アレクセイ・イグナショフ

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**アレクセイ・イグナショフ**
基本情報
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本名	アレクセイ・イグナショフ
あだ名	レッドスコーピオン,ベラルーシの赤毒蠍
階級	ヘビー級(K-1)
国籍	ベラルーシ
誕生日	1978年 1月18日
出身地	ベラルーシミンスク
命日
死地
スタイル	ムエタイ
プロキックボクシング戦績
総試合数	83試合
勝ち	72勝
KO勝ち	38KO
敗け	11敗
引き分け
無効試合

アレクセイ・イグナショフ（Alexei Ignashov、1978年 1月18日 - ）はベラルーシ出身のキックボクサー。身長196cm、体重116kg。チヌックジム所属。K-1を中心に活動し、総合格闘技も経験している。「レッドスコーピオン」「毒サソリ」「ベラルーシの赤毒蠍（あかさそり）」の異名を持ち、K-1に参戦した当初は、アーツⅡ世もしくは東欧のアーツなどのニックネームでも有名だった。

ムエタイベースにK-1のリングで活躍。常に「優勝候補」と言われながらも、大事な試合の時に限ってコンディションが悪かったり、これから格闘家1本でやっていくかどうか悩んでいたりで白星に恵まれない時がある。

体格もあり、K-1、総合を通してセンスが光る天才肌の選手だが、それが故にムラが多い。2004年以降は太り気味の状態が続いているが、中邑戦との再戦で、「太ったのでは？」という記者の問いに「だって、太っちゃったんだもん」とあっさり答えたのも彼らしい。

K-1に参戦して間もなく、関係者から潜在能力の高さを評価され、「今後暫く彼の時代になるだろう。」とまで言われていた。しかし、近年になってまさかの失速。長期に渡りスランプから脱出することが出来なかったり、大事な試合で調整を怠るなど、「プロとしての自覚のなさ」も指摘された。後述にもある通り、イグナショフの復活を待ち望むファンは少なくない。

普段は飄々としてつかみどころのない物静かな性格だが、ひとたびリングに上がると持ち前の気の強さを発揮することもしばしば。内容の難しいアーティスティックな映画を好む。レミー・ボンヤスキーと並ぶ、K-1きってのインテリとして知られている。2005年の夏に大学院を卒業し、以後は進路をプロ格闘技一本に絞っている。

[編集] ファイトスタイル

恵まれた体格から繰り出される膝蹴りが得意。この膝は「レッド・スコーピオン」（赤い毒蠍（さそり））と表現され、それがそのままイグナショフを表す代名詞となった。さらに彼の武器は膝だけではない。相手選手の顔面に軽々と届く前蹴りも驚異的。K-1参戦当初は頻繁に使用していたが、最近ではほとんどお目にかかることがなくなった。そして、長い脚から放たれる強烈なローキック。その凄まじさを遺憾なく発揮したヤン・"ザ・ジャイアント"・ノルキヤ戦が記憶に新しい。また、2003年のパリ大会で見られたように、パンチの技術の向上も目を見張るものがあった。

しかし、格闘技不毛の地ベラルーシで、常に練習環境やスパーリングパートナー不足に苦しんでおり、それが敗因に繋がる事もある。

[編集] 性格

K-1参戦当初、無表情で感情を表に出さないという印象が強かった。インタビューにおいても、自分の感情を言葉で表すことはあっても、あまり表情を変えることはなかった。あのジェロム・レ・バンナも「ヤツ（イグナショフ）はリングに上がるとき、まるで風呂にでも入るような顔をしていやがる。俺にあんなことできない。アイツは凄い奴だよ。」とコメントするほど。そして、その普段の物静かさとは対照的に、試合では気の強さがよく際立っていた。また、彼の言葉一つ一つは意味深なものが多く、それが彼の飄々とした性格を象徴していた。天才型であるためにムラが多く、その性格故に、インタビュー時でもやる気のなさばかりが全面に出た発言が多く出てしまい、誤解を招くものも数多くあった。近年、彼は膝を怪我して、自分自身というものを見失ってしまい、苦しんでいた。そんな彼を、一部のファンはずっと懸命に応援し続けていた。その結果、「厳しい時期の自分を支えてくれるファンの皆さんには心から感謝したい」、「苦しいときでも応援してくれるのが本当のファンだと思う」、「これ以上ファンをがっかりさせられない」と、ファンに対する思いを語るという、新たな一面を見せ始めている。あとは、その気持ちを結果で表してくれたら、何も言うこと無しといったところである。

