郵便貯金
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郵便貯金(ゆうびんちょきん)とは、郵便貯金法に基き日本郵政公社が行う貯金の受入れ事業のこと。全国の郵便局において取り扱い、通称「ゆうちょ」(郵貯)とも。
- 2001年(平成13年)まで、郵便貯金の預入資金は旧大蔵省資金運用部に預託され、財政投融資に使用されていたが、この制度は廃止され、現在では同公社により、金融市場において運用されている。
- また、「郵便貯金事業」という場合、同事業のほか「郵便振替事業」「郵便為替事業」「国際郵便為替事業」を含むことがあるほか、これらを総称して「為替貯金事業」と呼ぶことがある。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 取扱場所
- 郵便貯金は通常、全国すべての郵便局で取り扱っているものであるが、特に取扱いを行わない一部の普通郵便局(区分専門局等)や特定郵便局(簡易郵便局については後述)については、その旨が公社により公示され、当該局局頭に掲出される。
- 簡易郵便局では全部又は一部の郵便貯金業務の取扱を行わない場合がある(農協に併設される場合など)。
[編集] 預入の制限
- 最大預入額は通常郵便貯金、積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金、教育積立郵便貯金を通算して、1預金者につき1,000万円である。また教育積立郵便貯金はこの範囲内で200万円である。このほか別枠で、住宅積立郵便貯金は50万円、財形住宅定額郵便貯金、財形年金定額郵便貯金、一般財形定額貯金の4種類を合わせて一般枠の限度額のほかに550万円、財形年金定額貯金は385万円まで預けることが可能である。このなかには、確定拠出年金の指図者持分も入る。
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- なお、「郵便振替口座」は郵便振替法に基く口座であり、これに含まれず、制限もない。
[編集] 最大預入額の除外地域
- 郵便貯金法第10条第1項但書により、総務大臣が告示した一般の金融機関がない市町村の区域であって主たる事務所がその区域に存在する、所得税法別表第一第一号の表に掲げる法人(特殊法人等)、労働組合、職員団体、社会福祉法第二条 に規定する社会福祉事業を経営する営利を目的としない団体については、最大預入額の適用がない。当該区域は次の通り。
- 栃木県 塩谷郡栗山村
- 東京都 利島村、御蔵島村、青ヶ島村
- 愛知県 北設楽郡豊根村
- 三重県 南牟婁郡紀和町
- 奈良県 吉野郡野迫川村、上北山村
- 徳島県 三好郡西祖谷山村
- 鹿児島県 鹿児島郡 三島村、十島村
- 沖縄県 島尻郡 座間味村
[編集] 制限額を超過した場合
- 貯金総額が制限額を超えたときは、公社からその旨が預金者に通知され、通知があったときは、預金者は、貯金総額を制限額以内に減額しなければならないが、その通知を発した日から1か月以内に預金者が減額をしないときは、公社により制限額以内に減額するのに必要な限度で、その貯金の一部で国債を購入し保管される。
[編集] 政府保証
- 郵便貯金法第3条により、郵便貯金として預入された貯金の払戻し及びその貯金の利子の支払に係る公社の債務は、政府により保証される。
[編集] 印紙税の非課税
- 郵便貯金法第6条により、郵便貯金の取扱いに係る文書類(通帳、証書、受領証類)には印紙税が課されない。
[編集] 用語
- 郵便貯金については、「口座」という呼称は用いない(郵便振替について使用する)。
- このほか郵便貯金では、口座開設の語を用いず「新規預入」、通常郵便貯金・通常貯蓄貯金の2度目以降の預入を「再度預入」、満期となった定期郵便貯金を自動的に預け替えることを「継続預入」、貯金現在額(および貸付限度額)の払戻しを「一部払戻し」、当該貯金の利用を終了する元金および利子の払戻し(民間金融機関における「解約」)を「全部払戻し」、貯金の移転や統合を「転記」と呼称する。
- 郵便貯金法上、郵便貯金を預入した者は「預金者」と呼称する。預金者とは、確定拠出年金により預入される貯金を除き、自然人並びに法人及び、団体取扱ではその団体等をそれぞれ1つの預金者とする。
[編集] 通帳や貯金証書の副印鑑表示
