ファイナルファンタジーVI
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ファイナルファンタジーVI FINAL FANTASY VI |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン(SFC) プレイステーション(PS) ゲームボーイアドバンス(GBA) |
開発元 | SFC:スクウェア PS:トーセ GBA:スクウェア・エニックス |
発売元 | SFC,PS:スクウェア GBA:スクウェア・エニックス |
人数 | 1人(バトル時のみ1~2人) |
メディア | SFC:24Mbカセット PS:CD-ROM1枚 GBA:ロムカセット |
発売日 | SFC:1994年4月2日(日本国内) PS:1999年3月11日(日本国内) GBA:2006年11月30日(日本国内) |
価格 | SFC:11,400円(税抜) PS:4,800円(税抜) GBA:5,040円(税込) |
対象年齢 | GBA:CERO:A(全年齢対象) |
売上本数 | SFC:約255万本 合計:約343万本(全世界) うち日本国内約262万本 うち日本国外約81万本 |
『ファイナルファンタジーVI』(-シックス、FINAL FANTASY VI、 略してFF6)はスクウェア(現スクウェア・エニックス)製作・発売の日本のRPG作品。ファイナルファンタジーシリーズの本編第6作目に当たる。
目次 |
[編集] 概要
日本国内で1994年4月2日にスーパーファミコン(以下SFC)向けのソフトとして発売された。リメイク版として、1999年3月11日にはプレイステーション版が2種類(コンビニエンスストア向けの単品と、それ以外のルート向けに『IV』及び『V』とセットにしたファイナルファンタジーコレクション)が発売されている。また、ゲームボーイアドバンス(GBA)版『ファイナルファンタジーVI アドバンス』が2006年11月30日に発売されており、GBA用ソフトとしては最後のリリースタイトルとなった。
SFC用にリリースされたFFシリーズとしては最後のタイトル。当時としては圧倒的に美しいグラフィック、音楽、壮大なストーリー、スピーディーな戦闘など、まさに傑作と誉れ高い作品に仕上がっている。中でも、ドット絵の描き込みは評価が高い。
また、過去のシリーズでは戦闘手段のひとつでしかなかった「魔法」の概念をストーリーの中心に持ち込んでいる。この手法は後のファイナルファンタジーシリーズにも引き継がれている。
ファイナルファンタジーシリーズは元から、美しいグラフィックやロマンチックなシナリオにより女性ファンは多いほうであったが、今作よりメインキャラクターに若い青年が増えたことでそれが顕著になる。後に美形キャラクターの多い『VII』では本格的に女性人気がブレイクし、ファンジンでの活動が活発になった。
[編集] 制作スタッフ
- プロデューサー・原案: 坂口博信
- ディレクター・シナリオ:北瀬佳範
- ディレクター・ゲームデザイン:伊藤裕之
- メインプログラマー: 成田賢、吉井清史
- グラフィックディレクター: 高橋哲哉、渋谷員子、皆葉英夫、野村哲也
- イメージデザイン・タイトルロゴ:天野喜孝
- 音楽: 植松伸夫
[編集] システム
[編集] 基本的なシステム
フィールド、メニュー、戦闘などの基本的形式は従来のファイナルファンタジーシリーズを引き継いでおり、大幅な変更は見られない。メッセージウインドウのビットマップフォントは改良され一気に見やすくなった。
本作では魔法関連の世界観が大きく変わり、システムもそれに対応した物となっている。魔法は一部のキャラのみ初期状態で使えるが、基本的にはストーリー中で手に入れた魔石を装備して戦闘を繰り返すことにより習得する。また、魔石を装備することで各キャラは戦闘中に1度だけ幻獣を召喚可能となる。
前々作からあるアクティブタイムバトルシステムも健在である。そして今作からゲージが満タンコマンド待ちの状態で、他のキャラにコマンドの順番を渡すことが出来るようになった。また今作では、サイドアタックや挟み撃ちと呼ばれる、一方の側が他方を包囲する形で戦闘に突入する状況が追加されている。サイドアタックは敵が、挟み撃ちは味方がそれぞれ包囲される側である。挟まれた側は背を向けた状態で通常攻撃を受けるとダメージが倍になる、挟む側は魔法などを全体にかけた場合の効果が片側のみに限られるなどの特徴がある(ただし、全体に波及するものもある)。このシステムは次作『ファイナルファンタジーVII』にも引き継がれている。ただし、先制攻撃・サイドアタック時は隊列の後ろからターンが廻る(ゲージは全員満タン)、敵側の前後衛の設定がないなどは前後の作品では本作のみの仕様である。
装備品に関しては、アクセサリが最大2個まで装備可能となり、これにより様々なアビリティを付加できる。一部のコマンドをアクセサリによって変更するというシステムも追加されている。
また、ファイナルファンタジーシリーズは戦闘中に全滅すると、基本的にその場でゲームオーバーとなりタイトル画面に戻されるが、本作では最後にセーブした場所(正確にはセーブ画面を開いた場所)に戻される仕様になっている。その際にストーリー進行・アイテム・所持金などはセーブ時点のものに戻されるが、経験値とそれに伴うレベルだけは全滅した時点のままになる。
[編集] 北米版の特徴
北米では1994年10月20日に、Super Nintendo Entertainment System(以下SNES)向けのソフト『Final Fantasy III』として発売された。日本での『ファイナルファンタジー』、『ファイナルファンタジーIV』に続く作品になっている。『IV』とは異なり、キャラクターの特殊能力はそのままという形で移植され、一部の魔法・アイテムと大多数のモンスターの名前が、アルファベット表記をした時の長さの制限のため変更されている。その他の変更点を以下に示す。
