間でポイントを稼げる。
- 闘技場 (ゴールドソーサー)
- 勝ち抜き方式の戦闘。実際に戦闘を行なうが、1人のキャラクターでしか挑むことができない。最高8連戦、各戦闘の間にハンデキャップのためのスロットが出現する。
- 3Dバトラー (ゴールドソーサー)
- 格闘ゲーム。上段・中段・下段の三種類の攻撃によるジャンケンのようなもの。難易度はかなり高い。
- モグ・はうす (ゴールドソーサー)
- 心温まるストーリーを見つつ、モグに効率よく実を与えるゲーム。
- チョコボレース (ゴールドソーサー)
- 6頭立てのレースで1位と2位を予想する競馬によく似たゲーム。チョコボを飼っている場合は自分が出場することも可能。
- ワンダーキャッチャー (ゴールドソーサー)
- クレーンゲーム。
- 潜水艦ゲーム (ジュノン地下 (1度きり)、ゴールドソーサー)
- 潜水艦を操縦し、魚雷を撃ち、敵潜水艦を撃沈するゲーム。
- シューティングコースター (ゴールドソーサー)
- コースターに乗って、次々と出現するターゲットをレーザーで撃破していくシューティングゲーム。
- Gバイク (ミッドガル・ハイウェイ (1度きり)、ゴールドソーサー)
- バイクを運転しながら剣で斬り付けたり体当たりをして敵バイクを攻撃し、味方の車を守るゲーム。撃墜した敵バイクの数と味方の車の残りHPでポイントが評価される。
- スノーボードゲーム (アイシクルロッジ、ゴールドソーサー)
- コース各所に並べぶ風船を通過しながらスノーボードで滑り降りるゲーム。コースを完走した時のタイムと、獲得した風船の数でポイントが評価される。アルペンスキーとスノーボードクロスを合わせたようなゲーム。北米では「Final Fantasy VII Snowboarding」の名称で、携帯電話用アプリゲームとしてリメイクされている。
[編集] チョコボの育成
シリーズで初めて導入された要素。ワールドマップでモンスターと一緒に現れる野生チョコボを捕まえ、エサ(野菜)を与えて能力を強化しつつレースに出場させたり、繁殖して特殊能力を持つ子供を産ませるなど、競馬のような趣向になっている。チョコボの育成は後のシリーズ作品にも受け継がれている。
カップリングで産まれる特殊チョコボは、ワールドマップの通常入れない地域を移動できる能力を持つ。貴重なマテリアの中には特殊チョコボを使わないと入手不可能な物が存在するなど、ゲーム内で特にやり込み要素が強い。
[編集] ファイナルファンタジーVII インターナショナル
300万本突破記念として発売されたマイナーチェンジ版。内容としてはアメリカ版で追加された部分を逆移植で追加したという形となっている。
本編の主な変更点は以下の通り。
- ストーリーの理解をより深める追加イベント、追加ムービーを収録。
- 新しいマテリアと武器が追加された(厳密にはデータ上にだけ存在していたものが入手可能になった)。
- エンカウント率の抑制、一部の「てきのわざ」の仕様変更などでゲームバランスを調整。
- ウェポンとのバトルが追加された。
- 「ダイヤウェポン」は強制的に戦闘する。任意戦闘の「ルビーウェポン」「エメラルドウェポン」はラストボスを遥かに凌ぐ強さである。
- フィールドが見にくいという声に配慮し、出入り口などにマークを付ける機能を追加。
- メニューのマテリア付け替え画面に「クイック」機能が付き、操作性を大幅に向上。
- オリジナル版のセーブデータを流用することが可能(逆は不可)。
- 敵モンスター「マジックポット」を攻撃だけで倒すことが不可能になった(エリクサーを与えない限りダメージを与えられない)。
- ただしあるマテリアに関する処理のバグによりアイテムを増殖させる裏技がインターナショナル版で追加されているため、終盤における成長が困難になったわけではない。ちなみにそのマテリアにはオリジナル版では使っていないのにアイテムの数が減る現象があったが、これはインターナショナル版でも引き継がれている。
このほか微調整やバグの修正が施されている(ただし、後述する「エアリスを表面上殺さずに最終決戦まで連れて行く裏技」はこちらでも可能である)。
また付録CD-ROM「ファイナルファンタジーVIIパーフェクトガイド」では、各地のマップなどの情報を見たり、開発中のスクリーンショットやイメージイラストなどが鑑賞できる。これはオリジナル版を基にしたものである。
[編集] COMPILATION of FINAL FANTASY VII
