倉敷市
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倉敷市(くらしきし)は、中国地方の南東部、岡山県の南部に位置する人口約48万人の県下第二の都市。
中心部は、倉敷川沿いには白壁の町並みと大原美術館が立ち並び、「美観地区」として有名である。
平成18年10月10日から、笠岡市・井原市・浅口市・里庄町・矢掛町とともにご当地ナンバーである「倉敷ナンバー」が導入された。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 地理・地勢
市街地は、倉敷、児島、玉島、水島の四つに分かれている。市行政上は、倉敷地区・児島地区・玉島地区・水島地区・庄地区・茶屋町地区・船穂地区・真備地区と8区分することもある。倉敷地区には本庁があり、残りの7地区にはそれぞれ支所が配置されている。ただし、庄地区と茶屋町地区の支所は窓口程度の機能しか有していない。
岡山県の南中央部に位置し、市西部を高梁川が北から南に流れ瀬戸内海にそそいでいる。山陽本線や国道2号などの幹線が東西に横断している。ほとんどが、干拓地や沖積平野部になり、比較的平坦である。児島や、亀島山、玉島、連島などの地名に「島」がつく地域は、かつてそこが島であったことを示す。
[編集] 歴史
かつて倉敷を含む吉備国は弥生時代・古墳時代に筑紫国・出雲国・ヤマト王権・毛野国などと並んで日本列島を代表する政権として繁栄し、ヤマトと連合して列島の統一・治世に貢献したが、吉備の興隆を快く思わないヤマトに裏切られて勢力を削減され、備前・備中・備後・美作に分割され、これ以後現在に至るまで経済・文化の面で結びつきの強い旧吉備地域の政治的な統一は達成されていない。吉備分割後、備中の国府は倉敷市の北に隣接する総社に置かれたと見られるが、高梁川河口に位置する倉敷の重要性は高まっていった。
令制国では備中国に属する。(倉敷地区・水島地区のごく一部及び児島地区は旧備前国)江戸時代は天領として米の集積地となっていた。玉島地区の大半は備中松山藩領、残りは鴨方藩領などで、児島地区の全域は岡山藩領であった。
江戸時代には、旧吉備の分割以来備前国に属していた小豆島・直島諸島が、その重要性から天領(徳川氏直轄領)として讃岐国に移し替えられ、同じく幕府直轄の倉敷代官所の管轄となった。小豆島・直島諸島は明治維新後に成立した香川県にそのまま引き継がれてしまうことになった。
- 1928年4月1日 - 旧・倉敷市(初代)市制施行。岡山県で2番目の市となる。
- 1948年4月1日 - 旧・児島市(初代)市制施行。
- 1952年1月1日 - 旧・玉島市市制施行。
- 1956年4月1日 - 児島市(初代)、児島郡琴浦町の1市1町が新設合併し、児島市(2代)となる。
- 1967年2月1日 - 倉敷市(初代)、児島市(2代)、玉島市の3市が新設合併し、倉敷市(2代)となる。
- 1971年3月8日 - 都窪郡庄村を編入合併。
- 1972年5月1日 - 都窪郡茶屋町を編入合併。
- 2002年4月1日 - 全国で30番目の中核市となる。
- 2005年8月1日 - 浅口郡船穂町、吉備郡真備町を編入合併。
[編集] 文化
- 民芸運動
[編集] 近隣都市との関係
隣接する岡山市とは密接な関係を持つ一方で、岡山市への対抗心も強い。県境を越えて西にある福山市や、瀬戸大橋(瀬戸内海)を越えた対岸の高松市とのつながりも深い。特に岡山や福山への通勤・通学者が相互に多く、高松への通勤・通学者も少なからずいる。
特に、岡山・倉敷・福山の三市は、旧吉備国の備前国・備中国・備後国の中心として、歴史・文化・経済を少なからず共有し、今なお連帯感が維持されている。
[編集] 市内の特性
- 市民性
中心部では「倉敷市民」であるという自負を持つ者が多い一方で、旧児島市では今でも「児島市民」と言う人が多い。旧児島市では、「市内」とは「児島」を指し、倉敷市中心部は「倉敷」と区別する傾向がある。なお、商工会議所・青年会議所・医師会などが市内に複数存在するなど、総まりが良いとはいえない面もある。
