セーム・シュルト
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セーム・シュルト | |
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基本情報 | |
あだ名 | |
階級 | PRIDEヘビー級、HERO'Sヘビー級 |
誕生日 | 1973年10月27日 |
出身地 | オランダ・南ホラント州ロッテルダム |
現在地 | オランダ |
スタイル | 空手 |
戦績 | |
総試合数 | (PRIDE、HERO'S) 06/12/8現在 |
総勝利数 | |
KO勝ち | |
一本勝ち | |
判定勝ち | |
総敗北数 | |
KO負け | |
一本負け | |
判定負け | |
引き分け | |
無効試合 |
セーム・シュルト(Sem Schilt, "Semmy", 1973年10月27日 - )は、オランダ・ロッテルダム出身、同・ザウドラーレン在住の格闘家。ゴールデン・グローリー所属。大道塾無差別級優勝2回、第9代キング・オブ・パンクラシスト、2005年、2006年K-1GP王者。
身長212cm(本人いわく214cm)、体重130kgという巨躯の持ち主。その巨体から繰り出されるとは思えない空手仕込みの鋭い打撃と、大きく長い手足を使った関節技を使う。もともとは総合格闘家であり、2004年まで日本の総合格闘技イベントPRIDEに参戦する。現在はキックボクサーとしてK-1で活躍中。
なお名前は正しくは「セム・スヒルト」と発音する。これは大道塾塾長東孝が「セーム・シュルト」と呼び、それがそのまま定着したものであり、本人もSeimと名前を表記する事がある。得意技は膝蹴り。
[編集] 総合格闘技におけるシュルト
- 打撃にルーツを持つ選手は一般に総合格闘技では苦戦するが、その巨躯とそれに似合わぬスピードは総合格闘技でも十分に通用し、パンクラス、UFC、PRIDE等を転戦した。しかしUFCではジョシュ・バーネットに敗れ、PRIDEでは後のヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードルやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラらPRIDEのトップ級選手に敗れる。
- そして2004年6月20日の『PRIDE GP 2004 2nd ROUND』でセルゲイ・ハリトーノフにマウントポジションから容赦のないパウンドを浴びせられ、悲惨な敗北を喫する。シュルトはこの試合を最後にPRIDEから撤退。
- 以降はK-1に参戦、その圧倒的な身長差で2005、2006とGP二連覇をはたす。今後も立技格闘技を主戦場とすると予測されるが、2006年8月のK-1と同じ会社の主催する総合格闘技イベントHERO'Sでキム・ミンスと闘ったことから、今後も要請があれば総合格闘技も続けるようである。
[編集] K-1におけるシュルト
身長212cm(本人いわく214cm)、体重130kg、股下96cmの恵まれた体格を生かしたパワフルな打撃は、背の高いファイターにありがちな鈍重さを感じさないすばらしい物であり、参戦当初より一部のファンの間ではK-1最強とも称された。ただしそのファイトには華やかさには欠ける面もあり、K-1創始者石井和義に煙たがられているという噂があった。事実、2002年のワールドGP開幕戦ではテレビ解説をつとめた石井にファイトぶりを批判されている。その後、決勝戦のわずか二週間前にPRIDEに参戦し、当時のヘビー級王者ノゲイラと対戦するという不可解なスケジュールを組み、この試合に敗れ負傷したことを理由に決勝戦を欠場している。この欠場により、開幕戦で敗北し姿を消したアーネスト・ホーストがリザーバーとして決勝戦に復活し、同年GPの優勝を果たしている。
2005年は正道会館に籍を入れGPシリーズに復活。身体をそれまでになく絞って臨んだ決勝大会では、長身から繰り出される得意の膝蹴りを活かし、準決勝で二連覇中の王者レミー・ボンヤスキーを、決勝ではグラウベ・フェイトーザをそれぞれ1ラウンドでKOし、第13代(7人目)のK-1ワールドGP王者の座に就く。なお、空手家の王者は1996年のアンディ・フグ以来二人目。その後、大晦日ではGP優勝4回のホーストを相手にTKO勝利を収め、新時代をアピールしてこの年を終えた。
明くる2006年は王者の座を固めていくシーズンになったが、初戦ではやや消極的なファイトとクリンチの反則(ルールの変更による。この変更をシュルト対策と見る見解がある)もあり、古豪ピーター・アーツの前にK-1における初敗北を喫してしまう(立技格闘技通算ではアレクセイ・イグナショフ戦に次ぐ二度目の敗北)。さらに6月3日に行われたチェ・ホンマンとの巨人対決では、チェの母国韓国での試合というということもあったが、微妙な判定負けを喫した。
