焼きそば
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焼きそば(やきそば)は、小麦などを加工した麺を炒める、揚げるなどをした料理の総称である。「そば」の名称を用いているが、「中華そば」同様麺の意味であり、蕎麦を使った料理ではない。
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[編集] 概要
中国の文化圏では、チャオミエン(炒麺)が中華麺を炒めて作った料理の総称であり、チャーハン同様にそのバリエーションは数百にものぼるとされる。アメリカの中華料理屋では醤油味で作ったものが、チャオミエンとして供される場合が多い。
日本では、生麺を蒸して油で炒めたものに、豚肉、海老、人参・筍・椎茸などの野菜を餡かけにした具をかけたものを五目焼そばという。
またソース焼きそばは、焼きそばが日本風にアレンジされたものである。終戦直後の闇市で、麺をキャベツで増量し、ウスターソースを混ぜ合わせたものが売り出されたのが発祥とされる。日本では、単に焼きそばと呼んだとき、古くは関東では醤油焼きそば、関西ではソース焼きそばであったが、近年は一般的に普及したソース焼きそばを指すことが多い。縁日などでは必ず屋台が出ている。文化祭・学園祭の模擬店でも、焼きそばなら、まず売れ残ることはないという。屋外で行う、鉄板を使ったバーベキューのメニューとしても定番であり、キャベツ・モヤシなどの野菜や肉と一緒に豪快に炒める。
麺を油で揚げて具をかけたものは堅焼きそば(あげそばと呼ぶ地域もある)という。
上海風焼きそばは、塩味で麺に焼き目をつけたものである。
具をあんかけにせず炒めたものをかけたり、麺といっしょに炒めたりと様々なバリエーションがある。
長崎発祥の、ちゃんぽん麺を焼いたものや堅焼きそばで用いる中華麺よりもさらに細い麺を揚げたものに具をかけたものを皿うどんという。また、小倉(北九州市)発祥の太い麺を使ったソース焼きそば風の料理を焼きうどんと呼ぶ。
沖縄では、一般の大衆食堂で「焼きそば」とあれば、沖縄そばの麺を用いたものであることが多い。太めの麺で、野菜と肉と共に炒めたもので、味付けは沖縄そばだしを使うものからソース味までさまざまであるが、ケチャップ味があるのが独特。たいていは店によって決まっており、メニューには書かれていない。
[編集] インスタント食品
インスタント食品としての焼きそばは、油揚げされた麺をお湯で戻し、付属のソースで味付けをする。なお、この油揚げされた麺というのは、固焼きそばのそれとは違い、乾燥保存と麺の中に微細な空洞を作って戻しやすくすることを目的として揚げているわけであり、調理とは異なる。
大別して、カップ麺(カップ焼きそば)と袋入りのものがあるが、付属の専用容器で調理を行うカップ式の物に比べ、袋式の物は極めて少ない。これは前者がお湯で戻した物にソースをかけるだけ(従って、厳密には『焼き』そばではない)のに対し、後者は茹で戻したものを炒めるという、保存性はともかく、生麺より調理の手間がかかる点が敬遠されているものと思われる。
他方では、生麺と専用の粉末ソースが付属した物が、簡易的なインスタント食品(ただし具材を加える余地がある)として販売されており、乾燥麺の物に比べて保存性(賞味期限)が低く、冷蔵の必要があるものの、味はこちらのほうが格段に上である。このため一定の市場が存在し、スーパーの特売の目玉商品として、しばしば3食1パック100円以下で売られることもある。
これらインスタント食品では、具が多い五目焼きそば(揚げ麺や固焼きそば)に類するものも少数見られるが、その大半はソース焼きそばである。ただし2000年代より味付けにソースに代わって、塩を主体とした塩焼きソバなどの商品も見られる。
[編集] 他の料理との融合
- モダン焼きや広島焼きなどでは、お好み焼きの具として使うことがある。うどんを使うこともあり、麺入り・麺無しとありの場合は種類を指定して注文する。
- ソース焼きそばをホットドッグパンにはさんだものを「焼きそばパン」という。
[編集] 関連項目
- ご当地焼きそば
- 類似料理