- 攻撃魔法"ホーリー"の名前が変更されている。これは宗教的な理由といわれている。以前のシリーズではホーリーは白魔法に分類されており、主にアンデッド系に利き易い神聖な力での攻撃であったが、改名によりわかりづらくなってしまい、プレイヤーを混乱させたと言われている。見方によっては、この件は魔法系統をそれまでの白・黒という形ではなく回復・攻撃・補助という系統分けをし、攻撃魔法を全て黒で表示したことによる弊害と見ることもできる。
- 登場するアイテムは256種類。日本のSFC版にはアイテム欄の最後の欄においたアイテムを誰でも装備できてしまうというバグ(これを利用して機械などを装備させると、防御無視・即戦闘不能等の攻撃を除けば無類の強さになる)があったが、北米版では修正された。
- SNES初期版では不幸にも、リルムのスケッチに失敗すると不正なポインタ参照を行ってしまいデータが消えてしまうなどの重大なダメージが発生するバグがあった。後のバージョンやプレイステーション版では修正されている。ちなみにモザイク効果におけるバグはSNES版では修正されているが、北米のプレイステーション版では残っている。
- その他、北米の任天堂の規制によりいくつか変更点がある。例えば酒場の看板が描き換えられ、どちらかというとカフェに近くなった事や女性の容姿をした敵キャラの露出が抑えられている、など。
[編集] プレイステーション版の特徴
1999年3月にプレイステーションで発売された『ファイナルファンタジーVI』は、細かな箇所を除いてほとんどスーパーファミコンで発売されたものと変わりはない。
変わった点としては、
- オープニング、エンディングにCGムービーが追加された。
- ゲームのデータ、設定資料などを鑑賞するモードがある。ゲームクリアを記録したシステムファイルがあれば、見られるデータが増える(一部、『V』の設定資料もある)。
- マップ内では「×」ボタン+十字キーでダッシュ(2倍速での移動)が出来る。即ち、ダッシューズを装備しなくてもゲーム開始時からダッシュが使える(ダッシューズ装備時は、十字キーのみで2倍、「×」+十字キーで4倍となる)。
- 画面の切り替わりが、CD-ROMの読み込みのためSFC版よりも遅い。
- 戦闘中などに派手な演出が発生した際、コンピューターの処理により演出がスローモーションになることがある(SFC版ではスムーズに流れていた演出も、PS版ではスローモーションになることがある)。
- 音源がSFC版と違い、音楽や効果音などの音質がSFC版から変わっている。また、エンディングの曲と画面がずれており(同期が取れておらず画面が曲に比べてだんだん遅れていく)、BGMが鳴り終わらずにエンディング用のCGアニメーションが再生されてしまう。
- 多くの細かなバグが修正されている。
[編集] ゲームボーイアドバンス版の特徴
- 会話時のウィンドウに顔グラフィックが表示される。操作キャラ以外ではトランスティナ・シド・ケフカ・ガストラなどの顔グラフィックが追加された。
- 「リヴァイアサン」「サボテンダー」「ギルガメッシュ」「ディアボロス」などの魔石が追加。
- エクストラダンジョン「竜の巣」が追加。本編で伝説の8匹の竜を倒さなければ内部に入る事ができない。内部では3つのパーティに別れて最強の竜が眠る最深部を目指す。
- 追加要素にシリーズ設定の矛盾点があり、「ギルガメッシュの口調がおかしい」などがある。
- ハードの制約上(ゲームボーイアドバンスはX、Yに相当するボタンがない)、マッシュの『ひっさつわざ』のコマンドが一部、SFC版やPS版と大きく異なっている。また、戦闘中のターンパスについても、送りボタンが1つしかないため、順送りしか出来ない。
- 前述にある何でも装備できるバグが修正され、出来なくなっている。
- 「バニシュ」影響下でも「デス」が効かないモンスター・ボスが設定されている。
- サウスフィガロでのセリスが加入するイベントから、セリスが帝国兵に殴られるシーン・鎖に繋がれるシーンがカット。それに伴い、救出時の選択肢の文面も変更。
- 飛空艇の飛行スピードが若干遅くなっている。
- 魔力を上げすぎると計算上のダメージ値がオーバーフローを起こして異常に少なくなる現象(特にアルテマを使用した場合)が修正された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 世界設定
[編集] 魔法と機械が織りなす文明
ファイナルファンタジーVI は、ファイナルファンタジーVまでで登場した世界観と比較すると、近代的な機械文明の影響が大きく見られるといえる。例を挙げると、炭鉱都市ナルシェを暖める蒸気機関、独自の機械技術が防衛システムに取り込まれているフィガロ城、蒸気機関車らしき車両が走駆するドマ鉄道などである。
それら機械文明と一線を画すのが、魔法と機械を融合させた現代的な文明を創り出しているガストラ帝国である。魔法の力、すなわち「魔導」を魔導アーマーといった軍事兵器や、魔導の力を有する兵士の育成に活用しており、魔導の力で増強された軍事力を侵略活動に向けている。しかし、VIの世界では、この魔法というものは既に滅びた過去の遺物なのである。作品内の時間軸では、プレイヤーがプレイを始める時の1000年前に滅びたとされている。この点でも、以前の5作とは大きく異なる。ガストラ帝国は、魔法の祖である「幻獣」が住む「幻獣界」に侵入し、そこから攫って来た「幻獣」らを研究することによって「魔導」の力を得ることになる。
魔法の存在が、機械文明に対して大きく影響を与えている、これがファイナルファンタジーVIの背景となる世界観『スチームパンク』である。
[編集] 国家
南の大陸
- ガストラ帝国(Gastra Empire) -首都は要塞都市ベクタ(Vector)。元首はガストラ皇帝。強大な軍事力を誇る帝政国家であり、失われた魔導の力を用いて世界征服を推し進めている。世界警察として発展してきた歴史を持つが、現皇帝のガストラが即位してからは急速に軍国主義化した。南の大陸の3国家を征服・併合し、大陸全域(幻獣界を除く)をその領土とする。
