京義線
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京義線 | |
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路線図 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 경의선 |
漢字: | 京義線 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
けいぎせん |
片仮名: (現地語読み仮名): |
キョンウィソン |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
英語案内: | Gyeongui Line |
京義線(キョンウィせん)は、広義には大韓民国ソウル特別市と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)新義州特別行政区とを結ぶ鉄道路線。
国家の南北分断に伴い線路も分断されており、韓国側ではソウル駅から都羅山駅までの路線が韓国鉄道公社によって運営されている。本稿では主に韓国側の路線について記述する。
目次 |
[編集] 歴史
元々は1904年、日露戦争の物資輸送のために、日本が京城(現・ソウル)から北朝鮮と中国の国境の新義州までを突貫工事で結んだ鉄道(全長499.3Km)が起源になっている(1905年開通、1906年4月3日全線(ソウル駅~新義州駅)開通)。京城の京と新義州の義を取って京義線と呼んだ。
1908年4月には釜山駅~新義州駅間に急行列車「隆熙号」が運行を開始。1911年11月には安東駅~新義州駅間の鴨緑江鉄橋(初代中朝友好橋)が完工したことによって、1913年からは京義線・南満州鉄道・シベリア鉄道経由で京城からロンドン行の乗車券も発売された。さらには、日本の東京などからも京釜線・関釜連絡船を介して連絡乗車券が販売されたという。詳しくは国際連絡運輸を参照。
新義州から満州地方にも鉄道線がのびており、1930年・1940年代には京釜線・京義線・満鉄線を結んで、釜山から満州国までの大陸連絡急行列車「ひかり」・「のぞみ」・「大陸」・「興亜」などが走っていた。
第二次世界大戦の影響で1945年9月11日に京義線は南北に分断される(但し、当時、開城は38度線より南で韓国側だった為、少なからず、朝鮮戦争が勃発するまでは開城まで鉄道で行けたと推察できる)。朝鮮戦争終結後は38度線の手前で止まっており、今現在、韓国側はソウル駅から都羅山駅までの約56kmを結ぶローカル線になった。北朝鮮側では開城から新義州までを結び、平壌以北を平義線、平壌以南を平釜線(京釜線のソウル駅~釜山駅間も含む)と呼ぶ。
2000年6月14日に行われた南北首脳会談と同年7月31日に発表された南北長官級会談の共同報道文で北朝鮮と韓国が分断路線の再連結に合意した。2002年9月18日に連結工事が着工され、2003年9月17日に行われた北朝鮮と韓国の軍事実務協議により、鉄道・道路の連結事業をめぐり、本線道路の試験運用開始などで合意。これにより、京義線連結工事が最終段階に突入した。そして2006年5月25日に試運転を行うことになっていたが、24日午前、北朝鮮からの通告により取り消された。今後の動向は不明である。
京義線の再連結によって南北首脳の外交通路となるほか、海上輸送に代わる交通手段として交易が拡大し、経済的にも大きな期待が寄せられている。
[編集] 韓国側の運行形態
分断から長らく客車列車が毎時一本程度のローカル線となっていた。客車は1990年代末に5両編成の気動車に置き換えられ、各駅停車(旧トンイル号、現通勤列車)のみがほぼ1時間毎に運行されている。優等列車(セマウル号、ムグンファ号)の運行は行われていないが、水色駅に隣接して水色客車事務所・機関車事務所(日本で言う機関区、車両区)があるため、回送される優等列車の車両が水色駅まで数多く走る。
また、江梅駅から幸信駅にかけてはKTX(韓国高速鉄道)の高陽車両基地も隣接しており、KTXの回送車両も頻繁に走るほか、幸信駅にはKTX専用のホームが追加設置され、2004年4月1日の開業から一部の旅客列車が運行されている(幸信駅~ソウル駅・龍山駅間は通過)。陵谷駅からソウル郊外線の気動車列車(3両編成)が新村駅(一部ソウル駅)まで直通していたが、KTX開業前日の2004年3月31日に旅客運行を休止した。
