MONSTER
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『MONSTER』(モンスター)は、ビッグコミックオリジナルに1994年から2001年まで掲載された浦沢直樹の本格ミステリ漫画。単行本は全18巻が出版され、累計2000万部以上を売り上げた。
目次 |
[編集] 概要
2000年には、第46回小学館漫画賞受賞。2004年春から同作品のアニメが日本テレビ系列で放送された。
猟奇殺人、医療倫理、病院内での権力抗争、親子愛、兄弟愛、人間愛、アダルトチルドレン、東西冷戦構造、ベルリンの壁崩壊の以前以後のドイツ社会などをテーマとしており、「人の命は平等でありえるのか」を鋭く問う内容となっている。
2005年春には『ロード・オブ・ザ・リング』などの製作で知られるニューラインシネマが映画化権を獲得し、ハリウッドで実写映画化される予定である。脚本はジョシュ・オルソンに内定している。
傑作との呼び声も高いが、舞台となる旧東側諸国地域が現在まで強力なニュース発信機構を持たないが故に、西側のステレオタイプな歴史観を鵜呑みにしているとする批判も根強い。また、この点が歴史認識に鈍感なハリウッド製作陣に気に入られたのでは?とする見方もある。
収容所出身の子供という根本の問題設定から、最後のクライマックスの兄妹選択のオチまで、スタイロンの長編小説(1979、映画化1982)『ソフィーの選択』から採られたパクリであり、この作品のオリジナリティの致命的欠陥となっている。また、「冤罪によって追われつつ真犯人を追う主人公と、それを執拗につけ狙う刑事」の図式が、ユーゴ『レ・ミゼラブル』や米国テレビドラマ『逃亡者』などを典型とする逃亡者作品群の形式を採っている。とくに主人公が医師という設定は、『逃亡者』のままである(『逃亡者』では応用性の広い小児科医だったが、この作品では専門性の狭い天才脳外科医としてしまったため、途中でこの設定が破綻し、いつのまにかただの何でも医者になってしまった)。さらに、悪魔的子供というモティーフ等々も、映画『オーメン』の2ダミアン、3最後の闘争に拠るところが大きい等と言う作者に嫉妬した者の程度の低いイチャモンもある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
1986年、西ドイツ・デュッセルドルフの病院に、頭を撃ち抜かれた重傷の少年が搬送されてくる。天才的な手術の腕を持つ日本人外科医・テンマが、院長の命令を無視してまでその少年を救う。「死」を生む悪魔と「生」を生む医者が出会ったことで、陰惨で悲惨な物語の歯車がごとりと廻り始める。
東側の世界では西ドイツ社会を混沌の世界に突き落とすという異常な策謀が進行していた。チェコスロバキア秘密警察のフランツ・ボナパルタらは、子供たちを次々に西側諸国へ送る戦闘要員として教育していく。その過程でヨハンという怪物が生まれた。次第にヨハンの心の中の怪物は大きくなり、周囲の人間を次々に殺害していく。それはまるでボナパルタが描いた絵本『なまえのないかいぶつ』の主人公の怪物のように、人に取り憑き次々に周囲の人間を呑み込んでいった。
数年後の1995年、数年ぶりに遭遇したヨハンは確実に巨大な怪物に成長していた。テンマの患者を目の前で何の躊躇もなく殺害するヨハン。自分の中で何かが弾けたテンマは、怪物ヨハンを追いかける。果たして、テンマはヨハンの殺戮を食い止めることが出来るのか…。ヨハンを突き動かす『なまえのないかいぶつ』という絵本は何なのか…。ヨハンは何故殺戮を繰り返すのか…。物語はベルリンの壁崩壊後のドイツとチェコを舞台に展開されていく。
[編集] 主な登場人物
- 天馬賢三(ケンゾー・テンマ、Dr.テンマ)(声:木内秀信)
- 本作の主人公。ドイツ・デュッセルドルフにあるアイスラー記念病院で働く日本人脳外科医。
- “天才”と周囲の誰もが認めざるを得ない程の手術の腕を持っている。頭脳明晰で社交性も人一倍富んでおり、学生時代は周囲の誰からも慕われる存在だった。仕事に対する情熱も人一倍であり、真面目。というより人を助けること自体に人一倍の情熱と責任感を持っていると言った方がいいかもしれない。そんな真摯さや社交性から、患者の誰からも慕われている。
- 対人関係では相手の社会的地位や階級よりも率直で誤魔化しの無い人柄を好み、常人なら敬遠しそうなDr・ベッカーやヘッケル、脱獄常習犯のミルヒに対してさえも心を開いていた。また、そういう相手の信頼をいつしか勝ち取る人徳をテンマ自身も備えていた。
