2ちゃんねる
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2ちゃんねる(にちゃんねる)は、約700の電子掲示板からなる匿名掲示板群である。「2ch」または「2ちゃん」と略される。西村博之(通称「ひろゆき」)のほか、ボランティアの削除人などで構成される運営陣によって管理されている。
目次 |
概要
2ちゃんねるは、いくつもの電子掲示板の集合体である。
それぞれの掲示板は、「カテゴリ」と呼ばれる大きな分野単位(ニュース、食文化、ネット関係など)で区切られており、さらにその中で分野ごとに「板」(いた、ばん)と呼ばれるジャンルに分けられている。
そして各板には、その分野に属する話題ごとに細かく分けられたスレッド(スレ)が存在する。掲示板への書き込みや閲覧は、このスレッドの中で行われる。そこに書き込まれた文章を、レスと呼ぶ。
『「ハッキング」から「今晩のおかず」まで』というキャッチフレーズの通り、2ちゃんねるの中では幅広い分野の話題が投稿されている。
また、匿名での投稿が可能となっており、利用者が名前を入力しないで投稿を行うと、その板ごとに設定された「名無しさん」のような名前が自動的につけられるようになっている。各板によって異なるが、ほとんどの利用者は匿名で投稿を行うため、「名無しさん」という名前の人間が連続して投稿を行っているように見えることがある。
このため一部では「名無しワールド」と呼ばれている。この別称は「あやしいわーるど」や「あめぞう」といった、2ちゃんねるの元になった掲示板サイトの利用者が多く使用する傾向にある。
匿名であるが有名であるが、04年からIPの記録が始まり、06年から登録制のBeシステムが導入され、be利用者以外の利用者にも匿名ではなくランダムで名前が表示される板もある。完全に匿名と勘違いし、犯罪予告などをして逮捕される者が後を絶たない。
「あやしいわーるど」と「あめぞう」は、2ちゃんねるが設立される以前に屈指のアクセス数を持っていた掲示板サイトである。2ちゃんねるは、これらのサイトの一部利用者から「痰壷」などと蔑んで呼ばれることがある。だが、開設者の西村博之は、それをブラックジョークとして逆手に取り、2ちゃんねるのトップページに「壷」の画像を表示している。
このトップページの画像は、イベントや各種出来事に連動して変わることがある。例えば、新潟県中越地震発生時は、被災者救援のために使い捨てカイロを差し出したモナー(マスコットキャラクター)を大きく表示し、壷は小さくなっていた。過去には鳥羽僧正の「鳥獣人物戯画」などが使われた。auの携帯電話「PENCK」のフォント無断使用疑惑が浮上していた時期には、同商品を皮肉った画像を表示したこともある(KDDI側は、後日フォント無断使用を認めて謝罪した)。2005年9月に発生したのまネコ問題以降は、FLASHで表示されている壺をマウスのカーソルで触れると、モナーが壺を守るかのように出てくる。
2ちゃんねるの主要な運営資金源は、出会い系サイトなどによる広告収入や、「●(まる)」と呼ばれる過去ログ有料閲覧システム(過去に存在したスレッドの内容を閲覧できるシステム)である。2006年10月現在、2ちゃんねるは約60台のサーバーで運営されている。なお、サーバーはアメリカにある。
様々な人間が絶え間なく出入りするという特性上、悪ふざけの場と化している板もある。
掲示板の形態
スレッドフロート型掲示板の形態をとっている。
2006年11月現在、およそ700の板があり、各板には数十から数百のスレッドがある。板は時折新設され、基本的に一度設けた板は閉鎖しない方針とされている。ただし、「バーゲン板」のように特定の季節にだけ開設される板もある。また、2004年8月には、オリンピック期間中限定の専用板が新設された。過去には、管理人・西村博之の誕生日に彼を祝福することのみを目的とした板が作られたこともある。
たくさんの板があるが、あまり利用されていない板もある。極端に利用者が少ない板は、過疎板と呼ばれる。
スレッド
概要
2ちゃんねるでは、一つのスレッドに投稿できる書き込み数が1000回、データ容量が500キロバイトまでと制限されている(なお、1000回目に書き込みが殺到し、ほぼ同時だった場合、書き込み数が1001回以上になることもある)。