児島地区は、中心部である倉敷地区と隣接している玉島地区・水島地区・庄地区・茶屋町地区・船穂地区と異なり、独立の風が強く(倉敷地区と鉄道で直接結ばれていないこともある)、真備地区は隣接する総社市との結びつきも強い(井原鉄道井原線で結ばれていて、警察署の管轄も2006年3月まで総社警察署(現在は玉島警察署の管轄)であり、2006年4月までの消防業務も総社市に委託)。
- 景観行政
- 倉敷ブランド
[編集] 拠点性
倉敷JCTや山陽本線や伯備線を抱えているので、倉敷の拠点性は意外に高い。
例えば、コンサートの全国ツアーが中国地方で実施される場合、岡山ではなく、倉敷で開かれることがある。パターンとしては、「広島・倉敷(・山陰or周防)」で各一日公演といったスケジュールで行われることが多いが、興行が人気コンテンツの場合には、西の広島よりも平均集客力で上回る。収容人員が各地で同程度の場合、大都市圏以外では最も早く売り切れになりやすい場所の一つである。
また、倉敷マスカットスタジアムで開催されるプロ野球公式戦(阪神絡みの試合)は、毎回3万人近くを動員しており、非フランチャイズ球場としては全国最大規模の観客動員数を持つ。逆に、一般的な興行・マイナーな興行の場合には、さっぱり客が入らないということにもなりやすく、広島はおろか、岡山・高松・福山よりも集客力が劣る。したがって、先行き不透明な興行の開催には不向きであるといえる。
[編集] 課題
[編集] 行政
- 2006年10月現在の市長:古市健三 [1]
[編集] 市勢
- 面積:354.32km²
- 人口:474,612人
- 男性:231,393人
- 女性:243,219人
- 世帯数:180,327世帯
- 人口密度:1,339.50人/km²
(以上、2005年8月1日現在)
[編集] 支所
- 児島支所
- 玉島支所
- 水島支所
- 庄支所
- 茶屋町支所
- 船穂支所
- 真備支所
[編集] 出張所
- 倉敷駅前連絡所
[編集] 市議会
[編集] 経済
[編集] 工業
- 主な企業として
- 南東部の児島地区は繊維工業が盛んである。特に厚手の織物が主製品で、学生服・企業や官公庁など事業所の制服(ユニフォーム)は生産高日本一を誇る。
[編集] 物流
[編集] 農業
[編集] 商業
他の40~50万都市と比べ合併の経緯から、一枚岩的な要素が低くメインの駅前一帯の集積度が低い。また、各地区とも山や川で分断されており、一部の地区を除いて、市街地が繋がっていない。このような複合的な理由から、それぞれの地区に核(商店街等)となる部分が存在する。ところが、近年の車社会の影響でロードサイド型の店舗が乱立し始め、それぞれの地区の核がなくなりつつある。
- 倉敷地区
- 児島地区
- 水島地区
- 玉島地区
- 庄地区
- 茶屋町地区
- 船穂地区
- 真備地区
[編集] 再開発
- 駅前再開発
- 鉄道高架事業
- くらしきTMO
- 観光連携
[編集] 姉妹都市・友好都市
- ザンクト・ペルテン(オーストリア共和国)- 1957年9月29日姉妹都市提携
- カンザスシティ(アメリカ合衆国 カンザス州/ミズーリ州)- 1972年5月28日姉妹都市提携
- クライストチャーチ(ニュージーランド)- 1973年3月7日姉妹都市提携
- 鎮江(中華人民共和国 江蘇省)- 1997年11月18日友好都市提携
[編集] ライフライン
[編集] 電気
[編集] ガス
- 岡山ガス
- 水島ガス
[編集] 水道
[編集] 下水道
- 倉敷下水処理場
- 児島下水処理場
- 水島下水処理場
- 玉島下水処理場
[編集] 警察
[編集] 消防
- 倉敷消防署(本部)
- 水島消防署
- 臨海消防署
- 児島消防署
- 玉島消防署
[編集] 防災
- コンビナート火災対策
石油コンビナート等災害防止法に基づいて、水島消防署に3点セットが配備されている。また、水島消防署とコンビナート内に、岡山県防災資機材センターがあり、消防車両が配備されている。また、企業が共同で消防車両を配備している。
