台東線
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管理者 | 台湾鉄路管理局 |
営業距離 | 花蓮-台東間155.7km |
開業日 | 1919年5月17日開業 1926年3月27日全線開通 |
駅数 | 29 |
トンネル数 | 12 |
電化区間 | 無 |
複線区間 | 無 |
台東線(たいとう/タイドンせん、ピンイン:Táidōngxiàn、注音: ----)は花蓮-台東間を結ぶ、台湾鉄路管理局が運営する幹線路線である。起終点駅名から花東線の別称を有す。
目次 |
[編集] 歴史
日清戦争後、日本は下関条約により割譲された台湾経営に着手する。合理的な経営には交通網整備が不可欠であるとし、1898年より台湾東部の鉄道路線に関する調査を開始、1910年2月1日より花蓮から璞石閣(現在の玉里)間の建設に着手した。規格は軌間762mmの軽便鉄道であったが、将来は1067mmに改軌、西部縦貫線との連絡を考慮に入れての建設であった。当該区間は7年4ヶ月の歳月と、総工費434万円の費用を以って1919年5月17日に完工した。
璞石閣以南の建設は二期建設計画に策定されたが、当時の交通需要から積極的な建設は推進されなかった。そこで台東開拓会社は卑南(現在の台東)-里壠(現在の関山)間で自力で建設を進め1919年12月16日に供用開始としている。
1920年代に入ると交通機関の一元化が提唱されたことから台東開拓会社の鉄道政府により買収され、同時に未着工区間であった台東-里壠間の建設を開始した。1926年3月27日、花蓮-台東を結ぶ総延長171.8キロの台東鉄道が完成した。
当時の台東線は軽便鉄道であったため列車の高速化が困難であり、花蓮-台東間は旅客で7-8時間、貨物の場合は11時間以上を要していた。しかし蒸気機関車牽引列車からディーゼル気動車へ更新されるに従い所要時間は漸次短縮され、1966年に新型光華号が投入されると、所要時間は3-4時間と大幅に短縮された。また、ナローゲージでは珍しい寝台車を連結した夜行列車も運行されていた。
[編集] 台東線改軌計画
軽便鉄道で供用開始した台東線であるが、1967年に花蓮管理処より1067mmへの改軌計画が提出され、台東線の輸送力強化が計画された。しかしこの時は計画は見送られ、南廻線による環島鉄道計画が立案されてから具体化の方向となった。
1978年7月1日、改軌工事が開始されたが、工事は既存鉄道を運行しながらの同時進行であるため、その輸送力確保に困難を極めた。また鉄道敷設には適当でない場所に関しては新線を建設した。こうして1982年6月26日に改軌工事は完了し、台北からの直通列車が運行されるに至った。(舞鶴-三民間の自強トンネル工事は予定より遅れ、1985年に完成)
[編集] 使用車両
- 自強号 :DR2800・DR2900・DR3000・DR3100
- 莒光号
- 普通車・平快車:DR2700
[編集] 運転状況
普通車・平快車
花蓮市、光復郷、玉里鎮、関山鎮、台東市等の都市を中心に往復運行。
対号列車
東部幹線上り列車の多くは台東駅、花蓮駅を始発駅としているが、一部列車は蘇澳駅を始発ともしている。終着駅は樹林駅である。
東部幹線下り列車は樹林駅を始発に花蓮駅、台東駅、蘇澳駅まで運行している。
高雄駅から台東駅を経由して花蓮駅への列車もある。
[編集] 駅一覧
この書体の駅は廃止された駅である(2006年6月10日現在)
駅名 | 駅番号 | 累計キロ | 等級 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
花蓮駅 | 051 | 0.0 | 一等 | 花蓮市 | 花蓮県 |
旧花蓮駅 | 047 | 0.0 | 廃止 | ||
田浦駅 | 046 | 1.1 | 廃止 | ||
吉安駅 | 045 | 3.4 | 三等 | 吉安郷 | |
干城駅 | 044 | 8.2 | 廃止 | ||
志学駅 | 043 | 12.4 | 三等 | 寿豊郷 | |
平和駅 | 042 | 15.3 | 招呼 | ||
寿豊駅 | 041 | 17.1 | 三等 | ||
豊田駅 | 040 | 19.8 | 三等 | ||
渓口駅 | 039 | 23.9 | 招呼 | ||
林栄駅 | 038 | 27.7 | 三等 | ||
南平駅 | 037 | 28.3 | 三等 | 鳳林鎮 | |
鳳林駅 | 036 | 32.5 | 三等 | ||
万栄駅 | 035 | 37.5 | 三等 | ||
光復駅 | 034 | 43.1 | 三等 | 光復鎮 | |
大興駅 | 033 | - | 廃止 | ||
大富駅 | 032 | 50.9 | 招呼 | ||
富源駅 | 031 | 53.9 | 三等 | 瑞穂鎮 | |
瑞北駅 | 030 | 59.8 | 廃止 | ||
瑞穂駅 | 029 | 63.2 | 三等 | ||
舞鶴信号場(元の駅) | 028 | 67.3 | 交会 | ||
三民駅 | 027 | 72.6 | 三等 | 玉里鎮 | |
大禹駅 | 026 | 78.4 | 廃止 | ||
泰昌駅 | 025 | 83.0 | 廃止 | ||
玉里駅 | 025 | 84.1 | 一等 | ||
楽合駅 | 024 | - | 廃止 | ||
安通駅 | 023 | 89.8 | 招呼 | ||
東里駅 | 022 | 93.9 | 三等 | 富里鎮 | |
万寧駅 | 021 | - | 廃止 | ||
東竹駅 | 020 | 99.9 | 三等 | ||
富北駅 | 019 | - | 廃止 | ||
富里駅 | 018 | 106.1 | 三等 | ||
富南駅 | 017 | - | 廃止 | ||
三台駅 | 016 | 110.9 | 廃止 | ||
池上駅 | 015 | 113.0 | 三等 | 池上郷 | 台東県 |
海端駅 | 014 | 118.6 | 三等 | 関山鎮 | |
徳高駅 | 013 | - | 廃止 | ||
関山駅 | 012 | 125.2 | 三等 | ||
月美駅 | 011 | 128.9 | 招呼 | ||
瑞和駅 | 010 | 132.9 | 招呼 | 鹿野郷 | |
瑞源駅 | 009 | 132.9 | 招呼 | ||
鹿野駅 | 008 | 141.4 | 三等 | ||
山里駅 | 006 | 147.6 | 三等 | 卑南郷 | |
中興駅 | 007 | - | 廃止 | ||
嘉豊駅 | 006 | 150.2 | 廃止 | ||
初鹿駅 | 005 | 155.6 | 廃止 | ||
東成駅 | 004 | - | 廃止 | ||
檳榔駅 | 003 | 162.1 | 廃止 | ||
台東駅 | 004 | 155.7 | 一等 | 台東市 | |
馬蘭駅 | 002 | 168.3 | 廃止 | ||
旧台東駅 | 001 | 170.7 | 廃止 | ||
台東海岸貨物取扱所 | - | 171.9 | 廃止 |
[編集] 台東線改良計画
現在下記の内容の改良計画が存在する
- 全線重軌化
- 自動閉塞式の採用
- 鳳林-万栄間の直線化
- 鳳林-万里溪橋間新トンネル建設
- 万里渓橋新規架橋
- 瑞穂-舞鶴間の直線化
- 玉里-東里間の直線化
- 東里新駅建設