[編集] 来歴

GP本戦に初登場したのは、2000年の横浜大会。しかし、マット・スケルトンに判定で敗れ、初戦敗退。だが、翌年からは次第に本領を発揮し始める。

K-1 WORLD GP 2001 in 名古屋の準々決勝でピーター・マエストロビッチと対戦。膝蹴りでダウンを奪い判定勝ちするが、動きに精彩を欠き、続く準決勝に不安を残す。しかし、準決勝でアンドリュー・トムソンから同じく膝蹴りでダウンを奪取し、KO勝ち。決勝戦でロイド・ヴァン・ダムと対戦し、延長1R判定勝ちを収め、弱冠23歳で東京ドームへの切符を手にする。

12月8日のK-1 WORLD GP 2001 in 東京の決勝大会で、ニコラス・ペタスと対戦。果敢にニコラス・ペタスが攻めていくのに対して、全く表情を変えないイグナショフ。2R、イグナショフの首相撲からペタスが離れた瞬間、レッドスコーピオンの毒針（膝蹴り）が放たれた。無惨にもこの膝はペタスの顔面に直撃し、瞬く間にペタスを戦闘不能に陥れた。この膝蹴りで、ニコラス・ペタスの鼻骨を折ったこの試合は、観客を凍りつかせた。続く準決勝では、フランシスコ・フィリォと対戦。この試合でも長いリーチの前蹴りでフィリォを苦しめるが、フィリォのローキックで徐々にペースを奪われ判定負け。敗れはしたものの、この大会で優勝を果たしたマーク・ハントと同様、イグナショフはビッグインパクトを残す結果となった。

2002年はビヨン・ブレギー、ピーター・アーツをそれぞれKOと判定で破るが、GP開幕戦でステファン・レコに判定負けを喫し、去年のように決勝トーナメントまで勝ち上がることはなかった。ちなみに、このあたりから急激にウェイトアップを図ったせいか、試合の後半でスタミナ切れを起こすことが多くなる。

2003年、パリ大会でパヴェル・マイヤー、アレクサンダー・ウスティノフ、シリル・アビディを下しトーナメントを制す。と同時に、開幕戦の切符を手にする。福岡大会ではヤン・"ザ・ジャイアント"・ノルキヤをローキックだけでマットに沈め、谷川貞治プロデューサーをして「今年の優勝候補」、また角田信朗をして「ホーストよりも説得力のあるローキックを出し始めている。」と言わしめた。続く大阪の開幕戦ではマイク・ベルナルドを2RKOで沈め、関係者やメディアからは、ステファン・レコと並び2003年のGP優勝最有力候補と称される。しかし、12月の決勝トーナメントではピーター・アーツに全く良いところなく判定で敗れ、初戦敗退。同年大晦日の中邑真輔との総合格闘技戦では勝利するも、中邑側の抗議があっさりと通り、無効試合にされる。

翌年5月の再戦では、あっさりと中邑に一本負けした。この試合の二日前には、オランダで現K-1王者セーム・シュルトとキックの試合を行い1RKO勝ちしており、それから飛行機で日本に直行するという強行スケジュールを行った為、コンディションが最悪だった事が敗因となった。尤も、これはイグナショフ本人ではなく、陣営の責任と言える。

2004年の開幕戦頃からスランプが始まる。2004年9月25日のK-1 WORLD GP開幕戦ではガオグライ・ゲーンノラシンと対戦。延長戦の末、まさかの判定負けを喫した。イグナショフはベストの体重よりも10kgほど重く、全くと言っていいほど調整できていない状態だったのである。その上、多少ガオグライを過小評価していたことも敗因のひとつ。これがイグナショフの大きな躓きとなり、その後、膝に爆弾を抱えたままろくに蹴りも放てない状態で試合に臨み、黒星が目立ち始める。

2005年9月23日のK-1 WORLD GP開幕戦ではワンマッチで王者のレミー・ボンヤスキーと対戦。判定負けを喫した。

2006年、タイでアパートを借りて、一ヶ月間トレーニングをして再起を図る。しかし、5月のオランダ大会の準決勝で、リザーバーで無名の選手であるゴクハン・サキに判定負け。この試合、イグナショフは終始サキの攻撃を防御するに止まり、殆ど反撃をしなかった。2004年より本格化したスランプや、膝の怪我の影響により戦いの感覚が狂っているのか、イグナショフの謎の失速は続く。8月のラスベガス大会ではイマニー・リーを相手に単調な試合を展開。今回もまた本来の実力が殆ど発揮できず、辛うじて僅差の判定勝ちを収めはしたものの、足の怪我により準決勝を辞退。代理出場したリーもマイケル・マクドナルドに判定負け。