しかしグランプリでは、一見して違いが分かるほどにフィジカルコンディションを整え、一回戦で「巨人対決」と銘打たれたビヨン・ブレギーとの試合に圧勝。決勝ではジェロム・レ・バンナ、アーネスト・ホースト、ピーター・アーツという一時代を築いた三人を撫で斬りにし、史上4人目となるグランプリ連覇を達成した。
距離を取っては強力な前蹴りで主導権を常に握り、相手がリスク覚悟でインファイトに持ち込めば膝蹴りやパンチで迎撃と死角が存在せず、またその巨体そのものがたとえ打撃を貰ってもクリーンヒットとなる踏み込みを許さない。ボクシングヘビー級の世界王者ニコライ・ワルーエフとも共通する、圧倒的なサイズが弱点にならずその利点のみを発揮する事による隙のなさは「難攻不落」の名に相応しい。
[編集] プロ格闘技通算戦績
日時 | 種別 | 対戦相手 | 結果 | 大会名(備考) | 会場 |
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96.05.16 | P | 山田学 | ○ 10分1本 5分44秒スリーパーホールド | PANCRASE TOUR 1996 TRUTH | 日本武道館 |
96.07.22 | P | 近藤有己 | × 10分1本 判定 | PANCRASE TOUR 1996 TRUTH(ネオブラッドトーナメント一回戦) | 後楽園ホール |
96.10.08 | P | 柳澤龍志 | × 10分1本 0分51秒アンクルホールド | PANCRASE TOUR 1996 TRUTH | 露橋スポーツセンター |
96.12.15 | P | 渋谷修身 | ○ 10分1本 判定 | PANCRASE TOUR 1996 TRUTH | 日本武道館 |
97.01.17 | P | ガイ・メッツァー | × 20分1本 判定 | PANCRASE 1997 ALIVE TOUR(ランキング戦) | 後楽園ホール |
97.02.22 | P | 船木誠勝 | × 15分1本 5分47秒アンクルホールド | PANCRASE 1997 ALIVE TOUR | 東京ベイNKホール |
97.03.22 | P | 高橋義生 | ○ 15分1本 7分00秒レフェリーストップ | PANCRASE 1997 ALIVE TOUR | 露橋スポーツセンター |
97.05.24 | P | 冨宅飛駈 | ○ 15分1本 8分59秒スリーパーホールド | PANCRASE 1997 ALIVE TOUR | 神戸ファッションマート |
97.06.30 | P | 近藤有己 | × 20分1本 判定 | PANCRASE 1997 ALIVE TOUR | 博多スターレーン |
98.01.16 | P | 鈴木みのる | ○ 15分1本 9分52秒KO | PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR | 後楽園ホール |
98.02.06 | P | 長谷川悟史 | × 15分1本 3分56秒足首固め | PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR | 横浜文化体育館 |
98.03.18 | P | 船木誠勝 | × 15分1本 判定 | PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR | 後楽園ホール |
98.04.26 | P | ジェイソン・ゴドシー | ○ 20分1本 1分47秒ドクターストップ | PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR(ランキング戦) | 横浜文化体育館 |
98.05.12 | P | 高橋義生 | ○ 15分1本 5分44秒レフェリーストップ | PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR | 後楽園ホール |
98.06.21 | P | ガイ・メッツァー | ○ 15分1本 13分15秒KO | PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR | 神戸ファッションマート |
98.09.14 | P | 船木誠勝 | ○ 20分1本 7分13秒KO | PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR(ランキング戦) | 日本武道館 |
99.03.09 | P | 伊藤崇史 | ○ 10分1本 1分45秒肩固め | PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR | 後楽園ホール |