人気のあるスレッドでは、投稿数が1000回に近づくか、スレッドの容量が500KBに近づくと、「2スレ目」や「Part2」などと連番をタイトルにつけた次のスレッドを作成し、スレッドが終了する前に次スレへと誘導するパターンが定着している。
また連番には、スレッドの話題に関係ある助数詞を用いることも多い(学校関連スレなら○時間目、事件関連スレなら○件目、2ちゃんねる各板にある「ホームランスレ」なら第○号など)。
参加者の人数や書き込み数が増加し、特定のサーバの負荷が高くなった場合には、一般のブラウザではアクセスできなくなる「人大杉」と呼ばれる現象が発生する。この状態で板を利用するには、2ちゃんねる専用ブラウザを使用する必要がある。
また、上記の「容量上限制」を逆手に取ったスレッド潰し(巨大アスキーアート等をいくつも貼り続ける事で容量オーバーに追い込み、書き込みを出来なくする)がされる事もある。
通常の板での1スレッドが消費された最短時間は2分といわれる(テレビ等で何らかの発表やサッカーのゴールなどがあった瞬間や、実況版などでは、1分以内に1000レスがつくこともある。また、アニメ放映時に歌詞などを元にしたAAで容量が500KBになることもある)。
終了後
発言数が1000番を超えたスレッドの1001番目には、もう書き込めないことを表す表示(板によって異なる)がされ、書き込めなくなる。書き込めなくなったスレッドは、約1日後に板のスレッド一覧から削除される。
以下では、スレッドの終了に関する2ちゃんねる特有の用語を説明する。
- dat落ち
- 終了したスレッドが圧縮判定か即死判定(後述)にかかり、掲示版のスレッド一覧から削除された状態。
- dat落ちしたスレッドは、通常のウェブブラウザでは見ることが出来ない。「●」と呼ばれる有料閲覧システムと、2ちゃんねる専用ブラウザを併用すると、自由に読むことだけはできるようになる。
- それ以外で閲覧する方法には、ガイドライン板にある「読めないdat落ちスレのミラー作ります」などというスレッドで依頼をする、外部サイトの「みみずん検索」を利用する、2ちゃんねる検索を使う(モリタポと呼ばれるポイントを消費する)などがある。
- 圧縮判定
- スレッドの数が板ごとに設定された一定数(400個、500個、600個など)に達するとこの判定が行われ、板の中で書き込みが最後に行われたスレッドから順に、板ごとに設定された数(100個など)のスレッドがdat落ち状態になる。
- 即死判定
- 書き込み数が980回以上か、データ容量が板ごとに設定されたある容量以下(5KB以下、30KB以下など)という条件を満たす時にこの判定が行われ、最後の発言から丸1日以上経っているスレッドはdat落ち状態になる。書き込みの多い板では、最後の発言から12時間、6時間と判定がより厳しくなっている所もある。
- HTML化
- スレッドのデータがHTML化され、過去ログ倉庫に掲載されている状態。通常のウェブブラウザで読むことができる。しかし、最近では運営板のスレッド中心に行われており、スレッドのHTML化が行われることは少ない。
「名無し」の存在
名前欄を無記入で投稿した場合、「名無しさん」もしくはそれを意味する名前で書き込まれるという特異なシステムから、2ちゃんねるは「名無しワールド」とも呼ばれる事がある。
名無しの匿名性を利用した自作自演を防ぐ為に、IDが取り付けられた。(一部の板では適用されていない) IDは主にIPアドレスと日付の情報を暗号化したものが使用される。IDを確認することにより、単純な自作自演行為を見抜く役には立っている。ただし、この機能は利用者が個々の書き込みについて書き込んだ者を特定・名寄せすることを意図したものではなく、また、単発の無責任な書き込みには無力である。 なお、管理者側もこれを考慮して、無責任な書き込みを減らす一環として、2004年11月頃から「be@2ch掲示板」システムを実験的に導入している。もちろん直接個人の特定ができるわけではないが、そこにログインしている者の書き込みについては、どの書き込みをどの利用者が行ったかはある程度判別できるようになった。
この「名無し」のシステムにより、利用者間の個人的な交流が減少した結果、以下のような特徴が生まれた。
- メールアドレス欄にもメールアドレスが書き込まれないことが多い(文などが書き込まれる場合もある)