- アルブルグ国(Albrook) - 現在は帝国に占領されている。世界最大規模の貿易港を擁する。
- マランダ国(Maranda) - 現在は帝国に占領されている。かつては世界一の美しさを誇っていた。
- ツェン国(Tzen) - 現在は帝国に占領されている。世界で最も小さな国だが交易が盛ん。
北の大陸
- フィガロ王国(Figaro Kingdom) - 元首はエドガー王。北の大陸の西半分を領土とする。国土の大部分は砂漠だが、高度な機械文明が発達している。帝国の同盟国だが、裏では反帝国組織リターナーに協力している。ケッペンの気候区分ではステップ気候(BS)にあたる。
- サウスフィガロ(South Figaro) - 貿易港の発達した城下町。商人による自治が行なわれている。ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候(Cfa)にあたる。
- コーリンゲン(Kohlingen) - 特に目立った産業も無い小さな村。北の大陸の南西に位置する。
- リターナー本部(Returner Base) - ガストラ帝国の侵攻に対して抵抗活動を行なっている反帝国組織の本部。コルツ山の北に位置し、フィガロ王国とは協力関係にある。
- ドマ王国(Doma Kingdom) - 王が元首を務める。北の大陸の東半分を領土とする。「サムライ」という独自の兵士を持ち、世界で唯一、表立って帝国に反抗している国家。最古の国であるとも言われており、魔大戦の記録の多くを所有する。また、蒸気機関を利用したドマ鉄道が、かつて存在していた。ドマ鉄道は、発達していた鉄道網であり、ドマ王国領土内の隅々まで行き渡っていた。現在は帝国との交戦により、ほぼ廃線状態にある。ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候(Cfa)にあたる。
- ジドール国(State of Jidoor) - 厳しい身分制度が敷かれている国家。北の大陸の南西にある半島地域を領土とし、フィガロ王国と国境を接する。貴族議会によって統治されており、特定の元首は存在しない。オペラ劇場や競売所など、富む者による貴族社会が広がっている。貧しい者は街を追われ、北方にゾゾの貧民街を形成した。
- ゾゾ(Zozo) - ならず者が暮らす街。ジドール国領土内に位置するが貴族議会の支配は及んでおらず、非常に治安が悪い。常に天候が悪く、街はいつも薄暗い。住人はただ1人を除き、皆嘘つきである。ゾゾ山に面している。
- 自由都市ナルシェ(City-state of Narche) - 炭坑によって栄えている都市国家。統治者は長老と呼ばれている。フィガロ王国の領土内に位置する。諸国間の争いには中立を貫いており、独自の防衛手段を持っている。この物語のキーワードである氷漬けの幻獣が発見された場所である。ケッペンの気候区分ではツンドラ気候(ET)にあたる。
- 自由都市ニケアーム(City-state of Nikeahm) - 海上貿易が発達した都市国家。商人の寄り合いによって統治されている。フィガロ王国とドマ王国の国境付近に位置する。本編中では港町ニケア(Nikeah)と呼ばれている。北の大陸で最も大きな川の河口の三角州にあり、周りを険しい山に囲まれていることから、陸の孤島として知られている。本土とは橋で繋がっているが、陸路の便が悪いため海上交通が一般的である。
- 辺境地域 - 国家に属さない広大な地域。世界中のモンスターが集まる獣ヶ原の他、モブリズの村(Mobliz Village)やサマサの村(Thamasa Village)なども含まれる。大部分は北の大陸と離島群に存在するが、南の大陸の東に位置する島(幻獣界)は帝国の支配が及んでいないため、ここに含まれる。
[編集] 魔法と召喚獣の関係
『ファイナルファンタジーVI』における魔法の力「魔導」は、幻獣(召喚獣)が産み出したものである。
詳しくはストーリーの項で説明するが、1000年前に発生した「魔大戦(War of the Magi)」を境に、それまで共存していた人間と幻獣が袂を分かった。人間はその後の1000年間で機械による文明を発展させてきたが、幻獣は人間の前から姿を消し、幻獣界という独自の空間でひっそりと生活している。だが時を経て人間界と幻獣界を隔てる障壁が無くなった時、ガストラ帝国の侵攻を受ける。捕らえられた多くの幻獣から魔導の力が抽出され、軍事兵器の生成に活用された。
ガストラ帝国は当初は気付かなかったが、幻獣はその命が尽きるときに自らの持つ魔導を「魔石」としてこの世に残す。この魔石を装備し、経験を積むことで、人間も魔法が使えるようになるのである。
なお、本作に登場するモンスターや人間も、魔法あるいは独特なアビリティを使えるものが数多く存在する。人間と幻獣が共存していた頃に取得した魔導の力が、時を経ても血統的に引き継がれているといえる。
[編集] ファンタジー的な要素
もっとも、『ファイナルファンタジーVI』に多くのRPGの特徴ともいえるファンタジー的な世界観が全く無いわけではないし、世界観の中心となっている機械文明も、あくまで創生期として描かれている。キャラクターの持つ武器(剣、槍、杖など)や防具(鎧、盾、兜など)、得体の知れないモンスターなど、ファンタジーの要素はしっかりとゲーム内に姿を表している。
[編集] 魔大戦
遥か昔に女神、鬼神、魔神の3人の神、三闘神が天から現われて永きに渡って互いに争った戦争。三闘神は地上の生き物を幻獣に変えて従え、幻獣の力で魔法を使えるようになった人間は魔導士になって、神同士による三つ巴の戦いが繰り広げられた。戦いは世界を破壊し尽くし、過ちに気付いた三闘神は、強大な力を持つ怪物などを封じ、幻獣に自分達の復活がないようにすることを命じると、魔力が抑えられる封魔壁の奥で、石化後も神の力が世界の破壊を引き起こさないように互いに視線を向けて力を中和し合いながら、自らを石化することで戦いを終わらせた。幻獣は石化した三闘神を見守ると共に、魔導の力で悲劇が起きることもないよう、封魔壁の奥を幻獣界として移り住んだ。魔大戦が終わった後、普通の人々は魔大戦の悲惨さから魔導士を恐れ、不当な裁判にかけて魔導士狩りを行った為、逃げ出して隠れ住んだ僅かな者の子孫を除いて、魔法を使える人間は残っていない。