- 最初は疑問を感じながらも院長や病院、出世の為に仕事をこなしてきたが、ある時、自分が手術をしたオペラ歌手よりもトルコ人女性の亭主が先に運ばれていた事を知り、またエヴァの「人の命は平等じゃない」という言葉やハイネマン院長が人の命よりも自分達の利益を優先させていることに反感を覚えた。その為、自分の手術の腕を地位向上や名誉獲得の為に生かすことはせず、全ての人は平等に助けるべきだという考えを持ち、患者が裕福か否かにかかわらず手術やケアを行う。院長からの業務命令をも無視し先約であったある手術を執刀したが、それによりその患者の一人であるヨハンという悪を蘇らせたことにより、深い負い目を感じ苦悩する。そして、彼が行った殺人の容疑者として指名手配されながらも彼を抹殺する為、追跡の旅に出る。
- 神奈川県横浜市出身の1958年1月2日生まれ。実家は市有数の総合病院を経営。父親は総合病院の院長、母親は元医学雑誌の編集者。異母兄が二人おり、長兄は銀行員、次兄は医者(無医村で医療活動中)。デュッセルドルフ大学医学部卒。
- ヨハン・リーベルト(声:佐々木望)
- テンマが追い続ける「怪物」。並外れた頭脳とカリスマ性を持ち、天才的な洗脳者にして扇動者。
- 1975年5月生まれ。父はドイツ系チェコスロバキア人の士官候補、母は遺伝子の研究で知られるメンデルと同じ大学(現在のチェコのブルノ大学)で遺伝子工学を学んだ才女(そのことは「本当の怪物」と副題がつけられたエピローグで明かされたことから、怪物の遺伝実験を母自身が自らを用いて行っていたとも受け取れる)。しかし、両親の出会いはフランツ・ボナパルタの実験による意図的なものであり、人工的に生みだされたと言っていい。実験から逃れた母と共に、プラハで「3匹のカエル」の家で家族3人で暮らす。数年後ボナパルタが現れ、双子の内1人を拉致しに来る。母の選択でアンナが連れて行かれることになるが、その選択に疑問を抱き頭を悩ます。そのころから次第に、『なまえのないかいぶつ』の怪物と自分を重ねる。その後、母親は失踪。“赤いバラの屋敷”から逃亡してきたアンナと共に、チェコを逃亡するも国境付近を彷徨い、瀕死の状態になっていた所をヴォルフ将軍に発見される。
- ヴォルフ将軍によって入所させられた施設「511キンダーハイム(孤児院)」を、教官や生徒達を扇りたてて殺し合わせることで崩壊させた後は、妹のアンナと共に西ドイツへ亡命した貿易商のリーベルト夫妻に引き取られる。しかし、リーベルト夫妻も殺害した後は、それを目撃したアンナに頭を打ち抜かせるが、搬送された病院でテンマによって命を救われる。昏睡状態にあったと思われていたが、テンマの独り言を聞いたヨハンは、テンマが憎む病院の人間を毒殺する。その事件が起きた後、アンナと共に忽然と病院から姿を消す。9年後再びテンマの前に姿を現すまでの詳しい足取りは不明だが、様々な人間の元を転々としながら力をつけ、必要とあれば自分の顔を知るその人間を殺害してきた(又は他の殺人犯に依頼して殺害させた)と思われる。10代にして闇社会の人間を顧客にする銀行を設立し、混乱を引き起こして犯罪組織同士を殺し合わせたこともあるようだ。
- 相手の心の深淵に潜む闇を見つけ、それを肥大化させることで相手を思いのままに操る。そして自分が利用する人物の為には造作もなく周囲の人間を殺し、自分に用が無くなったり飽きたりすれば利用していた人物を殺してしまう冷酷無比な青年。“MONSTER=怪物”と言われる所以である。
- ニナ・フォルトナー(アンナ・リーベルト)(声:能登麻美子)
- ヨハンの双子の妹。1975年5月生まれ。ドイツ系チェコスロバキア人の父とエリート大学を卒業した才女の母を持つ。しかし、両親の出会いはボナパルタの実験による意図的なものである。
- 実験から逃げ出してきた母と共に、プラハで「3匹のカエル」の家で家族3人で暮らす。数年後ボナパルタが現れ、双子の内1人を拉致しに来る。母親の選択で“赤いバラの屋敷”へ連れて行かれる。その後、母親は失踪。“赤いバラの屋敷”から逃亡し、兄ヨハンと共にチェコを逃亡するも国境付近を彷徨い、瀕死の状態になっていた所をヴォルフ将軍に発見される。
- ヴォルフに名前を付けられた2人は、西ドイツへ亡命した貿易商のリーベルト夫妻に引き取られる。兄・ヨハンが夫妻を殺害した光景を見たアンナは、今まで親切にしてくれた人々の死はヨハンの仕業であると知り、恐怖と怒りに打ち震える。そしてヨハンの指示通り、その額に銃弾を発射し、銃の指紋を拭いて窓から投げ捨てる。2人は病院に収容されるも、アンナは茫然自失になった状態で病院を失踪。その後、養父母フォルトナー夫妻に引き取られ、20歳になるまで育てられる。平穏な家庭で過ごし平凡だが楽しい大学生活(ハイデルベルク大学法学部在籍)を送るも、幼少時の記憶はなくなっていた。
- 殺人を繰り返す兄・ヨハンを食い止める為、大学を休学。追い続ける過程で次第に記憶を取り戻していく。学業は常に優秀で、聡明な点はヨハンと同じだが、性格や考え方は正反対。しかし、怒りに駆られた時の眼はヨハンを彷彿とさせ、彼を知る者を震え上がらせる。