北朝鮮の脅威が大きく、軍事境界線に近い京義線沿線は敬遠されてきたが、ソウル特別市の人口増加は際限なく、近年になって全く手の付けられていなかった沿線でニュータウンの開発が進み、利用客の増加を見込めることから、広域電鉄化することが決定した。龍山駅から伸びる貨物線である龍山線を地下化し、京義線は加佐駅から汶山駅までを電化・複線化とホーム改良など電車化を行う。この京義電鉄線は2008年の開業予定である。それまでの暫定的な旅客サービスとして2004年10月31日に臨時乗降場である金陵駅と雲泉駅が営業を開始した。
2000年6月、太陽政策が功を奏した金大中と金正日による南北首脳会談によって、途切れた南北の京義線を再連結する話が浮上し、双方で着工した。2001年9月30日に汶山駅 - 臨津江駅間の6.0kmが運行を再開し、さらに2002年2月12日に臨津江駅 - 都羅山駅間の3.7kmが運行を再開した。2003年6月14日には京義線と東海北部線(東海線)の南北の鉄道連結式が行われた。2006年5月25日には試運転を行うこととなっていたが、北朝鮮からの通告により取り消されてしまった。
営業開始時期などは未定ながら、韓国側は試運転の1か月後にも営業開始したい意向を示している。
2006年11月1日からソウル駅と臨津江駅との間で1日2往復セマウル号の運行を開始した。
[編集] 路線データ
- 路線距離 : 55.7km
- 軌間 : 1435mm
- 駅数 : 21(起終点駅、仮乗降場を含む)
- 複線区間 : ソウル駅 - 高陽基地線分岐点(花田駅 - 江梅駅間に存在する分岐点、11.4km)
- 電化区間 : ソウル駅 - 高陽基地線分岐点(交流25kV, 60Hz)
[編集] 駅一覧
駅番号 | 駅名 | 朝鮮語 駅名 |
営業キロ | KTX 停車駅 |
セマウル 停車駅 |
駅等級 | 駅種別 | 接続路線 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソウル駅 | 서울역 | 0.0 | ● | ● | 1級 | グループ代表駅 | KTX、京釜線 京釜電鉄線・ ソウルメトロ1号線(133) ソウルメトロ4号線(426) |
ソウル特別市 | 中区 | ||
新村駅 | 신촌역 | 3.1 | | | | | 3級 | 普通駅 | 西大門区 | ||||
加佐駅 | 가좌역 | 5.8 | | | | | 龍山線 | ||||||
城山駅 | 성산역 | 7.6 | | | | | 臨時乗降場 (休止中) |
恩平区 | |||||
水色駅 | 수색역 | 8.2 | | | | | 2級 | グループ代表駅 | 水色客車出発線 | ||||
花田駅 | 화전역 | 11.6 | | | | | 3級 | 普通駅 | 京畿道 | 高陽市 | 徳陽区 | ||
江梅駅 | 강매역 | 13.9 | | | | | 乙種代売所 | ||||||
幸信駅 | 행신역 | 14.7 | ● | | | 配置簡易駅 | KTX | |||||
陵谷駅 | 능곡역 | 16.5 | 設定無し | | | 3級 | グループ代表駅 | ソウル郊外線(休止) | ||||
大谷駅 | 대곡역 | 18.0 | | | グループ代表駅 | ソウル郊外線(休止) 一山線 (315) |
||||||
谷山駅 | 곡산역 | 19.6 | | | 無配置簡易駅 | |||||||
白馬駅 | 백마역 | 21.3 | | | 3級 | 普通駅 | 一山西区 | |||||
一山駅 | 일산역 | 24.9 | ● | ||||||||
炭峴駅 | 탄현역 | 26.5 | | | 乙種代売所 | |||||||
雲井駅 | 운정역 | 30.0 | | | 坡州市 | |||||||
金陵駅 | 금릉역 | 33.7 | | | 臨時乗降場 | |||||||
金村駅 | 금촌역 | 35.1 | ● | 3級 | 普通駅 | ||||||
月籠駅 | 월롱역 | 39.2 | | | 無配置簡易駅 | |||||||
坡州駅 | 파주역 | 41.5 | | | ||||||||
汶山駅 | 문산역 | 46.0 | ● | 3級 | 普通駅 | ||||||
雲泉駅 | 운천역 | 49.7 | | | 臨時乗降場 | |||||||
臨津江駅 | 임진강역 | 52.0 | ● | 3級 | 運転簡易駅 | ||||||
都羅山駅 | 도라산역 | 55.8 | 設定無し | 2級 | グループ代表駅 |
- 臨津江駅 - 都羅山駅間は非武装中立地帯(いわゆる38度線)内にある(鉄道敷地の両側を鉄条網で囲んである)。列車は都羅山駅まで直通するが、乗客は臨津江駅で一度列車を降りてボディチェック、手荷物検査などを受け、次の列車に乗る必要がある。また、都羅山駅では38度線ツアー参加者以外は駅敷地から出ることはできず、駅に残った利用者は次の列車で帰ることになる。