定期的に、岡山県石油コンビナート等防災計画に基づき、総合防災訓練が訓練が行われている。
- 災害拠点病院
- 川崎医科大学附属病院(県南西部医療圏)
- 倉敷中央病院(県南西部医療圏)
- ハザードマップ
- 緊急告知FMラジオ
エフエムくらしきと倉敷ケーブルテレビとで共同で開発されたラジオである。 まず、災害対策本部がおかれると、災害緊急放送協定を結んでいるコミュニティ放送局から特殊な信号の入った電波を発信する。それをラジオが受信し強制的に電源が入り、緊急情報が大音量で流れる仕組みである。FMくらしきにて販売中である。
[編集] 電話
市外局番は真備町が総社MA(0866(市内局番は30~39、90~99))、それ以外は倉敷MA(086(市内局番は420~489、520~529、552、553))である。
[編集] 郵便
なお、()内の番号は実際には使用されていないが、割り当てられている。
- 倉敷郵便局:710-00xx、710-08xx、710-85xx、710-86xx、710-87xx、710-01xx、710-13xx、(710-11xx)
- 児島郵便局:711-09xx、711-85xx、711-86xx、711-87xx
- 水島郵便局:712-80xx、712-85xx、712-86xx、712-87xx
- 玉島郵便局:713-81xx、713-85xx、713-86xx、713-87xx
- 長尾郵便局:710-02xx
- 茶屋町郵便局:709-11xx
- 吉備郵便局(岡山市):701-01xx
[編集] 医療
主な医療機関
- 倉敷中央病院 (災害拠点病院)
- 川崎医科大学附属病院 (災害拠点病院)
- 倉敷成人病センター
- 水島中央病院
- 玉島中央病院
- 児島中央病院
- 児島市民病院
[編集] 鉄道路線
- 中心駅:倉敷駅
- 山陽新幹線:新倉敷駅
- 山陽本線:中庄駅 - 倉敷駅 - 西阿知駅 - 新倉敷駅
- 宇野線(瀬戸大橋線):茶屋町駅
- 本四備讃線(瀬戸大橋線):茶屋町駅 - (この間岡山市) - 木見駅 - 上の町駅 - 児島駅
- 伯備線:倉敷駅
- 本四備讃線(瀬戸大橋線):児島駅
[編集] 道路
- 高速道路
- 一般国道
- 県道
[編集] 港湾
[編集] 教育
[編集] 大学
[編集] 短期大学
[編集] 高等学校
- 岡山県立倉敷天城高等学校
- 岡山県立倉敷青陵高等学校
- 岡山県立倉敷南高等学校
- 岡山県立倉敷古城池高等学校
- 岡山県立倉敷中央高等学校
- 岡山県立児島高等学校(2007年までに倉敷鷲羽高等学校へ順次移行)
- 岡山県立倉敷鷲羽高等学校(2005年に県児島・琴浦の2高等学校を再編)
- 岡山県立玉島高等学校
- 岡山県立倉敷工業高等学校
- 岡山県立水島工業高等学校
- 岡山県立倉敷商業高等学校
- 岡山県立琴浦高等学校(2007年までに倉敷鷲羽高等学校へ順次移行)
- 岡山県立玉島商業高等学校
- 倉敷市立倉敷翔南高等学校(全日制・定時制、2003年に児島第一・市児島の2高等学校を再編)
- 倉敷市立工業高等学校(定時制)
- 倉敷市立児島高等学校(定時制、2006年までに倉敷翔南高等学校へ順次移行)
- 倉敷市立児島第一高等学校(全日制・定時制、2001年に南海高等学校を合併、2006年までに倉敷翔南高等学校へ順次移行)
- 倉敷市立精思高等学校(定時制)
- 倉敷市立玉島高等学校(定時制)
- 倉敷市立真備陵南高等学校(定時制)
- 私立倉敷高等学校
- 私立川崎医科大学附属高等学校
- 私立倉敷翠松高等学校
- 私立清心女子高等学校
[編集] 中学校
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- 私立
- 私立ノートルダム清心学園清心中学校
[編集] 小学校
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[編集] マスメディア
[編集] 放送
[編集] 新聞