- ハインリッヒ・ルンゲ(声:磯部勉)
- BKA(ドイツ連邦捜査局)の警部。局きっての敏腕で、今までに解決できなかった事件はないといわれている。しかし捜査に対する執念は人一倍な上、単独行動主義的な部分もあり周囲と齟齬が絶えず衝突も度々起こす。妻と娘を持つも、あまりにも仕事に熱心なため愛想をつかれ逃げられてしまった。
- 驚異的な記憶力を持ち、キーボードを打つ仕草をすることでそれを可能としている。そうやって入力し、詰め込まれた客観的事実から、犯人の気持ちになりきり犯行を予想していくという主観的な推理によって、犯人の動機や殺害方法を導き出す。その様は周囲の人間からは、時に奇異なものとしてみられる。
- アイスラー記念病院で起きた殺人事件では犯人をテンマとみなし、ヨハンをテンマの二重人格の裏の人格であると確信していた。しかし事件の真相を次第に追いつめていく内に、“真の恐怖”であるヨハン・リーベルトの存在を確信し始める。
- そして、ヨハン誕生の鍵を握るフランツ・ボナバルタを追い、ドイツの田舎町へ。その町でヨハンの手による殺戮を食い止めるため、テンマに謝罪し、単身、殺戮の実質的な指揮者ロベルトを逮捕しに向かった。
- 事件後、警察大教授になり娘と電子メールで会話をするようになった。
- エヴァ・ハイネマン(声:小山茉美)
- アイスラー記念病院の院長の娘。テンマの婚約者だったが、テンマが院長命令を無視してヨハンの手術を行なった為に婚約を解消する。以来、自分の人生を台無しにしたとしてテンマに激しい恨みを持つ一方で彼のことを忘れられずにいる。
- 性格は大病院のお嬢様に生まれたという環境から、高飛車で傲慢。一度失敗をすると立ち直る力を持っておらず、自暴自棄に走りやすく精神的にもろい。また人一倍寂しがり屋だが、素直に人に甘えられない哀れな一面も持つ。テンマに振られてからは、酒浸りの日々が続いている。過去に3回結婚したが全て離婚している。
- その後、ユンケルス殺害事件でヨハンの姿を見たことから、ロベルトに命をつけ狙われる。チャペックの依頼でヨハンの首実検を行なった後、用済みとして始末されかけるがマルティンに救われる。マルティンの死を契機に酒をキッパリやめた彼女はライヒワインの元に庇護されテンマの無実を証言。全てが落着した後、キッチン・コーディネーターとしてデュッセルドルフで新たな人生を歩むことに。しかし「人の命は平等じゃない」という考えは最後まで改めることはなかった。
- ヴォルフガング・グリマー(ノイマイヤー)(声:田中秀幸)
- 東ドイツに存在していたと言われる謎の施設、511キンダーハイム(孤児院)で行われた非人道的な教育等を追究しているフリージャーナリスト。しかしドイツ統一前はジャーナリストという表向きで、世界各地でスパイ活動をしていた。自身も511キンダーハイム出身で、14歳以前の記憶が殆ど無い。普段は笑顔で、一見人が良さそうだが、元諜報員らしくシビアな思考の持ち主。名前はその孤児院で付けられたもので、本名は不明。1954年生まれ。
- 自分の感情を自然に表現することが出来ず、日常的な場面での表情(嬉しい時の笑顔等)は、「こういう時は、こういう表情をするのが適切」と、「研究」したことによって作ったものである。しかし511キンダーハイムに関係する人物や事柄には、強い怒りを見せる。スパイ時代に妻子を持つが、息子の死を機に家庭が破綻。理由は息子の死と、その後の弔いで「あまりにも冷静で的確」に対処した為であり、この時、妻は彼に「あなたの心の中には何もない」と言って去っていった。
- 荒れ狂った時の猛威は、時には人を殴り殺してしまう程だが、正気に戻った時はその記憶は無い。グリマー自身は、孤児院で昔見たアニメになぞらえて、その状態を“超人シュタイナー”と呼んでいる。“超人シュタイナー”というのは、ボナパルタによると一つの症例で、極端なストレスに晒された結果発症し、その殆どはすぐに自殺したという。大人になるまで生存したのは、グリマーのみと思われる。
- チェコでテンマやスーク刑事と共に、ヨハンと511キンダーハイムを追跡し、その最中に危機に瀕した時、511キンダーハイムで植えつけられたもう1つの姿を見せる。チェコの旧秘密警察に拷問を受けて半死状態になった際、ヨハンと思われる人物の介入を機に、突如として痩身の外見からは想像もつかない超絶的な力と凶暴性を発揮し、秘密警察の人間達を叩きのめす。2度目はスーク刑事と共に秘密警察に包囲され、目前でスークが急所を外した狙撃で生殺し状態にあり、包囲網が徐々に迫ってくるというストレスによって凶暴化し、襲撃者を返り討ちにする。
