財閥

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財閥（ざいばつ）は、非常に大きい独占的な資本家、企業のこと。コンツェルン。一族経営を行うことが多い。

なお、近代以前には財閥という言葉は、多数の豪商を生み出した地域に付けられる事もあった。例：甲州財閥

[編集] 日本の財閥

日本では第二次世界大戦前に三井・三菱・住友・安田などの財閥があったが、GHQ（連合国軍最高司令官総司令部）の指令により分散させられた（財閥解体）。

[編集] 四大財閥

上記の3つを特に三大財閥と呼ぶ。

安田財閥（金融財閥）

[編集] 四大財閥以外の明治財閥

[編集] 大正財閥

[編集] 昭和期の新興コンツェルン

上記の財閥と異なり、創業者には技術者出身が多い。このため、重工業中心で「芋づる」方式と呼ばれる、企業間において関連性の強い生産関係を持つ。既存の財閥では貧弱な化学産業を中心に発展していった。逆に金融部門が弱いため、第二次世界大戦中には既存の財閥系銀行団によって侵食されていった。なお、経営政策の面では、理研コンツェルンを除いて既存の財閥同様に同族運営がなされており、その点で「新興財閥」という言い方もある。

[編集] その他の財閥（地方財閥を除く）

新興コンツェルン以外で、昭和初期～第二次世界大戦中に発展した中堅財閥。これらは沖縄・大東諸島においてプランテーション・鉱山事業をおこなった大日本製糖を中心とした藤山コンツェルンや、マレーシア・シンガポールを拠点として鉱山・海運・化学事業を手がけた石原産業など、おもに南方における諸事業を展開して成長した。

中島飛行機は第二次世界大戦中に急速に発達した財閥で、軍用機の生産から鉱山・貿易・水産などの非飛行機部門にも進出した。

なお、南満州鉄道も多角化を推進した事から財閥の一つとする場合もある。

[編集] 地方財閥

代表的な地方財閥としては、

片倉財閥（長野県、製糸業）
安川財閥（福岡県、鉱業）
茂木財閥（千葉県、醸造業）
伊藤財閥（愛知県、百貨店経営／銀行業）
鈴与財閥（静岡県、海運業）
八馬財閥（兵庫県、醸造業／海運業）

が挙げられる。

また、大阪・神戸周辺には中堅・零細の財閥が集中していた事から阪神財閥と総称する事もある。この場合は、八馬財閥のように地方財閥だけでなく、上記の野村財閥や川崎財閥（正蔵系）を含める事が多い。

明治以前から主力事業が存続し、片倉財閥の様に製糸業に注力するなど、一つの事業に集中して投資し、芋づる式に発展するケースが多い。規模は様々であり、零細なケースでは企業を保有せず、株式投資事業や不動産賃貸事業のみで存続する場合もあり、いわゆる投資家や地主との線引きは曖昧である。また、江戸時代に有力な商人であったが、明治期以降は具体的な財閥を形成していなかった鴻池家もこの地方財閥に入れる事がある。

財閥解体には繋がらなかった場合も多く、存続企業としては松坂屋、旧東海銀行（→UFJ銀行→現三菱東京UFJ銀行）（ともに伊藤財閥）、キッコーマン（茂木財閥）などがある。