総社市
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総社市(そうじゃし)は、岡山県中央部にある市。
かつての吉備国の中心地域で、吉備分国後は備中国の国府がおかれ、国府が廃れた後も備中国の総社が今に残る。総社市総社地区は備中国総社宮の門前町・街道の宿場町・浅尾藩の陣屋町として栄え、総社宮を中心に町が構成されていたので通称「総社」と呼ばれていた(このころの正式な地区名は八部<ヤタベ>)。これが今日の総社という町の名の起源。
桃太郎伝説のモデルとされる吉備津彦命と鬼神・温羅(ウラ)の伝説が古来より残る。温羅の居城「鬼ノ城(きのじょう)」跡がある。
また、画聖・雪舟の生誕の地である。
備中国分寺や大小多数の古墳など、遺跡・史跡が非常に多い。
旧総社市と旧都窪郡山手村・清音村、旧吉備郡真備町で総社圏域を構成。各地域の繋がりはとても深い。
総社・山手・清音は新設合併し新総社市となったが、真備は途中で町長の独断により離脱し倉敷に編入。しかし真備と総社の民間レベルの繋がりは今も根強い。ゴミ処理は今もこのエリアで行っている。
また、かつて同じ吉備郡だった岡山市足守・高松、加賀郡吉備中央町大和(旧上房郡賀陽町南部)とも繋がりは強い。
目次 |
[編集] 地理
市域の西部を北から南に高梁川が貫流している。北部・西部は吉備高原の南部に位置し、南部もまた丘陵地帯を形成している。市街地となっている中央部は元来、高梁川の氾濫原で小盆地を形成している。
- 主な河川:高梁川、新本川、槇谷川(豪渓)、前川、血吸川、砂川、影谷川、迫谷川、山田川、日羽谷川
- 主な山:鬼城山(397m)、福山(302m)、軽部山(245m)、秋葉山(283m)、正木山(387m)、鍵山(387m)、経山(323m)、犬墓山(444m)、高山/春山(385m)、鬼身山(?m)、木村山(201m)、伊予部山(?m)、天柱山(330m)、登竜山(467m)、実僧坊山(470m)、高滝山(506m)
[編集] 歴史
- 古代、ヤマト王権に匹敵しうる勢力として古代王国・吉備国が岡山県、広島県東半分、香川県島嶼部、兵庫県西部(讃岐などの四国も支配下にあったという説もある)をその版図としていたが、その中心地が総社にあったとされている。市内には代表的な古墳として全国9位の規模を誇る作山古墳がある。
- 最近では、ヤマト王権は吉備から発祥したものという説もある。
- 国郡里制のもとでは、総社市域は賀陽郡(「かや」、賀夜など様々な表記在り)・下道郡(「しもつみち」)・窪屋郡(「くぼや」)・都宇郡(「つう」、津宇とも)という郡に属していた。この郡は明治中期まで続くこととなる。
- 白村江の戦い(663年)に敗れた大和朝廷軍は、新羅・唐連合軍の侵攻を防ぐために各所に城を築き、その一つに市内の山に鬼ノ城を築いたという説在り。(ただし鬼の城は白村江以前に作られた等、多数の説があり、その実態はいまだ解明されていない。)
- 奈良時代、備中国の国府が置かれた。総社市金井戸辺りにあったと言われている。
- 室町時代には水墨画の巨匠で僧侶の雪舟が出た。総社宮周辺は門前町として、さらには宿場町として栄える。
- 江戸時代は備中松山藩領、旗本・蒔田(まいた)氏が文久3年(1836年)大名となり誕生した浅尾藩、岡田藩、足守藩、岡山藩支藩である生坂藩(岡山新田藩)、三須知行所、宝福寺領などが混在し、かなり複雑な統治であった。
- 明治初期 総社市の前身となる賀陽郡総社村が、賀陽郡八部村(「やたべ」)・刑部村(「おしかべ」)、小寺村の一部が合併して誕生。
- 明治22年(1889年)6月1日 賀陽郡総社村と賀陽郡井手村が合併。
- 明治29年(1896年)2月26日 賀陽郡総社村は町制移行し、賀陽郡総社町となる。
- 明治33年(1900年)4月1日 郡の再編が行われる。賀陽郡と下道郡が合併し吉備郡に。窪屋郡と都宇郡が合併し都窪郡(「つくぼ」)となる。 総社市の前身・賀陽郡総社町は吉備郡総社町となる。
- 明治41年(1908年)2月11日 吉備郡総社町は吉備郡浅尾村と合併。
- 昭和26年(1951年)4月1日 吉備郡総社町は吉備郡服部村・神在村と合併。
- 昭和29年(1954年)3月1日 吉備郡総社町、秦村、都窪郡三須村が合併。
- 昭和29年(1954年)3月31日 吉備郡総社町、新本村、山田村、久代村、池田村、阿曽村、都窪郡常盤村の1町6村が合併し総社市となる。
- 昭和47年(1972年)4月22日 総社市に吉備郡昭和町が合併。
- 平成5年(1993年)岡山県立大学が開学。
- 平成9年(1997年)岡山自動車道が完成。
- 平成17年(2005年)3月22日 総社市・都窪郡山手村・清音村の3市村が合併(新設合併)し、新たに総社市となる。ちなみに同じ総社圏域を形成し繋がりがとても深い吉備郡真備町は町長の独断で総社との合併から離脱・住民投票の合併反対の民意を無視し倉敷市に編入合併した。