[編集] 登場キャラクター
[編集] プレイヤーキャラクター
- ティナ・ブランフォード (Tina Branford) 魔導戦士 (Magic Fighter) 年齢18歳
- 神秘的な雰囲気を帯びる少女。帝国軍に操られた魔導戦士であったが、ナルシェでの氷漬けの幻獣との出会いが彼女の運命を変えていく。人間と幻獣のハーフである。後に、彼女が持つ潜在能力を解放することで戦闘能力を上げる「トランス」を使用することが可能となる。なお、海外版では名前が「Terra(テラ)」に変更されている。
- ロック・コール (Lock Cole) 冒険家 (Treasure Hunter) 年齢25歳
- 反帝国組織「リターナー」に属する自称トレジャーハンター。一見軽い男のようだが、愛する人を失った過去に対する強い後悔の念から女性を守るという強い意識を持つ。その過去を清算するためにある秘宝を探している。敵からアイテムを「ぬすむ」ことができるが泥棒と呼ばれることを嫌う。また、とあるアクセサリーを装備する事で盗むと同時に攻撃を行う「ぶんどる」も可能になる。なお、海外版では名前が「Locke」に変更されている。
- エドガー・ロニ・フィガロ (Edgar Roni Figaro) マシーナリー (Machinery) 年齢27歳
- フィガロ王国国王。双子の弟がおり、王座引継ぎの際に兄弟どちらが引き継ぐかを話し合い、コイントスで決めることにした。その結果、兄であるエドガーが王の座に着くことになった(マッシュが自由を渇望していたのを知っていたエドガーは、両面とも表である特殊なコインを使い、わざと負けた)。ガストラ帝国と同盟を結んでいるが、裏では帝国への反抗組織を支援している。女性を見ると老若関係なく口説かずにいられない軟派な性格(ただし後述のリルムは、踏みとどまっている)。特殊攻撃「きかい(機械)」は、専用のアイテムを使って攻撃する。
- マッシュ・レネ・フィガロ (Mash Rene Figaro) モンク (Monk) 年齢27歳
- エドガーの双子の弟。本名はマシアス。自由を求めて城を飛び出した後、格闘家ダンカンのもとで修行を積みモンクとなる。師ダンカンが人生の師でもあったためか、ダンカンに似て豪快な性格。特殊攻撃「ひっさつわざ(必殺技)」で特定のコマンドを入力することで技を繰り出せる。ティナには初対面で「大きな熊」と言われていた。なお、海外版では名前が「Sabin(サビン)」に変更されている。対戦型格闘ゲーム全盛期ということで、彼の特殊攻撃のシステムもあり、戦闘要員としては圧倒的な人気であった。
- シャドウ (Shadow) アサシン (Assassin) 年齢不詳(30代後半?)
- 金のためなら手段を選ばない暗殺者。外見は黒装束を纏った忍者のような姿で、武器も短刀。唯一心を許せる漆黒の忍犬インターセプターを連れており、戦闘中に攻撃を受け止めて反撃してくれることも。その他、手裏剣や巻物、武器を「なげる」ことで攻撃することも可能。インターセプターがリルムだけになつくことを不思議に思うが、夢によりその理由を悟る。しかし、シャドウ以外それに気づくことはない。なお、シャドウという名は仮名であり、クライドという名で列車強盗を行っていた過去を持つ。
- カイエン・ガラモンド (Cayenne Garamonde) サムライ (Samurai) 年齢50歳
- ドマ国の剣士。サムライの風貌で語尾にはたいてい「ござる」が付く。帝国のドマ侵攻の際、ケフカが毒を使った事により、妻のミナと息子のシュン、そして祖国をも失う。帝国に関わるものには人一倍恨みが強く、そのため仲間として迎えられたセリスと初めて対面した時も「帝国の犬」と呼んで斬りかかろうとした。機械と女が苦手。気をためることで強力な技を出せる特殊攻撃「ひっさつけん(必殺剣)」が使える。海外版では名前が「Cyan」に変更されている。
- ガウ (Gau) 野生児 (Wild Boy) 年齢13歳
- 獣ヶ原で魔物と戯れる野生児。口癖は「ガウ!」。実はある老人の子供であるが、生まれた直後に獣ヶ原に捨てられた。獣ヶ原でモンスターと戦っている際にその群れに「とびこむ」ことでモンスターの行動パターンを習得し、「あばれる」ことでそのモンスターになりきって戦う。獣ヶ原には一部のボス以外の全てのモンスターが出現し得るため、全て覚えさせるのは非常に困難である。
- セリス・シェール (Celes Chere) ルーンナイト (Rune Knight) 年齢18歳
- 元は常勝将軍と謳われた、ガストラ帝国軍の将軍。帝国の方針に疑問を抱き裏切りを企てるが捕えられ、処刑寸前であったところをロックに助けられ仲間になる。幼い頃から英才教育を施されてきたエリート。「まふうけん(魔封剣)」で魔法を吸収して自分のMPに換える能力を持つ。ロックに救出されたことで彼にひそかに惹かれていく(他にもエドガー、セッツァーなどにも好意を向けられた)。なお、仲間になった時点では男勝りの口調だが、ゲーム前半のとある戦闘イベントをきっかけに女らしい口調になる。ケフカと同じ人工魔導士であるが、こちらはケフカよりも後期の「作品」であるため、魔力を抑える代わりに副作用を取り除くなどの改善点が見られる。ストーリーの進め方によっては自殺を図ることもある(失敗に終るためストーリーには影響しない)。
- セッツァー・ギャッビアーニ (Setzer Gabbiani) ギャンブラー (Gambler) 年齢27歳
- さすらいのギャンブラー。内部もカジノという飛空艇ブラックジャック号を所有する。ギャンブラーだけあって、武器もダイスやダーツ、カードなどのギャンブル用具である。特殊攻撃「スロット」でスロットマシンを回すことで出た目による多彩な攻撃ができる。また、とあるアクセサリーを装備することで所持金を投げて攻撃すること(「銭投げ」)も可能。