- 山陽新聞社倉敷支社、児島支局、玉島支局
- 岡山日日新聞社倉敷支社
- 朝日新聞倉敷支局
- 児島新報社
- 産経新聞社倉敷通信部
- 中国新聞倉敷支局
- 長周新聞岡山支局
- デイリースポーツ岡山支局
- 毎日新聞社倉敷支局
- 読売新聞倉敷支局
[編集] 観光
[編集] 観光地
- 美観地区
- 大原美術館
- 倉敷アイビースクエア
- 倉敷いがらしゆみこ美術館
- 倉敷民藝館
- 倉敷考古館
- 日本郷土玩具館
- 井上家住宅
- 倉敷チボリ公園
- 鷲羽山
- 王子が岳
- 八幡山
- 由加山
- 蓮台寺
- 由加神社
- 沙美海水浴場
- まきび公園
- 倉敷市大山名人記念館
- 横溝正史疎開宅
- 円通寺
- 藤戸寺
- ジーンズミュージアム
- 倉敷市瀬戸大橋架橋記念館
- 児島競艇場
[編集] 祭事・催事
- 阿智神社まつり(春・秋)
- ハートランド倉敷(5月2日 - 5月4日)
- 倉敷天領夏祭り
- 鴻八幡宮祭りばやし
- 乙島祭り
- 倉敷フォトミュラル
- 倉敷スターライトアベニュー
- 倉敷音楽祭
- 倉敷屏風祭
- 水島港まつり
- くらしき・花七夕祭
- 玉島まつり
- くらしき朝市「三斎市」
[編集] 銘菓
- むらすずめ
- 藤戸饅頭
[編集] その他
- 倉敷マスカットスタジアム
- ぶっかけうどん「ふるいち」
[編集] 倉敷を舞台にした作品
[編集] 出身有名人
- 吉備真備(学者、政治家)
- 三島中洲(漢学者、二松学舎大学創立者)
- 山川均(政治家、社会主義理論家)
- 星島二郎(政治家、第47代衆議院議長)
- 薄田泣菫(詩人)
- 香西洋樹(天文学者)
- 米谷隆三(法学者)
- 小山冨士夫(陶磁学者)
- 高森明勅(歴史学者)
- 大原孫三郎(実業家) 大原総一郎
- 中塚一碧楼(俳人)
- 薄田泣菫(詩人)
- 大山康晴(棋士)
- 塚本靑史(作家)
- 池田遙邨(画家)
- 井上桂園(書家)
- 中山星香(漫画家)
- 三宅秀史(元プロ野球選手)
- 松岡弘(元プロ野球選手)
- 星野仙一(元プロ野球選手(元中日ドラゴンズ、阪神タイガース監督)、阪神タイガースシニアディレクター)
- 平松一宏(元プロ野球選手)
- 山本樹(元プロ野球選手)
- 葛城ユキ(歌手)
- 辰吉丈一郎(プロボクサー)
- 旺なつき(女優)
- 大本眞基子(声優)
- 天瀬まゆ(声優)
- MEGUMI(タレント)
- 中西圭三(歌手)
- 三宅光幸 (MC&コンポーザー)、(Mihimaru GT 男性(Vo))
- 水道橋博士(お笑いタレント、たけし軍団·浅草キッド)
- ハチミツ二郎(お笑いタレント、東京ダイナマイト)
- 李漢宰(サッカー選手、現北朝鮮代表)
- ボンボヤージュ(イラストレーター)
- 藤井康生(アナウンサー)
- 若狭敬一(中部日本放送アナウンサー)
- 森脇淳(アナウンサー)
- 長門勇(俳優)
- 藤木直人(俳優)
- 荒木絵里香(バレーボール選手)
- 高橋大輔(フィギュアスケート選手)
- 葛城育郎(プロ野球選手・阪神タイガース)
- 伊澤一葉(ピアニスト・東京事変)
- 高見藤英希(力士)
- 桂梅團治(落語家)
- 詩人の血(バンド)
[編集] 倉敷ナンバー
- 2006年10月10日から新たに導入予定の地域名表示ナンバープレート(ご当地ナンバー)のひとつ。倉敷市、笠岡市、井原市、浅口市(金光町、鴨方町、寄島町)、里庄町、矢掛町の4市2町が対象地域。倉敷市内に水島製作所を持つ三菱自動車工業は、導入を記念して、軽自動車のeKワゴンに特別仕様「eK倉敷」を設定し、地域限定販売をおこなった。
- また、2006年12月14日にはi(アイ)の特別仕様車「i倉敷」を地域限定で発売した。
[編集] 関連項目
- 備中国
- イオン倉敷ショッピングセンター
- 倉敷浅尾騒動
- Krash Japan - 倉敷の文化をテーマとしたアート雑誌。
[編集] 外部リンク
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