[編集] 行政
[編集] 立法
- 市議会議員 定数24
[編集] 経済
[編集] 産業
自動車部品の工業団地が真壁・井尻野地区と久代地区にあり、企業団地組合「協同組合ウイングバレー」を形成している。また、赤浜にも企業団地があり、「テクノパーク総社」を形成。
企業誘致によって、カルピス岡山工場・山崎製パン岡山工場・レンゴー岡山工場・スズキ納整センター・ユニチカ総社常盤工場が立地している。
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
[編集] 海外
なし
[編集] 地域
[編集] 教育
[編集] 大学・短期大学
- 岡山県立大学
- 岡山県立大学短期大学部
[編集] 高等学校
- 岡山県立総社高等学校
- 岡山県立総社南高等学校
[編集] 中学校
- 総社市立総社中学校
- 総社市立昭和中学校
- 総社市立総社西中学校
- 総社市立総社東中学校
[編集] 小学校
- 総社市立阿曽小学校
- 総社市立池田小学校
- 総社市立維新小学校
- 総社市立清音小学校
- 総社市立昭和小学校
- 総社市立神在小学校
- 総社市立新本小学校
- 総社市立総社小学校
- 総社市立総社北小学校
- 総社市立総社中央小学校
- 総社市立総社西小学校
- 総社市立総社東小学校
- 総社市立常盤小学校
- 総社市立秦小学校
- 総社市立山手小学校
[編集] 隣接する自治体
岡山市、倉敷市、高梁市、井原市、小田郡矢掛町、加賀郡吉備中央町
[編集] 交通
[編集] 鉄道
[編集] 道路
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
市内には、岡山市北西部や山手村・清音村と共有する観光エリア・吉備路がある。
[編集] 観光
- 鬼ノ城
- 備中国分寺
- 宝福寺
- 作山古墳
- 総社
- 豪渓
- こうもり塚古墳
- 江崎古墳
- 角刀取山古墳
- 備中国分尼寺跡
- 伝備中国府跡
- 雪舟生誕の地
- 鬼の差上岩
- 岩屋寺跡
- 福山城跡
- 宮山古墳群・三輪山古墳群
- 義民碑
- 湛井(タタイ)堰・十二箇郷用水
- 正木山
- 砂川公園
- 岡山県立吉備路郷土館
- サンロード吉備路
- 清音温泉
- 軽部神社(オッパイ神社)
[編集] 祭事・催事
- 備中神楽
- 鬼ヶ辻(毎年2月第2土曜日)
- 雪舟フェスタ(毎年8月第1土曜日)
- 力石総社(毎年8月)
- 赤米神事(毎年旧暦11月15日)
[編集] 名物・土産・郷土料理・特産品など
- 雪舟もなか
- 吉備野の月
- 鬼ビックリ饅頭
- きび餅
- 赤米(新本地区)
- ピーナッツ豆腐&丸豆腐
- フナ飯
- 桃(全域)
- ブドウ(全域)
- セロリ(山手地区)
- アールスメロン(山手地区)
- とうもろこし(清音地区)
- イチゴ
- アケボノ米・アサヒ米(全域)
- トングウのパン(上あんパン、バターロール)
- 備中神楽面
- ゴザ・畳表・畳
- 自動車部品
[編集] 総社市出身・ゆかりの有名人
- 橋本卯太郎 (大日本麦酒の元恵比須工場長、元常務取締役:秦出身)
- 橋本龍伍 (政治家、卯太郎の五男、龍太郎・大二郎の父。:生まれ・育ちは東京、秦出身、幼少期に秦にいたことも)
- 橋本龍太郎 (政治家、元・内閣総理大臣:生まれ・育ちは東京、秦出身(幼少期に秦にいた)、また中央にいたこともあった)
- 橋本大二郎 (高知県知事、龍太郎の弟:生まれは東京、秦出身)
- 橋本岳 (衆議院議員、龍太郎の次男:中央出身)
- 秋山耿太郎 (朝日新聞社社長:)
- 山口馬木也 (俳優、オフィスまとば所属:)
- 片岡明日香 (俳優、プロダクションハーモニー所属:)
- 満谷国四郎 (画家:総社出身)
- 木口衛 (株式会社ワールド創業者:)
- 髙谷茂男 (岡山市長、チボリ・ジャパン元社長、おもちゃ王国元社長:久代出身)
※出身地(大字)は公表されているもののみ記載
[編集] 歴史上の人物
- 雪舟(室町時代の画僧:赤浜出身)
- 大幾禅師 (禅僧、豊臣秀吉・織田信長の懐刀、豊臣秀頼の教育係:久代出身)
- 上田実親(室町時代末期の戦国武将。鬼身城主。三村氏家臣で三村家親の実子。三村元親の実弟。小説鬼哭の城の主人公)
[編集] 外部リンク
[編集] その他
市外局番は、0866(30~39,90~99)となっている。
- 0866(30~39,90~99)エリア(総社MA)
郵便物の集配は、以下の局が行っている。
- 総社郵便局:719-11xx
- 新本郵便局:710-12xx
- 美袋郵便局:719-13xx
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