ファイナルファンタジーシリーズは1作完結の原則があったが、2003年に『ファイナルファンタジーX』の続編『ファイナルファンタジーX-2』が発売されたことにより方針転換。FFシリーズの中でも特に人気の高い『FFVII』の続編および外伝的作品が相次いで発表されている。これらの作品群は"COMPILATION of FINAL FANTASY VII"と総称される。なお、それぞれのタイトルの頭文字を取ると、アドベントチルドレン(AC)、Before Crisis(BC)、クライシス コア(CC)、ダージュ オブ ケルベロス(DC)となっており、タイトルの付け方に一定の法則を見出せる。
- 第一弾、Before Crisis ファイナルファンタジーVII
- 第二弾、ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン
- 『FFVII』の2年後を描いた続編で、テレビゲームではなく映像作品である。坂口博信を除く主要スタッフのほとんどが参加している。DVD-Video、UMD Videoで発売、限定BOX「ADVENT PIECES:LIMITED」には『ラストオーダー ファイナルファンタジーVII』が収録されたディスクと、『FFVII インターナショナル』(CEROレーティング12歳以上対象)を同梱。
- 第三弾、ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII
- 『FFVII』の登場人物のひとり、ヴィンセントを主人公にした、『FFVII』の3年後が描かれた作品。プレイステーション2用ゲーム。2006年1月26日発売。ガンアクションRPG。オンラインにも対応していたが、2006年9月29日にサービスは終了している。
- 第四弾、クライシス コア ファイナルファンタジーVII
- プレイステーション・ポータブル用ゲーム。
[編集] リバース オブ コンピレーション
"COMPILATION of FINAL FANTASY VII"のモデルチェンジ版などを総称してこのようにいう。
- ダージュ オブ ケルベロス ロスト エピソード ファイナルファンタジーVII
- 『ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII』の外伝的作品。携帯電話用アプリゲームとして発表される。
- EZWeb、ヤフーケータイ版Before Crisis ファイナルファンタジーVII
- iモードでしかプレイできなかった『BC FFVII』の移植版。プレイヤーキャラクターが各キャリアごとに追加される。
- ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン コンプリート
- 『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』に、シーンの追加・変更を施した完全版。
[編集] コンピュータゲーム業界に与えた影響
[編集] 時代は任天堂からプレイステーションへ
1990年代中盤はコンピュータゲーム業界の変換期に当たる。プレイステーションやセガサターンといった次世代機が登場し、メディアがロムカセットからCD-ROMへ移行したことにより、ゲームの表現方法も徐々に移り変わっていった。グラフィックは3Dで表現され、ムービーを駆使した演出も可能になった。常に挑戦的な姿勢を崩さなかった『FF』もこの時代の流れに乗り、プレイステーションで発売することとなった。当時、スーパーファミコンの後継機となるNINTENDO64で発売されることと思っていた人が多かっただけに、この発表は衝撃的だったと言える。
本作も当初はNINTENDO64で発売される予定だったらしい。しかしNINTENDO64のスペックが発表された時、少容量であるROMカートリッジではFFVIIは作れず、大容量の媒体であるCD-ROMが必要と判断したため、CD-ROMを採用したプレイステーションで発売する事に決めたという。
こうして本作の供給先がプレイステーションに決定したことが、同ハードがセガサターンとの間で繰り広げていたシェア争いにおいて勝利を収め、任天堂が業界トップの地位から転落するきっかけとなった。これにより蜜月関係だったスクウェアと任天堂の間に亀裂が入り、2002年に和解するまで対立関係が続くことになった。ちなみに、同社が最初にプレイステーションで発売したソフトは本作ではなく『トバルNo.1』(1996年8月発売)であるが、同作に本作の体験版が付属していた。
[編集] コンビニエンスストアでの販売
デジキューブによるコンビニエンスストアでの予約・販売という影響も忘れてはならない。それまで、『ファイナルファンタジー』のような大作は発売日に並んで買うスタイルが当たり前だったが、コンビニエンスストア流通により『FFVII』は大きな混乱もなく発売日を迎えることができた。
