1999年の日本シリーズ
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[編集] 戦評
王貞治監督率いる福岡ダイエーホークスと星野仙一監督率いる中日ドラゴンズの対決となった1999年の日本シリーズはダイエーが4勝1敗で勝利し、球団創設11年目にして初、前身の南海ホークス以来35年ぶり3度目の日本一を達成した。MVPは、第1戦、第2戦で本塁打、第3戦で三角跳びでファールフライを好捕した秋山幸二が選ばれた。
シリーズ開幕前は中日優位という下馬評であったが、ダイエーは第1戦に先発した工藤公康の力投が目立ち、チームに勢いをつけた。
中日は主砲山崎武司をシーズン終盤の負傷で欠いており、切り込み隊長関川浩一もシリーズを通して元気が無く、当時ショートを守っていたルーキー福留孝介は負けに直結するエラーを繰り返し、チーム全体が不完全燃焼に終わった。第2戦で好投した川上憲伸が敢闘賞に選ばれている。史上初めて全試合がドーム球場(福岡ドームとナゴヤドーム)で開催されたシリーズでもあった。そして、王監督が初のナゴヤドームでの胴上げ監督となった。
福岡に本拠地を置く球団が日本一を達成したのは西武ライオンズの前身である西鉄ライオンズが1958年に達成して以来実に41年ぶりのことであり、福岡をはじめとする九州地区は大いに盛り上がった。
また、九州で日本シリーズが行われるのも1963年以来実に36年ぶりのことであり、地元福岡のデパートでは相手の中日にちなんで「名古屋巻け(負け)」という意味を込めた「名古屋巻き」というエビフライの巻き寿司を販売してこれが大ヒットするなどして、地元全体が歓迎ムード一色であった。
[編集] 試合結果
[編集] 第1戦
10月23日 福岡ドーム 開始18:02(2時間52分) 入場者36199人
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ダイエー | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | x | 3 |
(中)●野口(1敗)、岩瀬、正津-中村
(ダ)○工藤(1勝)-城島
本塁打
(ダ)秋山1号ソロ(6回野口)
[審判]パ東(球)セ友寄 パ中村 セ谷(塁)パ林 セ井野(外)
[編集] 第2戦
10月24日 福岡ドーム 開始18:15(3時間30分) 入場者36305人
中日 | 2 | 2 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ダイエー | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
(中)○川上(1勝)、落合-中村
(ダ)●若田部(1敗)、佐久本、吉田、藤井、ヒデカズ、山田-城島
本塁打
(ダ)秋山2号ソロ(1回川上)
[審判]セ井野(球)パ林 セ友寄 パ中村(塁)セ橘高 パ小寺(外)
[編集] 第3戦
10月26日 ナゴヤドーム 開始18:20(3時間12分) 入場者37832人
ダイエー | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(ダ)○永井(1勝)、篠原、ペドラザ-城島
(中)●山本昌(1敗)、正津、落合、岩瀬、鶴田、前田、中山-中村、鈴木
本塁打
(ダ)城島1号2ラン(4回山本昌)
[審判]パ小寺(球)セ橘高 パ林 セ友寄(塁)パ東 セ谷(外)
[編集] 第4戦
10月27日 ナゴヤドーム 開始18:20(3時間8分) 入場者37898人
ダイエー | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(ダ)○星野(1勝)、篠原、Sペドラザ(1S)-城島
(中)●武田(1敗)、正津、岩瀬、宣-中村
本塁打
(ダ)小久保1号ソロ(6回武田)
[審判]セ谷(球)パ東 セ橘高 パ林(塁)セ井野 パ中村(外)
[編集] 第5戦
10月28日 ナゴヤドーム 開始18:20(3時間20分) 入場者38011人
ダイエー | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 4 |
(ダ)佐久本、藤井、○吉田(1勝)、篠原、Sペドラザ(2S)-城島
(中)●野口(2敗)、落合、岩瀬、川上-中村
本塁打
(中)ゴメス1号ソロ(3回佐久本)、中村 1号ソロ(6回吉田)
[審判]パ中村(球)セ井野 パ東 セ橘高(塁)パ小寺 セ友寄(外)
最終打者は李鍾範。空振り三振だった。
[編集] 表彰選手
[編集] テレビ・ラジオ中継
[編集] テレビ中継
- 第1戦:10月23日
- 第2戦:10月24日
- 第3戦:10月26日
- 第4戦:10月27日
- 第5戦:10月28日
なお、第6戦と第7戦が実施された場合、当初はTVQ九州放送(テレビ東京系列)が取る予定だったが、ネット局が少ないこと、系列局があるのに送信所・中継局がないために見られないというクレームを恐れたせいか、九州朝日放送(テレビ朝日系列)に変更となった。
[編集] ラジオ中継
- 第1戦:10月23日
- 第2戦:10月24日
- 第3戦:10月26日
- 第4戦:10月27日
- 第5戦:10月28日
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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