- 危ない橋を渡りながら調査を進めていく中で、自分の感情を少し取り戻していったが、511キンダーハイムの核心にはヨハンの妨害で後一歩というところで届かなかった。テンマと別行動をとってからは、独自にフランツ・ボナパルタの調査を進め、その所在を突き止めることに成功。この時「ノイマイヤー」と名乗っていたグリマーは、ルンゲと共に、ある街でついにボナパルタ本人を発見する。
- グリマーは再会したテンマと共に、ボナパルタを裁きの場に引き出す為に、街で虐殺を繰り広げる、ヨハンが操る殺し屋達からボナパルタを守ろうとする。ヨハンの部下達にもこのような行為をやめるよう説得するが、助けようとした街の住人の少女が殺し屋達に射殺されるのを目の当たりにし、怒りを爆発させたグリマーはヨハンの部下達を倒し、自らも瀕死の重傷を負う。駆けつけたテンマとボナパルタの前で、「少女の死を見て怒ったのは、“超人シュタイナー”ではなく自分自身だ」、「失くしたと思っていた感情はどこかに置き忘れていただけで、昔出された手紙が今になって送られてきたかのように、過去に自分の息子を失くした悲しみを今感じている」と告げ、息を引き取る。その死を見てボナパルタは過去に自分が行った行為を深く悔いた。
- フランツ・ボナパルタ(エミル・シェーベ、ヤコブ・ファロベック、ヘルムート・フォス等)(声:野沢那智)
- 本名はクラウス・ポッペ。ドイツ系チェコスロバキア人の心理学者・脳外科医。ペンネームを数多く持つ絵本作家としても活動。チェコスロバキア秘密警察の元大尉として、西ドイツ側を駆逐する為、エリートの子供を優秀な戦闘要員として育てる計画の首謀者。絵本作りは自身の計画を遂行する円滑的効率的に進める手段の一つであった。いわゆる、自分の絵本を読み聞かせ子供を洗脳する“朗読会”の存在である。その実験の一環としてヨハンとアンナは生まれる。ヨハンの中のモンスターを生み出した張本人といっても良い。“赤いバラの屋敷”で実験が行われているのとほぼ同時期に、彼の「朗読会」のノウハウは、東ドイツの511キンダーハイムに取り入れられる。
- またヨハンとアンナの母親に恋心を抱き、実験や母親について知っている人間を“赤いバラの屋敷”で皆殺しにする。その後緊張の糸が切れたように目標を失い、ドイツの先祖の故郷へ隠れるように暮らす。ヨハン、アンナとその母親の4人で仲良く楽しい暮らしを追い求めるかのように、毎日のようにヨハンとアンナの絵を描いていた。ヨハンが自分を知る人間を皆殺しにしている行動の元となった、『なまえのないかいぶつ』はボナパルタの作品の一つ。
- 父親はチェコ共産党の幹部、テルナー・ポッペ。
- ヤロミール・リプスキー(声:平田広明)
- チェコのカレル橋で、人形劇ライブを行っている人形師。フランツ・ボナパルタの実の息子で、「朗読会」の生徒だったが、父から優秀な生徒ではないと言い渡され、“赤いバラの屋敷”から締め出される。1981年に死去した母親は元女優で、「リプスキー」の姓はその母の名字。
- チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部卒で、人形制作の腕は良いが、ストーリーが創れないことに悩んで、創作のきっかけになると思い“赤いバラの屋敷”をたびたび訪れる。そこでニナと出会い、彼女としばらく行動を共にすることで、心のよりどころと思っていた屋敷へのこだわりから抜け出し、人形劇のストーリーを創ることが出来るようになる。1962年生まれ。
- ハンス・ゲオルグ・シューバルト(声:羽佐間道夫)
- バイエルン州の経済界の大物で、「バイエルンの吸血鬼」の異名を持つ富豪。老いのせいか、殆ど目が見えない状態。愛人関係にあった高級娼婦マルゴット・ランガーとその息子を捨てたことに、負い目を感じ続けている。
- ユーリウス・ライヒワイン(Dr.ライヒワイン)(声:永井一郎)
- テンマの大学時代の恩師で、現在は心理療法センターを開いている精神分析医。また元国境警察の警察医だった経歴も持ち、空手と柔道の有段者。恰幅がよく髭をたっぷり蓄えた相貌からは、人柄の良さが醸し出ている。教え子である天馬の救出に尽力する。1937年生まれ。
- 手塚治虫のキャラクター「伴俊作」こと「ヒゲオヤジ」をモチーフにしたと思われる。
- ルーディ・ギーレン(Dr.ギーレン)(声:菅生隆之)
- 凶悪犯罪者の精神分析を行なう心理学者。テンマとは大学の同級生。常に大学トップの成績を保っていたが、テンマが転校してからその座を奪われて以来、テンマに対して嫉妬心、コンプレックスを抱く。そんな因縁から、初めはテンマの主張する“怪物”ヨハンが、テンマのもう一つの人格なのではないかと疑うが、テンマの話から過去の蟠りが解けて、警察の包囲網からテンマを逃がす。後にヨハンの存在が実在である事を悟りテンマ救済に尽力する。
- 一度結婚していたが、妻は犯罪者の精神分析にのめり込む彼に嫌気が差し、離婚して家を出て行ったため現在は独身。