副印鑑から印影を電子的に複写する手口にて、不正な支払いを受ける事件が多発したため、現在、銀行などの金融機関では、不正防止策として通帳の副印鑑表示自体を廃止している。しかし郵便貯金の通帳や貯金証書では、副印鑑表示を継続している。現在、口座開設時や通帳の再発行時には、副印鑑の印影をスキャナ等で取り込みにくくするために印影保護シールを貼付している。副印鑑表示上に印影保護シールが貼付していない旧来の通帳や貯金証書については、(実際に改印をする訳でなくとも)改印届を提出することで、印影保護シールが貼付される。
[編集] 通常貯金・貯蓄貯金の通帳冊数制限
従来より通常郵便貯金および通常貯蓄貯金の預入は、それぞれ1人1冊の通帳に限られる。すでに通常貯金を預入している預金者が、新たに複数の新規預入をして2冊以上の通帳を利用することは禁止されており(後述)、法律上そのような場合、2冊目以降の通常貯金は利子を付されない。しかしこれまで多くは名寄せが行われず、1人で多数の通帳を保有する預金者があり、この名寄せの不備が郵便貯金の預入限度額の超過の他、従来より資金洗浄や振り込め詐欺等の金融犯罪に利用され、これらを助長する懸念があった。このため、目下預金者情報による名寄せが取り組まれている。
- もっとも郵便貯金法上、取り扱いの違う通常郵便貯金(法令約款上、通常貯蓄貯金は通常郵便貯金の形態の一つとされている。)には別通帳が交付され、以前は通常貯金・国際ボランティア通常貯金・貯蓄型I・同貯蓄型I・貯蓄型II・同貯蓄型IIの最大6冊が、利用できる最大通帳冊数であった。現在は貯蓄型I、IIが統合され通常貯蓄貯金となり、利用できる通帳は最大で4冊である。
- また、団体貯金及び積立郵便貯金並びに確定拠出年金通常貯金については、通帳冊数の制限はない。
- このほか、2005年から、すでに同種類の通常貯金通帳を持っている場合、同種の国際ボランティア貯金を新規に預入することができなくなった(通常貯金や貯蓄貯金がある場合は、その貯金を国際ボランティア貯金に切り替える)。但し、すでにある国際ボランティア貯金通帳についてはそのまま利用できる(従来適法でなかった通帳を除く)。
[編集] 払戻証書
郵便貯金の払戻は窓口で即時に払い戻す外、取扱局窓口に払戻請求後、貯金事務センターより払戻証書を送付し、再度取扱局窓口に提示して払戻金を受け取ることができ、無通帳で全部払戻請求の際はこの取扱になる。
[編集] 現金自動預払機
- 1月1日~1月3日を除きすべての日に現金自動預け払い機(ATM)での預け払いが可能である。ただし、土曜、日曜、休日には利用できないものも一部にはある。
- ATMの取り扱い手数料はすべての時間帯で無料である(提携金融機関のATMでの利用には所定の手数料が必要)。
- 全国17箇所のATMで24時間サービスを試行的に実施している。
- 相互送金の提携をしている民間金融機関への振込も取り扱っている。取扱い時間は窓口・ATMとも平日の午前9時から午後3時の間。
[編集] 貯金の種類
[編集] 通常郵便貯金(通常貯金)
自由に預入、払戻しができるほか、給与預入、年金や配当金の自動受取り、公共料金や代金等の自動払込みを利用できる。預入は10円以上1円単位。付利最低残高ならびに付利単位は10円。付利日を4月1日とする1年複利。通信端末による利用サービス「郵便貯金ホームサービス」も利用できる。送金の受け払いは別途郵便振替口座を開設して行うが、概ね、民間金融機関の普通預貯金に相当する。
[編集] 郵便貯金総合通帳(愛称 ぱ・る・る)
一冊に通常貯金と定額貯金、定期貯金を預入できる通帳。払戻しや自動払込みなどで通常貯金の残高が不足した場合、預入された定額貯金、定期貯金を担保に自動的に貸付され、支払いが受けられる。貸付金の返済は、通常貯金への預入によって自動的に行われる。民間金融機関の総合口座に相当するが、担保貯金の預入や自動貸付けは未成年の預金者についても利用できる。
[編集] 新総合通帳(愛称 ぱ・る・る)
通常郵便貯金の記号番号と同一の口座番号とする郵便振替口座を組み合わせて開設し、一冊の通帳で取扱う郵便貯金総合通帳。総合通帳のサービスのほか、郵便振替の電信による振替(他の加入者口座への送金)、払出し、受入れ、自動払出預入(受取人の、新総合通帳でない通常貯金に預入する送金)が利用できる。
- 利用に当たっては預金者が予め1,000万円以内の金額で「移替基準額」を設定し、通帳に貯金の預払いがあったか振替口座の受払いがあったかにかかわらず、通帳現在高のうち基準額までの金額を通常貯金の預入金とし、基準額を超える金額を郵便振替口座の預り金(無利子、預り限度額なし)とする。これを「自動移替」(じどういたい)という。