- ストラゴス・マゴス (Stragus Magus) 青魔導士 (Blue Mage) 年齢70歳
- 魔導士の血を引く老人であり、魔導士の歴史を知る人物。最初に帝国の調査団が訪れた時は非協力的な態度を見せるが、火事に巻き込まれたリルムを救出してからは協力的になる。敵の特殊攻撃を見ることで習得し、「覚えた技(青魔法)」として使用できる。かつてはモンスターハンターとして活躍しており、伝説の怪物ヒドゥンを追っていた。なお、海外版では名前が「Strago(ストラゴ)」に変更されている。
- リルム・アローニィ (Relm Arrowny) ピクトマンサー (Pictmancer) 年齢10歳
- ストラゴスの下で、孫娘として育てられている少女。少々生意気で口が悪いが、思いやりは深い。絵を描くことに天性の才能を持っており、特殊コマンド「スケッチ」もそれを生かしたものである。モンスターをスケッチすることで、モンスターが有する特殊能力を使うことができる。また、とあるアクセサリーを装備することでスケッチした敵を「あやつる」ことが可能になる。「大きい人」が好きで、マッシュになついている。
以下のキャラクターは、イベントの進め方によっては最後まで登場しないこともある。
- モグ (Mog) モーグリ (Moogle) 年齢11歳
- ナルシェの炭坑に住むモーグリ。戦ったことがある場所の地形に応じた「踊り」で攻撃や戦闘補助などができる。話の節目などにセーブポイントを作ってくれるマスコットキャラクターでもある。モーグリ族の中で唯一人間の言葉が話すことができる。ある事件をきっかけに行動を共にすることになる。
- ゴゴ (Gogo) ものまね士 (Mimic) 年齢不詳
- 小三角島に生息するモンスターの体内にあるダンジョンに住んでいた、謎のものまね士。世界を救おうとしていることをマネするため、仲間に加わる。前の人がとった行動をまねる「ものまね」の他に、戦闘中、他のメンバーが持つ特殊コマンドを3つまで付けて使用することが可能(一部不可)。魔法もパーティ内の他のキャラが使える物なら使える。魔石を装備できないため普段は召喚を使えないが、他のキャラが召喚した直後にものまねを使えば可能。男か女か、そもそも人間なのかすらもわからない正体不明のキャラクター。前作に同名(職業も同じ、姿も似ている)のボスキャラが登場しているが、関係は不明。
- ウーマロ (Umaro) 雪男 (Yeti) 年齢4歳(数え年)
- ナルシェの炭坑に住む雪男。初対面は敵として登場する。会話はできないが、モグの命令には忠実に従っている。常にバーサーカー状態のため命令できず、基本的にはひたすら殴って攻撃するだけだが、とあるアクセサリーによって味方を敵モンスターにぶつけたり、吹雪を吐いたりすることが可能になる。魔石を装備できないため魔法も使えない。
[編集] サブキャラクター
- ウェッジ (Wedge) 帝国兵 (Empire Soldier)
- オープニングで、ティナを連れてナルシェに侵攻した帝国兵。
- ビックス (Biggs) 帝国兵 (Empire Soldier)
- オープニングで、ティナを連れてナルシェに侵攻した帝国兵。ウェッジの同僚。なお、『ファイナルファンタジーVII』や『ファイナルファンタジーVIII』にも同名のコンビが登場する。詳細はビッグス&ウェッジを参照。
- モーグリたち モーグリ (Moogle)
- 序盤でティナがナルシェのガード達に捕らわれそうになった時、ロックを助けてくれたモーグリたち。モグも一軍を率いてガードと戦う(ちなみに、ロック・チームが「モグリン、モグプウ、モグッチ」、モグ・チームが「モグ、モルル、モグタン、モグール」、第3チームが「モグシン、モグポン、ムグムグ、ズモモグ」となる)。彼らは様々な武器を使いこなし、同じモーグリでも非常に個性豊かな戦いを披露する。
- バナン (Bannan) 神官 (Oracle) 年齢54歳
- ガストラ帝国への反抗組織「リターナー」を統括するリーダー。エドガーが引き合わせた、ティナに協力を依頼する。「いのる」ことでパーティ全員のHPを回復させる能力を持つ。ゲーム序盤に一時的にパーティに加わり、バナンが倒れると即ゲームオーバーになってしまう。世界崩壊後は生死不明。
- ?????? 幽霊 (Ghost)
- 魔列車に浮遊する幽霊。好戦的な幽霊が多いが、中には味方になって付いてくる者もいる。期間限定の助っ人であるため、何体も補充できる。また、シャドウがパーティーにいない場合は、2体同時に参加できるが、2体目は1体目のステータスを半減させたものになる。特技は相手を一撃必殺する「とりつく」(ただし自身もパーティを離れる)。なおアンデッドモンスターと同様の特性を持っているため、戦闘中のHP回復はデスで即死させる等しかないが、仲間になる段階ではデスなどの即死攻撃を行えるキャラクターがいないので実質不可能である。
- レオ・クリストフ (Leo Cristophe) 将軍 (General) 年齢30歳
- 帝国の将軍であるが、正々堂々の勝負を重んじる男。リターナーでは帝国軍唯一の理解者とされている。剣にためた気を「ショック」として解放することで敵全体を攻撃することが可能。ケフカにだまされ、刺殺されてしまう。余談だが、一時期、セリスが「魔封剣」に代わって「ショック」を受け継ぐと言う噂が流れたが、デマである。
- ガストラ (Gastra) 年齢50歳
- 帝国の皇帝。一時は和解を発したが、ケフカとともに裏切る。しかし最終的にはケフカ自身に裏切られ、殺された。
- シド・デル・ノルテ・マルケズ (Cid Del Norte Marguez) 年齢46歳
- 帝国の科学者。ガストラが幻獣界に侵入し幻獣を攫ってきてからは魔導研究所所長として研究を一手に任されており、人工魔導士としての英才教育の関係で、セリスを幼い頃から知る。世界崩壊後は孤島にてセリスを目覚めるまで介抱していた。ちなみに今回のシドは飛空挺とは何の関係もない。
- ケフカ・パラッツォ (Cefca Palazzo) 年齢35歳