99.04.18 | P | 近藤有己 | × 20分1本 判定 | PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR(キングオブパンクラスタイトルマッチ) | 横浜文化体育館 |
99.06.20 | R | ギルバート・アイブル | × 5分2R 2R4分58秒KO | リングス・オランダ | ユトレヒト・ヴェクトバネンホール |
99.07.06 | P | 渋谷修身 | ○ 15分1本 12分06秒チョークスリーパー | PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR(ランキング戦) | 後楽園ホール |
99.09.04 | P | 稲垣克臣 | ○ 10分1本 8分23秒KO | PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR | 仙台市泉総合体育館 |
99.09.18 | P | 美濃輪育久 | ○ 15分1本 判定 | PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR(ランキング戦) | 東京ベイNKホール |
99.11.28 | P | 近藤有己 | ○ 20分1本 2分28秒チョークスリーパー | PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR(キングオブパンクラスタイトルマッチ) | なみはやドーム |
00.04.30 | P | 高橋義生 | ○ 20分1本 7分30秒TKO | PANCRASE 2000 TRANS TOUR(キングオブパンクラスタイトルマッチ) | 横浜文化体育館 |
00.06.04 | R | 山本宣久 | ○ 1R2分54秒TKO | リングス・オランダ | ユトレヒト・ヴェクトバネンホール |
00.09.24 | P | 渋谷修身 | ○ 20分1本 8分55秒TKO | PANCRASE 2000 TRANS TOUR(キングオブパンクラスタイトルマッチ) | 横浜文化体育館 |
01.03.18 | 総 | アレクセイ・メドヴェーデフ | △ 引き分け | 2HOT2HANDLE | アムステルダム・アホイアリーナ |
01.05.04 | 総 | ピート・ウィリアムス | ○ 5分3R 2R1分28秒KO | UFC31 | アメリカ・アトランティックシティ |
01.06.29 | 総 | ジョシュ・バーネット | × 5分3R 1R4分21秒腕ひしぎ十字固め | UFC32 | アメリカ・ニュージャージー州 |
01.09.24 | 総 | 小路晃 | ○ 1R 8分19秒KO | PRIDE.16 | 大阪城ホール |
01.11.03 | 総 | 佐竹雅昭 | ○ 1R 2分18秒KO | PRIDE.17 | 東京ドーム |
01.12.23 | 総 | 高山善廣 | ○ 1R 3分09秒KO | PRIDE.18 | マリンメッセ福岡 |
02.04.21 | 立 | 武蔵 | ○ 3分5R 判定2-1 | K-1 BURNING 2002 大将戦 | 広島サンプラザ |
02.06.23 | 総 | エメリヤーエンコ・ヒョードル | × 3R 判定0-3 | PRIDE.21 | さいたまスーパーアリーナ |
02.08.28 | 立 | アーネスト・ホースト | △ 3分5R 判定0-0 | Dynamite! | 国立競技場 |
02.10.05 | 立 | マイケル・マクドナルド | ○ 3分3R 判定3-0 | K-1 WORLD GP 2002 開幕戦 | さいたまスーパーアリーナ |
02.11.24 | 総 | アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ | × 1R 6分36秒三角締め | PRIDE.23 | 東京ドーム |
03.07.13 | 立 | レミー・ボンヤスキー | ○ 3分5R 判定3-0 | K-1 WORLD GP 2003 in 福岡 | 福岡マリンメッセ |
03.12.31 | P | ジョシュ・バーネット | × 5分3R 3R4分48秒腕ひしぎ十字固め | INOKI-BOM-BA-YE 2003(無差別級キングオブパンクラスタイトルマッチ) | 神戸ウイングスタジアム |
04.04.25 | 総 | ガン・マッギー | ○ 1R 5分02秒腕ひしぎ十字固め | PRIDE GP2004 1st Round | さいたまスーパーアリーナ |
04.05.20 | 立 | アレクセイ・イグナショフ | × 3分5R 1R1分20秒KO | It's Showtime | オランダ・アムステルダム |
04.06.20 | 総 | セルゲイ・ハリトーノフ | × 1R 9分19秒レフェリーストップ | PRIDE GP2004 2nd Round | さいたまスーパーアリーナ |