- 移替基準額以下の現在高で郵便振替を利用する場合は、電信送金等の手続き時に、自動的に送金額が通常貯金から預金者の振替口座に移し替えられる。
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- なお、この通常貯金・貯蓄預金に併設されている郵便振替口座のことを「自動移替口座」といい、払込みは1円以上1円単位である。詳しくは郵便振替を参照。
- 郵便貯金ホームサービスにより郵便振替の電信送金も利用できる。
[編集] 国際ボランティア貯金
預金者の申込みにより、その利子のうち20%~100%の範囲で指定した割合の金額を自動的に民間海外援助事業団体に寄附する貯金。通常貯金および貯蓄貯金が対象となり、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律に基く制度である。
[編集] 通常貯蓄貯金(貯蓄貯金)
2段階の基準額を設け(10万円、30万円)、最終貯金現在高が基準額に達した日について通常貯金よりも高い利率を適用する貯金。4月1日と10月1日を付利日とする半年複利。自由に預入、払戻しができるが、給与預入、年金や配当金の自動受取り、公共料金や代金等の自動払込みは利用できない。民間金融機関の貯蓄預貯金に相当する。
- 通常貯金同様、通帳の記号番号と同一の口座番号とする郵便振替口座を組み合わせて開設し、一冊の通帳で取扱うサービスが利用できる。この振替口座のサービスは「新総合通帳」に準じた取扱いとなる。
- なお2005年(平成17年)3月31日までは、基準額を30万円とし、後述の(貯蓄型II)より高い利率を適用するが、月6回目以降の払戻に手数料を定める「通常郵便貯金(貯蓄型I)」と、基準額を10万円とし、払戻回数に制限を設けなかった「同(貯蓄型II)」の2種類を取り扱っていたが、2005年4月1日から、従来の貯蓄型IIに2段階の基準額を設ける取扱いに集約された。
[編集] 定額郵便貯金(定額貯金)
預入日から6ヶ月間据え置き、その後は自由に払戻でき、最大10年まで預入できる貯金。利便性の高い郵便貯金の主力商品である。利子は月割りによる半年複利。取り扱いや利子の計算を簡易に行うため、一口の預入金額を定額(現在は1,000円、5,000円等)に定めた事が名称の由来である。英語では通常“Teigaku-Saving”の呼称で案内されるが、逓信総合博物館においては説明文に“Fixed Amount Saving”の語を用いている。
[編集] 自動積立定額郵便貯金(オート定額)
定期的に通常貯金から振り替えて預入する定額貯金。概ね、民間金融機関の積立定期預金に相当する。
[編集] 自動受取定額貯金
一時に、またはオート定額により積み立てて預入し、定期的に一部金額づつ払戻す定額貯金。
[編集] 定期郵便貯金(定期貯金)
預入期間を定めて預入する貯金。民間金融機関の定期預貯金に相当する。愛称「ニュー定期」。
[編集] 自動積立定期郵便貯金(オート定期)
定期的に通常貯金から振り替えて預入する定期貯金。
[編集] 積立郵便貯金(積立貯金)
毎月、1,000円以上100円単位の一定の金額を集金又は窓口で一定の期間繰り返し預入し、据置期間経過後(満期日)に一括して受け取る貯金。訪問集金を前提とした貯金であり、概ね、民間金融機関の定期積金に相当する。
[編集] 住宅積立郵便貯金
積立満了後2年間を据置期間とし、公庫の住宅資金融資の斡旋(あっせん)が受けられる積立貯金。据置期間満了日の2年後を満期日とし、据置期間経過後はいつでも払戻せる。利子は月割。
- 据置期間満了日の1年前から据置期間満了日の2年後までのうち、貸付けを受けたい時期を予め年度で指定する。
- 独立行政法人住宅金融支援機構法の成立により、2007年3月限りで住宅金融公庫は廃止されるが、これに先立ち取扱い内容が縮小され、現在は沖縄県における住宅建設、購入、改良の希望者を対象とした貯金となっている。斡旋による融資は沖縄振興開発金融公庫が行う。
- 従来は全国の同様の希望者を対象にし、住宅金融公庫(および沖縄公庫)へ斡旋を行う貯金であった。制度変更前の預金者は、引き続き住宅金融公庫への斡旋が受けられる。
[編集] 教育積立郵便貯金
1年以上5年以内の期間積み立て、満期後に、国民生活金融公庫による積立額と同額の親族の教育資金融資の斡旋が受けられる積立貯金。
[編集] 関連業務
- 郵便振替
- ユーロジャイロ(日本郵政公社はユーロジャイロの加盟団体である)
- 郵便為替(主に証書の送達による送金。普通為替や定額小為替などがある)
