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富士山 - Wikipedia

富士山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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富士山
富士山
標高 3,776 m
位置
位置 北緯35度21分39秒
東経138度43分39秒
所在地 日本静岡県山梨県
山系 (独立峰)
種類 活火山ランクB(成層火山
初登頂 663年

富士山(ふじさん)は静岡県富士宮市裾野市富士市御殿場市駿東郡小山町)と山梨県富士吉田市南都留郡鳴沢村)に跨る活火山。標高は3776メートルであり日本最高峰である。日本三名山三霊山)のひとつであり、日本百名山の1つ。富士箱根伊豆国立公園に指定されている。

目次

概要

甲斐(山梨県)側
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甲斐(山梨県)側
駿河(静岡県)側
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駿河(静岡県)側
空から見た富士山
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空から見た富士山
国際宇宙ステーションから見た富士山(2001年5月27日 アメリカ航空宇宙局)
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国際宇宙ステーションから見た富士山(2001年5月27日 アメリカ航空宇宙局
日本海上空より。手前から立山連峰、八ヶ岳連峰、南アルプス、富士山(2006年11月撮影)
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日本海上空より。手前から立山連峰、八ヶ岳連峰、南アルプス、富士山(2006年11月撮影)
東京湾上空より。(2006年11月撮影)
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東京湾上空より。(2006年11月撮影)

その優美な風貌は、国内のみならず海外でも日本の象徴として広く知られている。芙蓉峰富嶽などとも呼ばれる。古来より歌枕として著名である。

富士五湖が富士山山麓周辺にあり、キャンプ場や観光名所がある。

また、登山道は、富士宮口、須走口、富士吉田(河口湖)口、御殿場口などがある。

90年代初めに世界自然遺産に登録しようという運動があった。しかしゴミ・し尿問題などの理由から国は推薦を見送った。現在は文化的景観という観点から「世界文化遺産」に登録しようという国民運動がある。

地質学上の富士山

地質学上の富士山は典型的な成層火山(コニーデ)であり、この種の火山特有の美しい稜線を持つ。 現在の富士山の山体の形成は、大きく四段階に分かれる。

  1. 先小御岳
  2. 小御岳
  3. 古富士
  4. 新富士

この中で先小御岳が最も古く、数十万年前の更新世にできた火山である。

古富士は8万年前頃から1万5千年前頃まで噴火を続け、噴出した火山灰が降り積もることで、標高3000メートル弱まで成長した。山頂は宝永火口の北側1–2キロメートルのところにあったと考えられている。

噴火史

最終氷期が終了した約1万1千年前、古富士の山頂の西側で噴火が始まり、溶岩を大量に噴出した。この溶岩によって、現在の富士山の山体である新富士が形成された。その後、古富士の山頂が新富士の山頂の東側に顔を出しているような状態となっていたと見られるが、約2500–2800年前、風化が進んだ古富士の山頂部が大規模な山体崩壊(「御殿場岩なだれ」)を起こして崩壊してしまった。

新富士の山頂から溶岩が噴出していたのは、約1万1千年前–約8000年前の3000年間と、約4500年前–約3200年前の1300年間と考えられている。これ以降、山頂部からの噴火は無いが、長尾山や宝永山などの側火山からの噴火が断続的に発生している。

延暦19年 - 21年(800年-802年)に延暦噴火、貞観6年(864年)に貞観噴火。最後に富士山が噴火したのは宝永四年(1707年)の宝永大噴火で、噴煙は成層圏まで到達し、江戸では約4センチメートルの火山灰が降り積もった。その後も火山性の地震や噴気が観測されており、今後も噴火の可能性が残されている。

東京大学地震研究所が2004年4月に行ったボーリング調査によって、小御岳の下にさらに古い山体があることが判明した。この第4の山体は先小御岳と名付けられた(詳しくは富士山の噴火史を参照)。

富士山の生態系

富士山は標高は高いが、日本の他の高山に比較すると高山植物などの植生に乏しい。これは富士山が最終氷期が終了した後に山頂から大規模な噴火が繰り返したために山の生態系が破壊され、また独立峰であるため、他の山系からの植物の進入も遅れたためである。