04.11.06 | 立 | ヤン・"ザ・ジャイアント"・ノルキヤ | ○ 3分3R 2R0分57秒KO | TITANS 1st | 北九州メディアドーム |
05.03.19 | 立 | モンターニャ・シウバ | ○ 3分3R 1R1分22秒KO | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in SEOUL | ソウル・オリンピック第一体育館 |
05.05.27 | 立 | ピーター・ボンドラチェック | ○ 3分3R 2R2分42秒TKO | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in PARIS | パリ・ベルシー体育館 |
05.05.27 | 立 | フレディ・ケマイヨ | ○ 3分3R 3R1分19秒TKO | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in PARIS | パリ・ベルシー体育館 |
05.05.27 | 立 | ナオフォール“アイアン・レッグ” | ○ 3分3R 2R2分32秒KO | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in PARIS | パリ・ベルシー体育館 |
05.09.23 | 立 | グラウベ・フェイトーザ | ○ 3分3R 判定3-0 | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in OSAKA 開幕戦 | 大阪ドーム |
05.11.19 | 立 | レイ・セフォー | ○ 3分3R 判定3-0 | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in TOKYO 決勝戦 | 東京ドーム |
05.11.19 | 立 | レミー・ボンヤスキー | ○ 3分3R 1R2分08秒KO | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in TOKYO 決勝戦 | 東京ドーム |
05.11.19 | 立 | グラウベ・フェイトーザ | ○ 3分3R 1R0分48秒KO | FieLDS K-1 WORLD GP 2005 in TOKYO 決勝戦 | 東京ドーム |
05.12.31 | 立 | アーネスト・ホースト | ○ 3分3R 2R0分41秒TKO | FieLDS K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!! | 大阪ドーム |
06.03.05 | 立 | ピーター・アーツ | × 3分3R 判定0-2 | FieLDS K-1 WORLD GP 2006 in AUCKLAND | オークランド・トラストスタジアム |
06.04.29 | 立 | 武蔵 | ○ 3分3R 判定3-0 | FieLDS K-1 WORLD GP 2006 in LAS VEGAS | ラスベガス・ミラージュホテル |
06.05.13 | 立 | ロイド・ヴァン・ダム | ○ 3分3R 判定3-0 | FieLDS K-1 WORLD GP 2006 in AMSTERDAM | アムステルダム・アリーナ |
06.06.03 | 立 | チェ・ホンマン | × 3分3R 判定1-2 | FieLDS K-1 WORLD GP 2006 in SEOUL | ソウル・オリンピック第一体育館 |
06.08.05 | 総 | キム・ミンス | ○ 5分2R 1R4分46秒 三角締め | HERO'S 2006 | 有明コロシアム |
06.09.30 | 立 | ビヨン・ブレギー | ○ 3分3R 1R2分11秒 KO | Fields K-1 WORLD GP 2006 in OSAKA 開幕戦 | 大阪城ホール |
06.12.02 | 立 | ジェロム・レ・バンナ | ○ 3分3R 判定3-0 | Fields K-1 WORLD GP 2006 in TOKYO 決勝戦 | 東京ドーム |
06.12.02 | 立 | アーネスト・ホースト | ○ 3分3R 判定3-0 | Fields K-1 WORLD GP 2006 in TOKYO 決勝戦 | 東京ドーム |
06.12.02 | 立 | ピーター・アーツ | ○ 3分3R 判定3-0 | Fields K-1 WORLD GP 2006 in TOKYO 決勝戦 | 東京ドーム |
P=PANCRASE、R=リングス、総=総合格闘技、立=立ち技格闘技
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