- フリッツ・ヴァーデマン(声:大林隆介)
- 「冤罪晴らしの達人」と称されるほどの辣腕弁護士。逮捕されたテンマの弁護を請け負う。父親のシュテファンは西ドイツでスパイ容疑で禁固刑を受け、1972年に獄死する。そのせいで幼少期からスパイの子供として奇異な目で見られる。その後の裁判で父親は冤罪と立証され、ヴァーデマンは一躍時の人となる。しかし、実際の父親は東ドイツ側のスパイであることを知ってしまい、本人は深い苦悩を抱き、以来人を完全に信用することが出来なくなった。また父親はボナパルタと親交があり“赤いバラの屋敷”の実験にも関わったと思われていたが、スークと共に担当した朗読会の証人への事情聴取で父が証人へ「虹の彼方に幸せがある~(略)~君もこんな所から早く逃げろ」と語っていた事実を知り、父の真意に触れて心を救われる。後にテンマは勿論、死んだグリマーの潔白をも完全に証明した。
- 妻との間には、物語の途中で子供が生まれる。
- マルティン・レースト(声:池田秀一)
- ぺトル・チャペックの命令で、エヴァの護衛を命じられた男。アルコール嫌いで、エヴァに絡んだ酔っ払いを半殺しにした。恋人を殺したことで8年間服役しており、エヴァと出会う3年前から”赤ん坊”の部下となった。
- 最初マルティンはエヴァを嫌な女だと思っていたが、自分のわがままに付き合うマルティンに心を許し始めたエヴァは、自分とテンマとの過去をマルティンに話し、マルティンも恋人を殺した過去を打ち明ける。エヴァを追って接近してきたテンマを叩きのめしたりしていたが、エヴァの役目(上流階級のパーティに出席し、ヨハンの顔を確認する)が終わると、テンマの警告するとおりチャペックからエヴァを消すことを命じられる。
- その前にマルティンは「悪魔の弟子」クリストフと接触し、飲んだくれた自分の母親を極寒の中で置き去りにして死なせてしまったこと(マルティンのアルコール嫌いはここからきている)、薬物から更生しかけていた恋人が、昔の男によって再び薬に手を染め、それをマルティンに見られて自殺してしまったこと、昔の男はマルティンがその手で殺したが、恋人殺しの罪もかぶり服役したことなどを次々と言い当てられる。そして母親も恋人も死にたがっていたからマルティンがかなえてあげただけで、エヴァもきっと死にたがっているのだから望みどおりにするべきだと囁く。
- その言葉によって思い起こした自分の過去と、クリストフの背後の「怪物」ヨハンにおののくマルティンだったが、悪魔の思惑通りに動いてはいけない、誰も死にたがってはいないと、命令に背いてエヴァと共に逃亡することを決断する。エヴァを先に逃がし、命令を拒否したマルティンともども抹殺しようと差し向けられた殺し屋達と壮絶な銃撃戦を繰り広げる。殺し屋達を退けたがマルティンも重傷を負い、テンマの元に担ぎ込まれる。そして、テンマにチャペックの陰謀やクリストフの情報を知る限り伝え、エヴァのことを託して息を引き取る。
- ヘルムート・ヴォルフ(声:北村弘一)
- 旧東ドイツの将校。ドイツとチェコの国境をさまよっていたヨハンとアンナを保護し、二人の名付け親となり、ヨハンを511キンダーハイムに入所させた。ヨハンをリーダーに511キンダーハイムのエリートを統率しようとしている闇の組織の指導者4人の内の1人だったが、ヨハンに家族・知人を次々と殺害され「誰も自分がヴォルフであることを知らない」という恐怖を味わわせられ別人のように老け込む。ミュンヘンでヨハンを追うテンマに接触し、ヨハンの抹殺を託す。その後プラハ内の病院でテンマに再会するが、自らは臨終の間際だったためチャペックとヨハンの陰謀を食い止めるようテンマに言い残し、“終わりの風景”を見ながら死去。
- ペトル・チャペック(声:田中信夫)
- ボナパルタの直属の部下。チェコスロバキアとオーストリアの国境付近の出身。幼い頃から両親から勉強を押しつけられていた。成人して文部省の役人となり、その中でボナパルタと出会う。1989年の共産体制崩壊後、プラハに亡命。ボナパルタの朗読会を聞いて以来、彼に心酔し、“赤いバラの屋敷”での「実験」にボナパルタと共に携わる。
- ニナが断片的に記憶する、プラハの家から彼女を拉致し、車の中で“彼(ボナパルタ)に嘘を言ってはいけない”と話しかける眼鏡の人物がチャペック。ミランとは幼馴染。ヨハンをリーダーに511キンダーハイム出身者を統率するという計画を実行する、闇の組織の指導者4人の内の1人。そのくせヨハンの顔は知らなかったのでエヴァにパーティに出席してヨハンの首実検をするよう依頼していた。ヨハンを利用しようとしたつもりが“赤ん坊”殺害を知らされ、逆に利用されていたことを思い知る。安全のため身を隠そうと別荘へ向かう途中、錯乱して“赤ん坊”の元ボディガードを殺したのが露見し、ニナへ双子誕生の秘話を語り終えた後、他のボディガード達によって射殺された。