中部山岳地帯の高山の森林限界の上にはハイマツ帯が広がっているのが通例であるが、富士山にはハイマツ帯は欠如し、その代替にカラマツ林が広がっている。

富士山の伏流水

富士山に降った雨、雪は長い年月伏流水として地下水脈を流れ湧き出てくる。

富士山山頂の8峰

山頂の直径約800メートルの火口の周りに8つの峰がある。

  • 剣ヶ峯 - 3776 m
  • 白山岳(釈迦ヶ岳) - 3756 m
  • 伊豆ヶ岳(阿弥陀岳) - 3740 m
  • 朝日岳(大日岳)- 3730 m
  • 勢至ヶ岳(成就ヶ岳) - 3730 m
  • 三島岳(文殊ヶ岳) - 3730 m
  • 久須志岳(薬師ヶ岳) - 3720 m
  • 駒ヶ岳(浅間ヶ岳) - 3710 m

宝永山

宝永山と宝永噴火口
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宝永山と宝永噴火口

宝永山(ほうえいざん)は富士山で最も目立つ側火山(寄生火山)であり、1707年宝永四年)の噴火で誕生した。富士山南東斜面にあり標高は2693 mである。宝永山の西側には巨大な噴火口が開いている。

記録に見る富士山

万葉集の中には、富士山を詠んだ歌がいくつも収められている。

「田子の浦に うちいでてみれば 真白にぞ ふじの高嶺に 雪は降りける」 (3.318) は山部赤人による有名な短歌(反歌)である。

噴火の年代が考証できる最も古い記録は、続日本紀に記述されている、天応元年(781年)に富士山より降灰があったくだりである。平安時代初期に成立した『竹取物語』にも、富士山が作品成立の頃、活動期であったことを窺わせる記述がある。

江戸時代に、最も激しい活動を見せたのは宝永四年(1707年)12月16日に発生した大爆発であり、江戸の市街に大量の降灰をもたらした。この記録については、文書、絵図等により多数残されている。
その後も、噴煙や鳴動の記録は多く残されているが、記述から見て短期間かつ小規模な活動で終わったものと推測される。

文化財としての富士山

  • 「富士山」 - 記念物(特別名勝1952年11月22日特別指定)
  • 「富士山原始林」 - 記念物(天然記念物1926年2月24日指定)
  • 「富士風穴」 - 記念物(天然記念物:1929年12月17日指定)

参考

  • 「富士浅間宮本殿」 - 重要文化財神社)(1907年5月27日指定)
  • 「富士山本宮浅間神社本殿」 - 重要文化財(神社)(1907年5月27日指定)
  • 「富士御室浅間神社本殿」 - 重要文化財(神社)(1985年5月18日指定)
  • 「北口本宮富士浅間神社西宮本殿」 - 重要文化財(神社)(1953年3月31日指定)
  • 「北口本宮富士浅間神社本殿」 - 重要文化財(神社)(1953年3月31日指定)
  • 「北口本宮富士浅間神社東宮本殿」 - 重要文化財(神社)(1907年8月28日指定)

美術における富士山

赤富士 葛飾北斎
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赤富士 葛飾北斎

浮世絵

江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎は富士山を題材にとった46点の連作版画『富嶽三十六景』(1831年頃)を描いた。制作当初はその名の通り36点で完結するはずであったが、人気を博したため10点が追加された。なかでも富士山の雄大な姿を描いた作品として『凱風快晴』、『山下白雨』がよく知られており、それぞれ俗に、赤富士・黒富士の名で親しまれている(『富嶽三十六景』には、上記の他にも波の大胆な描写で知られる『神奈川沖浪裏』などの傑作がある)。

その他日本画

浮世絵に限らず、日本画全般の題材として「富士見西行」がある。巨大な富士山を豆粒のような人物(僧、西行法師)が見上げるという構図で、水墨画や彫金でも描かれている。

文学の中の富士山

すでに見たように、富士山は和歌の題材としてよく取り上げられる。『新古今和歌集』から。富士の煙が歌われている。

風になびく富士の煙の空にきえてゆくへもしらぬ我が心かな 西行 (#1613)

また『竹取物語』では、大勢の武士を登山させて、かぐや姫が時の天皇に贈った不老不死の薬を、天に一番近い山(富士山)の山頂で燃やしたことになっている。それからその山はふじ山(富士山・不死山・不尽山)とよばれるようになった、と命名説話が残っている。

太宰治昭和14年(1939年)に執筆した小説『富嶽百景』の一節、「富士には月見草がよく似合ふ」はよく知られ、山梨県富士河口湖町の御坂峠にはその碑文が建っている。

直木賞作家、新田次郎は富士山頂測候所に勤務していた経験をもとに、富士山にまつわる作品を執筆している。直木賞受賞作『強力伝』は富士山の強力(ごうりき)の生き様を描いた作品である。その他新田には、『富士に死す』、『怒る富士』、『芙蓉の人』、『富士山頂』といった作品がある。