- 敬語がほとんど使われない(板によって傾向は異なる)
- ハンドルネームをつけた人間(コテハン)が叩かれやすくなる(これも板によって傾向は異なる。また、煽り荒らし行為の口実とされる場合が多い)
敬語が使われないことについては「わずらわしさがなくてよい」という肯定的な意見と、「無味乾燥、殺伐としている」という否定的な意見が存在する。肯定的な意見の多くは2ちゃんねる利用者のものであり、否定的な意見の持ち主は2ちゃんねるをあまり利用しない層と、比較的はっきり分かれている。
一方で「名無し」の存在とは別に、固定ハンドルネームを名乗る利用者(コテハン)も多数存在しており、スレッドによっては議論の要になっていることもある。ほとんどのコテハンはトリップと呼ばれる騙り防止機能を利用することで、一連の書き込みが同じ人間によるものであることを証明している。中には、ハンドルネームを持たないままトリップ機能を利用する「名無し」のコテハンも存在する。(特に投稿者の識別が必要であるスレッドで多く使われる)
キャップ★
2ちゃんねるには、各種の管理作業をボランティアで行う人間に対して★(管理者権限保持者の証)が発行される事が稀にある。
これは主にキャップと呼ばれ、トリップ導入以前はメールを送れば簡単に手に入れる事ができた。用途に応じた種類があり、代表例として「削除人★」「案内人★」「記者★」など。キャップは、キャップを管理している運営陣が不定期にメールで公募する。論文を書いて、合格しなければならない場合もある。スレ内で活動する◆がついたコテハンとは違い、スレ外の利用者の目には触れにくい運営の部分で活動するのが主な特徴である。
また、2ちゃんねる中の質問スレッドで時折出る「どうしたら削除人になれるか?」という質問だが、詳細な実態は不明である。こぞって「そういう質問をしないことから」が謳い文句だが、これはいわゆる「くれくれ君」を除外するためであり、強いて言えば2ちゃんねるの基本的に「消さない」スタンスを理解しろということらしい。肝心の手続きは、復帰人から下積み修行を行い、募集に応える事(及び他の削除人からの推薦)で手に出来るという事で、最近では2005年1月に募集が行われた。
キャップの種類
- 削除人
- 2ちゃんねる内の発言を削除する権限を持つ。
- 復帰屋
- 元々は2ちゃんねるのシステムの壊れた部分を修繕していたが、形骸化が進み現在は皆無。
- 案内人
- 批判要望板などで継続スレッドを立てたり、運営カテゴリ内の板のスレッドの案内など。
- 記者
- ニュースカテゴリ内で、スレッドを立てる権限を有する。名前の後に付く「★」に顔文字でペンを持つ手として用いられることの多いφを加えて「φ★」となる。
- お止め組。
- 2004年の夏に設立された組織。実況によるサーバー負担を防ぐために実況中のスレッドを止める権限を有するが、最近はスレッドが停止されることは少ない。
その他、色々なことが自由に出来る上級運営人なども存在する。 なお、所謂「記者★」がどんなスレッドを立てているかは、+板 最近立ったスレ/記者別一覧で一部垣間見ることが出来る。
(旧)キャップについて
(旧)キャップとは、コテハン騙り防止のためのシステムであった。名前は「騙り防止」→「帽子」→「キャップ」に由来する。管理人であるひろゆきにメールで申請することによって取得できた。投稿者名欄に事前に発行されたパスワードを入力することによって使用する。
例:「二桁%」という投稿者名に「po5253」というパスワードのキャップが設定されていた場合、
- 投稿者名欄に「二桁%」と入力……表示は「"二桁%"」
- 投稿者名欄に「po5253」と入力……表示は「二桁%」
- 投稿者名欄に「ヘタレ二桁%ノック派」と入力……表示は「ヘタレ"二桁%"ノック派」
- 投稿者名欄に「ヘタレpo5253ノック派」と入力……表示は「ヘタレ二桁%ノック派」
なお、スペルミスなどの理由で漏れてしまうことがあった。fusianasan機能は、元々漏れてしまったパスワードの対策目的であった。fusianasan機能とは、2ちゃんねるに投稿する際に、名前欄にfusianasanと記載することで自分のパソコンなどの機器のホスト名を2ちゃんねるに公開する機能である。コテハン機能とは別に個人を証明するために存在する機能でもあるが、fusianasan機能を知らない2ちゃんねらーを騙し「危険な情報が裏2ちゃんねるにある」と偽り、名前欄にfusianasanと書かせ匿名性を無くさせるような投稿が多い。これに騙され、業務中に2ちゃんねるを行っていたことが判明し各板で騒ぎが起こったり、処分された公務員や会社員も多数いる。
