ムグンファ号
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ムグンファ号 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 무궁화호 |
漢字: | 無窮花號 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
ムグンファホ |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
英語表記: | Mugunghwa |
ムグンファ号(ムグンファごう)は韓国鉄道公社の列車の種別。「ムグンファ」とは大韓民国を象徴する花、ムクゲの意。愛称としては1960年に最優等列車に初めて採用された。
1980年、新型優等電車(旧9900系)の運行開始に合わせ、セマウル号と特急(後のトンイル号)の中間クラスにウドゥン(優等)を新設したことにはじまり、1983年12月23日に「ムグンファ号」へ改称した。
目次 |
[編集] 概要
日本では特急に相当。セマウル号を補完する役割で、ほぼ全路線を網羅している。KTX開業によるトンイル号の廃止により、多くの路線で各駅停車に相当する列車が廃止されたため、ムグンファ号がこれを受け継ぐことになったが、全ての列車が各駅停車ではなく、幹線では列車によって停車駅を変更する千鳥停車を行い、所要時間は落とさずに、全ての駅に停車するようにしている。
釜山近郊では9211系ディーゼル動車(下記)でも運行されているが、長距離列車は全て客車である。現在はリミット社製の新型客車への置き換えが進んでいる。1980年から2000年頃まで清涼里~東海で9900系電動車による運行や、1990年代には京春線で9201系ディーゼル動車(下記)による運行もあったが、2000年代初頭に廃止された。
夜行列車も設定されている。
[編集] 運行路線
セマウル号がソウル特別市と地方都市を結ぶものであるのに対し、ムグンファ号はそれに加えて、地方都市同士を結びつける補完的な役割もある。また、釜山広域市の近郊都市を相互に結びつける短距離列車も主に気動車を使用して運行している。
[編集] ムグンファ号の客車
ムグンファ号の客車は韓国鉄道の車両の中で最多であり、主力列車である。優等からの改称当初は小窓の旧型客車(側面外見は日本の国鉄キハ55などに類似)であったが、1986年にセマウル号にステンレス製の新型客車が導入された際、セマウル号から大量に格下げされた大窓の客車(日本の12系客車などに類似)に置き換えられ、小窓客車は全てトンイル号に格下げされた。その後、ムグンファ号用にドア周りの改良と座席を増設した客車が新製された。さらに1990年代後半から製造された客車は車体を23メートルに伸ばし、車体のすそを丸め、シートピッチを拡大している。これは俗に「長大型」と呼ばれている。2000年ごろからは客車製造会社として整理統合されたリミット社が、側面がJR西日本681系電車に類似した客車を製作しており(俗に「リミット車」と呼ばれる)、セマウル号から格下げされた初期の車両を置き換えている。この初期車の一部はトンイル号に再度格下げされたが、2004年のKTX開業と共にトンイル号自体が廃止となったため、今後は直接廃車となる公算が高い。開発途上国に送る計画もある。
1990年代前半、セマウル号にプッシュプル方式の気動車が大量に導入されたため、余剰となったステンレス客車がムグンファ号に格下げされた。これらは特室(グリーン車に相当)専用列車として他の客車とは全く混用せずに運行した。ただし、長大型やリミット車はセマウル号と遜色ない客室設備を備えているため、2000年代に入って「特室」専用列車の運用は廃止され、旧セマウル客車(流線型と称した)はKTX開業と共に定期運用から外れた。また、ムグンファ号の「特室」も廃止された。
車体の色は、1)クリーム色の車体に赤い帯 → 2)白地に黄色・橙色の帯 → 3)白地に赤帯、ドア周りのみ紺色 というように変化している。現在は3の色に変更している最中である。
[編集] ムグンファ号の寝台車
韓国にも夜行列車があり、通常ムグンファ号で運行される。その際に寝台車も運行されるが、日本のように寝台専用列車は存在せず、座席編成の最後尾などに連結されている。現在の寝台車は全てリミット社製の新車で、JR西日本285系電車と同じタイプの寝台となっている。2005年からは金剛山等の観光列車に限って運行されている。
京釜線ではセマウル号による夜行列車があるが、こちらは寝台車は連結されていない。
なお、韓国の夜行列車は、まだ地下鉄やバスが動いていない、午前3時台~5時頃に到着するものが多く、やや不便である。