また、詩人草野心平も富士に関する詩を数多く詠んでいる。

御殿場市からの富士山
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御殿場市からの富士山

信仰と伝承

富士山の頂上には、富士山本宮浅間大社があり、富士山の神を祭る。そのため、富士山の8合目より上の部分は、登山道、富士山測候所を除き、浅間大社の所有物である。但し、静岡県、山梨県の県境が未確定のため、登記はできていない。

浅間大社の祭神は、記紀神話に登場する女神の木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)である。しかし、いつ頃から富士山の神が木花開耶姫命とされるようになったかは明らかではない。

古くは、常陸国風土記に富士山の筑波山の神の逸話が記されている。親神が富士山の神のもとを訪れ、宿を乞うたが、富士山の神は物忌み中だと言う理由で宿泊を拒否した。親神は次に筑波山の神のもとへいき、同様に宿を乞うたところ、今度は親神は歓迎された。そのため、筑波山には人々が集まるようになり、反対に富士山には絶えず雪が積もり人々が来なくなったという。

平安時代文学の『更級日記』には、富士山の神が、朝廷の次の年の除目(人事)を決めると当時の一部の人々には思われていた記録がある。

富士講

江戸時代になると、富士山の登拜が庶民の間でも広く行なわれるようになった。庶民は富士山への信仰を強くし、特に江戸の各地には富士山を遥拝する富士塚が多く作られた。富士塚は土を盛って作られた人工の小さな山で、富士山がよく見えるところに作られ、山頂には浅間神社が祀られて、富士山に行くことが出来ない人たちでも擬似的に富士山の登拜を体験することができるようにするものである。見える山の多くは「浅間山」(あさまやま)と命名されている事が多い。また、港湾から見える場合も、「浅間神社」の石碑を建て「浅間さん」(せんげんさん)として祭っている地区もある。

こうした富士山信仰の高まりを受け、江戸時代には富士山信仰を基盤とした神仏混交新宗教が多数登場した。新宗教は江戸で布教を行い富士講を組織し、しばしば幕府にとっても無視できない規模になったので、幕府は弾圧を行なった。これらの新宗教は明治期の激動を潜り抜け、今でも実行教・丸山教・扶桑教などと脈絡を保ち続いている。現在においても富士山は新たな信仰を生み出す基盤となっており、オウム真理教法の華三法行が富士山の麓に本部を置いたことも記憶に新しい。

また、日蓮正宗の総本山である大石寺も、富士山の麓である静岡県富士宮市にある。これは、「富士山に本門の戒壇を建立すべきものなり(要旨)」との宗祖・日蓮大聖人の遺命に基づき、大聖人の御入滅後、大聖人の六大弟子僧(いわゆる六老僧)の一人である日向、ならびに、身延の地頭・波木井実長が謗法を犯したことにより身延山を離山(いわゆる身延離山)した日蓮正宗第二祖の日興上人が、南条時光をはじめとする弟子檀那(信徒)らの寄進(御供養)を受けて、1290年に富士山麓の大石ヶ原(「おおいしがはら」と読む。現・富士宮市上条地区)に開山・建立したものである。

富士登山

富士山の北西斜面、標高約2300mから
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富士山の北西斜面、標高約2300mから
河口湖口側の山頂の様子
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河口湖口側の山頂の様子

遠方から見上げる富士とは異なる姿がそこにはある。 火山灰溶岩の荒れ果てた世界である。 また、富士山から下界を眺めた展望は、他では得られない絶景である。

富士登山を経験した者たちの間では、「富士山に 登らない馬鹿 二度登る馬鹿」という言葉が流布している。 これは富士登山の厳しさを表した言葉で、疲労、寒さ、高山病、を一度経験した者は「二度と登りたくない」と思うようである。

しかし、富士山に魅せられて、毎年のように登る人もまた多い。

登山シーズン

毎年7月1日の山開きから8月26日の山じまいまでである。この期間は山小屋が営業しているため、登山客が集中する。逆にこの時期以外、特に9月に入ると営業している山小屋が極端に少なくなり、宿泊・飲料水・食事・トイレの提供の問題により、登山者は非常に少なくなる。7月上旬までは残雪の状態によっては一部の登山ルートが使えないこともある。