なお、パスワードは2000年6月頃から既に流出していたが(掲示板cgiスクリプトの流出)、同年12月、あるコテハンによりロビーに転載され、同日対策され、現行のキャップシステムに変更となった。
現行のシステムで実際に使用するときはメールアドレス欄に「#パスワード」を入力する。するとサーバーに登録されている「ハンドルネーム★」での書き込みとなる。通常、メールアドレス欄において「#」以降の文字列は無視されるため、万が一スペルミス等があった場合でもパスワードが漏れる可能性は低くなっている。
2ちゃんねるの別名
「名無しワールド」などと呼ばれるほか、「痰壷」などの蔑称も存在する。このような蔑称を使用している者は主にぁゃιぃわーるど、あめぞうといった2ちゃんねるの前に勢力を保っていた掲示板群の住民の一部であり、それらのウェブサイトより利用者が多い2ちゃんねるに対する妬みも含まれていると見る向きもある。また、1ch.tvなどの利用者からも、上記のような呼称で呼ばれる事がある。
2001年8月12日に東京・渋谷の株式会社アスキー本社で開催された「アスキーの西氏が取締役を退任」スレッドのオフ会で、西和彦が「2ちゃんねるは便所の落書きみたいなものだ」とオフ会に参加していた2ちゃんねる管理人ひろゆきの前で語った事から、現在は便所の落書きという異名が主に使用されている。この名称は2ちゃんねる内でもしばしば利用される。
社会の反応
2ちゃんねる発足当初はネット上でも関心は薄かったが、2000年5月3日、当時17歳の少年による西鉄バスジャック事件が起きて以降、知名度は跳ね上がる。以下は、それ以降の反応と考えてよい。
政府省庁・企業の反応
西鉄バスジャック事件以降、誘発されるように犯行予告を書き込んで逮捕される人間や、それを実行に移し逮捕される人間が現われる。また、爆破・殺人の予告書き込みによる逮捕者を輩出しているため、大きな事件があると、各板で頻繁に書き込まれている殺害・襲撃予告と事件の関連性を関係機関がチェックしているとされる他、警察庁のサイバーフォースが定期的に検索を掛けている。さらに、デマや悪意のある書き込みで企業が不利益を被らないよう、それらの監視を専門とする部署を設けたり監視を外部に委託する企業が、大企業を中心に増えているとも言われる。。[要出典]総務省は、2ちゃんねるなどの匿名掲示板で度々発生する人権侵害事案に対処する為、「名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」を改訂、書き込まれた内容について被害者本人に代わって法務省人権擁護局が削除を要請出来るようにする方針を決めた。現実に、名誉毀損や威力業務妨害、更には著作権侵害に該当する書き込みを削除せず放置しているのは不法行為の助長であるとして個人や企業から民事訴訟を起こされ、2ちゃんねる管理人、西村博之は数多くの裁判と多額の賠償債務を抱えている。
政党レベルでは、2000年5月10日に民主党の菅直人が、菅を騙った人物のものと思われる「民主党の菅直人からみなさまにお願い」という書き込みを削除するよう、弁護士を通じて2ちゃんねるに通知書を送付している。(民主党・菅直人氏より2ちゃんねるへの通知その他。)鳩山由紀夫などは「よく見るウェブサイト」として2ちゃんねるを挙げていた。また、自由民主党の麻生太郎は、外務大臣であった2006年当時、自民党総裁選挙に関連して、2ちゃんねるに言及した。
2003年6月27日には、2ちゃんねるのサーバ会社に複数の男が侵入し、脅迫により2ちゃんねるの閉鎖を要求した。社員の安全を考えたサーバ会社はレンタルサーバ板を休止したが、2ちゃんねる管理人、西村博之の判断ですぐに再開された。
メディアの反応
2ちゃんねる内から犯罪者が生まれたとき、各種メディアで「インターネットの掲示板で―」と報じられた場合は、2ちゃんねるを指していると考えてほぼ間違いない。最近は、「インターネット掲示板『2ちゃんねる』」という正確な報道も増えてきている。