なお、コンビニエンスストアでの予約購入特典として設定資料などが収録された小冊子があったが、当初50万人限定となっていた物が77万人限定、最終的には予約購入者全員サービスとなった事も、本作とデジキューブに関する関心の強さを物語っている。
[編集] 世界観
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
類型的な「剣と魔法の西洋中世的ファンタジー世界」からの大きな逸脱も、歴代ファイナルファンタジーが隠し持っていた機械文明への指向性の開花であり、「人間が理知で築いた文明に対する、ファンタジー的な世界からの逆襲」という究極ではなく終焉として最もファイナルファンタジーらしいストーリーが展開される。
前作『ファイナルファンタジーVI』では同『V』までにも部分的に現れていた機械文明のさらなる増大を見せる世界観であったが、『VI』の時点ではまだ西欧中世的な世界観をベースにしていた。しかし、本作ではさらに機械文明の割合が増大・発達した世界となっている。さらに「城」がワールドマップから完全に姿を消し、東洋的異文化の国(ウータイ)やネイティブアメリカン的なコミュニティ(コスモキャニオン)を加え、「RPG=ファンタジー=西欧中世的世界」のくびきを完全に脱した、ファイナルファンタジー独自の世界を構築することとなった。
特に機械文明が発達している2つの都市がミッドガルとジュノンで、この2つはどちらも神羅(しんら)カンパニーの拠点となっている。この2つの他いくつかの地域には魔晄炉(まこうろ)が設置され、周辺の街におけるエネルギー源となっている。しかしながら、魔晄炉は人々の生活に潤いをもたらす一方、そのために地下深くのライフストリームに蓄積されているエネルギーを奪っているため、魔晄炉の周囲の土地は衰えており、特にミッドガルでは地上のスラム街のほとんどは草も生えていない。神羅のこの活動により星自体の命も削られているとして、神羅に反抗する組織も存在する。
街の内装装飾には漢字が数多く使われており、独特の雰囲気を感じさせる。ミッドガルの、頭上にそびえる巨大な機械都市とその下にあるスラムの日の差さない暗い光景の対比、様々な文化が混然として存在する状態に、『ブレードランナー』の影響が指摘されることもある。物語の見下ろし視点で描かれるマップの、建物の多くにはトイレや風呂が描かれ、街の人々はみな生活感に溢れる言動・行動を見せる。コミカルな描写も非常に多く、仮想世界に対する親近感を最大限プレイヤーに訴える作りとなっている。
[編集] ライフストリームと魔晄エネルギー
本作の世界には、あらゆる生物が死によって世界の中心に還るときに、持っていた知識やエネルギーが蓄えられ、世界全体が栄え再び新しい命を生み出す源となっている、という死生観が存在する。ちなみにこのような死生観はIXやXにも見られる(後述するが、この死生観の共通点はVIIとX系列のつながりの根拠ともされている)。この蓄えられた知識とエネルギーは常にあらゆる方向に流れており、この流れはライフストリームと呼ばれている。
このコンセプトは従来のファイナルファンタジーシリーズにある「クリスタル」をより具体的に表したものと思われ、Vに代表される「自然の象徴としての『クリスタル』→ジョブ/アビリティ」の流れが「精神エネルギー→ライフストリーム→マテリア」とより物語・ゲームシステム双方に深く取り込まれることとなった。
神羅カンパニーは星の中心から魔晄(まこう)と呼ばれるエネルギーをくみ取り、それを魔晄炉と呼ばれる施設で電力などとして都市に供給し人々の生活を豊かにしている。しかし神羅が魔晄と呼んでいるエネルギーの源はライフストリームであり、そこに蓄えられたエネルギーを横取りする形になるため魔晄炉を中心に土地がやせていくことになる。後述する「星命学」はこの点から神羅の活動を批判している。
魔晄炉の中などでは人工的にマテリアが生成されることがあり、これを介すれば一般の人間でもそこに蓄積されていた戦闘技術などを使うことができるらしく、神羅カンパニーはそれを兵器開発の一環としても活用している。
[編集] 星命学とアバランチ
死によって生命が持っていた知識が星に蓄えられていき、それが生み出すエネルギーによって新たな命が生まれていくという考え方がコスモキャニオンで研究を続けている学者たちによって作り出された。これが星命学(せいめいがく)である。星命学においては死によって蓄えられた知識が生命の源であるとされ、結果としてこれを横取りする事になる神羅カンパニーの活動を批判する根拠にもなっている。
星命学に影響され神羅の活動を批判するようになった人たちの中から、徒党を組んで過激派テロ組織のような活動を行う者も現れた。一時は多数の組織が積極的に活動していたが、現在はアバランチ以外はなりを潜めている。