登山道

富士宮口、河口湖口(六合目で吉田口登山道と合流)、須走口、御殿場口などがある。それぞれの登山口(自動車道の終点)は全て「五合目」あるいは「新五合目」を名乗っているが、各登山口で五合目の標高が全く異なる。

  • 富士宮口
    • 利点 - 各登山道の中で歩行距離が最も短い。五合目の標高が最も高い。岩場が多いためすべりにくく登りやすい。頂上が富士山最高地点の剣ヶ峰に一番近い。
    • 難点 - 登りと下りが同じ道のため混雑しやすい。岩場が多いため下りでは膝に負担がかかる。登山道からでは御来光が拝めない所が多い。南側のため晴れている日は日差しが強い。バスの本数が河口湖口に比べると少ない。新五合目の駐車場の収容力が少なく、マイカー規制の無い時期の週末には道路が大渋滞を起こすことがある。
    • 新五合目の標高 - 2400 m
    • 距離 - 登り 5.0 km 下り 5.0 km
    • 所要時間 - 登り5時間 下り2時間30分
    • 山小屋の数 - 9(新五合目1・頂上1含む)
  • 河口湖口(六合目で吉田口登山道と合流)
    • 利点 - 東京方面からアクセスしやすく、バスの本数も多いので最も人気がある。山小屋が多く休憩しやすい。御来光がどの地点でも拝める。
    • 難点 - 御来光時には八合目から上が渋滞になりやすい。七合目付近に急な岩場がある。歩行距離が富士宮口や須走口より長い。下山道には山小屋が一軒しかない。下山時、最後に登りがある。
    • 五合目の標高 - 2305 m
    • 距離 - 登り 7.5 km 下り 7.6 km
    • 所要時間 - 登り5時間30分 下り3時間
    • 山小屋の数 - 19(五合目駐車場前の2軒、吉田口五合目付近の3軒を含む・頂上の小屋4軒と本八合目の1軒は須走口扱いで含まず)
  • 須走口
    • 利点 - 人が少なく、本八合目で河口湖口と合流するまでは落ち着いて登れる。樹林地帯があり草花を観察できる。下山道に砂走りがある。御来光がどの地点でも拝める。マイカー規制がない。神奈川方面からアクセスしやすい。
    • 難点 - 新五合目の標高が少し低いので、富士宮口や河口湖口より体力がいる。砂走りは石が多く、御殿場口の大砂走りほどは軽快に下れない。本八合目から上が河口湖口と合流するため、御来光時には渋滞になりやすい。
    • 新五合目の標高 - 2000 m
    • 距離 - 登り7.8 km 下り6.2 km
    • 所要時間 - 登り5時間30分 下り3時間
    • 山小屋の数 - 13(新五合目3・頂上4含む・八合五勺の小屋1軒は河口湖口扱いで含まず)
  • 御殿場口
    • 利点 - 人が非常に少ないので落ち着いて登れる。新五合目の標高が低いので高度に身体を順応しやすい。大砂走りがあり快適に下山できるため、下山道として人気がある。御来光がどの地点でも拝める。
    • 難点 - 新五合目の標高が低いため体力が必要。滑りやすい砂礫の部分が多く登りづらい。景色が単調。山小屋が少なく休憩しにくい。道がわかりにくいところがあり特に夜間は道に迷いやすい。バスが少なくアクセスしにくい。
    • 新五合目の標高 - 1440 m
    • 距離 - 登り 11.0 km 下り 8.5 km
    • 所要時間 - 登り7時間30分 下り3時間
    • 山小屋の数 - 7(新五合目2・頂上1含む・営業期間が極端に短い小屋もある)

山小屋

富士山では御来光を見るために山小屋に宿泊する登山客が多い。

  • 営業時期 - 7月1日から8月の最終日曜日までが多い。一部10月半ばまで営業する山小屋もある。
  • 営業時間 - 24時間営業のところもあるが、宿泊客が就寝中の21時から翌日1時くらいまでは閉めるところが多い。
  • 商品 - ペットボトル飲料(500円)、ビール(600円)など。他の山に比べ200円程度価格が高い。
  • 宿泊 - 予約が基本。他の山の山小屋は全ての宿泊希望者を受け入れるところが多いが、富士山は定員以上は断るところが多い。料金は素泊まり一泊5500円が多い。土日は1000円上乗せするところもある。寝室は雑魚寝。定員宿泊でも混雑時には1枚の布団で3人が寝ることもあるが、1枚の布団に1人だけが定員のところもある。夕食はレトルトカレーが多いが、手作りカレー食べ放題や豚汁食べ放題のところも一部ある。朝食は炊き込みご飯やおにぎりなどの弁当が多いが、ハムエッグなど手の込んだ朝食を出すところもある。
  • 便所 - 平成18年度でおがくず式、カキ殻式、燃焼式などの環境配慮型の便所に全ての山小屋が改築し終えた。以前はほとんど垂れ流しだったが、世界遺産登録問題があってから、環境庁の指導により改築が進められた。