- 帝国の魔導士。ガストラ直属の部下であり、将軍とほぼ同等の地位にある。シドの魔導研究における人工魔導士の最初期の「作品」であり、魔導の能力は非常に優れているが、副作用として精神を病んでしまった。この魔導実験は本来はセリスを対象としたものであり、反対したケフカが対象となったという裏設定が存在する。独占欲と支配欲が異常に強く、目的のためなら卑劣な手段をも厭わない。それでか、ガストラ皇帝を殺し、三闘神を目覚めさせて世界を崩壊させ、挙句の果てには「瓦礫の塔」(ラストダンジョン)まで建てた。海外版の名前の綴りは「Kefka」。
- マディン (Maduin)
- ギガースの幻獣。幻獣界にさまよってきた人間の女性を愛し、子供(ティナ)を授かる。後に、魔石となってティナ達が所持する。イベントで一時操作する(戦闘はしない)。
- ダリル (Daryl)
- セッツァーのライバルだった女性。作中に登場するもう1台の飛空艇であるファルコン号で最速を目指したが、事故によりファルコンが墜落し他界してしまう。
- レイチェル (Rachel)
- コーリンゲンの村の住人で、ロックのかつての恋人。しょっちゅう「泥棒」と呼ばれるロックを理解し「トレジャーハンター」と呼んだ唯一の人間でもあるが、事故から身を呈してロックを救った代償に負傷し、記憶喪失となる。その事が彼女の家族とロックの間に不和を生み、ロックは彼女のもとを去る事になる。その1年後、コーリンゲンが帝国軍の攻撃に遭い、彼女は命を落とす。彼女の死後、その死体はコーリンゲンの村に住む怪しい老人が偶然作り出した薬の効果により、生前と変わらぬ姿のまま、老人の家の地下室に安置されている。なお、この措置はロックが老人に頼み込んだものである。
- ダンカン・ハーコート (Duncan Harcourt)
- マッシュが師事していた格闘家。コルツ(Coltz)山で息子のバルガスやマッシュと修行に励む。マッシュの武術の師であると共に人生の師でもある。
- バルガス (Vargas)
- ダンカンの実の息子であると共に、マッシュの兄弟子。ダンカンが奥義継承を実の息子である自分ではなく、他人の子であるマッシュにさせると言った事に腹を立てている。
- オルトロス (Orthros)
- ストーリー序盤に登場し、前作のギルガメッシュのように主人公達をよく邪魔する、いたずら好きで寂しがりやのタコ。かわいい女の子が好きで、筋肉質の男が嫌い。世界崩壊後はどこからかの借金が返せなくなったらしく、コロシアムの受付でアルバイトに励んでいる。ちなみに3度目の対決でロックが「2度ならず3度までも」と言う台詞に、1度目は戦っていないはずの矛盾点が生じる。名前の由来はギリシア神話に登場する犬のオルトロス。『チョコボの不思議なダンジョン2』や『ファイナルファンタジーXII』にも登場する。
- テュポーン (Typhon)
- 中盤でオルトロスと共に登場し主人公たちの邪魔をする。オルトロスからは「先生」と呼ばれ、ファンの間でも「テュポーン先生」と呼ばれることが度々ある。なお、能力的にはオルトロスの方が上(コロシアムは除く)。特技は鼻息(キャラクターを戦闘から除外する)。崩壊後はオルトロスと共にコロシアムで姿を見ることができる。名前の由来はギリシア神話に登場する魔神のテュポン。
『ファイナルファンタジーVII』や『チョコボの不思議なダンジョン』では召喚獣として登場する。なお、コロシアムにおいては、ポーションなど入手が容易いアイテム(オルトロス曰く「しょーもないアイテム」)を賭けると戦いになる。ほとんどの場合戦闘開始直後に鼻息を使ってくるため倒すのは困難。絶対に勝てないわけではないが、勝てるかどうかは運の要素が強い。
[編集] 主人公は誰なのか?
従来のFFでは主人公が明確に決まっていたが、今作では主人公が明示されていない。
ゲームは展開的に世界崩壊前と世界崩壊後の2つに別れており、世界崩壊前の主人公はプレイヤーによってティナかロックかで意見が割れるところである。しかし、世界崩壊後になるとプレイヤーはセリスをメインに各地に散った仲間を集めるスタイルを採る。ここで必ず再び仲間にしなくてはならないメンバーはエドガーとセッツァーのみで、大半の仲間とは再会せずともゲームクリアが(困難ではあるが)可能である。また、いてもいなくてもストーリーの中核の辻褄を合わせなくてはならないというゲームの性質上、確実に仲間になるキャラクター(特にセリス)以外は特に深くストーリーに絡むことはない。前半でストーリーの中核であったティナとロックも、仲間にしないままラスボスを倒すことが可能であるため、そういった事情から彼等2人を主人公とは見ないプレイヤーもいる。よって、主人公はティナ・ロック・セリスの誰かで意見が割れるところとなる。
このような疑問は発売当初からあり、これは本作がストーリー面での中心人物(ティナ)とゲーム面での狂言回し的な進行役(ロック、セリスなど)を切り離したところから生まれている。世界崩壊後はストーリー的には非常に短く、各キャラクターのサイドストーリーを中心に進行するが、プレイ時間としては崩壊前と同じかそれ以上に長く、それが“主人公”の概念をより希薄にしている。
しかしながら、『ファイナルファンタジーVI』という物語の根幹を占める要素が「人間と幻獣」である事、ラストバトルの際に仲間にしていなくとも駆けつける事、オープニングから登場し最初にキャラクター紹介がなされる事、タイトルロゴに描かれている事、エンディングの最後のシーンにおいて飛空艇の先頭に立っている事などの理由から、ティナが最も「中心的な」登場人物であると考える者は多い。更に、FFシリーズ最新作である『FFXIII』の主人公紹介において「FFVIのティナ、FFX-2のユウナに次ぐ、3人目の女性主人公」との紹介がゲーム雑誌等でなされた事からも、「FFⅥの主人公はティナ」という認識には、ある程度の一般性が認められる。
[編集] ストーリー
1000年前に起きた、魔法の力を巡っての大戦争"魔大戦"。その後世界から魔法の力が消え、人々は機械文明を持って世界を復興させていった。しかし、帝国のガストラ皇帝が幻獣界に潜む幻獣達を発見し、幻獣とその血を引く赤子を拾ったその時から、彼は魔導の力を使った世界征服をもくろむようになった。