なお、本作に登場するアバランチは一種のテロリスト集団であり、以前存在した反神羅組織『アバランチ』にあやかって、バレットが命名した物である。過去に存在した『アバランチ』の本拠地はコスモキャ二オンであり、星命学の影響を受け神羅への攻撃を行っていた。
[編集] ジェノバと古代種
「古代種」(セトラ)とは本作の世界において、現生人類とは別種族と思われる、古くから「星」に住んでいた者達およびその血縁にあたる者である。外見において現生人類と何ら変わりなく、両種族間の混血児も存在する。古代種はその能力として「星読み」と称する星そのものと対話する能力を持っており、地上のあらゆる所に移動しながら星の中心となるライフストリームを導き、星に生きるあらゆる命を栄えさせていた。
2000年前にどこからか飛来してきた高等生命体が「ジェノバ」である。ジェノバがノルスポル(後のアイシクルエリア北部)に墜落した際、そこには巨大なクレーターができ、そこから大量のライフストリームが吹き出すという事態になった。古代種たちは吹き出すライフストリームを本来の流れである内部の流れに戻すためにノルスポルに集まったが、そこで後述するジェノバの「擬態能力」に騙され、その大多数がモンスターに変えられてしまった。しかしわずかながらそれに騙されず生き残った古代種により、ジェノバは同地に封印された。
ジェノバ自身は相手の記憶等を読みとりその中の人物に姿を変える「擬態能力」を持っており、墜落直後は集まった古代種たちの記憶から彼らの身内の姿に擬態して彼らに接近し気を許した者をモンスターに変えていった。本作において、この能力は各地で見られる「セフィロスの姿に擬態したジェノバによる行動」が、周囲の者達に「セフィロスによる行動」として認識されるため等に使われている。
また、ジェノバはその体がバラバラにされてもその破片を寄せ集めて再生しようとする能力を持っており(リユニオン)、それは作中ではセフィロス・コピーと呼ばれる者達がセフィロスの元へ向かおうとする行動となって現れる。
[編集] ジェノバ・プロジェクト
本作より約30年前、ジェノバが神羅カンパニーの化学部門に当時在籍していたガスト・ファレミスによって発掘された。当時はジェノバが古代種でないかとされ、その数が非常に激減していた古代種を人工的に作り出す材料とされた。人工的に作り出された古代種が、ジェノバが持っている古代種の能力を用いて魔晄エネルギーに満ちた場所を探し出すことによって、ジェノバが古代種であることを証明する目的もあったと思われる。この目的に基づいて人工的に古代種を作り出そうとした計画を「ジェノバ・プロジェクト」という。ジェノバ・プロジェクトはニブルヘイムで行われ、発掘されたジェノバも北にあるニブル山魔晄炉に保管されていた。
ジェノバ・プロジェクトにはガストの他、後に生物部門の総括となる宝条と、ルクレツィアが参加しており、計画は宝条の子供を宿したルクレツィアの胎内にジェノバ細胞を移植する形で開始された。この子供がセフィロスである。しかし出産直後のルクレツィアの変貌により、ガストはジェノバが古代種であるとした仮説の誤りを認識し、神羅を去った。その後ガストは自ら独自の調査を行い、真に古代種の血を引くイファルナと出会い、彼女との間にエアリスをもうけている。ガストが去ったことによりプロジェクトの総括となった宝条はガストの捜索を行い、最終的にイファルナとその娘であるエアリスをガストから奪うことに成功している。
[編集] ソルジャーとセフィロスコピー
宝条の元で育てられた(先述したとおり遺伝的な父親は宝条であるがセフィロス自身はそのことを知らずに育てられている)セフィロスは、成長に連れて高い戦闘能力を発揮していった。それに目を付けた神羅カンパニーは、セフィロスのように人工的にジェノバ細胞を埋め込むことによる身体能力の向上により、強力な兵士を作り出すようになった。こうして作り出された兵士達が「ソルジャー」と呼ばれる者達である。タークスなどによって集められた者達がソルジャーとなったが、その過程で精神に変調をきたし脱落する者も多かった。この過程はある意味では、精神力を計る選抜の手段でもあった(クラウドはそのために落とされたらしい)。精神に変調を起こさずソルジャーとなった者は実力により3つのクラスに分けられていた。なお、選考の要素にはこの他に一般の筆記試験も存在する(作中ではジュノンの兵士が語っており、後述するパーフェクトガイドでもある机の上にソルジャー選抜の筆記試験の問題集が置いてあるという設定を知ることができる)。