- 国際郵便為替
- 個人向け国債
- 投資信託
- 国庫金・反則金の収納
- 宝くじの販売
[編集] 郵便貯金のATM
当初はアイボリー色に塗装された筐体が採用されていた。1990年代後半より、灰色の筐体のもの(液晶タッチパネル付)に置き換えが進んだ。2006年から白い筐体のタイプが導入される。生体認証機能にも対応。灰色の旧タイプのものでも、生体認証機能付に改造されたものがある。
- すべてのATMにおいて、数字ボタンが取り付けられている(視覚障害者やボタンによる操作を希望する層への対応)。民間金融機関の場合、ボタンがなく、タッチパネルのみの機種が多いので障害者への配慮は進んでいるといえる。画面に表示されるキーに触れて入力することもできる。また、音声による案内も標準装備となっている。英語による音声案内も選択できる。
- 仕様の違いにより、ATM、ATMC、ATMJ、ATMP、ATMSといったタイプが存在する。かつては払戻専用のCD(キャッシュディスペンサー)も多かった。CDはカードのみの取り扱いであった。
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- ATM…標準型。筐体は大きい。ページ最終行に印字し、続けて印字する場合は、縦型、横型どちらの通帳であっても自動的にページをめくる機能がある。
- ATMC…カード専用(通帳は利用不可)Cは「カード」の頭文字。
- ATMJ…やや小型のタイプ。横型通帳(横幅が狭い)を使用するときは左側に寄せて挿入する。(他の機種は右側に寄せて挿入する)。この機種は縦型、横型いずれの通帳においても、ページをめくる機能がない。従って、通帳記入の途中でページ最終行に印字すると一旦排出され、「次のページを開いて入れ直して下さい」と音声案内が流れる。以前は比較的小規模局を中心に配置されていたが、最近はATMを更新するときにATMJに置き換えるケースも見られる。
- ATMP…払込書による通常払込みの機能付(払込用紙が使用できる場合機種名に「P」が付く)
- ATMS…ATMJよりさらに小型(薄型)のタイプである(Sはスモールの頭文字)
- APM…払込書による通常払込みをはじめ、郵便振替の受付と残高照会のみに特化したタイプ。現金で入金できるほか、郵便貯金のカードを使って、通常貯金を下ろし、払込金に当てることができる。
- 製造メーカーは沖電気工業、富士通、日立製作所、オムロン、日立オムロンターミナルソリューションズ(日立・オムロンの部門分割統合会社)、東芝。製造会社の表示は正面になく、会社や製造時期などの銘板が概ね機器側面に貼付されている。
- 2005年から「ご利用明細票」の「発行する・しない」を選択できるようになった(それまでは必ず発行されていた)。但し、以下の場合は必ず発行される。
- 通常貯金、貯蓄貯金で通帳未記入の預払が15行分以上あるとき(未記帳16行目以降)の預入、払戻し
- 送金など(取扱内容が明細票に印字される)
- 提携金融機関の口座についての全ての取引(残高照会を含む)
- 通帳記入において、未記帳の預払が無かった場合
- 金額の入力方法によって、払戻す紙幣の券種を指定できる。たとえば2万5,000円を一万円札1枚と千円札15枚で払戻したいときは「1万15千円」と入力する。あわせて一度に紙幣100枚まで払戻できる。
- 地元地方銀行との提携が必要ないため、地方銀行との提携ができない自治体でも導入することが可能である。
- 近年、キャッシュカードの不正使用の増加が社会問題化しており、2006年5月22日からは不正払戻し対策の強化を図るため、預金者から予め利用上限額の変更の申し出がない限り、通常貯金・貯蓄貯金の通帳・カードを自動機で使用した場合の現金引出、払込み・振替およびデビットカード利用における払戻限度額を、1日あたりあわせて50万円までに定めた(これには提携銀行等を利用した払戻しが含まれ、郵便局窓口による払戻し及び郵便貯金ホームサービスによる送金は含まれない)。なおこれに先立って2006年1月4日より、当該金額は1日あたり合計200万円までに制限されていた。
- 生体認証対応の郵貯ATMでは、以下の提携金融機関のうち、「指動脈情報」による生体認証登録済みのICキャッシュカードの利用については、暗証番号の他に「指動脈情報」による認証も必要となる(磁気カードと同様に、各提携金融機関所定の郵貯ATM利用手数料が必要)。
