焼きうどん
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[編集] 歴史
1945年の終戦直後、小倉市(現・北九州市小倉北区)の「だるま堂」の店主が、関西で流行りのソース焼きそばを作ろうと思った。しかし、物資不足の折で中華のそば玉が手に入らず、代わりに干しうどんを湯がいてこれを焼いて出したところ大好評だった、というのが焼きうどんの始まりと言われる。尚、だるま堂の店主は2005年に亡くなったが、一緒に店で焼いていた店主の妻は60年以上たった今(2006年現在)でも健在で、当時と同じように干しうどんを使い焼きうどんを作り続けている。
その後、焼きうどんを出す店が小倉から各地に広がっていったが、他の地域ではゆでうどんを使う店が殆どである。
[編集] 作り方
調理法は焼きそばと大差はないが、一部にソースではなく、とろみのついた醤油や、塩コショウを味付けに使うものがある。
お好み焼きの本場である広島県広島市では、ソース焼きそばと同様に、オタフクソースをメインに味付けされた焼きうどんも多いが、オタフクソースの業務用焼きうどんソースはウスターソース類に醤油を合わせており、醤油を隠し味に使うことも少なくない。
[編集] 麺
オリジナルの焼きうどんは平たい乾麺を使用しており、一度固めに茹でてから充分に水分を切って使用する。小倉で土産用に売られているものも、乾麺・ソース・薬味をセットにしている。腰のあるしこしことした食感が味わえる。
製麺所で既に茹でてある市販の茹で麺を使う場合、具と合わせて炒める前に、うどんを電子レンジで温めておけば混ぜるだけで良くなるので、手早く、焦がさずに作ることができる。麺をほぐすのにも、ウスターソースを使うと仕上がりのべた付きを抑えることができる。
[編集] 変種
[編集] 天まど
だるま堂を始め、小倉では、卵1個の目玉焼きを乗せた焼きうどんを「天まど」(てんまど)と称している。天窓から月を見た様がその語源となっている。
だるま堂の場合、広島風お好み焼きのように焼く。小麦粉を水で溶いたものを薄く鉄板で焼き、その上に焼けた焼きうどんを乗せ、中心に窪みを作る。その窪みに、まず水溶き小麦粉を少し垂らしてから卵1個を落とす。全体をひっくり返し、黄身が軟らかいままの状態に少し焼いたら、皿に載せて完成。食べる時には、黄身をうどんにからめて食べるとまろやかな味わいとなる。
焼きうどんだけでなく、ソース焼きそばの天まどを出す店もある。
[編集] イベント
2002年秋に、富士宮の焼きそばと小倉の焼きうどんが勝負する「天下分け目の麺の戦い」が、小倉城公園にて開催された。小倉の商店街では、焼きうどんの店とスパゲティの店が競うようなイベントもたまに行われている。