5年前セフィロスがニブル魔晄炉を調査のため訪れた際、セフィロスはそこで自らの出生の秘密を知り、保管されていたジェノバの首を持って「約束の地」を目指そうとしたがそれをクラウドに阻止された(詳細は後述する)。その後宝条はニブルヘイムで生き残った住人に対し、ソルジャーと同様の手法でジェノバ細胞を埋め込み、残りを神羅本社に運ぶことで、ジェノバ細胞を埋め込まれた者達が神羅本社に集まろうとするという形でジェノバのリユニオンを証明しようとした。こちらの形でジェノバ細胞を埋め込まれた者達を「セフィロス・コピー」と呼ぶ。セフィロス・コピーの実験対象はソルジャーのような強い精神力を持った者ではないため、自分に埋め込まれたジェノバを制御することができずジェノバに操られる形となる。なおセフィロス・コピーには実験体を識別するために入れ墨が施されているが、実験体にされた者の内特に精神が弱く完全に崩壊してしまったクラウドには入れ墨が入っていない(そのため、「セフィロス・コピーインコンプリート ナンバリングなし」となる)。ちなみにレッドXIII(ナナキ)はナンバー13でいつ自分がほかのコピーみたいに変になってしまうのかと不安でたまらないが、そのナンバーとは全く関係が無い。
[編集] ウェポン
ジェノバが墜落した際に古代種が絶滅寸前の状況に追い込まれたが、このときに星自身もジェノバを排除するためにウェポンと呼ばれる巨大な兵器を作り出していた。
ウェポンはきわめて高い戦闘能力を持った巨大モンスターである。古代種がジェノバの封印に成功したためウェポンは活動せず、ジェノバの復活に備えて休眠している。なお、ウェポンは星自身が作り出した自己防衛システムであり、人間の味方ではない。オリジナル版では3種類、インターナショナル版では5種類登場するが、これらの内2体(両バージョンとも)は神羅カンパニーと交戦、クラウド達もオリジナル版では1体、インターナショナル版では4体と戦うことができる(シナリオ中強制的に戦闘になるのはインターナショナル版で1体のみ)。
[編集] 地域
本作に登場する街や村は以下の通り。
- ミッドガル(Midgar)
- 神羅カンパニーの本社がある都市。街の周囲にある8基の魔晄炉等により「魔晄都市」と呼ばれている。
- カーム(Kalm)
- ミッドガルから若干離れたところに位置する町。高い城壁に囲まれている。
- チョコボファーム(Chocobo Farm)
- コンドルフォート(Condor Fort)
- ジュノンから少し離れたところにある丘。神羅にとっては丘の頂上に存在する魔晄炉でコンドルが卵を抱えているのが気に入らないらしい。
- ジュノン(Junon)
- 昔は小さな漁村だったが現在は神羅カンパニーの支社が存在する大都市となっている。しかしミッドガル同様地上と上層で貧富の差が激しい。
- コスタ・デル・ソル(Costa del Sol)
- ジュノンと海を挟んだ向かいに存在するリゾート地。一角にはプレジデント神羅が使用していた別荘がある。
- 北コレル(North Corel)
- 炭坑時代の生き残りがひっそりと暮らす村。一角にはゴールドソーサーへのロープウェイ乗り場もある。
- ゴールドソーサー(Gold Saucer)
- 神羅カンパニーが建設した遊園地。真下にあるコレルプリズンは昔のコレル村の跡に犯罪者たちが送られることでできたスラム街である。
- ゴンガガ(Gongaga)
- 魔晄炉の爆発事故で寂れた村。ザックスはこの村の出身。
- コスモキャニオン(Cosmo Canyon)
- 星に関する様々な知識が集まる村。レッドXIIIの出身地。
- ニブルヘイム(Nibelheim)
- 一見するとのどかな村だが北にある屋敷は物々しい雰囲気を漂わせている。クラウドとティファの故郷だが、過去に焼き尽くされた後再建された。北にあるニブル山の一角に魔晄炉がある。
- ロケット村(Rocket Town)
- かつて神羅カンパニーが宇宙に関する研究を行っていた当時は基地としてにぎわっていた。宇宙開発計画が中止された後も、当時の技師たちがここで暮らしている。
- ウータイ(Wutai)
- 東洋的な雰囲気を漂わせる国。15年前神羅と戦争を起こして敗れている。五強聖と呼ばれる武人集団の長・ゴドーが治める。ユフィの出身地。
- 古代種の神殿(Temple of the Ancients)
- 孤島に存在する神殿。メテオに関する秘密が眠っている。
- ボーンビレッジ(Bone Village)
- 化石発掘が盛んな村。ギルを払えば観光客が発掘することも可能である。
- 忘らるる都(Forgotten Capital)
- かつての古代種たちの村の跡。元々海底にあったようである。
- アイシクルロッジ(Icicle Lodge)
- かつてジェノバが墜落した場所の近くにある酷寒の村。エアリスの出身地。
- ミディール(Mideel)
- 南の島に存在する温泉地。通常深いところを流れるライフストリームが、ここの近くでは比較的浅めの所を流れているようだ。
- 大空洞(Great Northern Cave)
- アイシクルロッジから見て北にある巨大なクレーター。かつてジェノバが墜落してきた場所であり、ジェノバ墜落当時はノルスポルと呼ばれていた。