現在まで続く長期のイグナショフの不調には失望感が広がっており、K-1イベントプロデューサーを務める谷川貞治氏は、2006年8月の大会終了後の談話で「イグナショフには本当にがっかりしました」と失望感を露にしている。2005年、2006年K-1王者のセーム・シュルトを倒した実績もあるため（立ち技最強と言われるシュルトに、立ち技ルールでKO勝利した経験があるのはイグナショフただ一人である）イグナショフの復活を望む声は多い。ちなみに、この日のイグナショフは、カーター・ウィリアムス対ゲーリー・グッドリッジの試合を観戦している時が一番元気そうだった。

[編集] 戦績

キックボクシング(K-1等)

83戦/72勝/11敗/38KO

- 1999年10月24日、ロブ・カーマンに判定負け（オランダ/???）
- 2000年6月24日、準々決勝でダリウス・グリラウスロスに1RKO勝ち、準決勝でセルゲイ・マトキン2RKO勝ち、決勝でセルゲイ・アルヒポフに3RTKO勝ち（ベラルーシ/ミンスクアイスパレス）
- 2000年8月20日、準々決勝でマット・スケルトンに判定負け（横浜アリーナ）
- 2001年2月4日、ステファン・レコに反則負け（オランダ/アーネムレインホール）
- 2001年4月21日、パリス・バシリコスに3RTKO勝ち（イタリア/パラヴォビス・ディ・ミラノ）
- 2001年7月20日、準々決勝でピーター・マエストロビッチに判定勝ち、準決勝でアンドリュー・トムソンに1RKO勝ち、決勝でロイド・ヴァン・ダムに延長1R判定勝ち（名古屋市総合体育館レインボーホール）
- 2001年12月8日、準々決勝でニコラス・ペタスに2RKO勝ち、準決勝でフランシスコ・フィリォに判定負け（東京ドーム）
- 2002年2月24日、ノブ・ハヤシに判定勝ち（オランダ/アーネムレインホール）
- 2002年5月25日、ビヨン・ブレギーに5RKO勝ち（フランス/ベルシー体育館）
- 2002年7月14日、ピーター・アーツに判定勝ち（マリンメッセ福岡）
- 2002年10月5日、ステファン・レコに延長1R判定負け（さいたまスーパーアリーナ）
- 2003年6月14日、準々決勝でパヴェル・マイヤーに3RKO勝ち、準決勝でアレクサンダー・ウスティノフに判定勝ち、決勝でシリル・アビディに3RTKO勝ち（フランス/ベルシー体育館）
- 2003年7月13日、ヤン・"ザ・ジャイアント"・ノルキヤに1RKO勝ち（マリンメッセ福岡）
- 2003年10月11日、マイク・ベルナルドに2RKO勝ち（大阪ドーム）
- 2003年10月31日、ヨシップ・ボドロチックに判定勝ち（クロアチア/???）
- 2003年12月6日、準々決勝でピーター・アーツに延長1R判定負け（東京ドーム）
- 2004年1月23日、マーク・デ・ウィットに判定勝ち（フランス/サレ・バリエール）
- 2004年3月27日、カーター・ウィリアムスに2RKO勝ち（さいたまスーパーアリーナ）
- 2004年5月20日、セーム・シュルトに1RKO勝ち（オランダ/アムステルダムアリーナ）
- 2004年6月6日、キング・アーサー・ウィリアムスに1RKO勝ち（名古屋市総合体育館レインボーホール）
- 2004年7月16日、ヨシップ・ボドロチックに1RKO勝ち（ニュージーランド/ABSスタジアム）
- 2004年9月25日、ガオグライ・ゲーンノラシンに延長1R判定負け（日本武道館）
- 2004年11月6日、ポール・スロウィンスキーに判定勝ち（北九州メディアドーム）
- 2005年4月23日、ピーター・グラハムに延長2R判定負け（ニュージーランド/トラストスタジアム）
- 2005年5月27日、準々決勝で内田ノボルに判定負け（フランス/ベルシー体育館）
- 2005年9月23日、レミー・ボンヤスキーに延長1R判定負け（大阪ドーム）
- 2006年2月25日、ゲーリー・グッドリッジに判定勝ち（ハンガリー/？？）
- 2006年5月13日、準々決勝でピーター・ボンドラチェックに2RKO勝ち、準決勝でゴクハン・サキに判定負け（オランダ/アムステルダムアリーナ）
- 2006年8月12日、準々決勝でイマニー・リーに判定勝ちするも、負傷のため準決勝を棄権する（アメリカ/ベラージオホテル）
総合格闘技