また、2004年以降、テレビ番組でも2ちゃんねるや2ちゃんねらーが取り上げられるケースが増えているTBS系「Pooh!」やフジ系「EZ!TV」などの番組で紹介されるとともに、ハンドルネームを名乗って利用する者が顔出しで登場し、その度に実況板は利用者過多によりサーバが停止する祭りになった。また、芸能人が2ちゃんねるを利用していることを公言したり、青木さやか、長井秀和、南野やじなどのお笑い芸人がネタとして用いたり、爆笑問題が自身のアスキーアートを褒めるケースもある。保守系論壇誌『諸君!』(文藝春秋社)連載の「麹町電網(インターネット)測候所」は、ほぼ毎号2ちゃんねるを中心にした内容であり、進んで2ちゃんねるとの連携を図っている。
稀な例ではあるが、メディアが何気なしに報道したものが2ちゃんねる内で爆発的に定着したものもある。「ニート」がその代表例で、フジテレビ系「情報プレゼンター とくダネ!」でニート特集をした際、映っていた人物の顔や発言が特徴的だったため、その人物のアスキーアートが発言付きで作られ、顔や発言が他の物に差し替えられた変造版も含めて、「ニート」という言葉は瞬く間に2ちゃんねる中に定着していった。
2ちゃんねる内の反応
全ての2ちゃんねらーが、メディアなどで恣意的に取り上げられる事を快く思っているわけではない。2ちゃんねるに関心を持ってやって来る新参者が短期間で増える事によって、程度の低い、空気を読めない利用者が増えることが懸念されているからである。西鉄バスジャック事件以降の一時期、新参者が急激に増加した事からそのような声が増え、当初の2ちゃんねると比較すると議論・情報等の質が悪くなったとの指摘がある(もちろんその逆に、幅広い意見が出るようになったとの意見もある。)。これらの事を嘆き「昔の2ちゃんねるの方が面白かった。」等と過去を懐かしむ古参2ちゃんねらーも見受けられる。“新参は書かずに半年ROMってろ(初心者は流れが読めるまでは閲覧にだけ専念せよ、生半可に書き込むな)”と喧伝する者も多いが、実際にそれを実行している初心者は極めて少ない。
また、メディアの行うネットアンケート(あるいは世論調査)に関心が高いが、投票の呼びかけや「田代砲」と呼ばれる多重投票ツールなどで、アンケートへの組織票を投じて当事者を混乱させてしまうことがままある(「田代砲」は、『TIME』誌の「PERSON OF THE YEAR」のウェブサイト上の投票で、田代まさしを1位にするために使われた)。政治的には、「ETV2001」問題に関する毎日新聞のネットアンケートとTBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」テレゴングアンケートの対称的な集計結果に見られるように、右派系に有利にするよう介入するケースが目立つ(もっとも、アンケート主催者側による恣意的な操作があるとの指摘もある)。2003年のオールスターゲームファン投票では、3シーズンにわたって一軍登板のない川崎憲次郎投手(当時中日ドラゴンズ)への投票を大々的に呼びかけ、ついに川崎は先発投手部門の1位となった(オールスター選出は川崎が辞退し、2位の井川慶(同、阪神タイガース)が繰上当選)。翌年からオールスターゲームのネット投票では個人情報の登録が義務づけられた。2004年のライブドア新球団設立の際、公式サイトで球団名を募集したところ2ちゃんねらーの所為と思しき悪ふざけ投稿が横行し、結果的に応募名ランキングベスト100の公開を中止する事態となった(このうち「したらばメンテナンス」は、ライブドアが買収した「したらばJBBS」がメンテナンスを頻繁に行うことを皮肉った名前)。以上のように、一部の2ちゃんねらーの中には、一連の投票行動は投票者達の意図とは異なるが、結果として単なる迷惑行為ではなく、ネットアンケートの問題点を端的に指摘し、改善を促す役割を生じさせていると主張する者がいる。[要出典]
また、犯行予告等の犯罪行為をする人間が後を絶たないため、2ちゃんねるの運営体制に犯罪を誘発させる等といった社会的悪影響があるかどうか、現在でも2ちゃんねる内にある批判要望板などで議論の対象になっている。
他のネット等の反応