[編集] 神羅カンパニー
先述したように、本作に登場する大企業神羅カンパニー(神羅電気動力株式会社、Shin-Ra Electric Power Company)の本社はミッドガルに存在する。今でこそ魔晄エネルギーにより栄えている神羅カンパニーだが、元々は一介の兵器会社神羅製作所に過ぎず、かつては宇宙へ行くためのロケットの開発も行っていた。 だが魔晄エネルギーの実用化に成功したのをきっかけにこの星全体に影響を持つような大企業にのし上がっていく。
神羅カンパニーには以下のような部署が存在する。
- 治安維持部門 - 反乱分子弾圧のためのソルジャー派遣など。特殊工作部隊タークスもここに所属しているが、事実上独立部隊として活動している。現在ハイデッカーが統括している。
- 兵器開発部門 - 武器の開発を行う。現在の統括はスカーレット。
- 都市開発部門 - ミッドガルなどの都市の整備。リーブが中心となっている。
- 化学部門 - 生物の研究など。宝条がトップ。
- 宇宙開発部門 - ロケットや航空機の開発など。以前ほど力はない。現在の統括はパルマー。
[編集] 登場キャラクター
- 詳細はファイナルファンタジーVIIの登場人物を参照。
年齢は『FFVII』での年齢である。
- クラウド・ストライフ (Cloud Strife)(21歳 ニブルヘイム出身)
- 主人公。自称、元ソルジャー。5年前のニブルヘイム事件直後、宝条によりセフィロスコピーの実験体にされた。この際に魔晄漬けにされ、その影響により過去の記憶が曖昧になる。「興味ないね」の口癖どおり冷めた性格のように感じるが、物語の後半では本来の純真で素直な性格を垣間見せる。
- バレット・ウォーレス (Barret Wallace)(35歳 コレル出身)
- 反神羅組織「アバランチ」のリーダー。故郷と家族(娘のマリンは実子ではない)を奪った神羅カンパニーへの復讐を誓い、新生アバランチを結成する。そのため当初は神羅カンパニーに所属していた過去を持つクラウドと序盤は何かと因縁を付ける。
- ティファ・ロックハート (Tifa Lockhart)(20歳 ニブルヘイム出身)
- 本作のヒロインの1人。クラウドの幼馴染みで、明るい性格に見えるが実は慎重で奥手。ザンガン流格闘術の使い手である。ニブルヘイム事件がきっかけで神羅を憎み、アバランチに参加する。
- エアリス・ゲインズブール (Aerith Gainsborough)(22歳 アイシクルロッジ出身)
- 本作のヒロインの1人。ミッドガル5番街のスラムに住む花売り。古代種と呼ばれる種族の末裔で物語上、重要な役割を担う。
- レッドXIII (Red XIII)(48歳:人間の年齢に換算すると15~16歳 コスモキャニオン出身)
- 神羅カンパニーの研究所で実験をうけていた獣のような種族。簪(かんざし)や髪飾りをつけ突進するという戦い方をする。年齢と口調から老獪な雰囲気を漂わせるが、彼の一族は長命であるため実際の性格は幼い。本名はナナキ。
- ユフィ・キサラギ (Yuffie Kisaragi)(16歳 ウータイ出身)
- ウータイの復興のためマテリアを狙う忍者の少女。乗り物酔いがひどく、ハイウィンドではいつも連絡通路で気分悪そうにしている。拳を「しゅしゅしゅ!」とやるのが癖。
- ケット・シー (Cait Sith)(?歳 出身地不明)
- 自称占いマシーンの黒猫のぬいぐるみで、普段はデブモーグリのぬいぐるみの上に乗っている。メガホンを武器とする。関西弁のような口調で話す。実は神羅カンパニーの都市部門総括であるリーブが遠隔操作で操っており、スパイとしてクラウドたちに加わる。
- ヴィンセント・ヴァレンタイン (Vincent Valentine)(27歳:外見年齢 出身地不明)
- ニブルヘイムの神羅屋敷の地下に眠っている男。実はツォン以前の元神羅製作所総務部調査課(通称、タークス)のメンバーで、外見は若いが実際には年齢は50代に入っている。宝条の人体実験により、モンスターに変身する能力を持つ。
- シド・ハイウィンド (Cid Highwind)(32歳 ロケット村在住)
- かつて神羅カンパニーが宇宙開発を手がけていた時代のエンジニア。ロケット発射が失敗に終わった後も宇宙へ思いをはせている。口は悪いがハートは熱い。神羅カンパニーには、彼のファミリーネームから名づけられた飛空艇「ハイウィンド」がある。
- セフィロス (Sephiroth)
- かつて神羅カンパニーにこのソルジャーありと言われた男。物語の鍵を握る人物。正宗という大太刀を駆る。ジェノバプロジェクトに関する人体実験により、体内にジェノバ細胞が存在する。後にその事実を知り、人類と星に対する激しい憎悪に取りつかれる。