- 海外で発行されたカード(PLUS、Cirrusと提携しているキャッシュカード・VISA、マスター、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースの各社およびそれらとの提携先クレジットカード・中国国内の各銀行等が発行する中国銀聯(銀聯・China Unionpay)ブランド付きのキャッシュカード等でも利用可能)が利用できる。
[編集] 24時間サービス
主要都市の一部ATMでは24時間、残高照会と払い戻しのサービスが無手数料で受けられる。ただし、日付をまたぐ前後10分はサービスが停止するほか、日曜祝日は20時から翌日7時までサービスが停止するため、厳密には24時間とは言い難い。
またコンビニエンスストアなどに設置されている他行のATMでも24時間同サービスが受けられる(原則として手数料が発生する)。こちらは24時間稼働のATMであれば全国どこでも利用できる。ただし前者と同様、日付をまたぐ数十分や日曜祝日の夜間は利用できない(ATMが稼働していても時間外と表示される)。
[編集] 無料で利用できる提携金融機関
郵便貯金ATMは現在日本国内ほぼすべての民間金融機関と提携しており(筑邦銀行・農林中央金庫などわずかながら非提携の金融機関もある。また、消費者金融専業系に関しては1社も提携していない)、その中の一部の金融機関では手数料無料で入出金取引ができる。なお無料提携の金融機関は拠点数の少ない信託銀行・地方銀行・ネット銀行などが多い。
以下の口座は下記時間内は無料で利用できる。(2006年12月20日現在)
[編集] 新たな業態の銀行
- ジャパンネット銀行
- 平日7:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の1回につき5万円以上の入金
- ソニー銀行
- 平日9:00~20:00・土曜日・休日・12月31日9:00~17:00の入出金(出金は他の提携ATM<セブン銀行ATMは除く>を含めて月4回まで)
- イーバンク銀行
- 平日7:00~21:00・土曜日・休日・12月31日の9:00~17:00の入金
- 毎日0:05(休日の翌日は7:00)~23:40(休日は20:00)の出金(取引条件により月3回または5回まで、一部休止時間帯あり)
[編集] 地方銀行
- みちのく銀行
- 平日7:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 荘内銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 山形銀行
- 平日8:00~21:00の入金
- 東北銀行
- 平日8:00~21:00の入金
- 富山銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 平日8:45~18:00の出金
- 北國銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- スルガ銀行
- 平日7:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 静岡銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 滋賀銀行
- 平日7:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
[編集] 信託銀行
- 三菱UFJ信託銀行
- 平日8:45~18:00の入金
- みずほ信託銀行
- 平日8:45~18:00の入金
- 中央三井信託銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 平日8:45~18:00・土曜日9:00~14:00の出金
- 住友信託銀行
- 平日8:45~18:00の入金
- 平日8:45~18:00・土曜日9:00~14:00の出金
- 新銀行東京(2007年3月末日まで)
- 平日7:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 平日8:45~18:00・土曜日9:00~14:00の出金
[編集] かつての長期信託銀行
[編集] 第二地方銀行
- 山形しあわせ銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 殖産銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 北日本銀行