積極的に書き込みする者や閲覧のみの者まで含めると、相当数に及ぶとされるだけあって、2ちゃんねる閲覧者と見られる、もしくは自称するサイト管理者は多い。特にテキスト系サイトなどでは、2ちゃんねる用語やその系統の顔文字を多用している所が非常に多く見られる。
他の掲示板などに無意味なアスキーアートなどを(単に妨害や嫌がらせの為に)貼る、ブログなどを炎上させる、2ちゃんねる用語で相手を侮辱するなどの各種迷惑行為を行う人間も存在するため、2ちゃんねるを利用しない他のインターネットユーザーから嫌悪されていることも多い。(→荒らし)。特に、議論が活発になりやすいBBSではハンドルネームを全く入れることなく、あるいは名前入力欄に適当な文字を入力(捨てハン)しての書き込みばかりになり、結果2ch利用者ばかりが集まってしまい、投稿者名がほとんど「匿名希望」であるなどほぼ2ch化してしまっているBBSもある。一部掲示板では、2ちゃんねるで使われている固定ハンドルをNGワードに指定するところもある。
歴史
2ちゃんねるの興りは掲示板「交通違反の揉み消し方」からと言われている。開設趣旨については、スレッドフロート型掲示板群「あめぞう」のサーバ不調をうけて、これを事実上引き継いだというものから、自身が書き込んだギャグで笑いを取れなかったことに嫌気がさした管理人が独自の掲示板を作ろうとした、というものまで諸説がある。「2ちゃんねる」の名は、あめぞうを1チャンネルとして、その次の掲示板であることよりつけられたといわれる。開設日は1999年5月30日とする説が有力。一部メディアで流れた新世紀エヴァンゲリオンの結末を巡るネット上の議論がきっかけで作られたと言うのは全くの嘘である。
また、2ちゃんねるには数多くの板が存在し、それ以上のスレッドが存在する。そして、それ以上の様々な思想や考えを持った人間が集まるため、予想だにできない様々な出来事が起こっている。それは犯罪の助長誘発から、慈善活動まで多岐にわたる。また、それらの事件は大きな物と小さな物を合わせれば膨大な数になる為、全てを把握することは不可能とされている。2ちゃんねるでは大きな出来事があった時に呼応してアクセス数、書き込みが一気に増大する状況(「祭」と呼ばれる)もしばしば起きる。
2004年10月20日には、独身男性板から発展した、ラブストーリー(?)を描いた、「電車男」が発売された。
(詳細は、2ちゃんねるの歴史または2ちゃんねるの歩みを参照)
問題点
訴訟
誹謗中傷や名誉毀損、第三者の個人情報、著作物の無断転載等が書き込まれた際に削除依頼があっても、対応が遅かったり、全く削除がされない場合がある(2ちゃんねる内に設置された個々の掲示板ごとに、十分な数の削除対応者 (削除人) が割り当てられていないことが原因の一端である)。そのため、2ちゃんねるの管理人の西村に対する訴訟があとを絶たない。西村は、弁護士を立てず主張もしないため殆どの裁判で敗訴している。さらに、最近は裁判に出席することさえしていないため[1]その管理責任が問われている。ちなみに、掲示板はプロバイダー責任制限法の特定電気通信役務提供者にあたるため、きちんと削除や、裁判所の発信者情報開示命令に応じれば賠償責任を負うことはない。尚、西村は
- 「僕は沖縄から北海道まで訴えられているので、自腹で日本中を回るか、1件100万円以上払って弁護士をつけるかなんです。でも『(裁判を)やらない』という選択肢をとったら何も起きなかった。これが現状。勝とうが負けようが、払わなければ一緒なんですよ」
- 「もし僕に金を払わせたいなら、国会議員に言って、そういう法律を作ればいい」(共に日刊スポーツより引用[2])
と主張している。
個人情報であるIPの暴露
インターネットでの個人特定となるパソコンのIPアドレスは、解析すれば持ち主が何処に住んでいるのかがわかってしまう代物である。 しかし、ネット上の掲示板や監視ツールなどではこのアドレスが用意に判明してしまう為、一部2ちゃんねる内部などでパソコンのIPアドレスを意図的に配布することが多い。 これらはもはや2ちゃんねる以外でも一般化した手口で、誰もが知る方法であるが、だからこそより強い注意が必要となる。