なお、ユフィとヴィンセントはエンディングのムービーには登場しない。製作者によると「この二人は仲間にならないこともあるので、それぞれのパターンのエンディングを作ってしまうと、せっかくのエンディングがブツブツ途切れてしまうため、それが嫌で登場を避けた」とのこと。
[編集] ストーリー
世界を牛耳る巨大企業「神羅カンパニー」が支配する街「ミッドガル」、星の命を削る彼らの政策に反抗する組織「アバランチ」。彼らの抗争は長期にわたり続き、神羅によるアバランチリーダー暗殺が起きるなど激化の一方であった。そしてある日、アバランチは壱番魔晄炉爆破作戦を決行する。
[編集] ストーリーの謎とネット上のデマ情報
本作はファイナルファンタジーシリーズの中でも、ストーリーにおける謎やインターネット上で飛び交ったデマ情報の多いゲームであった。
ストーリーの謎としては、序盤でたびたび言及される「約束の地」が本当はどこであったのかということなどがある。「約束の地」については、神羅は魔晄エネルギーにあふれる土地と語っているが、エアリスは古代種の死に場所だと語っている。そしてエンディングでも、クラウドは「約束の地」がどこかわかったような発言をするが、それがどこかは明示されていない。
本作におけるデマ情報として、以下のような情報が存在した。
- 海を潜ることができる変種チョコボがいる。
- 水中で息ができるマテリアがある。
- インターナショナル版では追加ウェポンであるエメラルドウェポン戦における時間制限回避アイテムとして登場している。
- タークスやセフィロスが仲間になる。
- エアリスを殺さないor生き返らせる方法がある。
ゲーム中でもゲーム中にCD-ROMを入れ替えることを禁止する記述があり、行った際にはマップの切り替わりなどにおいてゲームの進行が完全に停止してしまうケースがあるが、『サガ・フロンティア』や、『チョコボの不思議なダンジョン2』付属のおまけデータディスクのCD-ROMの場合、マップのつなぎ目がおかしくはなるが移動自体は問題ないという状態になる。これとチョコボに乗っている間はエンカウントが発生しないということを利用し、チョコボに乗っている間にディスクを入れ替え、降りた後に元のディスクに戻すと、戦闘終了後に発生するマップの読み込みでは正常な物となるため、一見するとチョコボを捕まえた場所からワープしたかのような形となる。この現象を利用し、本来エアリスがパーティーから外れるイベントを飛ばすことで、彼女を殺さずに話を進められる(厳密には彼女が殺されるシーン自体は通過するが、この技を実行すると彼女がパーティーに残ったままこのイベントを見ることになり、それ以降のシナリオに進む)ことが後に判明した。彼女が殺された後のジェノバ・LIFE戦後のイベントなど、以後のイベントの中には彼女が戦闘メンバーにいる状態だとゲームが進行しなくなるイベントがあるが、この技を実行するタイミングを間違えなければ最終決戦まで彼女を連れて行くことが可能(ちなみにこの場合、リバース・セフィロス戦における全てのサイドに彼女を入れることも可能)である。ただこれはあくまでも裏技であり、本来のシナリオには彼女が殺されるのを回避する方法も彼女が復活するイベントもない。
以上で、作品の核心的な内容についての記述は終わりです。
[編集] 主なスタッフ
- 坂口博信 (プロデューサー、シナリオ原案)
- 野村哲也 (キャラクターデザイン、シナリオ原案等)
- 北瀬佳範 (ディレクター、シナリオ)
- 野島一成 (シナリオ、イベントプランナー)
- 植松伸夫 (音楽)
- 天野喜孝 (イメージイラスト)
- 成田賢 (メインプログラマー)
- 直良有祐 (アートディレクター)
- 鳥山求 (イベントプランナー)
- 加藤正人 (スペシャルサンクス)
[編集] 他のゲーム作品との関連
[編集] FFXシリーズとの関係
『ファイナルファンタジーX ULTIMANIA Ω』のインタビューにて、スタッフが「FFXスタッフの一人がFFXとFFVII は繋がっていると考えている」と発言している。
『ファイナルファンタジーX-2』にはシンラというキャラクターが登場する(天才という設定で、作中でも様々な発明をしている)。後半のイベントでは異界(FFXの世界で死んだ後に行くと言われている場所)にある膨大なエネルギーを発見、その後、アルベド族のリンの協力を受けて宇宙船を開発し、他の惑星へ旅立ち、その星で神羅カンパニーを築いた、ということを『ファイナルファンタジーX-2 ULTIMANIA』のインタビューにて野島氏が語っている。この点において本作とXおよびX-2はつながりがあるとされている(補足しておくと、本作に登場するライフストリームとXに登場する幻光虫は完全に同義のものであること、またプレジデント神羅やルーファウスはシンラの子孫であることも氏は語っている)。