- 平日8:00~18:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 平日8:45~18:00・土曜日9:00~14:00の出金
- 東京スター銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 大光銀行
- 平日8:45~18:00の入金・出金
- 関西アーバン銀行
- 平日8:45~18:00の入金
- 島根銀行
- 平日8:45~18:00の入金・出金
- トマト銀行
- 平日8:45~18:00・土曜日9:00~14:00の入金・出金
- 西京銀行
- 平日8:00~21:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
- 平日8:45~18:00の出金
[編集] 信用金庫
[編集] 商工中金
- 商工組合中央金庫
- 平日8:45~19:00・土曜日・休日9:00~17:00の入金
[編集] 信用組合
[編集] その他の業態
[編集] キャッシュカード
[編集] キャッシュカード
郵便貯金のキャッシュカードは凸版印刷、共同印刷、日立マクセル等により製造される(カード裏面にメーカーの記載がある)。浮出し文字により氏名と貯金の記号・番号が打刻される。初期のものは黄色を基調としたデザイン(ていぱーくに実物が展示されている)。その後黄緑色、1990年代半ばに緑をベースしたデザインに変わった。90年代初期には複数のイラスト入りデザインのカードが用意され、預金者がデザインを選べたこともある。郵政公社発足後はクリーム色をベースにしたデザインとなる。
[編集] ICキャッシュカード
2006年10月2日からは、ICチップを取り付けたEdy(エディ)との提携カードの発行を開始した(申し込みの際、通常のICカードまたはEdy機能付きICカードのいずれかを選択できる)。指静脈認証付きで、エンボスレスカードとなる。新規発行、既存カードからの切り替えいずれの場合も発行手数料は徴収しない。(但し、切り替えの際にはキャッシュカードの提示が必要であり、提示できない場合は有料の再発行扱いとなる。)また、一般の郵貯ジョイントカードとは異なって通常のキャッシュカードであるため、有効期限の設定はない。
- 生体認証による取引は一部の簡易郵便局を除く郵便局の貯金窓口または「指静脈情報による本人確認対応の郵便貯金ATM」に限られる(一部の郵貯ATM相互間利用提携金融機関のIC対応ATMでも利用が可能だが、金融機関によっては対応が異なる。なお、生体認証登録済みの郵貯ICキャッシュカードはみずほ銀行・三井住友銀行・第四銀行・京都銀行の各生体認証対応ATMでは暗証番号の他に「指動脈情報」による認証も必要となる。)。なお、生体認証に対応していない郵便貯金ATM(主に旧型機種等)については「生体認証未対応」のステッカーが貼られる(その際は磁気テープ部分による取引となる)。
- スイカとの提携カードも発行すると発表されている(2007年度予定)。
- ゆうちょ銀行発足後も、期限無しでそのまま使えるかは現在のところ未定(現時点では、ゆうちょ銀行に移行後もそのまま利用できるというアナウンスがなされている)。
- 共用カードとは別に申し込みができる。共用カードは1口座3枚までとなっているが、既に共用カードを3枚持っている場合でも、それとは別に申し込みできる。
- 代理人カードもICカードの申し込みができる。
[編集] 共用カード
クレジットカード等とキャッシュカードの機能を1枚にまとめた郵便貯金共用カード(愛称・ジョイントカード)も発行されている。クレジットカード以外にも、航空会社のマイレージカードや自治体発行の住民カードと一体化したカードが発行されている。所持できるのは1つの通常貯金につき3枚までである。なお、ジョイントカードの発行後は、それまで使用していたキャッシュカードは、一定期間経過後使用できなくなる。
[編集] 通常貯金通帳の記号番号の属性
- 通常貯金通帳には、5桁の「記号」と7~8桁の「番号」が表示される。かつては平仮名と数字との組み合わせにより表示されたが、電算化により現在のものになった。
[編集] 記号
- 1桁目は種類、2~3桁は、新規預入された都道府県、4桁目はチェックディジット、5桁目は零に固定。
- 府県番号
- 2~3桁目の2桁の数字は、府県番号と呼ばれ、局番号の上2桁と同じである。従って、局番号が01234である局(府県番号は01)で預入すれば、「記号」の2~3桁目は「01」となる。府県番号により、原簿の所管庁(貯金事務センター)が判別できる。