登山者数

2005年度は約20万人であった。近年は減少の傾向にある。

登山道 7月 8月 最大日 備 考
吉田口 47,764 60,483 108,247 7/30 5,161 欠損期間あり
須走口 4,373 21,043 25,416 8/6 1,839 欠損期間あり
御殿場口 3,126 5,541 8,667 8/14 642
富士宮口 25,181 32,781 57,962 7/23 2,812
80,444 119,848 200,292 8/6 9,845

(2005年7月1日から8月31日までの富士山八合目におけるカウント数。環境省南関東地区自然保護事務所の登山者実数調査より。)

その他

  • 御来光 - 御来光とは高山で拝む日の出のことである。阿弥陀如来等、仏陀の出現に日の出を例えた表現である。富士山ではこれを目的に登山する人が多く、御来光直前の頂上直下は渋滞で動かなくなることがある。
  • 高山病 - 高度が増すと気圧の低下から、頭痛・めまい・疲労感・呼吸の促迫・心悸亢進などの症状が現れる。富士山では八合目付近から高山病症状を訴える人が増え始める。根本的な治療は下山するほかない。
  • 寒さ - 御来光時の頂上は気温5℃、風速7m/s(8月)ほどであり、体感気温は0℃以下である。平地では30℃を超えていても、防寒着が必要である。

富士山の防災対策

大沢崩れ(山体中央を縦に走っている大きな溝)
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大沢崩れ(山体中央を縦に走っている大きな溝)
  • 火山噴火予知連絡会(気象庁) - 富士山のみを限定するものではないが、日本の火山活動についての検討を実施する。状況に応じて見解を発表するが、噴火の日時を特定して発表することはない。定例会は年3回実施されるが、噴火時には随時開催される。2000年10月に富士山の低周波地震が増加した際は、ワーキンググループが設置され、富士山に関する基礎データの収集・整理、監視体制の検討、火山情報発信の方法などが集中的に検討された。
  • 富士山ハザードマップ検討委員会(内閣府防災担当) - 噴火時の広域避難のために必要なハザードマップの作成が、検討委員会を通じて進められている。
  • 富士直轄砂防事業(国土交通省) - 大沢崩れを源にして発生する大規模な土石流から、下流の保全対象を守る砂防事業を実施中。

富士山測候所

日本最高峰の富士山で気象観測すれば台風の予報に役立つとしてかなり早い時期から富士山での気象観測が検討された。

明治13年(1880年)からときおり富士山での気象観測が行われていたが、昭和7年(1932年)より富士山臨時測候所が開設され、通年測候が行われた。観測結果は超短波無線機で気象庁に送られた。昭和11年(1936年)に日本最高峰の剣が峰に測候所を移転して、常設の測候所となった。これは当時世界最高所の常設気象観測所である。昭和39年(1964年9月10日レーダーが設置された。この富士山レーダードームは富士山頂のシンボルとして登山者にも親しまれた。ちなみに建設は「夏季の短期間にしか行えない」「火口から吹き上がる風を読むのが難しい」などの理由から困難を極め、プロジェクトXでも紹介された。

富士山レーダードーム(富士吉田市)
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富士山レーダードーム(富士吉田市)

その後気象衛星やドップラーレーダーの発達により山頂からのレーダー観測は必要性を失い、レーダー観測は1999年11月1日に廃止、測候所は2004年9月30日に無人化された(実際は悪天候のため10月1日に無人化)。現在は無人で気温湿度気圧観測が続けられている。廃止された気象レーダードームは、富士吉田市の富士山レーダードーム館(道の駅富士吉田内)に展示されている。

なお、日本一高い山である富士山は、日本一強い風が観測された場所でもある。昭和41年(1966年)9月25日には台風26号がすぐ西を通過し、測候所で南西の風91.0m/sを観測した。これは最大瞬間風速の日本記録である。