- クリストフ・ジーヴァーニッヒ(悪魔の弟子)(声:広中雅志)
- 欧州屈指の財閥ジーヴァーニッヒ家の若き跡継ぎ。父親のエルネストは闇の組織の指導者の1人であったが、急死した為その後釜に座った(その急死には暗殺説もある)。クリストフは実の子ではなく、東ドイツからの違法な養子斡旋によってエルネストの養子となる。
- 実は511キンダーハイムの出身者で、ヨハンが壊滅させた時のただ1人の生き残り。ヨハンと共に施設から脱出し、ヨハンとはよく世界征服の計画を話していたそうである。その後クリストフ自身やジーヴァーニッヒ財閥のスキャンダルの種をヨハンの力を借りて次々と抹殺していき、政治の世界への進出を目指す。
- ハルデッカー通りのアパルトマンでヨハンと待ち合わせていたところをエヴァに踏み込まれ、耳を撃ち抜かれる。反撃して銃を奪いエヴァを殺そうとするが、現れたテンマに又もや撃たれてしまう。ヨハンの居場所を白状するよう迫られたが、知らないと言い張りテンマだけにそっと伝えた。
- 事件後、先代の遺族らと財産を巡り泥沼の訴訟争いに陥っている。
- ギュンター・ゲーデリッツ(声:家弓家正)
- ドレスデン大学の教授。闇の組織の4人の指導者の1人。ヨハンをアドルフ・ヒトラー以上の人物であると崇拝するが、ヨハンの顔も居場所も知らなかった。デザートを美味そうに食べる。
- 自分らをキリストの才能を最初に見出した“東方の三博士”になぞらえ悦に入っていたが、ニナを餌にした下品な勧誘を不快に感じたヨハンによって射殺される。
- カレル・ランケ(声:坂口芳貞)
- 元チェコスロバキア秘密警察の大佐で、秘密警察を母体とした闇組織の実質的な指導者。新体制後、闇社会のボスとして活動。殺しまではしないまでも、世間からは“殺し屋の集団”という誤解を受けている。チェコのどこかに隠されている、ヨハンと511キンダーハイムの実験記録を探し求めている。
- かつて自ら511キンダーハイムに入れた甥、アドルフ・ラインハルトの動向を密かに探っている。「カレル・ランケ」の名前は仮名であり、本名は不明。グリマーとテンマへボナパルタの情報を初めて伝えた。
- ロベルト(声:勝部演之)
- ヨハンを崇拝する殺しのプロフェッショナル。ヨハンにとって都合の悪い人物を次々と抹殺していく。
- ニナの養父母殺しの犯人だったミュラーのボディガードとして初登場。その際にはヨハンの妹ニナでさえ殺そうとした。テンマを何度も窮地に陥れ、テンマが逮捕されたときには、アルフレート・バウルと言う弁護士を装ってテンマに接近し、エヴァの命を狙うと脅迫した。
- 少年時代は昆虫好きだったらしく、週末に施設で出るココアを楽しみにしていたなど、グリマーの記憶にある511キンダーハイムの少年アドルフ・ラインハルト(ランケ大佐の甥)と特徴が一致するが、同一人物かどうかは明確にはされていない。
- ルーエンハイムで住民の殺戮を指揮していたが、ルンゲとの死闘で致命傷を負いヨハンに「終わりの風景を見せてくれ」と言い残して絶命。
- "赤ん坊"(声:熊倉一雄)
- フランクフルト極右界の大物(ヴォルフやチャペックなどの闇の組織の幹部よりは小物)。ネオナチグループ「純粋ドイツ民族党」「変革と前進党」の幹部も務める。外国から移民してきた住民を一掃するためフランクフルト焼き討ちを計画する。"赤ん坊"というのは通称であるが、本名は不明。
- 一時期なぜか語尾が「~でちゅ」と赤ちゃん言葉になっていたが、チャペックと共に再登場した時には普通の話し方に戻っていた。本当にチャペックの下でヨハンをコントロール出来ているのかという不安に駆られ、クリストフとの確執も重なって気晴らしにボディガード無しで行動した夜にホテルの自室で他殺体となって発見される。
- ディーター(声:竹内順子)
- 511キンダーハイムの元スタッフであった里親のハルトマンに虐待を受けていたところを、テンマに助けられる少年。テンマやニナを慕って常に旅に同行する。サッカー好きで、常にサッカーボールを持っている。
- ヤン・スーク(声:菅沼久義)
- チェコ・プラハの刑事。警察署内部の旧秘密警察の陰謀に巻きこまれたのをきっかけに、グリマーと親交を深める。その後、ヨハンの行なった殺人事件の容疑者にされて追跡されるが、グリマーが罪をかぶったため名誉が回復される。正義感が強く、曲がったことが嫌い。前途有望だが、共に“赤い屋バラの屋敷”関係者の聴取に当たったヴァーデマン弁護士には、マニュアル的な捜査だと批判される。
- マルゴット・ランガー(本名:ヘレンカ・ノヴァコバー)(声:田中敦子)