それから十数年、ナルシェの炭坑に氷漬けの幻獣がいるという情報が入る。ガストラはその情報に信憑性を見いだし、あの時拾った赤子であるティナをその地へ向けて派遣するのであった。
ナルシェに派遣されたティナ達帝国兵は、炭坑の奥で幻獣を発見するが、幻獣を前にした瞬間、強い光とともに意識を失ってしまう。目を覚ますと、ティナは記憶喪失になっていた。ナルシェの追っ手が迫る中、彼女はロックに助けられ、フィガロ城にて介抱される。フィガロ王のエドガーはティナに協力し、反帝国組織・リターナーへ彼女を紹介する。リターナーの本拠地を目指す一行は、エドガーの双子の弟・マッシュと遭遇する。リターナーのリーダー・バナンは、ティナの協力を快く受け入れるが、そこに帝国軍が迫っているという情報が入る。ロックはサウスフィガロへ、ティナ、エドガー達はレテ川を下りナルシェへ向かう。
途中にティナ達とはぐれたマッシュは、道案内のシャドウや、帝国に母国を滅ぼされたドマ王国の剣士カイエンを仲間にする。マッシュ達は帝国の基地や、死者の魂を霊界に運ぶ魔列車を通り、獣ヶ原にたどり着く。そこで魔物と戯れるガウに出会い、近くを流れる海流"蛇の道"を使いナルシェに向かう。また、サウスフィガロにて帝国の将軍・セリスを仲間にしたロックもナルシェに到着する。ナルシェに集結したティナ達一行は、幻獣を狙う帝国軍を追い返すことに成功する。しかし、幻獣と向かい合ったティナは姿を変え、どこかへ飛び去ってしまう。ティナを追って一行は、嘘つき達が巣くうスラム街ゾゾにてティナを発見する。彼女を介抱していたラムウに幻獣と魔石の話を聞き、一行は帝国に潜入することを決意する。ロックやセリス達は、飛空挺を使うため、所持者のセッツァーにオペラ劇場にて罠を仕掛け、飛空挺を帝国に向かわせる。帝国首都ベクタの魔導工場に潜入した一行は、その奥にある魔導研究所で捕らわれた幻獣達を助け出す。そこへケフカが現れ、一行はピンチに立たされるが、セリスが自らの魔法でケフカ達と共に消え、ロック達を救った。
ゾゾに戻った一行。ティナは魔石マディンと共鳴し、過去に人間の女性とマディンがティナを生んだこと、幻獣界に帝国が侵攻した際、ティナはガストラに連れ去られたことを知る。帝国と戦うため、幻獣の力を借りようとティナ達は、幻獣界への扉"封魔壁"の前に訪れるが、突然、封魔壁が開き多くの幻獣達が飛び出してくる。仲間の命を奪われ怒れる幻獣達はどこかへ飛び去ってしまう。幻獣達の襲来で壊滅的打撃を受けた帝国は、突如リターナーに和解を申し出る。和解の席で、幻獣達の捜索を協力して行動することが提案される。帝国の姿勢を不信に感じたエドガー達は帝国に残り、ロックとティナが捜索に向かうことになる。2人は目的地へ向かう船で、捜索に参加するセリス、シャドウと再会する。サマサの村に着くと、そこで失われたはずの魔法を使う人達の姿を目にする。村に住むストラゴスやリルムと親しくなったロック達は、村の歴史を聞き出し、共に幻獣達が向かったと思われる西の山に到着する。幻獣達と遭遇した一行は、幻獣達を説得しサマサに戻り、別行動を取っていたレオとセリスに再会する。そこに突如、ケフカが兵士を連れて現れ、幻獣達を魔石に変えていく。レオはケフカの行動に怒り、単身戦いを挑むが、殺されてしまう。その頃、ケフカとガストラは幻獣界に着き、魔大陸を浮上させてしまう。行く手を阻む帝国空軍を破り、魔大陸に降りた一行は、単独行動を取っていたシャドウと合流し、その奥でガストラ達と対峙する。しかし、ケフカは三闘神の封印を解き、ガストラを殺す。さらに三闘神の強大な魔力は魔大陸を引き裂き始め、ついには世界がその魔力により切り裂かれてしまう。
1年後、セリスは孤島で目を覚ます。彼女を介抱していたシドの世話をした後、彼女は仲間を探すため世界へ旅立つ。変わり果てた世界をさまよう中、ツェンの街でマッシュに出会う。大人達が全滅してしまったモブリズでは子供達の世話をするティナと再会するが、ティナはこの村で過ごすうちに戦う事ができなくなっていた。ニケアでは、盗賊団のボス"ジェフ"に変装したエドガーを見かける。彼を追跡し、事故で地中に沈んだフィガロ城にたどり着くと、正体を現したエドガーは、セリス達の仲間になる。フィガロ城を救い、コーリンゲンの酒場で、セッツァーを見つけたセリス達は、飛空挺を失くし自暴自棄になっていた彼を説得し、近くにあるダリルの墓へ向かう。かつて飛空艇で速さを競い、事故で帰らぬ人となった友・ダリルの飛空挺"ファルコン"を使い、セリス達は仲間を探し始める。
ゾゾ山で、自らの心の迷いを絶つべく修行をしていたカイエンや、秘宝を追い続けていたロックなど、さらに謎のものまね士・ゴゴや、モグの子分・ウーマロなどの新しい仲間を見つけ、一行はケフカの棲む"瓦礫の塔"へ最後の決戦を挑む。
[編集] エトセトラ
[編集] Vジャンプとのタイアップ
ファイナルファンタジーVI は集英社のゲーム雑誌であるVジャンプにおいて、発売前及び発売後に紙面にて大々的に宣伝された。
- 『ファイナルファンタジーVI』発売後すぐに攻略本「Vジャンプ緊急増刊 ファイナルファンタジーVI」を集英社より発売した。
- 『ファイナルファンタジーVI』の発売に関連して、植松伸夫作曲のオリジナルソングの歌詞を応募した。後に「近づく予感」としてCD「ファイナルファンタジーVI スペシャルトラックス」に収録、発売されている。
- 世界観や各キャラクターの詳細な設定がVジャンプ誌に掲載された(ただし、スクウェア公認の攻略本には無い設定のため、公認状態には違いないが正式な設定とは言い難い。また、本編からは製作途中で除去されたと思われる没設定も見られる)。
[編集] 関連音楽CD
『ファイナルファンタジーVI』で使用されているBGMは、植松伸夫によるものである。スーパーファミコンの持てる音源の限界を生かし、数々のシーンを多様な曲で彩り、特にオープニング、オペラ、ラストバトルなど随所においてオーケストラに近いサウンドクオリティを生み出しているといえる。