富士がつく地名

富士山が日本を代表する名峰であることから、各地に「富士」の付く地名が多数存在する。富士山の麓として静岡県富士市富士宮市山梨県富士吉田市があるほか、よくあるものとして富士が見える場所を富士見と名づけたり(例:埼玉県富士見市)、富士山に似ている山に「富士」の名を冠する例(信濃富士など)がある。海外に移住した日本人たちも、自分たちの住むところの近くの山を地名をつけて「○○富士」と呼ぶこともある。

各地に存在する郷土富士(富士と名の付く山)

少なくとも、314座を超える数の、郷土富士(富士と名の付く山)がある。ここでは、この一部を紹介する。他の山については郷土富士内の一覧を参照のこと。

富士山南東斜面
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富士山南東斜面
  • 北海道
  • 本州
    • 津軽富士(岩木山:青森県)
    • 岩手富士または南部富士(岩手山:岩手県)
    • 出羽富士(鳥海山:山形県)
    • 吾妻富士(東吾妻山:福島県)
    • 榛名富士(榛名山:群馬県)
    • 富士山(千葉県君津市大坂)
    • 近江富士(三上山:滋賀県)
    • 伯耆富士(大山:鳥取県)
  • 九州
    • 豊後富士(由布岳:大分県)
    • 薩摩富士(開聞岳:鹿児島県)
    • 糸島富士(可也山:福岡県)
  • アメリカ

その他に富士を名乗った企業名・列車名など

「富士山のように日本を代表する存在になる」、「富士山がきれいに見える土地で創業・営業」、などの理由で名づけられている。

七合目付近の斜面
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七合目付近の斜面

追記:富士電機とその関連会社の富士通の社名は、古河電気工業ドイツジーメンス社が合弁会社を作るとき、古河の「ふ」とジーメンスの「じ」を掛け合わせたもので、直接富士山から取られたわけではない。しかし漢字は富士山から取っている。

その他

  • 和文通話表で、「」を送る際に「富士山のフ」という。
  • 富士山の山頂八合目以上の登山道、測候所などを除く385万平方メートルの土地の所有権は、富士山本宮浅間大社にある。
  • 1984年から2004年まで発行された五千円札と2004年から発行された千円札の裏の図面は富士山である。旧五百円札の裏面にも富士山が描かれていた。(日本銀行券を参照)
  • 富士山を表わすアスキーアートとして /^o^\ がある。台詞つきで /^o^\フッジッサーン と描かれることが多い。

語源

富士山は、古文献では不二山もしくは不尽山[1]と表記される。

また、『竹取物語』の最後の章では、かぐや姫から不老不死の薬を授けられたが、家臣に命じて不老不死の薬を駿河国にある天に一番近い日本で一番高い山の山頂で焼くという描写があるが、最後の記述は、その不老不死の薬を焼いた山のことを、「以来、その山のことを、富士山と呼ぶようになった」(要旨)というものとなっている。

これは日本最高峰の並ぶものの無い「不二」の山という意味とされる。その後、鎌倉時代以降に表記が転じて「富士」となった。これは「士が富む」として武士好みの表記であったという。

その他、富岳、富嶽、芙蓉峰とも表記される。

近代後の語源説としては、宣教師バチェラーは、名前は「火を噴く山」を意味するアイヌ語の「フンチヌプリ」に由来するとの説を提示した。しかし、これは囲炉裏端に鎮座する火の神の老婆を表す「アペフチカムイ」からきた誤解であるとの反論がある(フチ=フンチは「火」ではなく「老婆」の意味)。その他の語源説として、マレー語説・マオリ語説・原ポリネシア語説などがある。

なお英語では "Mount Fuji" "Mt. Fuji" と表記することが普通であるが、「山」を訓読みし "Fujiyama" と表記することも多い。

注釈

  1. (例)「田子の浦ゆ、うち出でて見れば真白にぞ、不尽の高嶺に雪はふりける」山部赤人 (万葉集)

位置情報

関連項目

  • 郷土富士
  • 玉山 - 台湾の日本統治時代は新高山と呼ばれ、当時日本最高峰とされていた。3952メートル。
  • 北岳 - 富士山の次、日本で二番目に高い山。3193メートル。
  • 天保山 - 日本一低い山。4.53メートル。
  • 各都道府県の最高峰(静岡県、山梨県)
  • 富士山 (能)

外部リンク

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