- チェコ人の娼婦。1955年8月12日、プラハ生まれ。ゲオルグ・シューバルトと関係を持ち、その後息子であるカール・ノイマンが生まれる。15歳の時チェコからドイツへ政治亡命。チェコ・スロヴァキアの反体制地下運動家だったらしく、同志であったヨハンとアンナの母親も同じように計るが失敗。1992年に娼婦を引退して静かに暮らしていた(この時期、ヨハンと同居していたと思われる)が、1995年11月2日に他殺体で発見される。
- カール・ノイマン(カール・シューバルト)(声:関智一)
- シューバルトとマルゴット・ランガーの子。ミュンヘン大学の学生。養父母の下を転々としていたが、ヨハンによりシューバルトに実子だと認められて一緒に暮らす事となる。ヨハンと共に、シューバルトに本を朗読するアルバイトをしており、シューバルトに下手だと悪態をつかれながらも続けていた。しかし、自分が息子である事はなかなか言い出せなかった。
- ロッテ・フランク(声:氷上恭子)
- カールと同じミュンヘン大学に在籍する女子学生。情報収集と分析に長けている。シューバルトの身の回りを世話するアルバイトを通して知ったカールに淡い恋心を抱く。容姿にコンプレックスを抱いており、偶然知り合ったニナと我が身を比較して更に落ち込んでいたりした。結局カールとは良き友人関係止まりで遂に恋は成就しなかった。
- ミラン・コラーシュ(声:大塚明夫)
- チェコからドイツへ亡命し、フランクフルトに在住する歯科医。ボナパルタの部下、ペトル・チャペックとは幼馴染であった。
- 亡命してきたチャペックをフランクフルトへ招くが、チャペックが行った実験で息子は自殺してしまう。再開発で取り壊し寸前のトルコ人街に潜伏し、チャペックの抹殺を狙う。変死した自警団幹部の家族5人と同居している。
- テンマの制止を振り切って遂にチャペック暗殺を決行したが、失敗に終わり警備の警官隊に射殺される。
- リヒァルト・ブラウン(声:有川博)
- 私立探偵。元はミュンヘン署きっての敏腕刑事だったが、持ち前の強い正義感から未解決の事件に対しての苛立ちを募らせた挙句にアルコールへ走ってしまう。そんな中で連続殺人犯の少年シュテファン・ヨースを酔って射殺するという事件を起こし、辞職に追い込まれる。妻子とも別れ、立ち直ろうとライヒワインのカウンセリングを受けていた。
- ある日大富豪シューバルトの依頼を受け、息子を名乗る人物の調査を始めた矢先にターゲットの青年エドムント・ファーレンが自殺。不審に思い調査を進める内に謎の青年ヨハンの存在とシューバルトへの周到かつ邪悪な陰謀を察知する。が、ライヒワインからも完全に立ち直ったと励まされ、翌日に愛娘と会う約束をした直後にヨハンの訪問を受ける。ミュンヘン大学の屋上で(警察やライヒワインにさえひた隠しにしていた)シュテファン・ヨース事件の真相を暴かれ、精神的に追い詰められた彼にヨハンはウイスキーを勧める。程なくしてリヒァルトは泥酔状態で屋上から謎の転落死を遂げた。
- 手塚治虫のキャラクター「下田(げた)警部」をモチーフにしたと思われる。
この他の登場人物についてはMONSTERの登場人物を参照のこと。
[編集] アニメ版
2004年4月6日から2005年9月27日まで日本テレビ系列で放送された。全74話。深夜アニメでは珍しく6クール(1年半)かけた長期放送を実現、原作をほぼ忠実にアニメ化している。原作との明確な相違点を強いて挙げるとすれば、
- CHAPTER.9や18、20といった初期話数に、原作には無い(尺を稼ぐ)追加シーンが多数見受けられる。
- 英人夫婦(CHAPTER.20)やベトナム人女医(CHAPTER.34)、ソーセージ屋の娘(ルーエンハイム編)といった名無しキャラに名前が付与されている一方で、ハイトマイヤー(原作ではハイトマイアー)、ゼマン(原作ではゼーマン)ら何故か名称を微妙に変更されてしまったキャラがいる。
- 「スズモトセンセイ」や「リプスキーの大家の年増」など原作でイイ味を出していたにもかかわらず、バッサリ出演シーンをカットされてしまったアニメ未登場キャラもいる。
- VAPより発売されているDVDでは、TV放送時に劇中で効果的に使われていた「ビー・マイ・ベイビー」や「虹の彼方に」が著作権の絡みからかオリジナルのインストゥルメンタルに差し替えられている。台詞はそのままのため違和感は拭い難い。また、商社マンのカラオケ場面(CHAPTER.35)では原作の「MY WAY」が何故か谷村新司の「昴」へ差し替えられていた。こちらは著作権の絡みとは考え難いが、どうあれ理由は不明。
- 「ガラタサライのハカン(・シュキル)選手」や「ガンダム」など、著作権・肖像権の絡みそうな固有名詞はことごとく台詞ごとカットされている。
- ギュンター・ミルヒの好きなテレビ番組「刑事フォルトナー」が「刑事ホルスター」に変更されている。おそらくニナ・フォルトナーとの混同を避けるため。
- 後半に進むにつれ展開がやや駆け足になり、原作シーンの省略・場面カットが目立つ(特にリプスキー編やルーエンハイム編で顕著)。