これまで、ファイナルファンタジーVIに関連した以下の音楽CDが発売されている。
- ファイナルファンタジーVI オリジナルサウンドバージョン(FINAL FANTASY VI ORIGINAL SOUND VERSION)
- ゲーム中で流れるBGMを収録したサウンドトラック。全3枚組。
- ファイナルファンタジーVI グランド・フィナーレ(FINAL FANTASY VI GRAND FINALE)
- イタリア、ミラノ交響楽団によるオーケストラアレンジの演奏。「Aria Di Mezzo Carattere」は本物のオペラ歌手による独唱。
- ピアノコレクションズ ファイナルファンタジーVI(Piano Collections FINAL FANTASY VI)
- ピアノアレンジ。
- ファイナルファンタジーVI スペシャルトラックス(FINAL FANTASY VI SPECIAL TRACKS)
- スクウェアのスタッフが歌う「近づく予感」の他、オリジナルサウンドバージョン未収録曲などが収められている。
この他、「F.F.MIX」で「ティナのテーマ」のSnow Productionsによるアレンジ、「20020220 music from FINAL FANTASY」で「ティナのテーマ」のオーケストラアレンジが収録されている。
[編集] FFシリーズの音楽について
FFの音楽は、ゲーム中に流れる曲(コンピューターの電子音によって演奏された曲)をそのまま収録した「オリジナルサウンドトラック」があると同時に、ゲーム中の曲を生音で再現し、更にアレンジを加えた「アレンジバージョン」が存在するが、このアレンジが盛んに行われていたのはこの『VI』までである。ハードがプレイステーションになった『VII』以降はゲーム中の音質が生音に近くなっているせいか、『VI』以前のような本格的なアレンジバージョンがあまり出ていない。これは同社の「サ・ガ」シリーズや「聖剣伝説」シリーズにも同じ事が言える。
これはゲーム中の音質が上がり、生音に近くなっていくと同時に、アレンジバージョンで生音で再現し、原曲と比較する事の喜びが薄くなっているからと言える。ゲームの音質が上がる事は喜ばしい反面、「コンピューターの電子音の曲を、生音で蘇らせ、更にアレンジを加え、原曲との比較を楽しむ」という喜びが減り、これはゲームの音質が今のように生音に近くない時代には、その時代にしかない楽しみ方があった事を意味する。
そのような中で、本作のプレリュードにはディレイとエコーを同時に使う趣向がはじめて取り入れられたが、容量不足の為にエコー部分は上昇地点で消滅してしまう。
[編集] 『ファイナルファンタジーVII』に与えた影響
『ファイナルファンタジーVI』が発売された1994年は、スーパーファミコンに代表されるゲーム機が時期的に爛熟期を迎え、セガサターンやプレイステーションに代表される次世代ゲーム機が登場していた時代でもあった。新しいシリーズが発売されるごとにシステム、グラフィック、サウンドなどあらゆる面で挑戦的なフィーチャーを登場させてきたファイナルファンタジーにおいて、ハードウェアの限界まで完成されていたファイナルファンタジーVIの次の作品は、必然的に次世代ゲーム機による開発が位置づけられていた。
折しも3Dによるグラフィック表現が話題を呼んでいた頃であり、スクウェアは 1995年に、シーグラフ(アメリカで開催されるコンピュータグラフィックの大会)に『ファイナルファンタジーVI』のキャラクターがフルポリゴンで戦闘を行うという作品で出展している。この3Dによるグラフィック技術が優れ、且つムービーの多用による大容量を可能とされていたのがプレイステーションであり、1997年に同機で発売された『ファイナルファンタジーVII』において、それが最大限に使用されている。
また、今までのシリーズと異なり、『ファイナルファンタジーVI』は近代的な機械文明の世界観が大きく取り込まれている。この世界観がさらに発展し、中世的な要素を断片的にしか残さず、ギミックの要素を大きく含み、ある意味近未来的な世界観がファイナルファンタジーVIIで表現されているといえる。
[編集] 参考資料
[編集] 参考文献
- 『Vジャンプ緊急増刊 ファイナルファンタジーVI』
- 『完全攻略 ファイナルファンタジーVI 冒険ガイドブック』 ISBN 4-87188-302-7 NTT出版、1994年4月
- 『ファイナルファンタジーVI 設定資料編』 ISBN 4-87-188299-3 NTT出版、1994年2月
- 『ファイナルファンタジーVI 基礎知識編』 ISBN 4-87-188300-0 NTT出版、1994年4月
- 『ファイナルファンタジーVI 完全攻略編』 ISBN 4-87-188301-9 NTT出版、1994年6月
- 『ファイナルファンタジーVI ザ・コンプリート』 ISBN 4-87188-303-5 NTT出版、1994年9月
- 『ファイナルファンタジーVI キャラクターコレクションズ』 ISBN 4-87-188285-3 NTT出版、1994年2月
- 『スクウェア公式 ファイナルファンタジーコレクション 幻想世界の攻略本』 ISBN 4-92-507545-4 デジキューブ、1999年3月
- 『ファイナルファンタジー大全集 Complete works 1 through 6 Vol.1 〈上巻〉 改訂版』 ISBN 4-88787-044-2 デジキューブ、2002年6月
- 『ファイナルファンタジー大全集 Complete works 1 through 6 Vol.1 〈下巻〉 改訂版』 ISBN 4-88787-045-0 デジキューブ、2002年6月
[編集] 参考Webサイト
- http://na.square-enix.com/games/anthology/ (スクウェア・エニックス社の北米向け公式サイト:コレクション)
- http://ffx.sakura.ne.jp/ (Final Fantasy 2000:非公式のファンサイト)
[編集] 外部リンク