その意図の多くは、他者のIPアドレスを公表する事で、どこかの掲示板に書き込みがあれば、場違いだなど即座に批判するなど、自警団のような感覚で複数の2ちゃんねらーが監視するなど行われている。以前問題を起こしたユーザー相手に、たとえハンドルネームが代わりIPアドレスが変更しても、そのつど新しい名前とIPアドレスを「被害拡大阻止」という名目で自身のサイトに公表する人物が確実に存在する。パソコンが家族で共有する場合、事情を知らない家族にまで被害が及ぶ可能性も危惧される。無論これは立派な犯罪であり、ストーカー行為に類似する個人情報保護法違反であるが、現在のIPアドレスではプロバイダーと都道府県が判明するだけで、ユーザーの正確な住所や氏名が特定出来ない為、法律でもこれといった処罰の実状は無い。
削除問題
2ちゃんねるには現在、40万近いスレッドが存在するが、内部関係者は「悪質な書き込みを削除するボランティアは実質15人。手が回るはずがない」と言う。ボランティアに立候補する2ちゃんねらーは、これより遥かに多く存在するが、数自体は創設当初から増加していない。西村が「怪しげなほうが面白い人が集まる」という理由で危険性を容認していることが背景にある。[1]
まとめサイト
管理者が2ちゃんねるの書き込みを独断で一部分だけを抜粋しただけのいわゆるまとめサイトは、その多くがアフィリエイト目的で作成されており、2006年6月にはアフィリエイト目的のまとめサイトが妬みによる集団攻撃を受け、管理者の住宅や写真が公開される事があった。
訴訟を起こすことが出来ない問題
被害の多くをしめるのは、ファンサイトなど実名で活動しないユーザーに対しての一方的な批判が拡大の一途を遂げている。これらは被害を受けている当人は、サイト・ブログの性質が友人同士のニックネームでの呼び合いの延長と、個人情報保護法などの関係による実名・現住所非公開の為どこの誰だかわからない事を逆手に取り、個人の人権やプライパシーを意図的に事実とはありえない批判を繰り返す事で、正統な理由と実状を無視した虚無の人物像が作られ、被害者の知らない所でまったくの第三者から唐突に誹謗されるというケースである。大多数はネタと称される事情を不条理に批判され被害を受ける。そのネタには、ユーザー同士の個人的問題から自身のブログでの引用など幅広い。
実名ではないため、被害者はネット上で中傷されるが実生活では被害が及ぶ事はないが、無記名のメール投稿など被害者のネット閲覧時に精神的苦痛を与えている。
しかし、被害にあった人々の大半は個人情報保護法が設立した現在でも、ニュースなど大々的に取り上げられる事はなく、泣き寝入りの状態に陥っているのが実体である。
それらの多くの理由が
- サイト傾向が同人及び芸能人の非公式ファンサイトというあいまいな立場であるため、訴訟問題を起こした場合、逆に裁判所から二次制作に関する違反により、訴えた被害者が逆に裁判所から訴えられる可能性がある。
- これら非公式のサイトを立ち上げるユーザーの年齢が低い場合もあり、裁判を起こすだけの金銭の工面が容易でなく、無関係な第三者(保護者など)への影響を考えた結果、被害を受けても告訴が出来ない。
- 裁判により自身の個人情報(容姿・性別含む)が公表され、裁判中及び終了後に別の2ちゃんねらーから新たな被害を受ける可能性がある。
という点がある。
告訴が為されないことから、のまネコ問題のように大々的にメディアで取り上げられる事は少ない。また、匿名の誹謗中傷を受け続けた被害者が、苦痛に耐え兼ねてファンサイト等を閉鎖したという事例がある。加害者の目的が、自らの誹謗中傷によって対象の人物が苦悩すること、そしてその様子を窺い満足感を得る点にあることから、誹謗するネタが尽きた場合は飽きるまで新たな誹謗のネタを探す傾向にある。このため被害は拡大していく場合が多く、その広がりようはネット上を通じ地域を問わない。
但し、これらは2ちゃんねるに限ったことではなく、ネット社会に共通する問題であると言える。
2ちゃんねるのセキュリティ
アクセス数の多い2ちゃんねるは、セキュリティホールにまつわる事件も多く、時としてゼロデイアタックの実験場としても使われることがある。その攻撃は攻撃プログラムへのハイパーリンクを置く事から、クロスサイトスクリプティングを利用して記事自体に攻撃スクリプトを仕込むなど多様である。2ちゃんねるは利用者数が多いため、相対的にコンピュータ・リテラシーに乏しいユーザー数も多く、このため2ちゃんねる自身への大規模DoS攻撃や、全く関係ないサイトへの大規模攻撃も発生している。大量のアクセスがあるにもかかわらずサーバー管理者の人手が足りないなど、攻撃実験には格好のサイトである為、今後も2ちゃんねるがセキュリティホールによる被害拡大の原因となる可能性は低くなる事は無いと考えられている。