[編集] キャラクターのゲスト出演
- 『ファイナルファンタジータクティクス』(FFT)にクラウドが登場する。FFVIIでライフストリームに呑み込まれた後、FFTの主人公らが起動した古代文明の転送装置によってFFTの世界に迷い込むという設定(なお、FFTの世界からの帰還の経緯は語られていない)。戦闘パーティーに加えることができる。エアリスに似た花売りの娘と遭遇するなどFFVIIのパロディ的なシーンもある。他にもセフィロスに良く似た風貌の登場人物が敵として登場する(正宗も装備している)が、クラウドと対峙する事はなかった。
- 『エアガイツ』・『キングダムハーツシリーズ』・『ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial』・『ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリート ポータブル』に本作のキャラクターが複数登場する。
[編集] その他の作品
- 『ファイナルファンタジーIX』のある場面で、本作のBGMの一つで初めてジュノンに訪れた時に流れる曲である「ルーファウス歓迎式典」が流れる。また主人公ジタンが武器屋で巨大な剣を見た時にクラウドを思い起こさせる発言をする。
- 『ファイナルファンタジーX』の主題歌であるRIKKI「素敵だね」のシングルCDのカップリングとして、FFシリーズのBGMから人気投票で1位に選ばれた「エアリスのテーマ」に詞をつけた楽曲「Pure Heart」が収録されている。作詞は白鳥英美子(IXのテーマソングを担当)が手がけている。
- FFVIIと同期に開発がスタートした『ゼノギアス』は、FFVIIとシナリオが類似していることから裏FFVIIと呼ばれた。FFVIIにおいてもクラウドがある場面でゼノギアスの宣伝ととれる発言をする。
- 『ファイナルファンタジーXII』のある敵キャラクターが、クラウドの剣に酷似した武器を持っている。
- 『半熟英雄』シリーズでは3作目以降本作の登場人物が将軍として友情出演。4作目ではカトリイヌがクラウドのコスプレをする。さらに3作目では「片翼の天使」のアレンジバージョンに自虐的な歌詞を付けた「絶叫すべき咆哮」という曲が使われている。
[編集] その他
2001年ごろ、スクウェアの投資家向け発表資料などでファイナルファンタジーVII・VIII・IXの3作をプレイステーション2に移植する計画の存在が明らかになったが、その後立ち消えになった。
2005年5月のElectronic Entertainment Expoにおいて、プレイステーション3(以下PS3)用の技術デモとしてファイナルファンタジーVIIのオープニングムービー等を再現した映像が公開された。このことで一部のファンの間で本作をPS3でリメークすることへの期待が高まった。しかしディレクターの野村氏によると、PS3への移植は難しいだろうとのこと。またスクウェア・エニックス社内でPS3向けの新作「ファイナルファンタジーXIII」の制作を始めるきっかけともなった。
今作のプレリュードでは、伴奏においてディレイ部分の音量をかすかに聞こえる程度に下げて64分音符加算型ディレイを使用している。その為に遅延が耳ではっきりと聞き取れる。ディレイ部分だけが独立してクレッシェンドとデクレッシェンドが掛けられるのは初めての事となった。(演奏記号)
作品データベースのゲーム部門では偏差値200を超えて長らく評価順位1位を保っている。
[編集] 関連項目
[編集] 関連文献
- ファイナルファンタジーVII 解体真書 ザ・コンプリート(1997年)
- アスペクト(現エンターブレイン)から発売。スタジオベントスタッフ著、ファミ通責任編集。いわゆる完全攻略本。同年インターナショナル版に対応した改訂版(ISBN 4-89366-879-X)も発売された。
- FINAL FANTASY VII ULTIMANIA Ω(ISBN 4-7575-1520-0)
- 2005年9月にスクウェア・エニックスから発売。スタジオベントスタッフ著。続編である「FFVII ADVENT CHILDREN」の発売に合わせて、攻略よりもシナリオ・キャラクター等の研究解析に重点を置いている。
[編集] 外部リンク
- FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN(続編の公式サイト)
- BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII-(関連作品の公式サイト)
- DIRGE OF CERBERUS FINAL FANTASY VII(関連作品の公式サイト)