[編集] ムグンファ号の気動車
[編集] NDC
NDC:New Diesel Car は9211系と呼ばれる気動車(ディーゼル動車)のこと。大宇重工業製造。制御は液体変速方式で最高時速120km。
釜山広域市と周辺都市を有機的に結ぶ為の短距離列車として、1984年10月に211系気動車(動力車211型と制御車411型)を利用したムグンファ号が登場した。まず先頭車同士の2両編成(211 - 411)であったが、翌1985年から中間動力車311型が新造され、3両編成と4両編成による運行も開始した。運転系統は釜山~馬山、釜山~蔚山、釜山~大邱、大邱~馬山の4つで、ソウルの京春線(清涼里~春川)でも一時期4両編成で活躍した。車体塗装はクリーム色に赤帯で、塗り分けが日本の特急電車に類似していた。後に赤・黄・白のムグンファ色となった。
車体番号は1987年(231系)、1988年(281系)に変更し、1992年に9211系となって現在に至る。座席は当時普及し始めた簡易リクライニングシートで、長らく横5列の狭いシートが不評であったが、後に4列72席に改造された。1984年から1990年までに3形式各12両ずつの計36両が製造されたが、1994年に列車同士の衝突事故(4名死亡64名負傷)で9412、9318、9420の3両が失われ、2005年に数両が廃車となった。
- 形式
- 9211型(旧231、281)先頭動力車(12両 9211 - 22)
- 89席、エンジン2機(カミンズ製 NTA855RI 315馬力)
- 9311型(旧331、381)中間動力車(12両 9311 - 22)
- 83席(78席車あり)エンジン2機
- 9411型(旧431、481)先頭制御車(12両 9411 - 22)
- 79席、発電機1機(1990年製9421,22は発電機でなく動力エンジン1機搭載して動力車化)
9222、9322、9422は非営業車両。
[編集] DEC
DEC:Diesel Erectric(Excellent)Car は9201系と呼ばれるディーゼル動車。大宇重工業製造。電気式制御で最高時速120km。
9201系(当初201)は1980年に9900系電動車と共にセマウル号として登場し、全羅線ソウル - 南原間で運航を開始した。外観は9900と瓜二つだが、先頭車はPMCと呼ばれる半分が動力室で客室が狭い形式、制御には電気式変速機方式を採用、5両編成が2組の計10両が製造された。1986年にセマウル号にステンレス製新型客車が入ると、旧型客車と共にムグンファ号に格下げされ、京春線(清涼里~春川)の運用に付いた。主に5両編成1本が営業し、もう一本は予備車となっていたが、2000年ごろに用途廃止となり、そのまま10両全てが廃車となった。
- 形式
- 9201型(旧201)先頭動力車(4両 9201 - 04)
- 39席(PMC)エンジン1機(KTA38L 970馬力)発動機1機、電動機2機
- 9301型(旧301)動力車(4両 9301 - 04)
- 83席、電動機4機。
- 9401型(旧401)付随車(2両 9401 - 02)
- 83席
- 編成
- 9201 - 9301 - 9401 - 9302 - 9202
- 9203 - 9303 - 9402 - 9303 - 9204
[編集] その他
[編集] 電車EEC
韓国初の電車特急として1980年に9900系(EEC:Erectric Excellent Car)10両編成2本の20両が登場した。清涼里から中央線・太白線・嶺東線を経由して東海まで1日1往復、19年間繰り返したが、1999年にトンイル号に格下げされ、2001年に廃車となった(詳細は9900系の項目参照)。
[編集] SL観光列車
1995年頃より、ソウル駅から京義線・郊外線を経由して議政府駅まで、SLが牽引する観光列車がムグンファ号として運行された。日曜・祭日の午前にソウル駅から議政府駅まで、夕刻に議政府駅からソウル駅まで運行され、機関車は中国で新造されたSY11型が使われた。この点がかつて現役で活躍した機関車が使われる日本や欧米のSL観光列車と違うが、客車もレトロ調に塗装した客車を使う日本と違い、通常のムグンファ号用の客車がそのまま使われ、ややミスマッチであった。
2000年代に入り、KTXの車両基地建設のため、京義線の一部列車が運休となる中、SL観光列車も運休となり、その後再開されていない。韓国ではかつて東海南部線でもSL観光列車が運行されたことがあったが長続きしなかった。韓国では日本や欧米のように鉄道ファンが多くないことから、需要もそれほど多くないと思われる。