といったところか。
2005年12月27日と12月28日の両日、日本テレビでTVシリーズを前後編3時間に編集した総集編「MONSTERスペシャルバージョン」が放送された(前編1時間、後半2時間)。
[編集] スタッフ
- 企画:大澤雅彦・大島満・久保雅一
- プロデューサー:中谷敏夫・田村学・油井卓也・丸山正雄
- シリーズ構成:浦畑達彦
- キャラクターデザイン・作画監督:藤田しげる
- キャラクター原案:高坂希太郎
- アニメーションプロデューサー:吉本聡
- 音楽:蓜島邦明
- 音響監督:本田保則
- 監督:小島正幸
- アニメーション制作:マッドハウス
- 製作:日本テレビ・小学館・VAP
- 原作:浦沢直樹
[編集] 放送リスト
- サブタイトルの前には基本的に「CHAPTER.(話数)」という表記が付く(但し最終回のみ”FINAL CHAPTER”と表記)。
- サブタイトルも原作Chapter名からそのまま踏襲している(CHAPTER.14だけは2つの原作Chapter名を折衷)。
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- テレビ放送では第24話と25話の間に1~17話の総集編『Extra.1 発端』が放送された。(“1”と付いているが、テレビ放送中に作られた総集編はこの一つのみ)
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ曲『GRAIN』
- 作曲/編曲:蓜島邦明
- 初代エンディングテーマ曲『for the love of life』(CHAPTER.1~32)
- 作詞:デヴィッド・シルヴィアン 作曲:デヴィッド・シルヴィアン/蓜島邦明 歌:デヴィッド・シルヴィアン
- 二代エンディングテーマ曲『Make It Home』(CHAPTER.33~74)
[編集] 実写版映画
[編集] スタッフ
- 製作総指揮:
- 製作:
- プロデューサー:
- 監督:
- 助監督:
- 脚本:
- 企画:
- 撮影:
- 音楽:
- 音楽プロデューサー:
- 美術:
- 録音:
- 照明:
- 編集:
- スチール:
[編集] キャスト
- 天馬賢三:
- ヨハン・リーベルト:
- アンナ・リーベルト(ニナ・フォルトナー):
- ハインリッヒ・ルンゲ:
- エヴァ・ハイネマン:
[編集] 小説 ANOTHER MONSTER
ヴェルナー・ヴェーバー 浦沢直樹共著 長崎尚志訳
著者の一人ヴェルナー・ヴェーバーが、原作のヨハン事件に関わる人々にインタビューをしていき、事件の謎を解き明かしていくストーリー。 ヴェーバーはオーストリア出身の、実在のフリーランスジャーナリスト。エヴァ、ルンゲ、リプスキーといった本編の重要人物にヴェーバーが証言を聞く事で、原作の事件を回顧していくと共に、ヨハンと関わった人々の後日談も知ることができる。本編でヴォルフガング・グリマーがボナパルタの実験について独自に調査し、記録した「グリマー・ノート」も公開され、さらに事件の真相に迫ることができる。なお最重要人物といえる、天馬賢三とニナ・フォルトナーには、ついにインタビューをとることができなかった。
日本での友人の証言による天馬の少年時代の出来事やドイツで医師になる事となった理由、アニメ「超人シュタイナー」の内容と製作過程、511キンダーハイム崩壊の詳細な経緯、フランツ・ボナパルタやヨハンとニナの両親のルーツなど、本編で語られなかった謎も明らかにされる。
また小説の中で、ヴェーバーはヨハン事件を追うと共に、オーストリアの病院で発生した猟奇殺人事件も追跡しており、ヴェーバーはその背後に不気味なホラー小説「闇のドルン」とボナパルタを思わせる新たな絵本、そして「もう一人の怪物」の影を察知する。そしてヴェーバーは、ついにその「怪物」と接近する。
全編、実在の作者ヴェーバーによる架空の人物との対話に、物語に絡む実際の政治的歴史、各所に挿入されたチェコやドイツの写真の効果もあり、フィクションを感じさせないリアルな、ドキュメンタリー、サスペンスの雰囲気を醸し出している。
[編集] その他
作品中で主人公のケンゾー・テンマは国境なき医師団に参加するが、現実の世界でもMONSTERの出版元の小学館が、国境なき医師団を支援している。
[編集] 外部リンク
- MONSTER @ 日テレ
- MONSTER(ビデオ・DVDのベンダーVapのページ)
- Cryptozoology.com
日本テレビ火曜24:50枠、よみうりテレビMONDAY PARK第1部 | ||
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