- 府県番号は原則として1県1番号。局数が多い場合2つ以上の番号を使用。東京都は00と01、但し地域により分かれているわけではなく00局と01局は混在している。北海道は支庁により分かれる。また鹿児島県では本土と奄美諸島で違う番号。
- 府県番号
[編集] 番号
- 貯金個別の番号。続けて新規預入された貯金が連番になるとは限らず、通常、CTM(端末機)で空き番号をホストに照会し、空いている番号を割り当てられ附番する。
- 桁数は2004年現在多くの貯金事務センターで8桁。預入数が少ない貯金事務センターでは7桁の場合もある。なお、最後の1桁は「1」で固定される。
[編集] 再発行回数
- 通帳を紛失した場合、貯金の記号番号に再発行回数が表示される。
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- 例(Zは任意の数字を表す)
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- 101Z0-zzzzzzz1という番号であれば、1桁目が1なので通常貯金、2・3桁目が、01なので東京都において新規に預入された貯金であることがわかる。
- 通帳の紛失再発行を2回している場合、101Z0-2-zzzzzzz1となる。
参考リンク (このページ内に記号番号の解説がある。旧郵政省時代の内容であり、現在と異なるものもある) http://mibai.tec.u-ryukyu.ac.jp/~oshiro/SiteList/PostOffice-faq-1.03.html
[編集] 取扱局番号
貯金業務に関して、普通郵便局・特定郵便局・簡易郵便局に割り当てられる五桁の数字があり、これを取扱局番号或いは為替コードと称する。分室や出張所には独自の数字は与えられず、本局の取扱局番号末尾にアルファベットを付して区別する。例えば豊中局(41085)の伊丹空港内分室は41085A、という具合である。
我々が取扱局番号を目にする最も身近な機会は、郵便貯金通帳ならびに郵便貯金ATMの利用明細に刷られたものであろう(分室などについてはアルファベット抜きで、数字のみ刷られる)。取扱局番号には11111(飯田風越局。長野県飯田市)、00001(中野サンクォーレ内局。東京都中野区)なども存在し、前者では平成11年11月11日、記念貯金のため長蛇の列ができた。なおゾロ目は他に22222(亀山井田川局。三重県亀山市)及び44444(山城南加茂台局。京都府加茂町)があるのみ。
上2桁は位置する都道府県・地域を示し(俗に「マルチ」と称する)、下3桁が各局個別の番号である。基本的に1都道府県につき1マルチだが、北海道、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県、鹿児島県には複数のマルチが割り当てられている(但し、福岡県には2マルチが割り当てられているが、うち1マルチは未使用。)。岐阜県中津川市のうち、旧長野県山口村にある山口局や馬籠局のように、越境合併で所属する都道府県が変更になった場合は、取扱局番号も変更される。
簡易郵便局は、三桁目が7または8であることが多い(都市部の都府県や長野県などに例外あり)。
なお、一般振替口座の口座番号で用いられるマルチは、これと異なる(貯金事務センター#一般振替口座で用いられるマルチを参照)。
- マルチ一覧
マルチ | 都道府県・地域 |
---|---|
00・01 | 東京都 |
02・09 | 神奈川県 |
03 | 埼玉県 |
04 | 群馬県 |
05・10 | 千葉県 |
06 | 茨城県 |
07 | 栃木県 |
08 | 山梨県 |
11 | 長野県 |
12 | 新潟県 |
20・21 | 愛知県 |
22 | 三重県 |
23 | 静岡県 |
24 | 岐阜県 |
31 | 石川県 |
32 | 富山県 |
33 | 福井県 |
40・41 | 大阪府 |
42・43 | 兵庫県 |
44 | 京都府 |
45 | 奈良県 |
46 | 滋賀県 |
47 | 和歌山県 |
51 | 広島県 |
52 | 鳥取県 |
53 | 島根県 |
54 | 岡山県 |
55 | 山口県 |
61 | 愛媛県 |
62 | 徳島県 |
63 | 香川県 |
64 | 高知県 |
70 | 沖縄県 |
71 | 熊本県 |
72 | 大分県 |
73 | 宮崎県 |
74・(75) | 福岡県 |
76 | 長崎県 |
77 | 佐賀県 |
78 | 鹿児島県 |