その他
- 他者への言論封殺や誹謗中傷を繰り返す2ちゃんねるに対し、多数の批判がある。例えば2006年10月8日にNHKが「ある日突然ねらわれる~急増する“インターネット中傷」の番組内で2ちゃんねるを批判した。番組によると、インターネットによる名誉毀損等の相談件数は平成12年1884件だったものが、平成15年には2619件に増加している。Web110番代表吉川誠司は「削除に応じもせず、また削除を行っても逆に中傷がエスカレートするケースがある。」と語っている。OhmyNewsの鳥越編集長は「2ちゃんねるは人間の負の部分のはけ口だから、ゴミためとしてあっても仕方ない。」(一部私怨も混じっているが)と言っている。
- livedoor取材班は、2ちゃんねるの問題点として「匿名掲示板での誹謗中傷。または討論とは言えない一方的な罵倒行為。「荒らし行為」「ブログ炎上」を起こす行為。を挙げている。[2]。
- 2ちゃんねるは18歳未満禁止のアダルトサイトではないが、全ての掲示板でアダルトサイトの広告を掲載している。当然、これらは18歳未満の子供の目に入ってしまう。
- 毎日のように問題を重ねる2ちゃんねるに対しジャーナリストの井上トシユキは「2ちゃんねるはかつてニュースの発信地だったが、今は悪ふざけの温床でしかない。西村氏自身、前から『いつやめてもいい』と話しており、すでに手に余している気がする。もう役割を果たしたのではないか」と語っている。[3]
- また2ちゃんねる批判を繰り返す人物、メディアも巨大な掲示板であるためどこの部分を批判すればいいのかわからなくっているのも事実である。
2ちゃんねらーの問題行動
詳細は2ちゃんねらーを参照。
参考文献
- ↑ 2ちゃんねるの「ひろゆき」失踪…掲示板閉鎖も。ZAKZAK、2006年9月22日。
- ↑ 2ちゃんねる管理人、巨額賠償に独自見解。日刊スポーツ、2006年11月5日。
関連項目
- 2ちゃんねるの板の一覧
- PINKちゃんねる
- まちBBS
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関連著作
- 2典 ~2ちゃんねる辞典~ (ブッキング社 02/05) ISBN 4835440331
- 2ちゃんねる公式ガイド2004 (コアマガジン社 03/12) ISBN 4877346740
- 声に出して読めないネット掲示板 (荷宮和子 中央公論新社 03/12) ISBN 4121501144
- 2ちゃんねる宣言―挑発するメディア (井上トシユキ 株式会社文藝春秋 2001/12/07) ISBN 4167656868
- 2ちゃんねる中毒 (ハッカージャパン 白夜書房 2002/07/03) ISBN 4893677810
- 思い出に残る食事 (西村博之 バジリコ 2003/08/08) ISBN 4901784226
- 2ちゃんねるVOW―逝ってよし! (宝島社 2003/07) ISBN 4796634819
- 激しく同意!!―2ちゃんねるVOW (5) (宝島社 2004/07/02) ISBN 4796642013
- 仕事に使える2ちゃんねる―誰も教えてくれなかった読み方・探し方 (中井紀之 インプレス 2004/09) ISBN 4844320297
- 電車男 (中野独人 新潮社 2004/10/22) ISBN 4104715018
- 元祖しゃちょう日記 (ひろゆき 講談社 2004/10) ISBN 406212646X
- 3歳シリーズきちゅび (G-STYLE 司書房 2004/11) ISBN 4812811333
- 泣ける2ちゃんねる (コアマガジン社 2004/02) ISBN 4877346759
- 泣ける2ちゃんねる (2) (コアマガジン社 2005/03) ISBN 4877348166
- 痴漢男 (板野住人 双葉社 2005/04) ISBN 457529795X
外部リンク
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