- 分断の前には汶山駅 - 開城駅の間に臨津駅(現在の臨津江駅の近く)、長湍駅(都羅山駅から北へ1kmぐらい、ちょうど軍事分界線上)、鳳洞駅(長湍駅 - 開城駅の間に所在、現在は北朝鮮領)が存在した。これらの駅は現在はすべて廃止され、替わりに韓国側に臨津江・都羅山駅が、北朝鮮側に板門・孫河駅が新設された。また、線路自体ももとの線路より少し西のほうに移設されている。
[編集] 京義電鉄線開業時
駅番号 | 駅名 | 朝鮮語駅名 | 営業キロ | 駅等級 | 駅種別 | 接続路線 | 所在地 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
K310 | 汶山駅 | 문산역 | 3級 | 普通駅 | 京畿道 | 坡州市 | ||||
K311 | 烽岩駅 | 봉암역 | 乙種代売所 | |||||||
K312 | 月籠駅 | 월롱역 | 乙種代売所 | |||||||
K313 | 金村駅 | 금촌역 | 3級 | 普通駅 | ||||||
K314 | 金陵駅 | 금릉역 | 乙種代売所 | |||||||
K315 | 雲井駅 | 운정역 | 乙種代売所 | |||||||
K316 | 炭峴駅 | 탄현역 | 乙種代売所 | 高陽市 | 一山西区 | |||||
K317 | 一山駅 | 일산역 | 3級 | 普通駅 | ||||||
K318 | 白馬駅 | 백마역 | 3級 | 普通駅 | ||||||
K319 | 豊山駅 | 풍산역 | ||||||||
K320 | 谷山駅 | 곡산역 | 乙種代売所 | 徳陽区 | ||||||
K321 | 大谷駅 | 대곡역 | 3級 | 運転簡易駅 | ソウル郊外線(休止)、一山線 (315) | |||||
K322 | 陵谷駅 | 능곡역 | 3級 | 普通駅 | ||||||
K323 | 幸信駅 | 행신역 | 配置簡易駅 | KTX | ||||||
K324 | 花田駅 | 화전역 | 3級 | 普通駅 | ||||||
K325 | 水色駅 | 수색역 | 2級 | 普通駅 | 水色客車出発線 | ソウル特別市 | 恩平区 | |||
K326 | 城山駅 | 성산역 | 乙種代売所 | |||||||
K327 | 加佐駅 | 가좌역 | 3級 | 普通駅 | 龍山線(直通運転) | 西大門区 | ||||
K328 | 弘大入口駅 | 홍대입구역 | 2号線 (239) | 麻浦区 | ||||||
K329 | 西江駅 | 서강역 | ||||||||
K330 | 孔徳駅 | 공덕역 | 5号線 (529)、6号線 (626) | |||||||
K331 | 孝昌駅 | 효창역 | 龍山区 | |||||||
K332/ K110 |
龍山駅 | 용산역 | 1級 | 普通駅 | KTX、京釜線、京釜電鉄線 (135) 中央電鉄線(直通運転を予定) (K110) |
水色駅から先は2006年現在の駅一覧を参照。ただし、白馬~一山の間に豊山駅が新設される。ほかに江梅駅は廃止の可能性が、坡州駅は改称の可能性がある。
[編集] 使用車両
- CDC(9501系気動車)
- KTX車両(ソウル駅 - 幸信駅、途中停車駅なし)
- 6000系通勤型電車 (2008年の電鉄化開業時より営業開始)
[編集] 北朝鮮側の現状
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)側では、前述したように平壌を中心に以北を平義線、以南を平釜線としている。平義線のほうは、中国と北朝鮮間での物資輸送において重要なルートであるため、北朝鮮では一、二を争うほどの幹線だといわれている。同線には、平壌 - 北京・モスクワ間の国際列車も運行されており、日本人でも北京経由で北朝鮮に入国する時に使用可能である。
また、現在は平壌-開城高速道路を走るバスで移動するが、以前は平釜線を北朝鮮ツアーでの板門店訪問の際に使用していたこともあったという。朝鮮民主主義人民共和国の鉄道の項目も参照。
[編集] 主な駅
- ケソン(開城)駅
- サリウォン(沙里院)駅
- 平壌駅
- シンアンジュ(新安州)駅
- チョンジュ(定州)駅
- リョンチョン(龍川)駅
- シンウィシュ(新義州)駅
その先は中国へ通じる。
[編集] 関連項目
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