79 | 鹿児島県奄美 |
81 | 宮城県 |
82 | 福島県 |
83 | 岩手県 |
84 | 青森県 |
85 | 山形県 |
86 | 秋田県 |
90 | 北海道石狩・日高 |
91 | 北海道十勝 |
92 | 北海道釧路 |
93 | 北海道根室 |
94 | 北海道渡島 |
95 | 北海道後志 |
96 | 北海道胆振 |
97 | 北海道空知 |
98 | 北海道天塩 |
99 | 北海道網走・宗谷 |
このマルチは通帳の記号番号にも含まれる。「記号」(先頭の5桁)のうち、2・3桁目がマルチであり、マルチが99の郵便局で新規に交付された「記号」は「Z99ZZ」となる(Zは任意の数字)。なお記号の1桁目、5桁目はセットで貯金等の種類を表し、4桁目はチェックディジットである。
[編集] オンライン
全国2箇所の計算センター(印西市、神戸市)から各拠点(PS)を経由し各郵便局・各ATMを結ぶ。各郵便局へは専用線が引かれる(ISDN;PNET)。 1990年代初頭まで、離島などでは電話回線の数が不足していてオンライン端末機(CTM)が設置されていない局(オフライン局)があった。
常時開設のオフライン局では、窓口端末機(印字専用の機械)や乙号為替日附印・金額機(ナンバリング機)にて貯金通帳へ印字していた。2005年3月31日をもって東の川簡易郵便局(奈良県)が廃止、的場簡易郵便局(山形県)が一時閉鎖されたため、現在は存在しない。
なお、オフ局での新規預入の場合、非オンライン様式の通帳が専ら使われたが、1990年代になると、予めオン局において採番した通帳を使って通帳交付が行われるようになり、この場合磁気テープ付オンライン冊子が使われ、交付後にオンライン用のエンコードを行って用いることも可能であった。
一方、貯金を扱わない郵便局には端末機は設置されず、通常は貯金の端末機を使って発行する普通為替証書は昔ながらの手作業で作成される。
災害時にはパラボラアンテナを搭載した自動車(スペースポスト号)による移動式の郵便局が開設され、衛星通信によりデータの送受信を行うか、オフラインにより処理される。
[編集] イメージキャラクター
郵貯のキャラクターはリスである。リスはエサを貯める習性があるため、お金を貯める貯金のキャラクターとなったわけである。愛称はなく、俗に「貯金リス」と呼ばれて現在でも局の釣り看板などに見られる。
1990年(平成2年)にモデルチェンジし、現在の姿(サンリオのデザイン)になった。愛称は「ユウちゃん」。妹の「アイちゃん」や他の家族もいる。愛称の由来は郵貯の「ゆう」である。妹の方は「友愛」という言葉から「アイちゃん」となったといわれるが、正確な理由は定かではない。余談であるが、簡易保険のマスコットキャラクター「カンちゃん」は長らく同じデザインが使われていたが、郵政公社発足を機にモデルチェンジしている。
他に、現金を入れる封筒にカニの絵が描かれていることがある。“チョキン、チョキン”が「貯金」に通じるためである。
[編集] 日本国外の話題
- 大韓民国では郵逓局預金(우체국예금:ウチェグゲグム)という。
- 台湾(中華民国)では郵便貯金のことを「郵政儲金」と呼ぶが、中華人民共和国では「郵政儲蓄」と呼び、同じ中国語圏でも呼称は異なる。
- ニュージーランドでは、民営化した郵便貯金銀行が民間外国資本に買収されて制度が解体し、再び国営の金融機関「キイウィ・バンク」が新設、復活することになった。
- 郵便貯金事業を新しく始める国がある場合、日本がノウハウを提供することもある。1999年にベトナム、2000年にカザフスタンとラオス、2002年にはブラジルで新たに郵便貯金事業がスタートしているが、これらの国にもノウハウの提供及び技術協力を行っている。海外の郵政機関から研修生を受け入れることも多い。
- 郵便局で取り扱う貯金のことを、どこの国でも「郵便貯金」と呼んでいるわけではない。イギリスでは「ナショナルセービング(国民貯蓄)」と呼ぶ(かつてイギリスの植民地であった国でもそう呼称するところがある)。
- 欧州では、郵便貯金(公営、民営)とは別に、地方自治体が運営する貯蓄銀行が存在している地域もある。
[編集] 関連記事
- 郵便貯金システム
- ゆうちょくらぶ
- 旅行貯金
- CTM(窓口係員用の端末機)
- 牧瀬里穂
- 須藤理彩
- 久保純子
- 郵便貯金証書
- 振込(銀行送金)
- 郵便貯金会館(メルパルク)
- 郵便貯金地域文化活動支援施設(ぱ・る・るプラザ)
- 郵便貯金取扱手続
- 郵便貯金法
- ゆうちょ銀行
- 軍事郵便貯金