活火山
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活火山(かつかざん、かっかざん)とは、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」である。(火山噴火予知連絡会・気象庁による定義)
昔は、現在活動している火山を活火山、活動を休んでいる火山を休火山、活動を止めてしまった火山を死火山と呼ぶことがあった。具体的には、常に噴気活動があったり頻繁に噴火する火山を活火山、噴火記録はあるが現在は活動していない火山を休火山、噴火記録のない火山を死火山としていた。
しかし、噴火や噴気活動の間隔は火山によってまちまちであることなどから活火山と休火山を分けることは難しく、気象庁は昭和40年代から噴火記録のある火山や活発な噴気活動がある火山をすべて活火山としていた。事実、1968年(昭和43年)に発行された火山観測指針(気象庁職員のための火山観測マニュアル)には、噴火記録のある富士山も活火山リストに掲載されている(一般には休火山と思われていた)。
そういった中、死火山と一般には考えられていた木曽御嶽山が1968年(昭和43年)から活発な噴気活動をはじめたことから活火山に変更され、1979年(昭和54年)に水蒸気爆発を起こしたことから改めて死火山の分類区分が無意味であることが一般的にも認知された。
また噴火記録の有無は歴史時代に人が目撃し記録したかどうかに依存することも改めて認知されたことから、1991年(平成3年)に、活火山の定義「噴火記録のある火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を「過去およそ2000年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」に変更し、噴火記録の有無ではなく地質学的な証拠に基づくものと明確化した。
さらに研究が進むにつれて、2000年以上の休止期間をおいて噴火する火山もあることが明らかとなり、国際的には1万年以内に噴火した火山を活火山とするのが主流となってきた。このことから、火山噴火予知連絡会は2003年(平成15年)、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と再定義し、気象庁もその定義を踏襲することになった。
活火山をこのように定義すると、頻繁に噴火する火山から数千年の休止期をおく火山まで幅が大きくなるので、火山噴火予知連絡会は同時に、火山学的に評価された火山活動度により、ランクA・ランクB・ランクC(Aが活動度が高い)の新しい3区分を定義した。
[編集] 関連項目
- 火山の一覧
- 火山の一覧 (日本)
- 海底火山、火山島
- 火山帯
- マグマ
- 火成岩、火山岩
- 火口(噴火口)、カルデラ
- 火山灰
- 火砕流
- ラハール(火山活動によって発生する泥流・土石流)
- 山体崩壊
- ホットスポット
- プレートテクトニクス
- プルームテクトニクス-スーパープルームの火山により生物の大絶滅が有ったと仮定されている。新しい理論。
- 温泉
- 地熱
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- 地学、火山学
- イオ(木星の衛星)
- クラフト夫妻
- 火山災害予測図